【any%RTA】UNDERTALE『二人の地下世界』モード【自殺チャート】 作:波津木 澄
ボクは、Monster達みんなと友達になることにした。
Sansと出会ったSnowdinでパズルを仕掛けてきた彼の弟、Papyrus。そのPapyrusの憧れるロイヤルガードの隊長、Undyne。
Hotlandを抜けた先で出会ったAlphysとは、結局Mettatonとの戦いの後に何もすることができなかったけれど。
それでもボクは前に進んだ。
Victimに外を見せる為に、ボク自身がそうやって納得できるように。
Monsterみんなと友達になって、一緒に地上に出て暮らせるように。
そう思ってたどり着いた王城では、ひとかけらの慈悲も許されることはなかった。どれだけ戦いたくないって言っても、Asgoreは聞く耳を持ってくれなかった。
――だから、こうするしかないんだ。
頭ではわかっているはずなのに、木の枝を握る手が震える。これまでは絶対に
腰の引けた攻撃とも呼べないような攻撃でも、確かにAsgoreに少しずつダメージが入っていた。
塵も積もれば山となるって言葉があるみたいに、ボクの攻撃は徐々にAsgoreを蝕んで、最後にはAsgoreの話を聞くことができた。
ボクは、それでも許すことにした。間違ってなんていないことは、わかったから。これからを変えていけばいいって、そう思ったんだ。それなのに――
Asgoreの周囲に見覚えのある魔力でできた弾が産み出される。そしてその弾はAsgoreの体を砕き、あらわになったソウルまでもを砕いてしまう。
何が起こったのかわからない中で、地面からFloweyが顔を出す。そして、確かにボクに顔を向ける。
「フフフ」
Floweyは笑って、ボクを見ている。
一体何が面白いって言うんだ。ボクの目の前で、同じMonsterを殺して、なんで笑っていられるんだ。
「やっと理解したみたいだね。この世界は――」
どこからともなく六つのソウルがFloweyに向けて飛んでいく。
Floweyもそれを気にすることなく受け入れて……。そして、ボクにハッキリと告げる。
「殺すか、殺されるかさ」
ゲラゲラと笑う声が聞こえて、視界が白に染まる。何も見えなくなって、少し目を瞑る。
そしてもう一度目を開くと、そこはどこもかしこも真っ暗な世界だった。
『……どこだろうね、ここ』
「Floweyがソウルを取り込んで、どうなったのかもわからないし……」
『警戒はしておこうよ』
Victimがボクにそう忠告を示してくれる。
確かに、そうするべきだ。ここまで闇に支配された場所なんて、いつどこから何が襲ってくるのか分かったものじゃない。
そう思って辺りを見渡してみると、奥の方に見覚えのある光が見えた。
Victimには見えないらしいけれど、ケツイの光だ。あそこに行けば何かが分かるかもしれない。
そう思って周りを警戒しながら近づいていく。そして、そのケツイにいつものように触れて――
そのケツイの光が、砕かれてしまう。
そして、とても大きなFloweyの顔が現れる。とっさのことに驚いて後ろへと飛び退くけれどFloweyはお構いなしに話を始める。
「ハロー! Floweyだよ。お花のFloweyさ!」
無邪気に笑いながら。
「キミのおかげで本当に助かったよ。」
子供みたいな明るい声で。
「キミがあいつを痛めつけてくれたからね」
言葉を紡ぐ。
「ボク一人だったら、絶対かなわなかった」
残酷な、言葉を。
「キミのおかげで」
一瞬、Asgoreの顔にFloweyの顔が変化する。
「あいつは死んでくれた」
確かに見えたはずのAsgoreの顔が崩れる。
そして、その顔もすぐに消えて白い歯を見せて笑うFloweyの顔が現れる。
「ニンゲンのソウルも手に入ったしな!」
ケタケタと、Floweyがボクを嘲笑う。
「はぁ~! ボクはもう随分長いことカラッポだった」
「ソウルが手に入って最高の気分さ」
Floweyが嗤う。
「うふふモゾモゾ動いてくすぐったい…」
「あれ? 仲間外れで寂しい?」
「でも、それならちょうどよかった」
「まだソウルは6つしか手に入ってない」
「だからもう1つ必要なんだ」
嗤う。
「あと1つ手に入れはボクは"神"になれる」
神。その言葉にボクとVictimはつい反応してしまう。
「そして新しくみにつけた力で…」
「モンスターにも…」
「ニンゲンにも…」
Floweyはボクたちの様子にまるで関心を示さずに言葉を続ける。
「みんなに思い知らせてやるのさ…」
Floweyの顔が陰に染まって見えなくなる。その中で目と三日月のように開かれた口だけが怪しく光っていた。
「この世界の本当の姿をね」
また、Floweyがケタケタと嗤う。
そして、訳の分からない話が始まる。セーブファイルだの、なんだのと何を言っているのかまるで分らない。
そうだとしても、とても邪悪な考えであることはひしひしと伝わってきた。
そんなことをさせないために、一歩前へ踏み出す。
「ボクを止められると思ってるの?」
Floweyの顔が大きく歪む。口からは鋭い牙とぬらりとした舌が見える。目は大きく見開かれて、ボクをとらえている。
まるで獲物を逃さんとする捕食者だ。
「フフフ…。キミは本当にバカだね」
困ったような顔で、Floweyはそうボクに告げる。
けれど、もう絶対に揺らがない。目に見えるものじゃなく、ボクは胸の中にケツイを抱いたのだから。
今は、絶対にFloweyを止めて見せるっていう、ケツイを!
そう思ったボクの目の前に現れたのは巨大な影だった。
とても大きな、大きな影だ。
正面にはまるでテレビのような箱があり、そこにFloweyの顔が映し出されている。その箱からはいくつかの管と、棘の生えた植物の茎のようなものが四方に伸びている。
『……怖気づいてなんて居られないよ。さぁ、覚悟を決めよう』
「うん、わかってる。……証明して見せる。ボクのケツイを」
次回?知るか