あるGEはこう言った。
「見覚えのないアラガミがアラガミを喰ってた。」っと。
彼はある任務を終えて、帰路へと着いたヘリコプターの中でそれの姿を見たという、姿はヴァジュラ神族に近い体格であったが齟齬が幾つかあり、ヴァジュラ神族辺りが新たに進化した新種だと思われていた。
これに興味を持ったペイラー・榊は調査を依頼しそのヴァジュラ神族らしき新種の捜索を開始した。
その後対象を嘆きの平原付近で発見報告があり、その後偵察班が対象と対峙した……が相手はヴァジュラ神族ではある様だが、どうにもそうではない可能性が浮上した。
体格の大部分の形状は確かにヴァジュラ神族に見られる様な虎に似た体格と体色ではあったのだが……齟齬点を並べるとこうだ。
まずはマント部分に当たる部分がコンゴウ種のパイプ器官の様な物に差し替わっており、大きさも体格に準ずる様に巨大化していた。無論、そこから放たれるのはヴァジュラが放つ雷弾ではなくコンゴウが放つ空気弾であった。
次の部分は、尻尾がまるで蛇の様な形状に変化。ヴァジュラに比べると太さは変わらずに2倍程の長さとなり先端にある頭部状の部位からはヴェノム弾を吐き出したと言う報告もある。
次に両足部分はまず、後ろ足がシユウ種の様な岩石状に変わっており前足部分は信じられない事に一時期騒がれていた例のコンゴウの前腕に酷似した腕になっており、歩行方法までコンゴウ神族の様なナックルウォーキングで移動していた。因みに以前の報告にあった通りに手の平から発射口である荒砲体も確認された。
そして最後の部分だがヴァジュラの頭部である虎の顔の部分が、旧世代の資料にある猿の様な毛深い顔に刺し変わっていたのだ。
能力に関して言えば落雷も操れる様であるが、主に使うのは突風による吹き飛ばしで距離を取り背中のパイプや尻尾から放たれるヴェノムやリークによる状態異常攻撃が主であり、接近を拒む傾向や行動をする。
又、こちらの攻撃に過敏なまでに反応し近距離型にはヴェノムを、遠距離型にはリークを優先して当ててくる傾向も確認された。
「……以上が、偵察班が持って帰ってくれた情報を元に纏めた結果だ。私としてもこのアラガミが君達第一部隊と戦闘を行った個体だと思っている。何か質問はあるかね?」
「……あの、そんな脅威何ですか?このアラガミって?」
榊博士の言葉に、口を閉じる第一部隊面々だったがまだ例のコンゴウとの交戦経験の無いロシア支部から新しく来たアリサ・イリーニチナ・アミエーラは顔を顰めながら言い切った。
「君の疑問も最もだ。だが、このアラガミは従来のどのアラガミよりも賢いのだ。それが進化したとなれば相応の対応を取らざる得なくてね。我々極東支部の思い過ごしなら……それはそれでいいのだがね。」
はぁ、と納得したのか呆れているのか含みのある返答をするアリサ。だが、実際に例のコンゴウに関してはデータだけではない実際に対峙しない事には分からない事もある為、他の面々は口を噤む事にし話を先に進める事にした。
「それで、俺らが呼ばれた理由は近い内にコイツのコアを取ってこいって事かい?榊のおっさん。」
「うむ、私としてもこの短期間にこれ程までに変化を遂げたこのアラガミには興味が尽きない。是非ともこのアラガミを打倒しコアを手に入れておきたいのだ。既に捜索には第三部隊も動かしている。目撃情報と場所の特定が済み次第、第一部隊の皆には動いてもらう予定だ。」
「うっし、リベンジの機会がやってきたぜ!んで、博士。コイツはもうあのコンゴウじゃないから、これからは何て言えばいいんだ?」
コウタの発言にアリサ以外が頷く、流石にここまで進化して変化してしまったのであればもはや、コンゴウでも似ているヴァジュラでもないそれ固有の名称が付くはずだ。
「うむ、このコンゴウ変異種をこの極東での過去の伝承に似た特徴を持った怪異に因んで『
この言葉を最後に第一部隊の面々は榊博士の研究室から立ち退き、一人になったタイミングで再び例の報告書を見直しながら例のコンゴウに対して思考する。
最後にコンゴウとして遭遇したリンドウの極秘報告が確かならば、コンゴウは戦闘を何らかと終えたを直後に会敵し素早くコンゴウ側が撤退を選択し、そのまま湖に落ちたとされる……そしてリンドウは勘と言ってたはいたが恐らくコンゴウが戦っていたのはヴァジュラではないかと考察していた。
「リンドウ君の読み通りだった訳だが、しかし大型を喰らうと進化する可能性のあるアラガミ……ヌエ自身も大型に分類されるサイズになってしまったのは不味いかも知れない。せめて、対策が取れる何らかがあれば。忙しくなるぞこれから。」
どーも、ワタシ事コンゴウ改めてヌエ……っと呼称されたようです。
今ようやく第三部隊の面々から逃げ切った所です。場所はあれから変わらずに嘆きの平原です。さっきはダブルで嘆きの平原でしたが。……何かが怖いのでこの話はここでおしまいとします。
しかし、リンドウさんから逃げる為に左腕を噛み千切ってそのまま湖に突っ込んだ所で意識が消えてて、気が付いたらコンゴウを貪ってる真っ最中でしたよえぇ。まさか寝ていたら勝手に進化していてしかもお食事中とは、実際お腹がペコペコだったので本能にちょっと感謝だけど、怖いよ!勝手に動いて勝手に戦って勝手に食べてたんだから!
(とりあえず、この数日間で進化したワタシについては色々分かった……特にこの尻尾ちゃんが嬉しい。後ろにも視界があるから背後からの奇襲封じにもなるし、何よりこっちには熱で判別出来るっぽいのが凄い。)
攻撃方法に関しては今まで通り、手の平からランスとキャノンもパイプからの空気弾も問題なく使えて。全ての部位が大きくなった為に空気弾も大型化、キャノンもバラ撒きが以前のバランス型サイズで撃てたり、バランス型がパワー型と順序良く大型化。パワー型も凄いことになりそうだ。ランスの方はまだ大して変わっていなかったので、またボルグ・カムランでも食べれば強化されるかも知れない。
体格に関してはヴァジュラサイズになったコンゴウと言う感じだ。ヴァジュラから違うとする点は先に上げた尻尾に前足に後ろ足と顔面と言った所だ。因みにカラーリングだがボディと尻尾はヴァジュラと変わらず虎柄で、前腕はハガンコンゴウの色を黒くした漆黒の様な色に。
後ろ足は丸々シユウ種の物をヴァジュラサイズにして取り付けた様な感じだ。因みに少しの間ではあるが二足歩行で行動出来る位に頑丈になっていた。おかげで後ろ足による蹴りの威力もシユウ並みの物となっている。
最後に顔面だが、顔は元のコンゴウの様に赤いままだがその周り茶色の毛で顔全体を覆う様に生えたのが新しい特徴と言えるだろう。口の大きさに関しては昔同様に開いたので食事や口撃等に支障はなさそうだ。
後はヴァジュラの使う放電が自身を中心に突風を起こして、一部のアラガミや建物等は無理だけど吹き飛ばせる位の暴風になっていると、エアボムを一度に三回まで発動出来て複数の対象や一点集中も出来ると手札の択が増えたのは喜ばしい。放電に関してはかなり劣化していた今のワタシでは落雷を一本落とす位が限界だ。
(しかし、ヌエか……どうにも記憶が無いからピンと来ないけど相当変な生き物ってのは分かる。ぶっちゃけ、今のワタシってある意味ヴィーナスに近いんじゃないかな?)
記憶になる多数のアラガミを捕食して過剰進化したとされるヴィーナス……あっちは設置されたゼリー状の部分からアラガミの一部を出してその能力を使用する……便利そうかも知れないけど結合崩壊したら使えなくなるのはちょっと遠慮したい。ワタシも壊れされたらどうなるかは……やっぱり使えなくなりそうだ。
(あの第三部隊を追い払ってそんなに時間は立ってないけど……恐らくは偵察で、あわよくばワタシの討伐だったんだろうけど。次にここに来るとしたら多分……だけど今の身体でどれ程GE達に戦えるか何処まで出来る事を知りたいし、今度はあの時みたいな偶然じゃないワタシの意志であの第一部隊に挑む。)
ワタシは雨が降り続けるこの嘆きの平原で待ち続ける。そして、来た。第一部隊の面々が。
さぁ、二回戦目と行こうか。
クエスト 夜鳴きの鳥
難易度不明
フィールド 嘆きの平原
制限時間 不明
嘆きの平原にて新種ヌエを再確認
討伐部隊はただちにこの未知のアラガミを迎撃せよ
なお 対象については強力なヴェノムとリークを自在に操り
機敏な事から動きをトラップなどで阻害するのがベストだろう
付近に他のアラガミの反応も確認されない事から全力でこれに臨め
ヌエのルビが想定より読み難かったのでこちらにも書いておきます。
混合神 ヌエ