今回はキリのいいところで終わらせているので短いです
アガレスが去ったあと、気を失ったバサラをダクネスが抱き止めた。
「全く、お前はいつも気絶してるな」
子供のような寝顔を見せるバサラを見てダクネスは「うふふ」と微笑む。
その姿からは普段のドMのド変態という事実が信じられない。
それほどまでに今の彼女は美しかった。
「ダクネスぅ」
そんな彼女のそばにカズマとめぐみんも駆けつける。
「バサラは無事ですか?」
「あぁ、気を失っているだけだ」
「ほんとこいつは心配ばっかさせられるぜ」
人の気もしらないですやすやとダクネスの膝枕で眠るバサラを見てカズマがデコピンを放った。
ペチンといい音が響くと同時にバサラの顔が若干強ばる。
「お、おい、やめてやれ」
「いいや、これくらいしとかないと気がすまない。いったいどれだけ心配したと思ってるんだ」
そういってカズマはため息を吐く。
「カズマさぁ~ん、バサラは?」
するとそこへ先程まで負傷者の治療をしていたアクアがやって来る。
「命に関わる怪我はないわね。《ヒール》」
アークプリーストの十八番である回復魔法を使用しバサラの怪我を治す。
「それにしてもやはりバサラの機竜はカッコいいですね」
「そうだな、こいつは俺たちの英雄だよ」
「あぁ、全くその通りだ」
ベルディアとアガレスの襲来の翌日。
カズマたち一行は冒険者ギルドにて報酬が渡されていた。
ギルドの酒場はいつもより人が多く、昼間だというのにベルディア討伐記念の宴会が開かれていた。
「ダクネス、私だって少しくらい飲んでもいいじゃないですか?」
「ダメだ。幼いうちから飲んでいると体を壊す」
「カズマッ、ダクネスがケチなことを」
「今日くらいいじゃないか」
「し、しかしだな」
報酬をもらったカズマたちも飲んだくれている。
「それじゃあ、俺はジュースでももらおうかな」
「「「バサラッ」」」
「よう、全くひどいな怪我人放置で自分達だけ宴会を楽しむだなんてよ」
酒のことでめぐみんとダクネスが争っていたが、そこへバサラが入り込む。
「怪我はいいのか?」
「怪我はアクアが完治させてくれた・・・ってなんかデジャブだな。まぁいいや、それよりめぐみんも絶対に飲むなとはいわないがあまり飲みすぎるなよ」
「は、はい。バサラは飲まないんですか?」
「あ、あぁ、俺までカズマみたいにセクハラ魔になりたくないしな」
何かを誤魔化すようにバサラは酒を断る。まるで過去になにかあったかのように・・・
「バサラ、報酬はもらったの?」
すると今度はアクアがやって来る。
アクアの両手には扇子が握られており明らかに先程まで宴会芸を疲労していたとわかる。
「報酬か」
そして報酬を貰いにいったのはいいのだが・・・
「実はカズマさんたちのパーティには特別報酬が出ていまして。魔王軍幹部のベルディアを見事撃ち取ったということで、三億エリスを与えます」
「「「「さ、三億ッ」」」」
バサラ以外はその金額に目を回す。
「さ、三億だってなんかおごれよカズマ」
「カズマさぁ~ん、素敵ぃ」
あちこちでカズマたちを称えるもとい玉の輿を狙う声が聞こえる。
「え、えぇと、その・・・カズマさんたちにはアガレスが最後に放った攻撃の被害を弁償してもらうという声が上がっております。さすがに全額ではありませんが一部ということで三億四千万エリスの弁償金額が」
苦笑を浮かべるルナを見てカズマは顎を地面にぶつけるほどに口を開ける。
「全く、あの女はどんだけ人様に迷惑をかけるんだよ」
ここまでくると笑うしかないとでも言いたげにバサラは先程受け取った報酬の五十万エリスが入った袋をルナに渡す。
「これで残りは三千九百五十万エリスだな。俺は金に困ってないから今回はいらない」
「かっけえ」とカズマがこぼす。
「というか今回のMVPは完全にアクアだしな。ベルディアの浄化に加え死人の蘇生と怪我人の治療」
「それはそうだけど?ほんとにいいの?」
「いつも金、金いってるアクアが遠慮するなんて珍しいな。気にすんな、その気になれば残りの借金だってすぐに返せるしな」
そういってバサラは先程注文したジュースをガブ飲みする。
「ぷはぁ~、アガレスのやつ次あったら絶対に許さないからなああああ」
ジョッキのジュースを飲みきったあと、バサラは大声で叫ぶ。
今回で原作の一巻は終了です。
二巻ではついに黒き英雄が姿を現す・・・のではないかと思います。
さて、バサラ君のいい人ぶりが少し狂気的に思えますね。
一体なにがあるのやら・・・