この素晴らしい機竜使いに祝福を!   作:ナカタカナ

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 今回はタイトル通り、あの娘が登場します。

 買い物のほうは私の趣味が入っております。


ぼっち少女と王都で買い物

 キールのダンジョンのクエストを終えてから一週間ほど経った。

 

 その間に俺達は幽霊屋敷と呼ばれる場所のクエストを無事完了し、大きな屋敷を手に入れた。

 

 まぁ、簡潔に屋敷を手に入れた経緯を説明すると、最近アクセルの郊外にある屋敷で幽霊が頻繁に現れるようだ。いくら退治してもでてくるため、屋敷の管理人は困っており、そこでクエストを受けたものの成功報酬に屋敷を提供するとの子だった。

 

 俺達のパーティにはアクアがいるので、そのクエストを受け、無事にクリアしたのだが、その屋敷に幽霊が集まるのはアクアのせいだったりした。

 

 とまぁ、なんやかんやあったにも関わらず、俺達は屋敷をゲットしたわけだ。

 

 

 

 

 

 

 そして、現在、俺はパーティから離れて一人で行動していた。

 

 王都へ買い物に行くからだ。

 

 パーティ全体での借金はあるものの、俺自身の貯金はだいぶあるので、ストレス発散も兼ねて王都で買い物をしようと思ったわけだ。

 

 機竜もあるので装備品などの買い物は必要ないかと思っているが、服が欲しいと思っている。

 

 この世界に来てから衣類は必要最低限なものしか買っていなかった。

 

 俺だって服好きな女子ほどではないが、日本では、まぁ、ちょくちょく服や靴などを買っていた。

 

 ということで、王都に来たのはいいのだが!!

 

 「素晴らしいッ!!」

 

 俺は歓喜していた。

 

 何故かって?その理由は靴屋に並んでいる革靴にある。

 

 この世界は中世のヨーロッパに似ているということもあり、王族や貴族なども存在している。

 

 そんな彼らが履いているのが革靴。

 

 つまり!!王都にある靴屋の革靴は素晴らしいものが揃っている。

 

 しかもだ!!冒険者の多くは足を守るために頑丈なブーツを履いている。

 

 革靴だけではなく、ブーツの種類まで豊富なのだ!!

 

 「くぅ~日本だとお小遣いを溜めて買っていたが、ここは異世界ッ!!しかも、貯金はかなり余裕がある。ふへへ、今日はめちゃくちゃ買うぜッ」

 

 そう意気込んだ俺は、何かのときに使えるドレスシューズ一足と普段履くようのブーツを二足買った。

 

 

 

 

 

 

 

 いい買い物をしたとホクホク顔で歩いていると、ひとりの少女を見つけた。

 

 その少女はキョロキョロ辺りを見回しており、あきらかに困ってそうだった。

 

 しかし、誰一人、その少女に声を掛けない。

 

 おそらくだが、彼女が紅魔族だからだろうか?どこかでチラッと聞いたことがあるが、紅魔族は変なやつが多いため、クエスト以外ではあまり関わらないようにされているらしい。

 

 まぁ、めぐみんを普段から見ている俺からしてみれば、確かに変に絡んで怒らせてしまったら上級魔法でやられてしまうと思われているのだろう。

 

 そういった理由から誰も彼女に声を掛けないのだろう。

 

 見ていられなくなった俺は、彼女に声を掛けた。

 

 「さっきからキョロキョロしてるけど、何か困ったことでもあるのか?」

 

 そう、少女に声を掛けた。

 

 これが、俺とゆんゆんの初邂逅だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「へぇ~王都にきたのはいいけど、誰もパーティを組んでくれないと」

 

 「はい、そうなんです」

 

 「見たところ、紅魔族っぽいけど、普通は引く手多数なんじゃないのか?」

 

 そういうと少女ゆんゆんは顔を俯かせる。

 

 「そ、そのぉ、わ、私、人と話すのが苦手で」

 

 「あぁ~なるほど」

 

 「それで、なかなかパーティにいれてもらえず」

 

 そういってゆんゆんは瞳に涙を浮かべる。

 

 「ちょ、な、泣くなって」

 

 俺はあわててゆんゆんにハンカチを差し出す。

 

 「あ、ありがとうございます」

 

 「でも、ゆんゆんは上級魔法を使えるんだろ?どっかの一発屋と違って」

 

 「も、もしかしてめぐみんを知ってるんですか?」

 

 「知ってるも何も、同じパーティの仲間だからな!よかったら、ゆんゆんも一緒に来るか。うちのリーダーなら、多分喜んで入れてくれると思うぞ。まぁ、拠点はアクセルにあるから王都から離れないといけないけど」

 

 「ほんとですか!!」

 

 先ほどとはうって変わって笑顔になったゆんゆんは俺の両手を握り、顔を近づかせる。

 

 ゆんゆんという少女はめぐみんと同じでかなりの美少女である、そんな美少女に一気に近づかれると俺も恥ずかしい。

 

 「あっ、ご、ごめんなさい」

 

 「い、いや、大丈夫だ」

 

 「えっと、バサラさんは何故王都に?」

 

 「おう、今日はな買い物に来てたんだ。よかったらゆんゆんも一緒に回ろうぜ。服が欲しいんだけど、女の子の意見も聞きたいんだ」

 

 「は、はいッ!!」

 

 ゆんゆんは二つ返事で了承してくれた。

 

 

 

 

 

 「へぇ~ゆんゆんは族長の娘なのか」

 

 「そうなんです。でも、友達がいなくて」

 

 「めぐみんとは同級生なんだろ?」

 

 「は、はい、でも、めぐみんとは友達というか、ライバルのような関係でして」

 

 「へぇ~あいつ、いっつも「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして爆裂魔法を操る者」っていってるけど」

 

 「一応、学園での成績はめぐみんが一番で、その次が私でした。それなのに、めぐみんったら爆裂魔法なんか覚えちゃって、あんな魔法使ったらそのあと魔力切れで動けなくなっちゃうのに・・・」

 

 ゆんゆんは大分打ち解けてくれたのか、楽しそうだけど、どこか困ったように紅魔族の里での話をしてくれる。

 

 「あっ、すみません。私ばかり話してしまって」

 

 「気にすんな。面白い話をたくさん聞けたしな」

 

 「そういってもらえると、わ、私も嬉しいです」

 

 楽しそうにしている彼女を見ていると俺まで楽しくなる。

 

 「おっ、ここの服屋見てもいいか?」

 

 「は、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こ、これはッ」

 

 「ど、どうしたんですかバサラさん?」

 

 俺はまたしても歓喜していた。理由はなんとこの世界にライダースがあったからだ。

 

 この世界では革の服はたくさん売られているが、ライダースの形をしたアウターはなかなか見かけない。

 

 「お客様、こちらの商品に目を付けるとは」

 

 すると店の奥から店主らしき女性が現れる。

 

 ゆんゆんは、店主さんにビックリしたのか俺の背後に隠れてしまう。

 

 「えっと、店主さんでいいのか?」

 

 「はい、私がこの店の店主です」

 

 「じゃあ、この店にあるライダースを全部見せてくれないか?」

 

 「少々お待ちください」

 

 そういって、店主さんは再び店の奥に入ると、何着かのライダースを持って出てきた。

 

 「こちらの商品はとある勇者さまが広めて下さったジャケットでして、このファスナーというものがボタンの代わりをしてくれているのです」

 

 「あぁ、知ってる。これ一着でいくらする?」

 

 「こちらは五万エリスでして、こちらの方は五十万エリスとなっております」

 

 「ほうほう、やっぱり素材の違いか」

 

 「そうでございます。こちらの素材は防具などに使われる素材をしようしておりまして、比較的頑丈な造りとなっておりますが、こちらの素材は凶暴なモンスターからとれる素材でして、魔法耐性を備えております」

 

 そういって、店主は説明をしてくれる。

 

 五万エリスの方は牛の革でできているらしい。うん、牛革のライダース、カッコいい。

 

 それに対して、五十万エリスのライダースは若干馬革を使ったライダースに似ているが、かなりしっとりしているため、触っていると革が手に吸い付くようだ。

 

 「ゆんゆん、どっちがいいと思う?」

 

 「わ、私は高くても魔法耐性が付いている方がいいかなぁと」

 

 「それもそうだな。よし、両方買う」

 

 「かしこまりました。色はどちらを?」

 

 「両方とも黒を一着ずつと、五十万エリスのほうでワインレッドを一着」

 

 「そ、そんなに買うんですかッ!?」

 

 「まぁな、ゆんゆんもいるか?」

 

 「い、いえ、私は大丈夫です」

 

 そういって、ゆんゆんは引き下がる。

 

 「今回はサービスで三着合わせて百万エリスでどうぞ」

 

 「おっ、ラッキー」

 

 「いえ、試着しますか?」

 

 「そうだな、どうせなら着て帰るか」

 

 ということで、俺は荷物を減らすという意味も含めてワインレッドのライダースを羽織った。

 

 「おお~とてもよくお似合いですよ」

 

 「これすごいな、着心地抜群だぞ」

 

 「わぁ~バサラさんッすごく似合ってます」

 

 「ありがとな。じゃあ、店主さん、これお金」

 

 「はい、ピッタリ百万エリスですね。今後ともご贔屓に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いやぁ、ごめんな、時間かけちゃって」

 

 「い、いえ、私もこうして誰かとお買い物するのは初めてで、とても楽しいです」

 

 そういってくれるゆんゆんに、俺は思わずにホッコリする。

 

 「そっか、買い物に付き合ってくれたお礼になんか奢るよ。あっ、甘いモノとか好きか?」

 

 「えっ、そ、そんな悪いですよ」

 

 ブンブンと両手を振って断るゆんゆん。

 

 「気にすんなって」

 

 「そうですか?」

 

 「あぁ、おっ、ここの屋台のやつ旨そうだな。ここでいいか?」

 

 「は、はい!」

 

 「おっちゃん、これ二つ」

 

 「はいよー二つ合わせて六エリスだよ」

 

 おっちゃんから、クレープに似たお菓子を受け取ったあと、ゆんゆんに渡す。

 

 「ありがとうございます」

 

 「ゆんゆんは他に見たいものとかあるか?」

 

 「いえ、私は大丈夫です」

 

 「そっか、じゃあ、アクセルに戻るか」

 

 「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、俺とゆんゆんは王都の転送屋からアクセルへと帰ったのだった。

 

 

 

 

 




 次回からゆんゆんもパーティに加入します。
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