【any%RTA】UNDERTALE『二人の地下世界』モード【自殺チャート】 作:波津木 澄
詳細なタイムは39分32秒16、文字数は3266文字。大体1.3文字毎秒でした。
これだいぶ速いんですって。ずっと普通だと思ってました。
なんでこんなRTAすることになったのかとかの経緯とか裏事情とか知りたい人はボクのTwitterでもフォローしたらええんやで^^
https://twitter.com/Lesser_SS?s=09
……3000文字以上のSS執筆RTAでも世界記録取れるかもしれない。
《Victim》
「よお、ニンゲン」
その声は確かに後ろから聞こえてきた。
しかし、私たちの歩いてきた道を通る存在は居なかったはずだ。後ろから追いかけて来たにしても、これはあのMonsterの声じゃない。
「初めて会うのに挨拶もなしか? こっちを向いて握手しろ」
――――その声に従って。
正直、得体のしれない存在に従う気はあまり起きていなかった。これまでのように後ろにいるであろうMonsterから逃げ出すとばかり思っていたから。
けれどカミサマははっきりと"従え"と私にそう言った。カミサマが言うのだから、きっと後ろにいる存在はMonsterではないのかもしれない。
そう思って振り返って、差し出されていた手と握手をする。
手を握ると、何か空気の入った袋があったようで、それがとても大きな音を鳴らした。
隣にいる子供はとても嫌そうな顔をしている。もしかしたら不快な音だったのかもしれない。
そう思って再び前を見てみると、そこには白い、白いなにかがあった。大方シルエットとしてはニンゲンに似ていて、目のある所は白い光があるだけで他はぽっかりと闇が広がっている。
けれど、どうやらそういうMonsterなようだ。Monster相手に逃げなかったのはついさっきの戦いの時くらいだ。
それもこうして
「あー、どうやらそっちのニンゲンはオイラの
何やらMonsterは僕相手に話しかけているみたいだけれど、カミサマに何も言われないので聞き流す。
その様子に何か変なものを見る目を向けられたが、気にするものじゃない。
ともかく、話を流していると子供に手を取られてランプの後ろに連れていかれる。
私とあの子供にピッタリの大きさのランプがなぜか二つあるおかげで別のMonsterから姿を隠せるそうだ。
軽く触れてみるがしっかりと固定されていて動かせそうにない。……これを持っていけば隠れられるかとも思ったが、現実はそう甘くないようだ。
……いや、そもそもこんな大きなものを持っていたら遅くなってしまうだろうか。ならば持っていく意味はないだろう。
そう思ってランプから手を離したところで後から現れたMonsterが去っていく。
――――さぁ、ここです。
唐突に、カミサマがそう言った。
確かにボクはイケニエとして生まれて来たし、生きてきた。だからこそ覚悟はしていたことだ。
けれど、こうして唐突に言われると一瞬躊躇ってしまう。
……いや、躊躇いなんて私には必要ない。だって最初から決まっていただろう。私はイケニエだ。
「――――これで、みんなを助けてあげて」
カミサマの言葉をそのまま私が口にする。
軽く息を吸って、これから死ぬという覚悟を確かに定める。
「なんで、急にそんなことを……」
子供のそんな声が聞こえてきた。けれど、それにはもう答えたはずだ。
私は、
「カミサマがそう言ったもの」
最後に一度だけカミサマに逆らってしまった。あの子供にただそれだけを伝えて、決めた覚悟の通りに舌を噛み千切る。
痛みは確かにすごかったが、すぐに私という存在は死んだのだろう。
死んだくせに、私はなぜか思考をしている。どういうことかと思ってもカミサマからの言葉はない。最後に逆らったから見捨てられたのかもしれない。
そう思うとこれからどうすればいいのかまるで分らなくなって、不安で体がガタガタと震える。
「……なんで、オイラに言うんだよ」
そんな声が聞こえてきて、明確に『私』を掴まれる。そして引きずり出されると、明るい光がまず私を拒絶した。
その光から目を逸らして地面を見てみれば、そこには確かに私がいた。舌を切った影響なのか、口から赤い液体を溢れさせるニンゲンの遺体。
まず確実に、私だった。
「――Sans、ごめん!」
そこにいた『私を見る』という行為に私が驚いていて、私を引きずり出したMonsterもあまり乗り気ではなかったからだろう。
『私』はそこにいた子供に横から掠め取られて、そのまま子供は走っていってしまっている。
――――な、何が!?
カミサマの焦る声が聞こえる。
まるで、
もしかしたらカミサマは最初から未来なんて見えていなかったのかもしれない。そう思うが、けれどもう遅い。私は死んでしまったし、こうしてカミサマの想定外は起きてしまった。
――――とりあえず、離してもらいなさい!
カミサマが初めて使う"命令"の口調。
けれど声すら届かないだろうと思いながらも"離して"と声に上げようとしてみる。
そうすると子供は足を止めて、周りを見回し始める。もしかしたら声が聞こえたのかもしれないと思ってもう一度同じように『私』を離すように要求する。
今度ははっきりと『私』の視点である方を見て少し驚いたような顔をしながらも、首を横へ振られてしまう。
「ボクは、キミを外に出してあげるって決めたんだ。だから絶対に……キミには、外の美しい世界を知って欲しい」
"
私はカミサマの指示に従うためだけに産まれて、生きてきたんだ。それなのに急に君みたいなやつに横からかっさらわれて"自由に生きろ"なんて無茶だ。
私はカミサマに従う以外の"生き方"を知らないんだから。
「だから、離してよ!!」
そうはっきりと声に上げる。
けれど今度は明確に、より早く子供は拒絶を示して歩き始めてしまった。
カミサマも、諦めたようなため息を零している。これは、本当に見捨てられたのだろう。
私は今、生きる指標であるカミサマも失った。代わりに得られたのは先の見えない真っ暗なジユウという訳の分からないモノだ。
そんなものはいらない! 私は
ただ産まれて死ぬだけだった私に、カミサマが意味を与えてくれたんだ。それなのに、それを失って得るようなジユウなんて、私はいらない。
私はただ……カミサマの指示に従っていれば、幸せだったのに。
「違うよ。そんなのは幸せじゃない」
『私』を掴む子供ははっきりと私を否定する。
訳が分からない。じゃあ幸せってのは何なんだ。カミサマから見捨てられて、もう体もない私に……君の言う幸せってやつが掴めるというのか。
八つ当たりのように吐き出した言葉は勢いだけで紡がれて、まるで支離滅裂なものだった。
得られるはずのない幸せを望むなんて……本当に無茶苦茶だ。
そう思って、答えることもない子供に対してもう一度"離してくれ"と言おうとしたところでようやく子供が口を開いた。
「ボクにとっては、誰かと一緒に居られて……楽しくお話ができたら幸せって感じる」
「そんなのは君の事情だ。私には関係ない」
そうはっきりと突き放したら、子供は少し傷ついたような表情になったけれど、すぐにまたにっこりと笑う。
「そうだね。これはボクのわがままだ。だから……
"ボクはキミともっと楽しくお話がしたい"って、子供はそう言った。
私は、誰かの幸せの為に死ぬことを強要された。それはあの村でもそうだし、カミサマに言われた時もそうだった。
けれど、目の前の子供はそんなこと一切思ってもいないだろうに"自分の為だ"って言って見せた。
目の前の子供は、自分の為でなく、私の為にと最初は言っていた。それなのに、私の話を聞いたらあっさりと"自分の為"に理由を変えた。
――そこまで言われたら、しょうがない。
私が意見を変えるのに必要な時間はそう多くはなかった。
結局、カミサマは私に意味を与えてくれただけで、私自身のことについてはまるで考えていなかった。
けれど、この子供は違う。……理由なんて、それだけで十分だろう。
(別にTwitterフォローする利点は)ないです。
次回?
一話分のバッファは欲しいのでRTAパートをプロットとして使えなくなる分大分遅くなりますねぇ!
こいついっつも遅れてんな。