今回はバサラとめぐみんの会話が主な話となっていますが、めぐみんはバサラのヒロインではありません。
パーティ交換事件から数日が経ったある日。
カズマが「明日はクエストにいく」なんて言い出した。
普段はそんなこといわないカズマが急にクエストを受けるなんて珍しい。
パーティ交換事件でテイラーたちと組んだため、冒険に熱が入ったのだろうか?
まぁ、なんにせよ、クエストを受けて金を稼ぐというのは大切なことだ。
といっても、今回、カズマが受けようとしているのはダンジョンの探索だ。
そのダンジョンの名前は《キールのダンジョン》といい、洞窟型のダンジョンらしい。
なので、爆裂魔法が放てないめぐみんは落ち込んでいた。
それに加え、冬将軍と戦った際に剣を折られてしまったダクネスも今回は不参加ということらしい。
俺も探索に加わろうとしたが、カズマが「今回は俺とアクアでいく」といったので、俺も今回は不参加だ。
そんなこんなで、俺はめぐみんと一緒に外で待機している。
「あぁ~暇です~爆裂魔法撃ちたいです」
「あのなぁ~こんなとこで爆裂魔法撃ってみろ、ダンジョンに入っているカズマやアクアが埋もれて死ぬぞ」
「分かってますよ。ただいっただけじゃないですか」
「だがまぁ、暇というのは俺も同意する」
「そうですよね!というわけで、機竜を見せてください!」
そういって、めぐみんは俺が抱えていた機攻殻剣をキラキラした目で見つめる。
「駄目だ。こんなとこで召喚してみろ、厄介なモンスターが寄ってくるかもしれないだろ」
「むぅ~」
「はいはい」
俺が適当にあしらうと、めぐみんは項垂れる。
「じゃあ何か面白い話をしてください!」
「面白い話?」
「そうです!バサラはカズマと出身地が同じと聞きました。どんなところだったのか気になります」
「そうだなぁ~。まぁ、ひとことでいえば、平和な国だった」
「ほうほう」
「魔王たちも手を出せないほど遠い国だからな。モンスターも魔獣とかもいねぇし」
「そんな国があるのですか!」
俺の話をめぐみんは信じられないといった様子の表情を浮かべる。
「だから魔法とかも使う奴はほとんどいなかったな」
「そんな!爆裂魔法をしらないだなんて、人生の半分以上を損しています」
「そこまで損するか?」
「当たり前ですッ!でしたら、この私が直々に爆裂魔法を披露しに「あほかッ」はうっ」
ちょっとしたテロを起こそうとしている爆裂娘に俺は軽くチョップを喰らわせた。
「あんなもん見せられたら高齢者が一斉にショック死するわ」
「そんなぁ~、で、ですが、そんな平和な国だったら、なんでこんなところに来たんですか?」
めぐみんの質問はごもっともである。魔王という存在に脅かされている国とは違い、安全な国で生まれているのだ。そんな奴が何故、わざわざ、危険な国にやってくるのだろうか?
「まぁ~ノリと勢い?そしたら、この国にきていた」
「そうなんですか。バサラもカズマと同じで馬鹿なところがありますね」
「なんだと」
めぐみんの言葉に若干同意しつつも言い返す。
「だけどまぁ、この国にきたことを後悔はしてないな」
「・・・そうですか」
チラッとめぐみんの方を見るとニッコリと笑っている。
「さて、俺の話はここまでだ。あとはカズマにでも聞いたらいい」
「で、では、機竜について話してください!!」
「まぁ、話すだけならいいか」
装甲機竜とは本来、遺跡から発見された古代兵器であり、機竜本体と機攻殻剣の一対となっている兵器のことである。
機攻殻剣のグリップを握りながら
また、機竜の中には神装機竜と呼ばれるものがあるが、それらは全て一種類ずつしか存在しない。
汎用機竜と呼ばれる量産型の機竜とは違い、神装と呼ばれる特殊な能力が備わっている。
この機竜を扱うには高い身体能力と高度な操作技術を必要としており、男性の方が操作する適正は高いとされている。
しかし、それは神装機竜の世界においてだ。
アクアによって特典でこの世界に持ってくることのできた機竜の特徴は、まず、俺にしか扱えないということ。
次に、機竜は世界各地に存在する竜と契約することで入手することができる。
それ以外は、神装機竜の世界と一緒だ。
転生特典ということもあって、機攻殻剣の収納は特殊な空間になおすことができるので荷物はかさばらない。この点に関してはアクアに感謝しなければいけない。
「とまぁ、こんな感じだ」
「ほうほう、私も機竜を使いたいと思いましたが、バサラにしか使えないのですか。残念です」
「湖のクエストをやったときみたいに抱きかかえながら空を飛んだりすることはできるから、それで勘弁してくれ」
俺がそういうと、めぐみんは渋々頷く。
「だけどまぁ、俺がまだまだ未熟なせいで、神装機竜を使うと意識がなくなるんだよなぁ」
「やはり、バサラでも扱うのは難しいのですか?」
「《ワイバーン》とかは大丈夫なんだがな、ベルディアやアガレスと戦った時に使った《リンドヴルム》や《ティアマト》なんかは使ったあとは疲労がすごい。めぐみんの爆裂魔法と一緒だ」
「そうですか。あっ、そういえば機攻殻剣というのは機竜ごとによって形が違うのですよね!」
「あぁ、そうだが」
「見せてくれませんか?」
「それくらいならいいぜ。ほら」
そういって、俺は特殊空間から六本の機攻殻剣を取り出す。
「こ、これは!?」
「どうしたんだ?」
「滅茶苦茶かっこいいですううううううううう」
そういってめぐみんは機攻殻剣を持ち上げて頬ずりする。
「特にこの黒い機攻殻剣の色ッ、艶ッ・・・そして、私達ッ紅魔族の血を騒がせる赤い水晶。百点満点です!!バサラッ、私にこの機攻殻剣をくれませんか?」
「あほかッ!」
めぐみんがあまりにもしつこいので俺は機攻殻剣を特殊空間にしまった。
「あぁ~」
めぐみんは残念そうな表情を浮かべながら俺の方へ手を伸ばしてきた。
それから、しばらくすると、どこか満足げなアクアと心身ともに披露しているカズマが帰ってきた。
これでクエストは達成だ。
もう一度いいます。
めぐみんはバサラのヒロインではありません。