【any%RTA】UNDERTALE『二人の地下世界』モード【自殺チャート】   作:波津木 澄

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忙しくててんてこ舞いなので初投稿です。

(投稿期間が開いたことに対する言い訳は)ないです。


Neutral-3 二人きりから戦闘準備まで

《Victim》

 

 

 ほぼ一方的な会話ながらに廊下を進み終えたところで、Monsterが何かを話していた。

 カミサマの言うとおりにしていただけなのだけれど、隣にいる子供がなんなのか、よくわからない。

 ほら、またカミサマからの指示が来た。今度は先に進むらしい。

 

――先に進もう。

 

 そう提案をしてみるが、子供はあまり首を縦には振ってくれない。どうしたものかと思っていると、また指示が来た。

 

――二人だけで先に進めれば褒めてもらえるかもしれない。

 

 そういえと言われたから、言う。たったそれだけの事だったのに子供は少し悩んでから進むことに決めたらしい。

 カミサマの言う通りに進んでいる間に何度かMonsterが出てきたが、全部無視して逃げる。

 子供が何か言おうとしているけれど、関係ない。ただカミサマの言うとおりに進んでいればいい。それだけの事なんだから。

 

「ねぇ、お話しないの?」

 

 そんな提案は知らない。カミサマがしないと言えばしないのだ。

 だってそれがVictim(イケニエ)の仕事なんだから。カミサマは何でも知ってるから、イケニエである私は何も知らなくていい。

 ほら、カンタンだ。だってそうしているだけで全部が終わるんだから。

 

 ここにあるパズルだって、なんでもカミサマが教えてくれる。

 だってカミサマなんだから、わからないはずがないんだ。岩を押したり、ヒビ割れた床を通ろうとしたり。全部、カミサマの言うとおりに動いていればすぐに終わった。

 やっぱりカミサマはすごい。未来が見えていて、私なんかに教えてくれるような優しさがある。カミサマが言うにはそのままの未来ではただ死ぬことになっていたらしい私を、こうして導いてくれるんだ。

 

「グーグー」

 

「えっと……?」

 

 口でグーグーと言っているお化けがいた……?

 

――――励ましてあげて。

 

 ……カミサマがそう言ったんだから、そうすればいいんだろう。

 起こして、褒めて、褒める。褒めるのに必要な言葉はカミサマが教えてくれる。

 少ししたらどこかに行ったお化けを見送って、また歩き出す。Monsterが出てきたら子供の手を取って逃げる。そうして大半の時間を走りながら遺跡のパズルを抜け出した。

 

――――誇らしげにしましょうね。

 

 そう言われて、誇らしげと取れるらしい表情を形作る。Monsterは少し困ったような表情をしたが、それもすぐに消えた。

 案内された部屋の中には入らずに、カミサマの言うとおりに私は動く。

 

――――外に出してもらおう。

 

 そう言われたから、外に出してほしいとお願いをする。

 なぜか子供もついてきて、一緒に説得をしたら"少し早くなった"と言っていた。なにが早くなったのだろう?

 早くなったことが嬉しいのなら、もっと早くしないといけない。私はカミサマの言うとおりにしないといけないけれど、できれば喜んで欲しいから。

 

――――最初で最後の戦闘だよ。

 

 ああ、どうやら私たちは戦うらしい。

 けれど、別に関係はない。私はただ、カミサマのやりたいことを代行するだけのイケニエなんだから。

 

 

 

■◇■◇

 

 

 

《八人目くんちゃん》

 

 

 隣にいた子……Victimはやっぱり、あまり会話をしてくれなかった。何度か話を振っても、すぐに途切れてしまう。

 ボクも初めて見るこの地下世界は、どうにも目新しいモノばかりだ。それなのにVictimときたら"まるで見慣れたもの"みたいに一切脇目もふらずに進んでしまう。

 ボクとしては、もっと見ていたいのだけれど、そんなことも許されない。……そう思っていたら、目の前にあった柱の陰からTorielさんが出てきた。

 どうやら、ボクたちが二人だけでも大丈夫なのかを見ていたようだった。

 その試験には合格できたようだ。だから、というわけかはわからないが二人でここにとどまるように言われてしまう。

 

 勿論待っていると頷いたらTorielさんは安心した様子で去っていった。ボクに携帯を渡して。

 それで何ができるのかを考えていたら、一緒に待とうとしていたはずのVictimが立ち上がって先に進もうとする。

 慌てて止めてみれば、"先に進もう"って言う。

 

「で、でもここで待っててって言われたんだよ? それなのに、先に進むの?」

 

「進む。……二人で先に進めれば褒めてもらえるかもしれない」

 

 二人で進めれば、褒めてもらえる……? 確かに、Torielさんは来てはいけないって言っていた。

 でも、そんな道を二人で進めていたとしたら……、褒めてくれるのかな。

 褒めてもらえるんだとしたら……ボクは、褒めて欲しい。

 

「…………わかった、行こう」

 

 少し考えてからそう言えば、Victimはすぐにボクの手を握って先へ進もうと歩き出した。

 途中で分かれ道があったり、Monsterが出てきてもVictimは構わず先へ進んでいく。何かに突き動かされるように、ずっと前だけを見て。

 

「ねぇ、お話ししないの?」

 

 Torielさんは、Monsterと出会ったらお話しをしてと言っていた。

 それなのにVictimはなにに追い立てられているように走って逃げ続けている。

 ボクの言葉に対しても、次に出てきたMonsterを逃げることで答えられてしまう。どうやら本当にVictimは逃げ続けるつもりらしい。

 でも、そんなことじゃいつまでたっても彼らはボクたちのことをわかってくれない。それなのにどうして逃げ続けるのだろう。

 パズルの事になると一緒に動かそうと提案してくれるけれど、Victimは他の事では声をかけてくることがない。

 ボクの手を取って、ずっとせかされているように歩き続けている。

 どうにか一緒にお話をしたいって、そう思っていた時だった。

 

「グーグー」

 

 えっと……多分、口でそう言っているユウレイが落ち葉の上で寝転がっていた。

 ボクが起こしてみたら、なんだかそのままお話の機会が始まってしまった。どういうわけかは知らないが、話をできる、という事に変わりはないらしい。

 Victimの方を見てみても、少し考えてからユウレイに励ましを始めたようだ。

 

「……今日はステキな日だね」

 

 唐突すぎることだったけれど、そうした方がいいのかもしれないから、同じように励ましを選択する。

 なんどか励まして、攻撃を避けて……いや、攻撃はそれほどされていないのだけれど。ともかくそれを繰り返すと、NapstablookというらしいユウレイのMonsterは去っていった。

 これで先に進めるとわかるとまたVictimはボクの手をとって歩き出す。

 少しくらい、変わってもいいと思うのだけど。

 

『prrrr……』

 

 これまでにも何度か鳴っていた携帯がまた鳴り響く。けれど今度はすぐに切れてしまった。

 というのも、目の前にTorielさんが居たんだ。だから電話よりも口でお話する為に電話を切られたんだ。

 

「……ムフー」

 

 急なことに驚いたけれど、隣でVictimが誇らしげな顔をしていた。

 本当に、褒めて欲しいと主張する表情だ。それを見たTorielさんはそれだけで全てを察したのか、すぐに仕方がないと言いたげに笑ってから案内を再開してくれた。

 そうして進んだ先にあるのはHomeというらしいMonster達の家。

 そこにある一室に案内された。けれどVictimは部屋の中へ入ることもなくTorielさんを追いかける。一体何があるのかとついていくと、そこではTorielさんに外に出たいと説得をしているところだった。

 ……確かに、この地下世界はステキなところだ。けれど、Victimは……。外に出て、やりたいことがあるのだという。

 

「私は、外に……行かないと、いけない」

 

 そう言って、VictimはTorielさんを見つめる。

 うん、ボクも外に出たい。……いや、正確には外に出してあげたい。だから、ボクも説得に参加する。

 ボクたち二人に説得されて、Torielさんはスッと立ち上がると外に向けて歩き出した。

 追いかけていると、どうやら外へ続く扉を壊そうとしているらしい。ボクたちの為らしいけれど、ボクは外に出たいんだ。

 だから、そんなことはさせない。

 

 

 ボクたちの前に立ちふさがるTorielさんを説得してみせる。

 そんなケツイが、ボクを満たした。




次回の更新予定は未定だって、それ一番言われてるから。
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