翌朝のウィズ魔道具店。
ウィズ「アルカンレティアに転送して欲しいのですね。了解しました」
レイ「そうだ。そういやバニルは何処だ?」
ウィズ「バニルさんなら子供達の登校を見守っていますよ。仮面がカッコいいと子供達に人気だそうです」
レイ「理解」
ウィズ「それでは。『テレポート』!」
アルカンレティア前
到着するなり、モルガナが車に変身した。
モルガナカー「・・・乗れ。この街からは一刻も早くオサラバだ」
ゆんゆん「こ、これは・・・?」
レイ「乗ってシートベルトを締めろ。事故ったら大変だ」
めぐみん「そうですね。早く行きましょう」
ダクネス「アクシズ教徒と関わりたくないという強い意志を感じる」
クリス「そうだね」
紅魔の里へ車を走らせる事数分。
レイ「クリス、気分は?」
クリス「前回みたいなオチは踏まないよ」
レイ「そうか・・・あれ?」
めぐみん「誰かいますね。1人っていうところが気になりますが」
クリス「本当だ。止めて手当てしてあげよ?」
モルガナカー「そうだな」
車から降りてその少女に近づくと、その子は足に怪我を負っている様で・・・おい。
やはりクリスも同じようで、警戒を露わにしている。
ダクネス「どうしたのだ?急に止まって」
クリス「あれ、『安楽少女』だね」
僕、クリス除く全員『えっ』
僕は、ギルドで貰ったモンスター情報が載った地図を広げ、安楽少女のページを開いた。
・・・擬態し、旅人を足止めして餓死させそれを栄養分にするらしい。タチ悪いなこいつ。
モルガナ「そういや、擬態するシャドウとかもいたな。同じようなものか」
モルガナを僕達と同じくサーベルを構え、警戒する。
めぐみん「私も安楽少女の名は知っていますが、こんな少女を傷つけられません」
ゆんゆん「そうだよね。まさか皆さん傷つけ・・・ませんよね?」
ダクネス「うう、モンスターとは言え・・・」
こいつらはもうダメだ。
レイ「僕だってこんなことしたくない。だが、コイツは人の命を奪う。ならば、殺すべきだ」
クリス「同感。でも、私には出来ないよ・・・」
おい。クリスもダメか!
モルガナ「非常にやりにくいが、やるしかない。他の奴らに押し付けるわけには行かないからな」
レイ「ポケモンにやらせようにも無理だろうし、せめて一撃で仕留めて楽に」
死なせてやる、と言いかけたその時。
ドダイトス「『逆鱗』だオラァ!この植物界の恥さらしがぁ!」
ドダイトスがボールから抜け出し、安楽少女をぶっ飛ばした。
ドダイトス「こんなタチの悪いクズ植物、草タイプの俺が見逃せるか!おい見つけたら言え、根絶やしにしてやる!」
めぐみん達「「「「・・・・・」」」」
レイ「・・・お前が一番アレの駆除に反対すると思ったら、逆だったな」
モルガナ「・・・行くか、乗れ」
酷くショックを受けた女性陣を乗せ、走る事数時間。車が何者かに止められた。
モルガナカー「オーク?しかもメスだし」
レイ「だとすると僕は隠れたほうがいいな」
運転席の下に隠れる。
オーク「クンクン・・・確かにオスの匂いがするのだけど、メスしかいないわね」
レイ「おい、迂回して通り抜けるから指示頼む(小声)」
モルガナカー「了解(小声)」
モルガナのおかげでなんとか逃げ、運転再開。
クリス「オークがいたの?見つからなくてよかったね」
ダクネス「オスじゃなかったのか、残念だ」
めぐみん「何が残念なのかは分かりたくありませんが、もうオークのオスはいませんよ?」
ダクネス「ええっ⁈」
レイ「ええっ⁈じゃねえよええっ⁈じゃ」
モルガナカー「アイツは本能的に恐怖だった」
めぐみん「この辺りはオークの縄張りです。運転代わりますから、レイは隠れててください。後ゆんゆんを起こして下さい」
見ると、ゆんゆんは寝ていた。
めぐみんに運転の仕方を説明し、席を替わる。
無免許運転だが、車の文化もないこの世界なら大丈夫だろう。
レイ「起きろゆんゆん」
ゆんゆん「すー・・・」
レイ「起きろって。起きないならお前は悲鳴を上げることになる。いいな?」
クリス「ダメだよそんなことしちゃ!ゆんゆんだって選ぶ権利くらいあるんだよ⁈」
レイ「選ぶもクソもないだろ、オラァ!」
クリスを無視してゆんゆんの両側のこめかみをパンチする。
ゆんゆん「あああああああああ痛あああああ⁈」
クリス「なんだ、そっちか・・・」
レイ「何を想像してたんだよ、お前それでも女神かよ」
ダクネス「レイ、後で私にも・・・!」
レイ「断る」
ゆんゆん「い、痛い・・・」
モルガナカー「レイのこめかみ攻撃は本当にヤバいからな」
その後、何度もオークに嗅ぎつけられかけたが、なんとか無事に縄張りを抜けた。
レイ「もう大丈夫だ、助かったよめぐみん」
めぐみん「はい。縄張りを抜けたので、里まで後少しですね。まさか1日で到着するとは思いませんでしたよ」
モルガナカー「ワガハイのおかげだな」
ダクネス「おい、モンスター達がいるぞ」
クリス「魔王軍の手先だろうね。ってか数多いね⁈」
ゆんゆん「ならここで退治しときませんか?」
レイ「そうするか。めぐみん、爆裂魔法撃つなよ」
めぐみん「分かっていますよ、こんなところで使ったら他のモンスターを呼び寄せます」
モルガナカー「よし、始めようぜ!」
小鬼「おい、紅魔の子供が2人だ!やっちまえ!」
ゆんゆん「『ライト・オブ・セイバー』!」
ゆんゆんの魔法でモンスター達数体が崩れ落ちる。
小鬼「か、囲め囲め!囲んじまえばこっちのモンだ!」
その声に、モンスター達は僕達を囲む。
ダクネスがデコイしたようで、鬼達の視線はダクネスに行っている。
レイ「この大刀の出番だな。フンっ!」
僕の大刀はゆんゆんの魔法と同じぐらいの範囲の敵を倒す。
モルガナ「負けてられないな。そうりゃっ!」
モルガナもサーベルで次々に敵を倒していく。
クリス「『バインド』!『バインド』!ダクネス、こっちもお願い!」
ダクネス「動けない奴相手に外す程私は不器用じゃない!」
クリスが相手を捕らえ、ダクネスが大剣でトドメを刺す。
ゆんゆん「『エナジー・イグニッション』!」
ゆんゆんも上級魔法で応戦する。
めぐみん「ゆんゆん、私が爆裂魔法以外何も出来ないというのは間違いですよ!『メギドラ』!」
ペルソナの万能魔法でめぐみんも戦っている。
ゆんゆん「めぐみん、何よその魔法!学校じゃそんなの習わなかったわよね!」
めぐみん「この力は選ばれし者しか使えないのですよ!この杖だって槍になるんですから」
杖の先についていた鞘を取り外し、刃となっている杖先をモンスター達に見せつけ、斬りかかる。
そんな風に最初は押していたのだが・・・
ドラミドロ「畜生、数が多い!ゴリ押されるのも時間の問題だぞ!」
ポケモン達にも参戦してもらったにも関わらず、数でゴリ押しされかけていた。
と、新手が迫ってきて・・・ん?なんで武器を捨てているんだ?
すると、そこに突如として赤目の4人組が現れた。
省略するが、闇の炎だの氷の腕だのクソださい決めゼリフの後。
?「『ライト・オブ・セイバー』!」
?「セイバー!」
?「セイバー!」
?「セイバー!」
上級魔法でモンスター達を一瞬で消した。
・・・闇の炎とか氷の腕とかどこいった。全部ライトなんちゃらじゃねえか。
めぐみん「靴屋のせがれのぶっころりーじゃないですか。お久しぶりです。里のピンチだと聞いて駆けつけてきたのですよ」
ぶっころりーって、めぐみんやゆんゆんより変な名前じゃねえか。
ぶっころりー「ピンチ?なにを言ってるんだ?ところで、この人達は君の冒険仲間かい?」
めぐみんが恥ずかしそうに頷くと。
ぶっころりー「我が名はぶっころりー。紅魔族随一の靴屋のせがれ。アークウィザードにして、上級魔法を操る者!」
レイ「ご丁寧にどうも。レイです。ポケモントレーナーで、アクセルの街で冒険者やってます」
ドラミドロ「俺はクサモドキポケモンのドラミドロだ」
マルヤクデ「発熱ポケモンマルヤクデである」
ドダイトス「ドダイトス、大陸ポケモンだ」
デンリュウ「ライトポケモンのデンリュウだよー」
ギルガルド「ワレハオウケンポケモンギルガルドトイウモノダ」
ラプラス「私は乗り物ポケモンラプラス。よろしくね」
モルガナ「ワガハイはモルガナだ。先に言っておくが、ワガハイは猫じゃないからな!」
紅魔族達「「「「おおーっ!」」」」
解せぬ。
ぶっころりー「いいね君達!普通は名乗りを受けると微妙な反応をされてるけど、まさか、想像と違ったけど外の人が戸惑わないなんて!」
レイ「めぐみんとゆんゆんで耐性がついたからな」
クリス「クリスだよ。盗賊やってる」
ダクネス「私はダクネス、職業はクルセイダーだ」
ぶっころりー「そうかい。里まではまだ距離があるし、テレポートで送ってあげるよ!」
紅魔の里、グリフォン像前に送ってもらった僕達は、事情を聴くためにゆんゆんの実家へ行くことに。ポケモンは紅魔族に変に絡まれる恐れがあるのでボールの中。
族長「あれは娘に宛てた近況報告の手紙だよ?」
レイ「ちょっとなに言ってるか分からない」
まさかの大したことない事を大袈裟に書いてしまっただけだった。軍事基地を破壊するか観光名所にするかで揉めていて破壊できないだけなんだと。
ゆんゆん「ええ・・・」
モルガナ「だが、魔王軍幹部は来てんだろ?大丈夫なのか?」
族長「ええ、魔法に強いのが派遣されてますよ。よかったら見て行きますか?」
観光じゃないぞ?
族長に連れられ街の入り口へ行くと、それはなんというか、うん、凄い。凄いとしか言えない。というか凄すぎて引く。
魔王軍の手先がどんどん力尽きていく。
そんな中、魔王軍側から1人の赤いドレスを纏った女性が前に出てきて、なんとかしようとしていた。遠巻きに見ているので声は聞こえない。
しかし他より目立つので、アレが魔王軍幹部と見ていいだろう。
そして、ソイツに対峙するように、1組の男女が前に出た。男の方はぶっころりーのはずだ。女の方は知らない。
と、ぶっころりーが魔法を唱え、竜巻が発生した。
そこに女性が右手に持った木刀を振ると、竜巻の中に炎を巻き起こし、蹂躙した。
一言言わせて欲しい。
レイ「これは酷い」
紅魔族の戦いを見物した後、めぐみんの実家に行く事になった。ゆんゆんは手紙の主を制裁すると別れていった。
そして今、めぐみんの実家の前に到着したのだが・・・
クリス「貧乏そうな家だね」
めぐみん「否定はしません。というか貧乏です」
めぐみんは言いながらノックする。
中からドタドタと音がして、玄関のドアが開けられ・・・
めぐみんを小さくしたような女の子が出てきた。
ダクネス「めぐみんの妹か?可愛らしいな」
レイ「めぐみんとよく似ているな」
めぐみん「こめっこ、ただ今帰りましたよ。いい子にしていましたか?」
めぐみんがこめっことやらに優しく話しかける。
こめっこは姉を見て固まり、大きく息を吸い込むとー!
こめっこ「おとうさーん!姉ちゃんが、男ひっかけて帰ってきたー!」
レイ「ちょっとなに言ってるかわからないかな⁈」
因みに僕はめぐみんの隣に立っていた。
僕達は家に招き入れられ、居間に座っていた。
目の前には、めぐみんの両親が座っている。めぐみんとこめっこは母親譲りなのだろう。父はひょいざぶろー、母はゆいゆいというらしい。
ひょいざぶろー「娘が日頃から世話になっているそうだね。それについては、心から感謝する」
ゆいゆい「本当に娘が大変お世話に。手紙であなた方のことはよく存じておりますよ?」
2人は頭を下げた。
めぐみん「お父さん、お母さん、顔を上げて下さい」
ひょいざぶろー「・・・で。君は娘とはどのような関係なんだね?」
またこの質問か。
レイ「友人で冒険仲間です」
流石に怪盗団とは言えない。
それを聞いたひょいざぶろーが、近くにあったちゃぶ台の前に移動して、手をかけた。
ひょいざぶろー「なああああああ!」
ダクネス「⁈」
ダクネスが咄嗟にちゃぶ台を押さえつけなかったら、ちゃぶ台返しが披露されていただろう。
ひょいざぶろー「失礼、取り乱した」
その夜。めぐみんの家庭が貧乏だと聞いて持ってきていた保存食類を渡し、何故かモルガナにパシらされ、食材を買ってきた。因みに、めぐみんが僕達が金がある事を手紙に書いていたらしい。
せっかくだという事で、何故か料理させられている。
献立は、以前ポケモン達と何度も食べたカレー。
米やルーは一応持って来ていたため、野菜と肉を入れた。追加でオボンの実も。
そして反応は・・・
こめっこ「おかわり!」
クリス「こめっこちゃん、何杯目?」
ダクネス「軽く3杯だな。凄いな」
ひょいざぶろーとこめっこの食欲が凄い。
めぐみん「私が仕送りしていたはずなのにロクなものを食べていなかったのですか?まさか・・・」
ひょいざぶろー「・・・」
めぐみんはひょいざぶろーをじっと見ると、ひょいざぶろーは気まずそうに目を逸らした。
レイ「好評でよかったよ。隠し味にオボンの実入れた」
めぐみん「どうりでコクがあるわけですね。美味しいです」
ゆいゆい「そうですね。娘と一緒になってもこれなら安心ですね」
ゆいゆいが微笑みながらそんな事を・・・えっ。
めぐみん「えっ⁈」
レイ「ちょっとなに言ってるかわからない」
というかめぐみん、本当に誤解されるから赤くなるな。
モルガナ「いやー、ジョーカーやゴシュジンのカレーとは違ううまみだな!」
レイ「いつかそのカレー作ってくれ。食べてみたい」
モルガナ「分かった」
全員が食べ終わり、風呂も済ませた夜。
クリスとダクネスはもうあてがわれた部屋で寝た。モルガナは居間のちゃぶ台上でちょむすけと一緒に寝ている。ひょいざぶろーはトイレから戻ったら寝ていた。こめっこはたくさん食べて父と一緒に寝ている。
ゆいゆい「それで、夜はレイさんとめぐみんが一緒に寝るという事で。ドアも窓も鍵かけておきますからね?」
レイ&めぐみん「「えっ」」
《続く》