この素晴らしい機竜使いに祝福を!   作:ナカタカナ

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 なんか今日は調子がいいな


サキュバスのサービス

 白狼クエストで大型のモンスターが出たと報告した俺達は臨時報酬として三十万、一人五万づつの計算で報酬をくれた。

 

 よって、百三十万エリスを六人で分け、一人当たりだいたい、二十一万ほど収入を得た。

 

 そして、ゆんゆんも屋敷に住むことになった。

 

 先日まではアクセルで宿屋を取っていたのだが、今日から俺達と一緒に屋敷に住むことになった。

 

 アクアとカズマはどちらが暖炉の前で過ごすか喧嘩をしており、ダクネスとめぐみんはチェスのようなもので遊んでいる。

 

 ゆんゆんは、二人の対戦を観戦しており、勝った方がゆんゆんと戦うらしい。

 

 それで、俺はというと・・・

 

 「ふへへ、ふへへ」

 

 王都で買った革靴、ブーツ、ライダースの手入れをしていた。

 

 アクセルの靴屋を見てみると靴磨きに必要な道具が揃っていたので、それを買った俺は革靴たちを磨こうと思い、大部屋の隅っこで作業をしていた。

 

 王都で買ったドレスシューズの色はボルドーだ。

 

 革靴のボルドーというのは光の加減により色の見え方が変わる。

 

 例えば、室内などの場所で光に当たればブラウンのような色になっており、外などで太陽の光を浴びれば赤みの強い茶色に見える。

 

 また、ボルドーは履き続けていると革によっては茶色になったりする。

 

 「ふへへぇ~楽しみだなぁ~」

 

 そんなこんなで靴を磨く。

 

 仕上げの鏡面磨きを施したあとの革靴は鏡面の名に恥じぬ輝きを放っていた。

 

 つま先を覗き込むと自分の顔が映っている。

 

 「おっと、いけないいけない」

 

 自分の顔が映るのはいいが、そこに映っていたのは完全にニヤケきった自分の顔だった。

 

 するとカズマがやって来た。

 

 「何やってるんだ?」

 

 「靴磨き」

 

 「・・・えっ?」

 

 「いや、だから靴磨き」

 

 「そ、そうか」

 

 「カズマもやってみるか?めんどくさそうに見えるかもしれないが、やってみると案外楽しいぞ」

 

 「い、いや、いい」

 

 「そんなこといわずになッ」

 

 

 

 

 

 

 一時間後

 

 「結構面白いな」

 

 「だろぉ~靴は綺麗になるし、無心で作業できる」

 

 「ちょっとした癒しになるな」

 

 アクアたちside

 

 「ね、ねぇ、あの二人、靴見ながらニヤけてるわ」

 

 「常識人だと思っていたバサラまでもが、変人でしたか」

 

 「そうか?ただ靴を磨いているようにしか見えないが」

 

 「え、えっとぉ、楽しそうだからいいんじゃないですか?」

 

 アクアとめぐみんは可哀想なものを見る目で、ダクネスは普通の眼で、ゆんゆんは微笑ましそうな眼で彼らを見ていた。

 

 バサラside

 

 「ふへへ、ふへへ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、俺とカズマは街に出かけていたのだが、不審な二人を見つけた。

 

 ダストとキースだ。

 

 二人は辺りをキョロキョロ見回しながら、人の少ない路地に入ろうとしている。

 

 気になったカズマは二人に声を掛けた。

 

 すると、ダストとキースはカズマの耳元で小さな声で囁く。

 

 しばらく話を聞いたカズマは俺の方を見て手招きをした。

 

 何事かと思いついて行くと、怪しげな店に連れ込まれた。

 

 その店はどうやら、サキュバスたちが経営する店らしく、冒険者たちに良い夢(ムフフな夢)を見せる代わりに精気を提供してもらう店とのこと。

 

 しかも、精気は加減して吸ってくれるため、翌日の仕事にも影響しない素晴らしいサービスらしい。

 

 まぁ、確かに馬小屋などで生活している冒険者は色々と溜まるだろう。かといって、隣で寝ている女性冒険者を襲おうものなら、反撃をくらってしまうかもしれない。

 

 さらにだ、男性冒険者の色々と溜まって物が発散されることで女性に対しての暴行などが起こらないため、アクセルの治安を守るといった点においても、非常に役に立っているそうだ。

 

 話を聞いているかぎりでは、確かに素晴らしい店だと思う。

 

 ということで、俺はカズマに手を引かれ店に連れ込まれたのだが・・・

 

 「いらっしゃいませ、お客様」

 

 そこにはかなり扇情的な衣装を纏ったサキュバスの女性が何人もおり、顔見知りの男性も数多く存在していた。

 

 「この店のサービスはご存知ですか?」

 

 すると、俺を担当してくれるサキュバスのお姉さんが一枚のアンケート用紙を用意してくれた。

 

 そこには名前、職業などの必要事項から夢の中での自分の状態や、性別や外見などの項目がある。

 

 「ふふふ、夢の中ということもあり、勇者や英雄、王様にもなれますし、女性にもなれますよ」

 

 サキュバスのお姉さんは蠱惑的な笑みを浮かべて説明してくれる。

 

 「へぇ~、面白そう。例えばどんなのがありますか?」

 

 「そうですね、例えば、年端も行かない少年になって強きな女性冒険者に押し倒されたいとか」

 

 「は、はぁ~」

 

 「ちなみに、相手の設定はどんな設定でもできますよ。外見は勿論、正確や口癖、存在しない相手でもいけます」

 

 「それはすごいな。でも、相手に申し訳ないような」

 

 「安心してください!!夢ですから」

 

 「そうですね」

 

 口ではそういいながらも、内心では『大丈夫じゃないだろおお』と叫んでいた。

 

 「あっ、注意事項に酒を飲み過ぎないようにしてくださいね。熟睡しては夢が見れませんので」

 

 「それは、大丈夫だ。酒は飲まないから」

 

 「そうですか、では、お決まりになりましたらお呼びください」

 

 

 

 

 

 とまぁ、勢いで連れ込まれてしまったため、別にサービスを受けるつもりはなかったんだが、せっかく、説明してくれたんだし、これでサービスを受けなかったら申し訳ないよな。

 

 なので、一応記入した。

 

 相手の外見 おまかせ 性格 おまかせ 口癖 特になし

 

 自分の設定 このままで

 

 シュチエーション 癒しが欲しい

 

 このようになった。

 

 サキュバスのお姉さんは「かしこまりました」と了承してくれた。

 

 

 

 

 

 

 カズマと揃って屋敷に帰ったのだが、どうやら今晩はごちそうらしい。

 

 ダクネスの実家から霜降り赤蠏と呼ばれる高級食材が送られてきたらしく、蟹三昧らしい。

 

 「あわわわわ」

 

 「す、すごい」

 

 めぐみんとゆんゆんは涎を垂らしている。

 

 アクアは蟹より酒のほうにしがみついている。

 

 この蟹がいかにすごいか説明すると爆裂魔法大好きなめぐみんがこの蟹にために、一日爆裂魔法を我慢して、蟹を食べたあとに爆裂魔法を放つくらいらしい。

 

 うん、よくわからんが、すごいのだろう。

 

 ということで、ダクネスには感謝だ。

 

 「いただきます」

 

 そして、俺は蟹をタレに付けて口に運び込んだ。

 

 「!!!!!!」

 

 『なんじゃコレッ。うますぎるッ。ヤバい』

 

 あまりの旨さに手が止まらず、一気に食べてしまう。

 

 すると、アクアがカズマに火を頼む。

 

 「この酒の美味しい飲み方を教えてあげるわッ」

 

 そういって、網の上に蠏味噌の入っていた甲羅を置いて、酒を注ぐ、更にそれを熱する。

 

 ブクブクとイイ感じに暖まると、アクアはそれを少し口に含めて・・・

 

 「ほう」

 

 赤い顔をしながら、息を吐く。その顔はいわなくてもわかるだろう。滅茶苦茶満足げだ!!

 

 続いてダクネスもアクアと同じように酒を飲む。

 

 「これはいけるなッ!」

 

 それを見ていためぐみんとゆんゆんも

 

 「わ、私も飲みたいですッ。いいですよね今日くらい」

 

 「私も飲みたいです」

 

 「駄目だッ。子供のうちから飲むとパァーになると聞くぞ」

 

 こういったところでは厳しいダクネスが二人を止める。

 

 「ジャンジャン飲むわよぉ~」

 

 アクアはそう言って、さらに酒を飲む。

 

 そして、宴会芸を披露した。

 

 「起動要塞デストロイヤアァァァァッ」

 

 「おおッ、この動きはまさに起動要塞デストロイヤ―ッ」

 

 「指だけであの複雑な動きを表現するだなんて」

 

 「ア、アクアさん、やっぱりすごいですッ」

 

 デストロイヤ―とは前世でいう災害のようなものだ。今回は置いておくとして・・・

 

 ダクネスは先ほどから酒を飲もうとしないカズマを見て心配になったのか、声を掛けていた。

 

 「どうしたんだ?口に合わなかったか?」

 

 「いや、ちょっとダストたちと飲んできてな」

 

 「そうか」

 

 そしてダクネスはいつものドMっぷりからは考えられないような優し気な笑みを浮かべる。

 

 「悪い、今日はもう寝るわ」

 

 すると、いたたまれなくなったのか、カズマは席から立ちあがり、自室へと向かった。

 

 『そういえば、サキュバスの店で酒は飲み過ぎないでって注意されたな。そのせいか・・・にしても、サキュバスのサービス受けなくても良かったな』

 

 カズマと同じく、俺まで罪悪感にあふれてきた。

 

 「バサラも酒は飲まないのか?」

 

 「えっ?あ、あぁ、俺は酒を飲まないようにしているんだ」

 

 「そういえば、前もそんなことをいっていたな。確か、カズマのようにセクハラ魔になりたくないと・・・も、もしや、酒を飲むとお前はケダモノになるのかッ」

 

 「・・・あ、あはは、そうかもなぁ~」

 

 別に女性を襲ったりはしない。ただたんに、酒が苦手なだけなのだが、誤魔化しておく。

 

 「そうか、残念だ」

 

 「お前は自分の体を大切にしろよな。美人でスタイルもいいのに」

 

 「なっ」

 

 少しやり返してやろうと思った俺はダクネスを褒める作戦にでた。

 

 「髪の毛だってサラサラで綺麗な金髪、顔立ちも整っていて、スタイルも抜群ときた」

 

 「にゃ、にゃにをいってるんだ」

 

 「いや、本心で思ってることをいってるだけだが?」

 

 「う、うぅ、これは私の求める羞恥とは違う」

 

 いつもとは違う反応をするダクネスを見て俺も少し興が乗ってしまい追い打ちをかける。

 

 「俺がダクネスの旦那さんなら、ダクネスを誰にも見られたくないから家の地下に監禁するかもな」

 

 耳元でドスの効かせた声で囁いた。

 

 「はうぅ~」

 

 するとダクネスは顔を真っ赤にさせて気絶した。

 

 「あ、あれ、ダクネスッ?やべ、からかいすぎた」

 

 「あぁ~バサラがカズマのように鬼畜になっているではありませんかッ!!」

 

 「やだ、バサラさんったらドSだったのぉ~」

 

 「えぇ!!バサラさんって、ド、ドSだったんですか?」

 

 「お、おい、ちょっと待って。俺はカズマのような鬼畜じゃないッ。ドSでもないからなッ」

 

 

 




 前回までゆんゆんがヒロインしていたので、今回はダクネスにスポットライトをあてました。

 次回は、カズマさんは・・・
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