【any%RTA】UNDERTALE『二人の地下世界』モード【自殺チャート】   作:波津木 澄

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Neutral-End これでおわり?

 ボクの視界を真っ白に染めていた光が収まる。

 目を開く。すると目の前には、変わらない真っ黒な空間が広がっていた。その中に、見覚えのある黄色い花が頭を垂れて咲いていた。

 体に傷を負わされた黄色い花。お花のFlowey。

 

 ボクには二つ、取れる行動がある。

 ここで動くことのできないFloweyを倒してしまうか、それとも許して友達になるのか。その二択。

 けれど、ボクのとる行動はもう決まっている。

 確かに、FloweyがVictimの命を奪ったことは許せない。

 

「……何見てんだよ?」

 

 Floweyがボクを見つめる。こうしてボクが何もせずに立っていることが不可解なようでボクを睨んでいる。

 

「ぼくが反省したとでも思うわけ? ハッ……まさか」

 

 ボクのことを鼻で笑ったと思えば、Floweyはまた顔を伏せてしまう。そんなFloweyにボクは目線を合わせるためにしゃがむ。

 ……まだボクの方が目の位置が高い。

 

「ボクを見逃したってなにも変わらない。終わらせたいならとっととボクを殺せよ」

 

 伏せられていた顔がボクをまた睨みつける。

 関係ない。ボクはもう決めたんだ。Floweyと友達になるってことをすでに。

 

「ボクを生かしておいたら……。また戻ってくるよ」

 

 ボクを見ていた顔が歪む。ゆっくりと顔が上がってきて、ボクをハッキリと見つめる。

 

「キミを殺しに」

 

 構わない。

 

「皆を殺しに」

 

 Floweyの顔が凶悪そうなものに変わる。

 けれどそんなことは関係ない。ボクのケツイは、すでに決まっている。

 

「キミの大切な人を皆殺しにね」

 

 その言葉によってVictimの顔が思い出されてしまう。

 とりあえず一発だけ、デコピンを空振りさせる。びくりとFloweyが体を縮ませる。その姿がなんだかおかしくて少し笑ってしまう。

 Floweyにずっと、ボクは話しかける。

 この地下世界であった話を続ける、Floweyと友達になるために。

 

「どうしてそんなに……優しくするのさ?」

 

「ボクはキミと友達になるって、決めたから」

 

 それが、Torielさんとした約束だ。

 逃げるんじゃなくて、戦うわけでもない。お話をして、友達になる。

 そうやって、皆と友達になるって決めたから。

 

「……バカじゃないのかい? 何度も何度も殺されて、それでも友達になろうなんて!!」

 

「友達になりたいからだよ。ボクは、キミと友達になるって、もう決めたんだ」

 

 確かにFloweyはボクのVictimの命を奪ってしまった。けれど、()()()()()()()をしたのはボクなんだ。

 ボクが時間を遡らせようとする流れに逆らったから、Victimはどこにもいないんだ。

 

「だからこそ、ボクはキミを許すよ(MERCY)

 

「…………ぜんぜん……わかんないよ…」

 

 そう言い残してFloweyは地面に潜ってしまう。

 慌てて止めようとしても、遅かった。けれど、きっとボクはみんなと友達になれた。そのはずだ。

 

 そう思って、()を見つめる。その先にあるのは見慣れた太陽の黄昏の光。

 地上とこの地下世界をつなぐ壁に手を当ててみれば、少しの抵抗感は感じるけれど通り抜けることはできそうだ。

 ここを通り抜ければ、ボクは地上へと帰ることができる。

 それが、ボクの本来の目的だ。けれどこの先へ向かうことが……友達と合うことができなくなるっていう事実が恐ろしくて立ち止まっている。

 

『……早く行きなよ。それがキミの目的だろ』

 

「――――Victim!?」

 

 思わず振り返った先にいるのはもう見慣れてしまった半透明のVictimだった。

 けれど、ソウルはひび割れてしまったはずだ。それなのにどうして……。

 

『私はしぶといんだよ。こうして生に無理やりしがみつくくらいにはさ』

 

 その胸の中にあるソウルは、確かにひび割れていはいたけれど、また形を留めている。

 完全に壊されたわけではなかったみたいだ。Victimは死んでなんていなかったんだ。

 

「……でも、よかった。さ、一緒に」

 

 行こう、って。そう言って伸ばそうとした手をVictimは振り払う。それどころかボクを両手で突き飛ばして、バリアの外へと押し出した。

 信じられなくて、目を見開いてみたのは――

 

 ボクに向けて優しく笑いかけるVictimと、その胸の中で静かに崩れていくひび割れたソウルだけだった。







 かくして、ぼくの地下世界での旅は幕を閉じた。
 
 
 
 
 
 
――――いいや、こんな終わり方は許せない。
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