【any%RTA】UNDERTALE『二人の地下世界』モード【自殺チャート】   作:波津木 澄

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ホンへがぴったり3000文字だったので初投稿です。


Neutral-2 分かりやすいパズルから二人っきりが始まるまで

《Victim》

 

 

 ―――手をつないで進んで。

 カミサマからの指示が来た。その指示にしたがって隣にいる子供の手を握る。なんでかさっきしたはずのケガはすっかり消えていた。

 けれど、いつだって私のすることに変わりはない。よく見てみると子供は少し遅れている。もしかしたら、カミサマは子供が遅れることを危惧しているのかもしれない。

 だから私は少しだけ進む足を緩めて、子供の手を握る。握った瞬間は驚いたみたいだったけれど、すぐに握り返してくれた。

 

 そのまま握った手を引いて歩く。前にいるMonsterはそんな私たちを見てどこか嬉しそうな様子だ。

 目の前でMonsterが立ち止まって何か話すが、カミサマの言う通りに聞き流す。必要なことはカミサマが教えてくれるから、それでもいいだろう。

 ―――矢印の書かれたスイッチを押して。その子は奥に行かせて。

 

 カミサマの指示だ。言うとおりにしよう。一度手を放してから矢印のあるスイッチを押そうと提案する。

 少し消極的な様子だが、奥の方をお願いしてすぐに手前のスイッチに歩き出したら何を言っても無駄だとわかったのか、おとなしく奥のスイッチに向かってくれた。

 スイッチを押して、その間にMonsterの前まで歩く。

 

 私がMonsterの目の前に着いたところであの子供もスイッチを押したようで、Monsterの奥にあった針の生えた床から針が引っ込んでいった。

 どうやらそのためのスイッチ……パズルだったようだ。この後に出てくるものも同じようなものなのだろう。だったら、さほど複雑な指示もこなさそうだ。

 

 次の部屋に行ってみればそこにはマネキンが立っていた。どうやらこのマネキンと話をしなければならないようだ。

 ………ここはいいね。とっても過ごしやすいよ。

 何となく思ったことを行ってみるが、当然返事は返ってこない。なんともチグハグな会話だ。

 子供も同じように一方的な話を終えて、Monsterが少し喋る。当然聞き流して、先に進む。

 すると針が敷き詰められた道が見えたところでMonsterが現れた。

 

 ―――その子供と逃げて。今すぐに。

 カミサマがそういうから、危険なモノかもしれない。

 何か行動をしようとしていた子供の手を取って案内してくれていたMonsterの方まで走って逃げる。子供は少し不満げだが、これでいいのだろう。

 次に挑むのは目の前のとげの道のようだった。ヒントと思わしき物も見ていないことまで相まって、少し狼狽えてしまう。

 カミサマも何も言ってくれないことに焦っていたら、今度は子供の方が手を伸ばしてきた。どうやらMonsterと手をつないで歩いて行くようだ。……確かに、これなら指示は必要ない。

 やっぱりカミサマは未来を知っているらしい。それはつまり、本当の意味で何も考える必要がないという事だ。だって、カミサマは未来を知っていて、そこに私を導いてくれるのだから。

 

 次では手を離されてすぐにMonsterが走り去ってしまった。

 ―――お話でもしながら進んで。

 そう言われたから話を始める。けれど地上で友達のいなかった私には何を話すべきなのかがわからない。

 どうしたものかと口をモゴモゴさせていたら子供の方から話を振ってくれた。

 

「えっと、キミは名前……なんて言うの?」

 

「……Victim。私は、イケニエだから」

 

「イ、イケニエ……。あ、ち、地上では何してた…の?」

 

「……何も。イケニエには何もいらないから」

 

「え、えぇっと……」

 

 何か、さっきのマネキンと同じような会話になってしまっている。これはあまりよろしくないことだと思うが、今更どうしようもできなかった。

 

 

 

■◇■◇

 

 

 

《八人目くんちゃん》

 

 

 隣にいる子は、時々どこかわからないところを見ている。

 今だって、どこかわからないところを見ていて一瞬Torielさんについていく速度が遅れていた。

 後ろにいるからそういうことがよくわかる。何を考えていたのかはわからないが、今の状況では先に進む以外の道がないことに変わりはない。

 

「…………」

 

「……えっ?」

 

 何も言われないままにこっちに来た子はボクの手を握った。

 そうされてから、もしかしたらこの子も不安なのかもしれないと行き当たって、ボクがこの手を握り返すことで不安が張れるのならと、握り返した。

 

 握った手を引かれるままに進んでいると、これ見よがしに書かれた矢印に囲まれたスイッチがある道についた。

 あからさますぎるそれは、きっとこの道にある仕掛けを解くための答えなのだろう。

 

「…奥、お願い」

 

「えっ、ちょ、ちょっと」

 

 お願いされてからすぐに手を離されて、その子は先に手前のスイッチへ歩いて行ってしまった。何かを言う時間すら与えられなかったこともあって渋々奥にあるスイッチへ向かう。

 矢印と一緒にこのスイッチが正解だという文章が書かれている。

 その文に従ってスイッチを押す。少し引っ張るだけで作動したそれは、道の先で何かが起きたようだった。

 振り返って見てみれば道の先に何か小さな穴が開いている。どうやらあそこに壁のようなものがあったらしい。

 ……こう言っては悪いが、子供騙しのような謎ばかりだ。この先もそうなのだろうか。

 

 そんな言いようのない考えを持ちながらも先へ進む。

 道の先で待ち構えていたのは物を言わないマネキンだった。

 Monsterに出会ったら話をしろ、という事でその練習らしい。……どうやら、本当にこのTorielさんは心優しいようだ。

 疑ってかかったことを謝ったほうがいいかもしれない。間違えたらごめんなさいはするべきことだから。

 

「ここはいいね。とっても過ごしやすいよ」

 

 隣に立った子がそんなことを言うのを横目に見ながら何か話す話題を探す。

 どうにか出てきたのは結局隣の子と変わり映えしない内容だった。

 しかし話しかけたところでマネキンである以上、返事はない。一方的な、滑稽な会話だ。

 けれどTorielさんは満足げに頷いている。

 

 警戒していた自分がバカに思えてくる。だから警戒も解いていたところだった。

 そこに何とMonsterが現れたんだ。

 さっき言われたことを早速試そうと話す内容を考えていると、手首を掴まれ、そのまま引っ張られる。

 どうやらもう一人の子に引っ張らて、逃げることになってしまったようだ。

 

 もしかしたらまだ他のMonsterが怖いのかもしれないし、強くは言えない。

 だから何も言わずにいたが、どうやら次は針でびっしりと埋められた道だった。

 さすがにこれはないだろうと足をすくませていたら、その様子を見ていたTorielさんにまだ早いと言われ、手を引かれながら進むことになった。

 初めて触るその手はモフモフとした毛におおわれていて、とても暖かかった。

 もう一つの手をすぐ後ろにいた子の手とつなぐ。

 

 そして針の道を通り終えたところだった。急に手を離されて、Torielさんは走り去ってしまったのだ。

 けれどそのまま進んでいる間に、隣で歩いている子が口をモゴモゴとさせている。

 何か言いたいのかもしれないと思って少し待っていたが、その口からは何も出てこない。だからボクから話しかけることにした。

 

 まずは無難に名前を聞いてみると、どうやらVictimというらしい。それも、イケニエだからという理由で。

 思わず何も言えなくなって、地上での思い出を聞いてみるが、話はまるで弾まない。

 結局、ボクが当たり障りのないことを話しながら進むことになってしまった。




次回の投稿予定は未定だって言ってんだろ、いい加減にしろ!
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