この混沌の世界に反逆せし幻獣を!   作:ドラミドロの使者

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残念女神は今日も騒ぐ

水の女神、アクアに出迎えられた僕達は、アルカンレティアの宿に荷物を置いて、街の観光へと連れ出されていた。ドラミドロはアクアから嫌なオーラを感じると訴え、ボールにこもった。ついでにマルヤクデとドダイトス、デンリュウも戻った。

アクア「いやー、観光客なんて久々ね!そうだ、せっかくだし皆アクシズ教に入信しない?」

クリス「結構です」

ダクネス「私は敬虔なエリス教徒なのでな。入信はお断りだ」

めぐみん「アクシズ教徒にはお世話になった人もいますが、入る気はありません」

モルガナ「ワガハイも遠慮する。あんな狂人達と同レベルになりたくない」

アクア「狂人ってどう言うことよ!謝って!私の信者を馬鹿にした事を謝って!」

ウィズ「お、落ち着いて下さい!」

レイ「この女神面倒くさいな(小声)」

アクア「まあいいわ、私はアクシズ教の教会にいるから、力が必要ならいつでもいらっしゃい!」

そう言って、アクアは去っていく。

めぐみん「この短時間で、どっと疲れました」

レイ「本当だよ。クリス、あいつ本当に本物か?単に特におかしいアクシズ教徒って感じだが」

クリス「認めたくないけど、本人だよ。先輩はこんなところで何してるんだろう」

そこにフラフラと買い物袋を抱えた女性が歩いて来て、わざとらしく倒れた。袋に入っていた大量のりんごが転がり、その人は慌てて拾い集める。

なんとなく僕達も手伝い、全てのりんごを拾うと。

女性「ありがとうございました!何かお礼をさせてもらえないかしら!」

その人はそう言いながら買い物袋を無造作に地面に置き、僕の腕を取る。どうせ勧誘する気なのだろう。

レイ「結構です」

女性「まあまあお待ちになって!私、実は占いが得意で・・・なんと言う事でしょう!このままではあなた達に不幸が!でもアクシズ教に入信すればその不幸が回避できますよ!」

クリス「私とレイの幸運は天元突破してるんだよ?他のみんなも運が悪いとは言えないし。それなのに不幸ってどう言うことかな?」

するとダクネスが胸元からお守りを取り出し。

ダクネス「私はエリス教徒だ。彼らを勧誘するなら、一言断ってから」

アクシズ教徒「ぺっ」

道に唾を吐き、そいつは去っていった。

ダクネス「・・・んんっ‼︎」

めぐみん「さてはダクネス興奮しましたね?」

ダクネス「してない」

レイ「・・・僕は宿に帰る。まだ観光したいと言うならとめないが」

ウィズ「私も帰ります。この街、アンデッドに対する殺意が強すぎて」

ダクネス「私はまだ観光するぞ」

めぐみん「私もダクネスについていきます」

クリス「・・・2人が心配だし、私もついてくよ」

モルガナ「ワガハイは帰るぞ。このまま観光を続けたら大変な事になる気がする」

ということで、二手に別れ晩飯の時合流する事に。

 

宿にて

レイ「もうやだ。アイツら頭湧いてんじゃないのか?」

モルガナ「一瞬コイツら『改心』されてんのかとおもったが、ジェイルの反応もない。つまり素でアレって事だ」

ウィズ「も、もう手遅れじゃないですか・・・」

帰り道も勧誘被害に遭った僕達は、宿の女部屋でぐったりしていた。

男部屋は僕とモルガナしか泊まらない(ポケモンはボール)のため、女部屋の方を広くしたのだ。

アクア「あら、もう観光やめちゃったの?」

モルガナ「いやなんで勝手に入って来てんだよ」

レイ「帰れ」

アクア「酷くない⁈」

レイ「うるさい!こちとらお前の信者のせいで疲れてんだ!もうちょい連中を自重させろ!」

僕は久々にマジギレした。以前は弟が僕の研究レポートを提出日に破いた時である。

アクア「嫌よ!なんでほぼ初対面の人にそんな事言われないといけないの⁈後信仰心と信者の数がそのまま神の力になるんだから仕方ないでしょ⁈」

レイ「黙れ!だからってあんな迷惑行為させんな!ってか街の外でもああ言うのやってんだろ⁈まったく、ペットは飼い主に似るというが、アクシズ教団も大概だな!」

アクア「謝って!ウチの子をペット扱いした事謝って!」

レイ「はいはい悪かったよ。謝ったから今すぐ出て行け」

アクアが歯軋りしながら部屋から出て行く。

モルガナ「やっぱりレイってキレると怖いよな」

ウィズ「金輪際レイさんを怒らせないようにしないと・・・あ、お風呂入って来ますね」

モルガナ「分かった」

レイ「あいよ」

数分後、ダクネス達が帰ってきた。

ダクネス「ハアッ・・・ハアッ・・・この街はレベルが高いな・・・女子供に至るまで全てが私達に牙を剥き・・・」

めぐみん「アクシズ教徒怖いです・・・」

レイ「クリス気絶してんじゃねーか。お疲れ様」

ダクネス「そう言えば、ウィズはどうしたのだ?」

レイ「風呂だ」

モルガナ「ワガハイも入ってくる。この疲れを癒す」

レイ「僕もそうするか。出てこい、お前ら」

ドラミドロ「なんで出したんだよ!俺はボールから出ないぞ!」

ドダイトス「風呂か。デンリュウは別行動になるな」

デンリュウ「だね」

めぐみん「アクシズ教徒怖いです・・・」

マルヤクデ「コイツ壊れてる」

 

疲れを癒そうと男湯で全員で休んでいると。

?「忌々しいこの教団もこれで終わりだ。各地の温泉での破壊工作は順調にいっている。後は待つだけだ。長い寿命を持つ俺たちにとって、待つのはなんでもないからな」

混浴温泉から、こんな話し声が聞こえて来た。

レイ「!静かに!(小声)」

仲間に合図を出し、聞き耳をたてる。

?「ハンス、そんな事をいちいち私に報告に来なくてもいいわよ?何度も言っているけど、私はこの地に湯治に来ているの。私を巻き込まないで欲しいわね」

さっきとは違う、今度は女性の声。というか、さっきの声はハンスって男か。

ハンス「おい、そういうなよウォルバク。正攻法じゃどうにもならないこの教団を潰せるんだぞ?また定期的に報告に来るから、お前も引き続き、この宿で湯治していてくれよ?じゃ、俺はこれから仕事があるから」

話と足音的に、ハンスが出ていったのだろう。

ウォルバク「ふぅ。私もそろそろ上がろうかしら。せっかくの温泉街だったのに。また、新しい湯治先を見つけないと・・・」

そんな声と共に、また足音が聞こえる。ウォルバクが出ていったのだろう。

モルガナ「つまり、人外がアクシズ教団を滅ぼそうとしていると」

レイ「ああ。こんな所で単独行動するあたり、あの2人は強いとみていいな」

ドラミドロ「ほっといて良くないか?どうせアクシズ教団なんてロクなのいないし」

マルヤクデ「だよな」

ドダイトス「あのウォルバクって奴はこのまま街を去っちまいそうだな」

レイ「とにかく、後でみんなに聞いてみよう。その時の反応で、これからどうするか決める」

 

その晩。

レイ「って事があったんだが、ハンスとウォルバク。この名前に聞き覚えがある奴は?」

ダクネス「分からない」

クリス「知らない」

めぐみん「え、えーと・・・」

ウィズ「分かります。どちらも魔王軍の幹部です」

モルガナ「ま、魔王軍の幹部⁈」

ウィズ「はい。ハンスさんはデッドリーポイズンスライムの変異種、ウォルバクさんは怠惰と暴虐を司る邪神です」

レイ「名前からしてやばいのが出たな。だがウォルバクの方はもうこの街を去りそうだったし、ハンスが問題だな」

確かスライム型のシャドウは物理攻撃が効かなかった。

めぐみん「アクシズ教団なんて滅んでもいいんじゃないですか?」

ダクネス「単独で魔王軍の幹部が来てるんだぞ?倒しといて損はない」

レイ「いや、あの女神に伝えとけば勝手に解決するだろ」

クリス「アクア先輩の事?でも先輩バカだからなぁ」

モルガナ「取り敢えず、アクアに伝えたらアクセルに帰ろうぜ」

ウィズ「そうですね。私は中立の魔王軍幹部なので、接触したくないですし」

ダクネス「まあ、それもそうだな」

 

翌朝。

僕達はアクシズ教会に出向いた。めぐみんとモルガナとウィズは先に門の前に移動している。もうアクシズ教団に関わりたくないんだとか。

レイ「で、エリス教徒2人がついて来て大丈夫なのか?」

ダクネス「問題ない。むしろ望む所だ!」

クリス「あたしはダクネスの暴走対策」

不安しかない。特にクリス。

レイ「すみません、アクア様はいらっしゃ」

アクア「来たわね!何か用?私の力を授けて欲しいのかしら?それとも入信?」

レイ「・・・話がある。この街に関する事だ」

説明中・・・

アクア「それで納得がいったわ!最近あちこちで温泉の質が悪くなっていてね。教団で調査しても犯人の特定が出来なくて困ってたのよ」

クリス「そうだったのですか」

レイ「話は終わったし、それじゃ」

アクア「何いってるの?手伝ってくれるわよね?」

レイ「いや、僕達はアクシズ教徒じゃないし、毒をどうにかできるわけでもないし」

アクア「お願いよおおおおお!」

そう言いながらアクアはクリスに泣きつく。

クリス「わ、分かった!協力するから!」

レイ「えちょっと⁈」

アクア「ありがとね!源泉の入り口に信者達を連れて行くから、そこで落ち合いましょう!」

・・・・・。

レイ「あれ?そういやダクネスどこだ?」

アクア「庭で子供達に石投げつけられてたわよ?」

アクアの言葉に飛び出していったクリスを見送り。

レイ「引き受けてしまったものは仕方ない。仲間呼んでくるか」

 

源泉管理区入り口

アクア「遅かったじゃない!ほら、行くわよ!」

嫌がるウィズとめぐみんをクリスの代わりに説得するハメになり、ぐったりした僕を見るなりアクアが声を上げる。

モルガナ「ん?認知世界の匂いがするな」

レイ「いや、ジェイルもパレスもないんだろ?探知機も反応してないし」

めぐみん「あそこに警備員と思われる人が倒れているのですが」

レイ「どうせアイツらがやったんだろ」

ウィズ「うう・・・正体がバレたら絶対殺されます」

ダクネス「その時は守ってやる。何かあったらバニルに間違いなく殺される」

クリス「そう?私が返り討ちにするけど」

レイ「そん時は鉄拳制裁だな」

クリス「ごめん」

そんな事を話しながら山を登る。アクシズ教徒とアクアは先にどんどん進んでいるが、僕達はゆっくり歩こう。

と、アクア達が停止しているのに気がついた。

そこには・・・

ダクネス「これは・・・初心者殺しか?」

初心者殺しと思われる毛皮と犬歯が落ちていた。だが、剣や魔法は愚か銃の跡もなかった。というか、なんか溶けてる。

モルガナ「だろうな。だが、跡が変だってうおっ⁈」

モルガナが僕を見て驚愕する。

レイ「ん?どうし・・・。なんで怪盗服になってるんだ?」

めぐみん「あ、私もです」

モルガナ「認知世界の匂いも強い。ここはパレスとかと大して変わらないな。ここからはコードネームだ」

ゼロ「了解。というか、めぐみんのコードネーム決めてなかったな」

ウィズ「おいていきますよー?」

モナ「先に行っててくれ、すぐ追いかける」

クリス「分かったけど、無茶しないでよ?」

そう言いながら、クリス達は先へと進む。

めぐみん「私のコードネームですか。爆裂魔法からとって、エクスなんてどうです?」

モナ「お前だってバレるだろ。却下」

ゼロ「見た目が鳥みたいだよな。特に鷲」

モナ「なら、イーグルでいいんじゃないか?」

めぐみん「イーグル・・・カッコいいですね、気に入りました」

ゼロ「なら今からお前はイーグルだ。という事で、怪盗の動きの一つ、カバーを教える」

モナ「カバーポイントに一瞬で移動する事だ。身を隠しながら素早く移動できる。カバーポイントは自分で探せ」

イーグル「こうですか?」

1発で成功させたよこの娘。

ゼロ「いや習得速いな。取り敢えず、アイツら追うか」

という事で、皆を追いかける。

追いつくと・・・

アクシズ教徒「『ピュリフィケーション』!『ピュリフィケーション』!」

アクシズ教徒のプリースト達が、源泉のパイプ6本に浄化魔法を手分けしてかけていた。

アクアやクリスの姿は見えない。ここは任せて先に進んだのだろう。

 

ハンス「だああああ!何故ウィズがこんなところにいる!城を出た後はどこかの街で店でも出すといってたじゃねえか!温泉街なんてうろついてないで働きやがれ!」

ウィズ「ひ、ひどい!働けば働く程貧乏になるだけで、毎日頑張って入るんですよ!」

クリス達に包囲され、ウィズに怒っているハンス。

ゼロ「おいダクネス、何があった」

ダクネス「その格好はどうしたのだ。さっきは突っ込まなかったが」

ゼロ「怪盗服だ。そんなことより説明してください」

ダクネス「ハンスがウィズの天然に正体を看破されてキレた」

イーグル「そうですか」

ダクネス「め、めぐみんか?お前も・・・」

イーグル「今はイーグルと呼んでください」

ダクネス「⁇」

ハンス「もういい!もう知るか、お前ら全員食ってやる!」

ハンスはそう叫ぶと。黒いゼリーみたいな巨大スライムへと形を変えた。

イーグル「あの姿はマズイです!逃げて下さい!全員逃げて下さい!」

アクア「残りの源泉に向かっているわ!止めないと・・・!」

ゼロ「アクシズ教徒達は他の源泉の浄化の最中だ!僕達だけじゃどうにも出来ないだろ!」

アクア「いや、ばらけて動きが止まったら出来るはずよ!」

モナ「ウィズ、アクアに正体バレたんだろ?なんで襲われなかった?」

ウィズ「バレましたが、今はそれどころじゃないので見逃してもらえました」

イーグル「・・・なら、ウィズとゼロの2人がかりで凍らせ、私の爆裂魔法で粉砕した後にアクアが浄化する、というのはどうでしょう?」

ダクネス「わ、私はどうすれば」

イーグル「飛び散る破片から皆を守ってください。特に源泉」

モナ「合図はワガハイが出そう」

ゼロ「それで行こう。同時に撃つぞウィズ」

ウィズ「はい!いつでもいいですよ!」

イーグル「詠唱完了です、いつでもぶちかましてやれます!」

モナ「よし、攻撃開始!」

ゼロ「『ブフダイン』!」

ウィズ「『カースド・クリスタルプリズン』!」

2人がかりなので、ハンスは一瞬で凍結した。

イーグル「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

イーグルの爆裂魔法は、ハンスと近くの地形を破壊し、ハンスの破片はアクアが直様浄化した。

クリス「あたし要らない子だったんじゃ」

ダクネス「気のせいだ」

魔王軍幹部ハンスは倒されたという事で、アクシズ教徒は意気揚々と帰っていった。

だがまだ終わってない。何故急に怪盗服になったのか調査しなくては。という事で少し奥へ進むと。

ゼロ「うわーっ⁈なんだこの量のシャドウ!」

モルガナ「多いし気付いてる!やるぞ!」

イーグル「ば、爆裂魔法を撃っても倒れない様にしといて良かった・・・!」

ゼロ「お前らも援護してくれ!クソっ、『フレイダイン』!」

クリス「わ、分かった!『バインド』!」

ダクネス「囮は任せろ、『デコイ』!」

ウィズ「ま、魔力がキツイです・・・」

イーグル「無理しないでください!さっき全力で魔法を使ったのですから!『メギド』!」

アクア「そういうあんたは戦ってるけど」

イーグル「そんな事言ってる暇あったら支援して下さい!あなた女神とは言えアークプリーストでしょう!」

アクア「嫌」

ゼロ「手伝えこの馬鹿が!ってかこっちもお前ら助けただろ!」

アクア「ただ働きは嫌」

こいつ1発殴ってやりたい!

モナ「まあ落ち着け。『マハガルダイン』!」

 

数分後・・・

イーグル「シャドウ全然減ってなくないですか⁈」

モナ「あれだ!真ん中の箱がシャドウを召喚してる!」

ゼロ「つまりあれを破壊すれば終わりという訳か」

モナ「という事で車でゴリ☆押しダァ!」

モナが車となり箱に突進する。箱は煙を出し、次第に動きが止まった。

すると、僕達の見た目も元に戻る。

レイ「モルガナ、キャラが崩壊してたぞ」

めぐみん「というか、このビーコンみたいなものが認知世界を作っていたのでしょうか」

モルガナ「これは持ち帰って解析する必要があるな」

ダクネス「・・・後で説明してくれ」

 

そして山を降りハンスの報酬金を参加したアクシズ教徒達と山分けしてウィズのテレポートで帰ろうとすると。

アクア「私もついて行くわ」

クリス「ええっ⁈」

アクアがテレポートの魔法陣に勝手に入ってきた。

アクア「賢い私は考えたわ。この私が魔王を倒せば、国教をアクシズ教にしてくれるんじゃないかって」

クリス「嘘ぉっ⁈」

ショックで固まっているクリスは放っておき。

レイ「ついてくる事自体は止めないが、もううちのパーティーに空きはない。自分で仲間を探してくれ」

アクア「平気平気!この私にかかれば仲間なんて一瞬で集まるわよ!」

レイ「ならいいんだが。僕達を巻き込むのはやめろよ?」

コイツ馬鹿だし魔王を倒すなんて夢のまた夢だろう。

アクシズ教徒達「いってらっしゃいませアクア様!健闘を祈ります!」

アクシズ教徒達に見送られ。

ウィズ「『テレポート』!」

僕達はアクセルの街へと帰還した。

《続く》




今回登場したアクアさんですが、これからもちょくちょく登場します。
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