【any%RTA】UNDERTALE『二人の地下世界』モード【自殺チャート】 作:波津木 澄
ボクは、ボクを許せなかった。
結局ボクがしたことなんてVictimを犠牲にして自分だけがあの地下世界から地上へと
そんな終わり方をして……かつて抱いた自分のケツイに嘘を吐くなんて、ボクにはできなかった。
だから、一度だけ。たった一度だけと決めてボクは
この地下世界に、あの時の
どうしたらいいのかは頭の中に埋め込まれている。原理なんて知らない。理由なんて知りたくもない。
だとしてもこれが皆で幸せになるためには必要なことなんだ。
『ねぇ、どうしたの? 急に立ち止まって――』
懐かしい聞きなれた声がボクに語り掛ける。
あり得ない当たり前なそのことが嬉しくてボクは勢いよくその子の方を見る。
変わっていない。何もボクの記憶の中のあの子と何も変わっていない。
「いや、少し用事を思い出してね」
『用事……?』
Victimは自分の記憶を漁っているのか、うんうんと唸っている。
ボクたちよりも先にあの部屋に入っていたAsgoreにも、一言告げてから一先ずボクたちは来た道を辿る。
もう、ケツイは済ませた。
『それで、何をするの?』
「Alphysに会いに行くんだよ」
『でもAlphysは……』
AlphysはMettatonが動かなくなってしまったことで大きなショックを受けていた。確かにそれはそうだろう。
けれど、それが必要ってことを知ったんだ。
とにかく行こう、ってそう声をかけようとした時だった。
Alphysに改造してもらった携帯電話が音を立てて震えたのは。何のことだから心当たりがまるでないままに電話に出てみるとUndyneからボクにお願いがあるらしい。
今のUndyneは確かSansとPapyrusの家にいたはずだ。けれど必要なのはAlphysと合うことで……。
…………でも、友達の頼みを無視なんてできない。
『電話、どんな内容だったの?』
「Undyneからもお願いがあるんだって……」
『それでどっちに行こうかってこと?』
何と言うか、Victimはボクのことをよく理解し始めたらしい。その証拠に今も明らかに仕方ないなって感じでため息を吐いている。
Victimからしたらなんてことはないことかもしれないけれど、今のボクにはそんなことですら嬉しく感じられる。
そんな思いが出ていたのか、Victimはもう一度ボクにため息を吐いてくる。
『私の覚えてる限りだとAlphysとは約束をしてなかったよ』
「……やっぱり今約束した方が優先だよね」
『なんでずっと一緒に居た私の記憶にないことをしようとしてるのかは聞かないでいてあげるよ』
そこを突かれてしまうと痛いな……。けれど、聞かずにいてくれるVictimの優しさに今は甘えることにしよう。
Alphysには心の中で謝ってから、行き先を変更する。
目指すのはSnowdin。他でもないカミサマって存在のせいでVictimの体だけが取り残された雪の町だ。
…………正直な話をするとあまり行きたくはない。
あの後何度かSansと会うことはあったけれど、どうしてもぎこちなくなってしまっていたから。
"あっちのガキンチョについてだが……。あっちのニンゲンは、最初から自分が死ぬってことを知っていたように見えた。だから、アンタは悪くない……。少なくともオイラはそう思うぜ"
審判を終えたSansから最後につけたされた言葉がボクの頭の中をよぎる。……悪いのは、カミサマって言う存在だ。それは確信を持って言える。
けれど、ボクは結局救えなかった。
今度は救って見せるなんて、そんな高慢なことは言えない。けれど少なくとも
そのために必要なら、気まずさなんて捨てなきゃいけない。
「……行こう」
今度は、皆と地上に出るんだ。