三人称side
ユリス「咲き誇れ──
凛とした声がトレーニングルームに響くと同時に、彼女の周囲から紅蓮の炎が吹き上がる。
それは竜巻のように渦を巻きながら、見る間に空中で円盤状へと形を変える。炎の刃を激しく回転させるそれは、まさしく灼熱の
ユリス「行け!」
火の粉を撒き散らしながら襲いかかる無数の戦輪を、綾斗は剣を構えて待ち受ける。
黒炉の魔剣の巨大な刃が先陣を切って飛び込んできた戦輪を目にも留まらぬ速さで両断する。
左右から、さらに後ろの戦輪の全てを両断または払い除ける。
綾斗「ふぅ……」
綾斗が大きく息を吐き、剣を再び構えようとした時、空間ウィンドウが展開する
『来訪者です。取り次ぎますか?』
それに応じてトレーニングルームの扉が開く。
和人「呼ばれたから来たぞ」
入ってきたのは、いつものように真っ黒な制服を身に纏う黒の剣士だった。
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和人side
ユリス「来たか、桐ヶ谷。お前には聞きたいことがあったからな」
和人「へいへい、どうぞご質問ください」
ユリス「なら遠慮なく聞かせてもらう。……お前オーフェリアとどういった関係だ」
やはりそれか。
ユリスは俺を睨み付けながら質問をする。
はっきり言って怖い。まぁ確かにオーフェリアのことが大切なのはわかる。俺も同じだし。
はっきり言うのもなぁ~。もうこうなったら腹をくくるか、正直に答えよう。
和人「……恋人だ」
やっぱりダメだー!目を反らしちゃった!
だって怖いもん。ユリス怖いもん。
ユリス「なっ……こ、恋人だと!」
そりゃ驚くよな。
ユリスは携帯端末を手に取り操作を始める。
今の流れからしてオーフェリアに連絡をとるのだろう。
ん?オーフェリアに連絡?
あ………
ヤバいこのまま行けばシルヴィとも付き合っていることが判明してしまう。
しかしもうユリスの携帯端末はオーフェリアに繋がってしまい、さらに驚いた声が聞こえる。
ユリス「わ、わかった……そうか、それではな」ピッ
ユリスはこちらに振り向きずんずんと歩いてくる。
オーフェリアが全部言ってないことを祈る。
ユリス「……桐ヶ谷、お前……
ですよね~。言っちゃいますよね~。
和人「……おう」
ユリス「どういうことか説明してもらうぞ。いつ出会い、どんな経緯で付き合うことになったのか」
和人「わかったよ。そうだな……あれは三年前のことになるな──」
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三年前、俺は何の気なしに広場を歩いていた日のことだ。
その時は久しぶりに昼寝日和の気候だったから昼寝してたんだよ。そしたら突然空気が変わったんだよ。
和人「ん?なんだ急に空気淀み始めた……?」
そしたら後ろからオーフェリアが歩いてたんだ。
和人「これはお前が出しているのか?」
オフェ「ええ……」
和人「それを止めることは……ってできたらこうはなってないか……」
オフェ「……この瘴気を止めることは誰にも出来ない。それが私の運命……」
和人「なぁ、もしその瘴気を止めることが出来たら何がしたい?」
オフェ「……花を触りたい」
それが彼女の願いだった。
和人「わかった。なら手を出してくれ」
俺は青薔薇の剣を起動し剣の腹を彼女の手に触れさせる。
そして俺は青薔薇の剣の能力をフルで発動させる。
すると剣から星辰力が放出される。
和人「この花に触れてみてくれ」
俺は枯れていない赤い花を差し出す。
オフェ「枯れない……!」
和人「成功したみたいだな。良かった」
オフェ「なんで……?今まで近寄ることさえできなかったのに……その剣どんな力を持っているの?」
和人「こいつは星辰力そのものを抽出することができるんだ。だから君の瘴気を造り出す星辰力がなくなったから、しばらくは出ないよ」
オフェ「そう……なの……」
目の前の彼女は花を愛でる。俺はその姿に見惚れる。
和人「よかったらさ、また触れたい時は星導館に報告してくれ」
オフェ「ええ、わかったわ……」
和人「俺は桐ヶ谷和人」
オフェ「オーフェリア・ランドルーフェン」
和人「よろしくなランドルーフェン」
オフェ「オーフェリア……名前で呼んで」
和人「お、おうわかった、オーフェリア」
オフェ「ええ、よろしく和人」
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ユリス「なるほど……」
和人「その後ディルクに呼ばれて、オーフェリアの瘴気を軽減させるために協力することになったんだ」
ユリス「まさかあの
和人「大半の連中が勘違いしてるけど、別にレヴォルフはそんなに荒れてる訳じゃないぜ。一部がやり過ぎてるだけだ」
綾斗「あの時レヴォルフの連中が襲ってきたあとどうなったの」
和人「こってりみっちり絞られる。俺は想像したくないな、それでも聞くか?」
綾斗「いや、やめておくよ」
ユリス「次は
和人「シルヴィも三年前だがオーフェリアと出会ってしばらくしてからだな」
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その日は煌式武装のパーツを探しに繁華街に行ったんだよ。
和人「なかなかいいパーツとめぐり会えないなぁ」
さすがにもう暗くなり、帰ろうとしたら少し離れた所から声が聞こえた。どうやら女性一人と男数人の声のようだ。
???「ちょっと離してってば!」
男1「大人しくしろ」
男2「さっさと来い」
男3「女の子がこんなところに来るのがいけないんだぜぇ」
???「嫌っ!離して!」
面倒事は勘弁なんだけどなぁ。これを見て見捨てていくほど人間腐ってないからな。
和人「おい、あんたらその辺にしとけよ」
男4「あ?ガキがなんでこんなところにいんだよ」
和人「俺はガキじゃねえよ。大人だ」
本当は中学生なんですけどもね。
男5「この人数差で勝てると思ってるのか?」
まぁ別に喧嘩をしなくてもいいんだけど。
そこにいる女の子を助けるのが目的だから、男たちから引き離せばいい。
俺は男たちの隙間を縫うように走り、女の子の手をつかんでいる男を溝尾に小パンチし怯ませる。
和人「ちょっと失礼」
???「えっ!?キャアア!」
手を離した隙に女の子を抱えて飛び、ビルを壁を蹴りながら登り屋上で女の子を下ろす。
和人「すまん。突然抱えたりして」
???「ううん。助けてくれてありがとう」
和人「いや、ただ通りかかっただけだよ」
???「君の名前は?」
和人「桐ヶ谷和人。星導館学園所属の中学一年」
???「シルヴィア・リューネハイムクインベール所属の中学一年。同い年か~」
目の前の少女がまさかの世界の歌姫だった。
和人「それよりなんで君はこんな繁華街に来てたんだ?俺も人のことは言えないけど」
シルヴィ「えっと人を探してるんだ」
和人「人探しね~」
シルヴィ「わたしの歌の先生なんだ」
和人「どんな人なんだ?」
シルヴィ「ちょっと待って写真出すから」
シルヴィアは携帯端末で写真を写し出す。
シルヴィ「この右にいる人がそうなの」
和人「なんでこの辺りまで探しにくるんだ?星空猟警備隊に任せればいいのに」
シルヴィ「ううんウルスラはあたし自身が見つけたいの」
彼女の瞳には強い信念というか決意に満ちあふれて。
和人「なら、俺も手がかりとかウルスラさんを見かけたらクインベールに報告しておくよ」
さすがにすぐ連絡先を交換はダメだろうと思い、クインベールに報告することを伝える。
シルヴィ「うーん、連絡した方が早いからさ連絡先交換しよう」
和人「いいのか?世界の歌姫様が簡単に連絡先を渡して」
シルヴィ「君がわたしの連絡先を変に扱わなさそうだし」
そう言って俺に連絡先を差し出した。
俺も彼女に連絡先を差し出す。
和人「えっと……よろしくな。リューネハイム」
シルヴィ「シルヴィって呼んで、親しい人はみんなそう呼ぶから」
和人「わかった。よろしくシルヴィ」
シルヴィ「うん、これからよろしくね、和人くん」
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和人「とまあ、これがシルヴィと出会ったことのあらましだな」
一応二人にはウルスラさんのことは話してはいない。
ユリス「なるほどな。そんなことが三年前にあったとは。しかしなぜあの時私がオーフェリアに止めると言って、運命だから止められないと言われたのだ?」
和人「えっと……それは俺今日初めて知ったんだが……」
ユリス「そうか。お前達がいつ付き合ったかは詮索しないが、オーフェリアを悲しませたら私は桐ヶ谷お前を焼くからな」
和人「わかってるって。それと詮索しないのはありがたいな、まだ世間には公開してないからさ」
綾斗「芸能人と付き合うのも大変なんだね」
和人「俺はそうは思わないけどな。デートの時は変装しないといけないが」
このあと二人の特訓に付き合った。
まぁ初めてにしては上出来だった。結構ギリギリの局面があったからな。
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