元柱で現上弦な鬼殺隊士のお話   作:揚げ物・鉄火

7 / 11
鬼滅の映画を観に行きました。久しぶりに泣いてスマホも壊れて別の意味で泣きました。
今回は、日輪刀を手に入れてちょっとだけ戦闘します。

では、どうぞ。ごゆっくり!


第七話

「ふぃ~、やっと着いた…」

「お疲れ様です」

藤の花の家紋の家で三日間待機していた輪廻(上弦の弐)(鬼殺隊士)と継国 縁壱(公式チート)(幽霊)の下に刀鍛冶の里の鍛冶職人がやって来た。

 

「えーと、あなたが輪廻って人であってますか?」

「はい、合ってますよ」

「それは良かった。では自己紹介させて頂きます」

狐の面を被った輪廻の言葉に頷いた火男の面を被った刀鍛冶の里の鍛冶職人が一度、頭を下げてから自己紹介を始めた。

 

「私は、金剛坂(こんごうざか) 哲雄(てつお)と申す者です。この度は輪廻さんの日輪刀を打たせて貰いました。これからも貴女様の日輪刀を打たせて頂きますのでどうぞよろしくお願い致します」

「いえ、こちらこそよろしくお願いします」

狐の面を被った女性鬼殺隊士(34歳.未婚)と火男の面を被った刀鍛冶職人(28歳.既婚者)がお互いに腰を低くして話すという何気にシュールな光景が続く中、日輪刀についての説明が終わり日輪刀を持って来た金剛坂さんが輪廻に日輪刀を手渡す時にちょっとした問題が起きた。

 

「では、こちらが日輪刀でございます。誠心誠意打たせて頂きました」

「感謝申し上げます…ですが、一つだけお尋ねしても宜しいでしょうか?」

「何でしょう?」

「なぜ私の日輪刀が二振り(・・・)もあるのです?私は別に二刀流の剣士と言う訳ではありませんよ?まぁ、扱えなくは無いですが…」

何故か輪廻の日輪刀が二本あったのだ。

それを疑問に思った輪廻は、素の状態で質問した。

 

そもそも全集中の呼吸は、例外を除けば基本的に日輪刀一本で事足りるのだ。

稀に予備の武器として小刀サイズの日輪刀を持つ鬼殺隊士もいるがそれは本当に極稀である。

それよりも薙刀のような形状をした日輪刀や鎖鎌、斧と鉄球を扱う者や帯のように薄い日輪刀を扱う者が多いぐらいだ。

かく言う輪廻も柱時代に何回か日輪刀を折る事はあったが刀一本で鬼の頸をを斬りまくっていた(童磨戦で使用した日輪刀は、28代目)。

なのにどうして日輪刀が二本もあるのか?それも両方が同じ大きさの太刀と呼ばれる普通の日輪刀かを理解出来なかった。

 

『輪よ。お前に一つ面白い事を教えてやろう。いいか?天の呼吸の最後の型。つまり15個目の型はな…27代目継承者が日輪刀を二本持った状態で生み出したんだ。つまり『天の呼吸 終の型 高天原』は、二刀流で初めて完成する型って訳だ』

『なるほど…理解しました。ですがお爺様なぜ今になってそれを私に?』

『なぜって…そりゃお前ぇ。お前が天の呼吸の35代目継承者候補だからよぅ。俺が死ぬ前に話して置こうと思ったって訳よ。分かるか?』

『まぁ、分かりますが…それよりも寝ていいですか?明日は、連と一緒にお団子を食べに行く予定なので』

『おう。んじゃおやすみ!よく寝ろよ』

 

(なるほど…思い出しました)

『………?』

過去の記憶を思い出した輪廻は色々と納得したが輪廻の横でぷかぷか浮かんでいる縁壱は僅かに首を傾げた。

 

「二本も不要でしたか…ならば一本持ち帰らせて頂きますが?」

「いえ、これで結構です。ありがとうございます」

金剛坂が刀を一本持ち帰ろうとしたが輪廻が慌てて止めた。

 

「そうですか…では、早速その日輪刀を抜いてみて下さい。貴女の扱う呼吸に合わせて日輪刀の刀身の色が変わりますので」

「わかりました。では…」

金剛坂の言葉に頷いた輪廻は早速、鞘から日輪刀を抜いた。

 

「おお…!」

「これは何とも珍しい…」

『白と黒の日輪刀か…』

日輪刀の鍔から刀身全体が黒く染まったかと思えば日輪刀の刀身が白く染まっていき白と黒が入り混じったような斑模様になった。

 

「ふ~む、白と黒の斑模様か…今まで何本もの日輪刀を見て来たが歴代の柱達ですらこんな模様をして無かったな。何の呼吸なんだ?」

「それは聞かないで下さい。それよりも金剛坂さん、本日は、ありがとうございました。お礼と言っては何ですが…こちら、浅草で買って来たカステラです。お土産にでもどうぞ」

話を逸らすため予め用意しておいたカステラを手渡した輪廻は、さっさと金剛坂を帰らせた。

 

「ありがとうございます。では、またいずれ」

「はい、またいずれ」

最後まで両者が腰を低くした状態で会話した。

 

「カァーカァー!輪廻、任務ダ!!北東ノ山ニ鬼ノ目撃情報ガアッタ!スグニ向カエ!ホラ、ハヤク!ハリーハリー!!」

「わ、分かったから突かないでよ!」

輪廻の頭に乗っかり頭を突きながら急かす鎹鴉の言葉に輪廻は、大慌てで準備した。

準備を全て済ませた輪廻は、藤の家の人達に礼を言ってから任務に出掛けた。

 

 

 

「一応着いたけど…鬼なんて何処にもいないなぁ…」

北西の山に着いた輪廻は、常時発動している透き通る世界を行使して鬼を探すが一向に鬼が見当たらない。

「カァーカァー!!ココダ!サッサト鬼ヲ倒シテ次ノ現場ニ向カエ!」

「分かってるけど、いないじゃない!」

「ナラ探セ!何処カニ居ルハズダ!」

むちゃぶりをしながら頭を突く鴉の言葉に輪廻は山中を走り回る。

 

「全然いない…本当にここにいるの?」

「カァーカァー!モット良ク探セ!何処カニ居ルハズダ!」

「ホント無茶ばっかり!焼き鳥にしますよ!!」

「ウルサイ!黙レ!!黙ッテ鬼ヲ探セ!サッサト見ツケテ次ノ現場ニ迎エ!」

「だから見つからないって言ってるでしょ!この馬鹿鴉!いいから少しくらい黙ってなさいよ!」

高速で走り回るチートスペックの上弦の弐とそれに合わせて飛ぶ鎹鴉が喧嘩するシュールな光景が続く中、妙に開けた場所に出て遂にお目当ての鬼が見つかった。

 

「見つけたわよ!このクソ鬼!!」

「居タゾ!目撃情報ニアッタ鬼ダ!」

「てめぇのその格好は…鬼狩「イヤァァァアアアアアアアアアア!!!!虫ぃぃぃぃいいいいいいいいい!!」…はぁ?」

だが見つけた鬼の姿は、何処からどう見ても多足亜門・ムカデ目に分類される百足(ムカデ)と呼ばれる節足動物と瓜二つだった。

ただ普通の百足と違う点と言えばその大きさと体の先端の人間の顔が付いていた。恐らくそこが人語を発する事が出来る部分だろう。

そのサイズは、現代で言う三階建ての住宅にも匹敵するほどの巨体だった。

 

「嫌ぁ!イヤ!イヤイヤイヤイヤ!!臓物をばら撒く奴とか他の鬼や鬼殺隊員の生首を首飾りにしている()とか基本何でも大丈夫だけど!虫だけは!本当に!無理なのよ!!」

「カァー!我慢シロ!サッサト倒シテ次ノ現場ニ向カエ!!」

「うっさい!無茶言うな馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!」

「お前ら…さっきから何喧嘩してんだ?いい加減に俺を見ろ!!」

鎹鴉と喧嘩する鬼殺隊士(輪廻)を見てプライドを刺激された大ムカデ鬼は、その巨体を捻りながら輪廻に突撃した。

 

「こっち…来んな!!!」

「天の呼吸 捌の型 武御雷(タケミカヅチ)!!」

一方の輪廻は、鬼としての筋力と全集中の呼吸・常中によって得た爆発的な筋力で日輪刀を両手で全力で握り締め赫刀に変化させて鬼の頭に叩き付けた。

 

「がっ…!?あがっ!い、痛ぇっ…!!」

「帰れー!!消えろ!死ねカス!この虫けら!クソ妖怪!!無駄にデカい鬼!ゴミ虫!死ね死ね死ね!!死ねー!!!」

ムカデ鬼の頭蓋に当たる場所を一発で叩き割ってから鬼の頭を何度も何度も全力で踏み潰した。

 

「はぁはぁ…や、やったか!?」

「クソ…が…!このクソが!ぶっ殺してやる!!」

「こっち来んな!小次郎さん!離れて!」

頭部を再生させながら再度突進してくる大百足鬼に対して担当鴉である小次郎を逃がしてから日輪刀で上段突きの構えを取る。

 

「くたばれクソアマ!!」

「天の呼吸 漆の型 毘沙門天!!」

突進する大百足鬼の脳天に神速で日輪刀を突き刺し数メートル後方に押されながらも突進を止める事に成功する。

そのまま日輪刀の刃の向きを下から上に向けて斬り上げてから腰に帯刀しているもう一本の日輪刀を逆手に持ち透き通る世界で確認した頸に当たる節の部分に日輪刀を滑り込ませ一呼吸の内に斬り飛ばした。

 

「嘘…だ!あり得ない…あのお方に下弦の肆の位を与えられたこの俺が…!イヤだ!イヤだ!!」

「諦めなさい…ちゃんと看取ってあげるから安心して逝きなさい。…クソ虫め

崩れゆく鬼を横目に見ながら日輪刀を振って付着した鬼の血を飛ばし両刀を鞘に納める。

「あぁ、母さん…お母さん。寒いよぅ、手ぇ握ってよ…!」

「分かったわ…」

少しずつ崩れながら死にゆく百足鬼の言葉に輪廻は、そっと()を握った。

 

「あぁ、温かい。ありがとう…母さん」

「………うん」

百足鬼が完全に崩れたのを確認してからすぐ横に立っている縁壱(幽霊)を見ながら口を開く。

「ねぇ、縁壱さん」

『どうした?』

「私…結婚した事も子供を産んだ事も妊娠すらした事も無いのにお母さん(・・・・)って呼ばれました。どう思いますか?」

『………』

「何か言って下さいよ!小次郎さん!あなたはど思いますか!」

「少シ休ンデカラ次ノ現場ニ向カエ…何ナラ浅草デカ茶菓子デモ買ッテ行クカ?」

「慰めはいらん…」グス…

一人(故人)と一匹(鴉)に話をはぐらかされた輪廻(鬼)は、仮面の中でひっそりと泣いた。

 

「次の現場は何処ですか?」

「南方ノ村ダ…ソコデ動物型ノ鬼ガ目撃サレタ。サッサト行クゾ!」

「分かりました」グスッ…

輪廻は半泣きの状態で次の任務に向かった。

 

 

 

~同時刻~

無限城にて

 

鬼の首魁であり全ての鬼の始祖でもある鬼無辻 無惨が洋物の服を着て帽子を深くか被った状態で無限城を歩いていた。

「黒死牟…出て来い」

ベンッ!

「はっ、こちらに…」

鬼無辻の言葉に反応するかのように琵琶の音が鳴り響き空中で障子が開き、中から着物姿の異形の鬼、黒死牟が現れた。

 

「無惨様…いかがなさいましたか?」

「………」

「無惨様…?」

質問しても黙ったままの無惨に違和感を覚えた黒死牟は再度質問するが相変わらず反応が無い。

 

「あ、あの…無惨様?」

「黒死牟…」

「はっ!」

やっと反応した無惨に対し黒死牟は、少し驚きながら答えた。

 

「輪廻を生み出してから早二年…あいつの思考を読めず位置も分からず呪いも発動しなかった」

「…」

無惨が完全に疲れ切ったように説明を始めた黒死牟は黙って聞いた。

 

「あいつを野に放ってから下弦の肆が殺され…猗堝座も倒された。そしてほんの数分前に新しく作った下弦の肆がまた殺された…」

「…」

「如何やらあいつは…鬼狩り共の味方をしているらしい」

「無惨様…」

輪廻についての説明を受けた黒死牟は、怒りが込み上げて来た。

 

それもそうだろう。

弟を超える強さを得るため400年前、鬼に成りその長い年月をひたすら鍛錬を続け上弦の壱に相応しい強さを得た黒死牟に近い実力を誇る上弦の弐である輪廻。

童磨が倒されたと聞いた時は、童磨の弱さに対して落胆し童磨や半天狗を倒した鬼狩りの柱の強さに対する純粋な興味と新たな好敵手に出会えた喜びがあった。

更に己の主から童磨と半天狗を倒した鬼狩りの柱を鬼にして童磨の後釜にしたと聞いた時は、心の中で百数年ぶりに狂喜乱舞した。

久しぶりに自分と戦える強さを得た鬼が現れた。その鬼を鍛えて自分に入れ替わりの決戦を申し込めるまで強くしようとも思った。何なら猗堝座の相談相手にでも成ってくれれば上々と考えていた。

だが結果は如何か。自分と上弦の壱としての座を争うに相応しい力を得た輪廻と呼ばれる鬼は、あろうことか敵勢力の鬼殺隊に加わり猗堝座と新たに作られたらしい下弦の肆を倒した。

これは完全に謀反と捕らえても良いだろう出来事だ。

黒死牟のように主へ忠誠を誓う武人気質の鬼にとっては許し難い行為である。

 

「黒死牟…」

だからこそ主の次の言葉に力強く答えた。

「輪廻を殺せ!」

「はっ!お任せ下さい!!」

六つの目に怒りの炎を燃やしながら黒死牟は、歩き出した。

 

 

 

 

「因みに何処に向かえばよろしいのですか?」

「…那田蜘蛛山へでも向かえ、累には私から連絡しておく」

「かしこまりました」

ベンッ!

最後に琵琶の音が鳴り響き、黒死牟が無限城から姿を消したのを確認した無惨は、初めて帽子を脱いだ。

 

「ふぅ、輪廻め…今度会ったら地獄を見せてやる!」

帽子を脱いだ無惨の頭は、見るも無残な事に成っていた。

髪の毛の約七割強が抜け落ちた原因が輪廻にあると考えた無惨は、今にも爆発しそうな怒りを何とか抑えようとしていた。




輪廻こと輪さんに関する新情報.

年齢.
柱就任時.15歳
  ↓
童磨戦時.32歳
  ↓
現在.34歳

今だに未婚女性

天の呼吸の35代目継承者

二刀流もイケる

苦手な物.虫


天の呼吸に関する新情報.

終の型は二刀流の剣士が生み出した


次回予告風茶番.
やめて!輪廻と一緒にいる幽霊縁壱さんを黒死牟が透き通る世界で目撃してしまったら、鬼の呪いで黒死牟と視界が繋がってる無惨様の毛根まで抜け尽きちゃう!

お願い、死なないでわかめ(毛根)!あんた達が今ここで抜けたら、無惨様の威厳やプライドとかどうなっちゃうの? 毛根はまだ残ってる。ここを耐えれば、運命に勝てるんだから!

次回、「無惨様禿げる!」。ざまぁ見ろ!www

では、また次回!

輪廻が天柱だった頃の過去編(?)みたいな話を読みたいですか?

  • 見てみたい
  • 別にいらない
  • どっちでも
  • 時間があればで良いよ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。