アラガミ転生 猿神が征く   作:凍河の氷

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第五話 情報の重要性

(不味い不味い不味い不味い不味いッ!声も聞こえたからもう時間がない!隠れる場所!見つからない場所は……あ、獣道!どこに通じてるか分からないし何か別のアラガミが通りかもだけど四の五の言ってられない!とぉーう!)

 

バッ! 

 

顔を青く?しながら視線を左右に振りながら逃げ道を探し、教会の南東付近でよくアラガミが登場する獣道へとワタシはそこへ後々の基本テクニックになりそうな位の綺麗なダイブをして獣道へと身体を滑らせ身を隠した。アラガミの身体能力バンザイ!

 

 

どうも、初の絶体絶命の危機に生存本能解放中のワタシ事、コンゴウです。

 

 

「ん~?」

 

「あら、どうしたの?」

 

怖いのと見つかる危険性を考量してワタシは聴覚だけで状況を探る、顔を出すなど以ての外。声は最初に首を傾げた様な声が男、その後が女。……この声は記憶にはない、つまり言うならば彼らは極東所属のモブゴッドイーターっと言った所か。

 

「……いやー、なーんかここの様子おかしくない?ライカ。」

 

「抽象的過ぎて分からないわよ。主にどの辺りが変だっていうのモモチ。」

 

(ライカにモモチ、記憶には無いしこっちに来るときに第一世代云々ってライカって人が言ってたから主人公系列ではない…彼らは偵察班なの?)

 

彼ら二人、ライカにモモチは全く覚えがない…だが今は名前はどうでもいい、二人の行動から発する音でワタシは今何をしているかを知る必要が出てきた。

 

「うーん……お!ほら、これ見てくれよ!このナニかが潰れて液体状の物が広がった後とか、この変に卵型に凹んだ壁とかさー!前に来た奴等が提出した報告書にはない痕跡が残ってるぜ!」

 

「……本当ね、しかもこの凹み。よく見ると卵型の部分とはちょっと違った出っ張りがあるわね。この形状からして……ザイゴートかしら。」

 

「今ここに居るGEは俺達二人だけのはずだし。大体3時間前に第一部隊の三人が帰った以外に今日ここらでドンパチした奴は居なかったって話だから、これは何か付近に居るな。」

 

「食べられたのがザイゴートだとしても、この倒され方には不自然な点が多いわね。仮に中型以上だとしても行動の痕跡が綺麗すぎるわ。古い爪痕はあっても真新しく抉れた部分もほんの数か所だけ……大型だってこの近辺に出る奴等にしては類似点が見られないわ。」

 

「もしかして新種かも?って事。うーわ、嫌だよ俺。見つけてもスケッチだけして即座に逃げるよ俺は。」

 

(うっそ、ワタシの戦闘痕でそこまで分かっちゃうの!綺麗すぎた?そうだよね、コンゴウってパワーファイターな中型だし!って今はそんな反省は後々!これからをどうする……どうする?)

 

内心が嵐になりながらもそれを無理矢理沈めてワタシは情報を集める、会話から察するにこの二人は間違いなくベテランっと言ってもいいレベルだと思う。正直、あの規模のお食事でここまで推測されるとは思ってもいなかった。

 

戦いにおいて最後に勝つのは、無智で無謀な愚者はありえない。入念で周到な最後まで諦めない勇気あるモノ達が勝利を手繰り寄せるのだ。

 

これはますます見つかる訳に行かなくなった、コンゴウ程度なら出て行っても返り討ちが見えてるし奇跡的に勝ったとしても次はあの第一部隊がやってくる。ワタシは更に身を縮めて情報を貪る事にした。

 

「とりあえず、この液状のサンプルと付近の写真を撮って。この先にある大時計の方まで足を伸ばすわ。警戒は怠らないでよ。」

 

「はいはいっと、ちゃっちゃと済ませてこのデータを持って帰らないと。新種との戦闘なんて出来るだけ避けたいし、そういうのは腕自慢の第一部隊とかに任せないとね。分担分担。」

 

その後、カシャカシャっと写真が撮られる音が響き二人は本当に手早く作業を終えて大時計方面にまで足を伸ばし、その後ゴッドイーター達が出撃するスタート地点付近まで赴いて、先程ヘリコプターでアナグラへと帰投していった。

 

相変わらずの爆音で耳が痛いが、ワタシは暫くの間この付近にゴッドイーターが居ない情報を得た……代わりにワタシに関しての痕跡が採取されてしまった。

 

(これでヴェノムが試せる時間が出来たのは結果的にはプラスだけど……痕跡が取られたのが不味すぎる。これで痕跡のデータがアナグラで増えていくと戦闘痕の綺麗さで判断される可能性が出来てしまった。しかも向こうにはあの榊博士が居る。絶対にワタシの痕跡に興味を持たれてしまった。)

 

過去形なのはもう決まっていると思えるほど、かのペイラー・榊博士はアラガミと言う種に貪欲だ。それこそ、アラガミとの共存っとロマン溢れる方偏ってはいるだけど知ろうとする欲はワタシ達アラガミの食欲と同等と見ていいだろう。

 

気が落ち込むが、そんなしょげている暇は無い。今は手札を増やさなければならないのだ。そんなワタシに微笑むかの様に聴覚は一匹で動くオウガテイルの足音を捉えたのだ。場所は教会北側…ポイントHからよく大型とも戦う場所、ポイントDへっとノッシノッシ歩いてきて……

 

(おりゃー!)

 

シュゥゥゥーッ…バシュン!

 

姿を確認した瞬間にワタシはもはや八つ当たりで間違いないが、紫色のエアボムをオウガテイルの足元に発現させ、見事オウガテイルは紫煙と共に上空へと吹き飛んだ。

 

ドン! ガァアァァ!ァ…ア……!

 

一応威力はセーブして放ったエアボムの起動は成功し、上空から叩きつけられたオウガテイルは即座に立ち上がりワタシの方へ唸り声を上げて睨んでくるが……ワタシの欲しかった結果が今目の前にある。

 

(よーし、紫色だったし意識してヴェノムになれーヴェノムになれーっと混めただけはある。まさかヴェノムエフェクトも出るのが確認出来るとはこれは良い収穫。)

 

そう、今起き上がったがややふらついてるオウガテイルの頭頂部からは紫色のバブルが上っているのだ。これはゴッドイーターに当てる予定のリークにも同様の結果が得られそうでワタシはこの結果に満足することにした。

 

(実験体ありがとうね、それじゃ後は……いただきますー。)

 

そして、実験体に感謝を込めてボディプレスで押しつぶしてからの、ディナータイム。ヴェノムが罹った状態で食べた結果だが特に問題なく最初に食べた時と変わらない淡泊な味であった。

 

(ごちそうさまでした。……さて、これでワタシはヴェノムと言う手札を手に入れた。何処までかかるか分からないけど…確か極東から北の方に向かっていけば蒼氷の峡谷は多分ある筈。困難な道だろうけど、行かないと……ワタシは生きる。どうなろうとも。)

 

ワタシは贖罪の街を離れて新天地へ足を進める、目指すは蒼氷の峡谷……手に入れるはリーク能力。今行くぞ!寒冷地適応のコクーンメイデン堕天種とザイゴート堕天種達よ!

 

 

 

 

(あ、北ってどっちだろう……あっち?それともこっち!)

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