アラガミ転生 猿神が征く   作:凍河の氷

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第十七話 ワタシには無い強み

どうも、ワタシ事ヌエです。先程鎮魂の廃寺付近の廃屋に特異点ちゃんとリンドウさんを置いてきました。

 

ワタシのサイズじゃどうやっても入れないので手前でさよならしましたが……人類にもアラガミにも見つかると大変なのでさっさと名残惜しいですが失礼した次第です。

 

(殆ど勢いで付いて行っちゃったけど、リンドウさんの移動に関しては不明な所だったからそこはいいけど……そこそこ齧られちゃったパイプは大丈夫かな?)

 

微妙に見えにくい背中を尻尾ちゃんで確認しながら、これからを改めて考える……ワタシの立ち位置はいいとしてこれからの能力に関してだ。

 

女帝のコアを二個食べたがどうもワタシは、コアと特定の部位を食べないと反映されないのかも知れないと言う考えが過ったのだ。

 

(使えるかな?ってイメージしてみてもマータ見たいな氷柱は出せなくて、いつも通りの空気弾だったからそれっぽいんだよな。って事は今度も女帝を喰うのは確定として……後はもっと大型に当たっていって手札を増やしたい。扱いきれるかはワタシ次第だとしてもこれは多分必要な事。)

 

っとまぁ、そんなこんな考えてるとワタシの聴覚がそろそろうんざりしてきた音を拾いました。小型の群がこっちに向かってきてるのです。

 

(またか、コンゴウの時に比べてワタシも強くなってるからいいけどこうも来られると困るな。コアを食べなければもっと雑に勝てるんだけど、でも勿体ないのがちょっと考え所かな?)

 

視線を音のする方へ向けると今回のはオウガテイル…それも大多数は白色だがちらほらと黄色や赤色も見える……どうやらヴァジュラテイルも居るかなりの群のようだ。ざっと見た感じ50ちょっと……尻尾で熱探知しようとしたが多すぎて混乱したので憶測で留めておく。ここがプレイヤーが入れるマップの様な場所ではない、マップ外の獣道だが多少暴れてちょっとした広間にした方が楽かもしれない。

 

(しかし、なんでワタシはこうも小型に狙われるんだろうか?理由が分かれば……って言いたいけどそれが分かってもこっちに来そうだからもういいや、ヴァジュラテイルを貪って他の有象無象は蹴散らそう。)

 

 

本能が告げる、アレを喰えと……それに従い集った意思無き我らはかの神の元に向かう。

 

そして先頭であるそれはかの神を己が視界に捉えた。一鳴きし後続にも発見を伝えて、足に力を入れて掛け続けるそして……眼前が突如破裂し、肉体が吹き飛びコアが砕ける。ここでこのオウガテイルの意識は掻き消された。

 

前面を文字通り吹き飛ばした暴風によって止まってしまったオウガテイル種の群の後続。その付近にやや固まっていたヴァジュラテイルの一匹に飛び掛かるかの神。その飛び掛かった一匹の頭蓋を抑えていた左手から出るナニかで貫き絶命させ胴体を抑えてる右手でコアを抉り出してそのまま頭部のある尻尾に喰わせた。

 

後はそこにかの神が残るまでただの蹂躙が続いた。寄れば暴風で全てを吹き飛ばし、それを越えても次に待ち受けるは背後を守る尻尾から吐き出される毒液と手の平から放たれる無数の空気弾によって我らは次々に霧散する。

 

白い我らと灰色の我らの大半が霧散し、残ったのは黄色の我らと赤い我ら。かの神が一鳴きする、だが我らは止まらぬ。叫び続ける本能に従いそれを行う。

 

しかしかの神はそれを許さない。飛び掛かった黄色の我らは双方共にその黒い腕に掴まれた直後に頭部部分からまたナニかが飛び出し、腕に掴まれた双方は力を無くして放り捨てられた。

 

残るは赤い我らと白い我らだが、かの神の背中から放たれた砲撃が我らに当たりそのまま木々に激突する程の威力だ。白い我らは一撃で霧散。赤い我らも立つのがやっとの言った所だ……無論、そんな隙を与えたので結果は。視線を向けた先には既に横に広がる口内が視界を埋め尽くしてた。

 

 

これでオウガテイルの群はあっさりと壊滅した。後はその亡骸を貪るかの神の咀嚼音が響き、かの神が離れた後の痕跡はいずれ雪に覆い隠されるであろう。

 

 

 

(ごちそうさまでした。でもやっぱり大型とかに比べると味が薄いって言うか……まぁ小型だから仕方ないかな?さて、これからどこに行こうか……)

 

目下の問題点はそこである。ここらで女帝を探すのは流石にまだ色々と不味いし、あの二人が見つかってしまう可能性があるのは色々と問題が発生してしまうので却下だ。

 

次に思い浮かぶのは贖罪の街と嘆きの平原だが……片やリンドウさんの捜索でGEがあっちこっちに居るので今行くのは自殺行為に等しい。そして嘆きの平原はこれからリハビリであの新型二人が暫くの間現れるので、行ってもいいがまたトラウマを再発されては後の大車との再会した時の跳ねのけが歪む可能性がある……長期的にみれば行っても旨味が極めて薄いのでこれらも破棄。

 

ともすれば、まだ行っていない地域である大図書館がある黎明の亡都は行く理由がちょっと薄い。創痕の防壁は論外だ。行ったらどうあれ、まだ人的被害は第一部隊の面々で抑えてるワタシの評価が覆ってもっと真剣に殺しに来ると思う。仮に行くとするならば……あの大樹が生えた後でだろう。だが、それはまだ二年以上先の話なのでここはその時まで封印決定。

 

(ってなると後は蒼氷の渓谷と煉獄の地下街と愚者の空母……それ以外はもうこう言った魔狼の要害みたいな所に隠れる位かな?この中だと、以前の中断計画を再開するのとこのランスの強化の為に行くとしたら……やっぱりあそこになるかな?最悪の場合は溶岩よりもまだ泳げそうな海の方がいい。)

 

さて、いざ征かんと身構えると……どうやら今日はワタシは神様とやらに嫌われてるらしい。ワタシもその神様の一員なんだけどね。

 

バックステップで飛びのいた矢先にさっきまでワタシが居た位置に着弾する曲がる光弾。地面を赤く熱したその光弾の発射元はワタシの視線よりちょっと上に浮いている……紫色のサリエル堕天種が放ったものだ。

 

(大型の堕天種かー。女帝もそれに似た様なモノだけど、しかしサリエル堕天とは嬉しいな。ヴェノムとリークを纏めて強化出来るしホーミング弾は相手にはしたくないから会得しておきたい!)

 

記憶にあるサリエル種の攻撃手段を思い出す……天空から落ちてくる光柱、ホーミング光弾、体当たり、バックステップ毒鱗粉設置、自身を中心とした光柱とそれの拡散、回転してホーミング光球の生成で後は確か……

 

ちょっと意識がサリエルから離れてた隙に、サリエル堕天は自身の羽を広げて光球を生成しそれをワタシに向けて放ってきた、勿論この攻撃は全てホーミング弾だ。

 

(ッ!?そーだよこれだよ!あー考えすぎちゃったかな?さっさとこいつを叩き落して喰ってやらないと!なんだか分からないけどすんごい嫌な予感がしてきた!)

 

木々をなぎ倒しながらワタシはホーミング弾を躱しつつ、円を描くようにサリエル堕天との距離を詰める。身の毛がよだち妙に気持ちが焦る理由は分からないが、ワタシの細胞が何かを察知してる。本能の訴えを無視は出来ないのでこの毒蝶とは早々にお別れしなければ。

 

距離を摘めようとはするが無論サリエル堕天もそうはさせんと、自身を発光させて地から天へと延びる光柱で自身を覆い地面にその波紋を広げていく。

 

ワタシもそれに対応して広がる範囲外へと一旦足を止めて、走りながら溜めていた空気を背中のパイプに送り込む大型の一発をサリエル堕天にぶち込む。

 

しかし、サリエル堕天は光柱をその場に中止して身体を優雅に回転させてワタシの空気弾の回避と元居た場所に光球を生成して反撃の手を打ってきた。

 

しかし光球はワタシにとっては気にする程でもないので、ダメージ覚悟で仕留めに掛かるべく跳躍してサリエル堕天へと飛び掛かる。サリエル堕天も足元ではなく前方に毒鱗粉の塊を生成して後ろに下がったが、ヴェノムなら喰ってみようじゃないですか!

 

口を大きく開けて毒鱗粉を口内に吸い込む、うーん……痺れるけどこれなら廃液の方がもっと刺激が強かったかも?っと感想を思いながら、毒鱗粉を真正面から突破されるとは思ってなかったのか自身の周りに光球を構えたサリエル堕天だったが、毒鱗粉の横を塞ぐように放った直後だった為にワタシの一手が間に合う、喰った!

 

再度跳躍してサリエル堕天の頭上を取り、両腕でサリエル堕天のスカート部分を抑えてそのまま地面に叩き込む!そして叩き落したら仕込みランスで身体ごと地面に固定して、必死にもがくサリエル堕天の頭部からガブリといただきます!

 

頭部は喰ったそして今胴体まで貪って中心にあったコアを一飲みした事によってようやくペシペシと叩いてた袖の部分も力なく垂れ下がった。

 

勝った、そしてコアも喰ったし今は胴体をムシャムシャと食べているが……嫌な予感がまだ止まらないので食べ残しだが離れようとしたその瞬間に、自身を囲む様に三方向から曲がる光弾が飛んできた。

 

その場で大きく跳ねて一度引き付けてから、以前やったパイプから放つ空気を前方に放ち後方へと下がりつつ攻撃をやり過ごす。

 

そして、仕留められなかったからかわざわざ姿を見せてきた今度は通常のサリエルが三体ワタシを囲む様に現れた……全く、今日のワタシはどうにも美味しそうに見えるらしい……さてどうする?




ちょっとスランプだったんですが、なんとか筆が乗りました。

これからは頑張って週一感覚で上げていけたらいいと思っています。

何時も感想や誤字報告等心よりお礼を申し上げます。
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