アラガミ転生 猿神が征く   作:凍河の氷

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第十話 戦闘 対第一部隊

ブレード系の神機がワタシの右側から振り下ろされて、その後方からはサクヤさんとコウタがこちらに向けて第一射を同時に放つ、ソーマは後方のカバーなのかその場から動かない。ここでワタシが取るべき行動は……

 

左腕一本で全身を支えて三つの攻撃を同時に避ける!そのまま軸腕を回転させて短い後ろ脚で主人公に回し蹴りをプレゼント!

 

「なっ!」 

 

「え!なんだあの動き!」

 

「……チッ!」

 

「慌てないで!相手は一匹、少しづつ追い詰めるのよ!」

 

ガードが間に合わなかった主人公は蹴っ飛ばしてそのまま教会行きの横穴の方へ、目を大きく開けて驚愕するコウタ、即座にカバーに動き出したソーマにコウタを宥める様に第二射を放つサクヤさん。

 

ベテランはやはり面倒だ。初めての見るであろう奇怪な動きで翻弄しようにも落ち着いて対処してくる……正直、早い所追い詰めないと喰われる。

 

(どうもワタシ事、コンゴウです!早速戦闘が開始されて初回は凌ぎましたが!さーて、次はどう動く!)

 

ソーマの一撃とサクヤさんからの追撃を身体を小さくしてバックステップで避ける、地味に肌やパイプの一部が削れてるが気にしない、無傷で勝てるだなんて思わないよ!なので切れる手札はさっさと切る!

 

ババババババ!

 

「何!」

 

「いった!」

 

「ッ!」

 

左腕のキャノンを連射モードで三人にひたすらばら撒く、ヴェノムはもちろんリークも混ぜてひたすら撃ちまくる。空気と細胞の補充はパイプで補うので弾切れはまだまだ先だ。

 

ソーマは装甲の展開が間に合って防いでいるが、連続でガードすると衝撃の反動でどんどん後ろに下がっていく、後方の二人は……コウタには直撃弾が二発、サクヤさんは腕を掠めた程度だけどワタシのはたっぷり込めてみたから掠り傷でも十分な筈!

 

「うっぐ……」

 

「コウタ、ちょっとしっかりして!」

 

ガシャリと神機すら手放して地面に倒れるコウタ、すぐにサクヤさんが駆け寄るを確認しつつソーマからの追撃を左腕で受け止めてみる。

 

「硬ぇな。」

 

(う、あぁぁ。細胞が剥がれて感じが凄いな。……でも思った以上に耐えれてるからムービーみたいな瞬殺コースは無くなったかな……んで、後ろから来てるのはバレバレだよ!)

 

「ハァァァ!」

 

連射モードで撃っている時に復活してた主人公は上段切りでワタシの背中を狙ってきているが、次の回避方法は……これが多分一番だ!

 

「ぐお……」

 

「避け!?ソーマ!」

 

腕に食い込んでるイーブルワン目掛けて自身の身体を回転させて、神機に重心にして刃先までワタシは上がったのだ。つまり、今ワタシの体重を全部ソーマの神機に直接押し付けている。ソーマが両腕だけでワタシと神機の重量を支えてるのだ。あ、ソーマの足元が凹んだ。

 

主人公の攻撃を尻尾がちょっと切られた位で済ませたけど腕が深く食い込んですごく痛いので、神機から腕を引き抜いてソーマを後ろ足で蹴り付けながら後方へジャンプして空中に逃げる。

 

「この、当たれ!」

 

アサルトに可変させて、連射弾だろうか?それをコウタ以上サクヤさん未満の精度で撃ってくる。ダメージを抑えてこの場を気に抜けるには……ちょっと早いかもしれないけど仕方ない。

 

バシュン!

 

「空中で!?コウタ、サクヤさん!そっちにコンゴウが!」

 

溜めていた空気を放出した反動で、急激にベクトルを変えて移動したのだ。これも予想外だったのか驚いてばかりの主人公だが、ワタシの移動先に居る二人に声を掛けて危機の到来を知らせる。

 

(空気は使い切ったけど補充には左腕でも吸引すればちょっとは時間を短縮できる。まずは後方を戦闘不能しないと!)

 

「コウタ、立って!このッ……」

 

何とかコウタを立たせようとするが完全にグロッキーになってる、一度こちらに迎撃に出たサクヤさんだが初弾と比べると威力が下がっているのかワタシの右腕に当たってもちょっと焼け焦げた痣が出来た位ですんだ。

 

「あの攻撃、やっぱりリークも混ざってるの!」

 

(正解!見事当てたサクヤさんとオマケでコウタ君にはこの破片をプレゼントでございまーす!)

 

着地に合わせてサクヤさんの1m程手前にダブルスレッジハンマーを地面に向けて叩き落す。砕いた地面を残っている空気で吹っ飛ばして気絶程度になる様に攻撃をしてみる。

 

破片は神機でガードされてしまったが、とりあえずコウタは破片を浴びても反応が薄いのでこれでサクヤさんも満足に動けないしだろうし、リークでドンドンオラクルポイントも減ってるはずだ。一応後方は崩したから、音はずっと拾ってるのよ!

 

「……いい加減にッ!」

 

助走をつけての振り下ろされるイーブルワンを左腕を使って何とか滑らせる様に受け流して、地面に刺さった瞬間に刀身の腹部分を右腕でぶん殴ってソーマのバランスを一時的に崩す。

 

(大丈夫!痛いのはそうだけど腕もボルグ・カムランと戦ったの時に貫通した時ほどじゃないし、内部のキャノンも問題なく撃てる!この距離で防いで見せてよ!)

 

バックステップで距離を取って左手の平から再びヴェノム弾をバラ撒いてソーマにガードを強制させるが、ソーマは被弾し続けてもワタシの弾に臆せず突っ込んでる。更に廃屋の上から飛んだ主人公もブレードをワタシに向けて落下して来た。

 

(嘘でしょ!)

 

初めて不意を突かれた、避けようにも廃屋があって下がれないし上も取られた!無傷は無理だからこその生き残るための死中の活は……

 

(これだー!)

 

三度目になる、左腕を盾にしてソーマに真正面から突っ込む!

 

主人公の落下奇襲を尻尾も先っぽを犠牲にして、迫るバスターブレードを腕の肉と内部のランスで二重で受け止める!そして拮抗によって僅かな出来た時間で右フックをソーマにぶち込む!

 

「ソーマ!くそ!」

 

ソーマはそのまま地面を砂埃を巻き上げながら滑って行き、廃ビルの根本に当たってようやく止まった。そしてこれ以上動かれても困るので、ワタシの左手の平は再び主人公に向けて弾をバラ撒く事にした。

 

避けたら余計に当たると判断したのかバックラーを展開してガードをする主人公。だけど、装甲に当たる回数が少ないけれどバックラーで軽減出来るダメージは少しだけだしスタミナ切れも狙っていこうかー!

 

「ユウ君!これ以上は無茶だわ!一度引きましょう!ソーマも聞こえたでしょう、ここは……」

 

「……分かった。」

 

ちょっと長めに撃っていたら、コウタを支えながらサクヤさんが主人公……いや、神薙ユウとまだまだ元気そうに立ち上がったソーマに撤退の指示を出した。ありがたい、そろそろワタシも出してないカードで戦うのは辛くなってきた。てか、その状態でも撃ってくるとか勘弁してください!痛い痛い!

 

「ッ!?分かり、ました!スタグレ行きます!」

 

ユウがポーチから取り出したスタングレネードを足元に叩きつけるとパァン!っとこのエリア一体に大きく弾ける様な爆音と目に射す閃光が包み込む。ワタシは敢えてそのままの状態で食らってみたが……

 

(ギャー!思ってた以上に音が大きいし閃光も凄い!今の内に体験出来て本当によかったー!)

 

ワタシは顔面を両手で覆って身を縮める。大体5秒程経過して薄っすらとしか今は見えない視界を開ける……その先にはコウタを両側から支えるながら走るサクヤさんとユウ、こちらを殺せる位に鋭い視線で睨みながら三人の後を追うソーマ。

 

そのまま四人はスタート地点であるポイントAの方向へ行くのを確認したワタシは、ポイントHのクレーターの方に降りてワタシが最初に目覚めたポイントNの奥地へとヘリコプターにアラガミ、そして偵察班に注意しながらその場を後にした。

 

 

 

あれからスタングレネードの効果でワタシの聴覚で音が聞こえる様になるまでに1分もかかってしまった。だが、これで意図的にシャットアウトも出来る。わざと食らったのは理由はそれだ。

 

ワタシはこの戦闘で勝ったとは思っていない。偶発的だったし、手札の切り方も戦略もまだまだ見直す部分が多く見つかった。ただここで極東の第一部隊と戦えたのは大きな経験になると思っている。

 

(とりあえず、ゲーム内での戦闘とムービーであった戦闘の中間って感じかな?一回でお終いじゃないなら、まだ希望はある……問題はこれから来るであろうリンドウさんとこれからドンドン強くなっていく彼らをどうするかなんだよなー。)

 

無茶をさせすぎた左腕を労わりながら、コンクリートや廃材用品等を口に放り込みつつ思考する。次にゴッドイーター達とぶつかるまでにも更に強くならねばと。

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