この素晴らしい機竜使いに祝福を!   作:ナカタカナ

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 ようやくあの黒い機竜を登場させることができました。

 今回は相手が相手なだけあって、あまり活躍していませんが・・・


決意

 

 緊急クエスト会議の後、冒険者たちは全員でデストロイヤーに対抗するための準備をしていた。

 

 アクセルの門の前には最終防衛ラインとして何十人もの冒険者たちが陣を張る。

 

 門の上には、右翼にめぐみん、左翼にアクアとウィズを配置している。

 

 そして、最終防衛ラインからだいぶ離れたところにダクネスと俺が立っていた。

 

 「こんなところにいて大丈夫か?」

 

 「あぁ、大丈夫だ」

 

 剣を大地に刺し、構える姿はどこかの騎士王、いや、この場合は金木犀の剣を持つ聖騎士といったほうがいいか。彼女に似ている。

 

 「私は普段の行動のせいで、自分の欲望のために立っているかと思われるかもしれないが、今回は住民たちのためにも後ろには下がれない」

 

 「それは騎士だからか?」

 

 「それもあるが、私の本名はダスティヌス・フォード・ララティーナという」

 

 そして、ダクネスは話してくれた。

 

 「この近隣を収めるダスティヌス家の娘だ」

 

 「やっぱり、お嬢様だったのか」

 

 「皆にはいうなよ」

 

 ダクネスは真剣な目つきでこちらを見た。

 

 「あぁ」と頷く。

 

 「私は騎士だ。領民の暮らしを守るのは私の使命であり、誇りだ」

 

 真剣に話す彼女の姿は、誰が見ても貴族の鑑であり、騎士の鑑だろう。

 

 「わがままなパーティメンバーは嫌いか?」

 

 「まさか、昨日いっただろ、このパーティはめんどうなことばかり起こしてくれが楽しいって」

 

 「そうか」

 

 嬉しそうな表情になると、ダクネスは再び前方を向き、これからやってくるであろうデストロイヤーに身構える。

 

 「ララティーナ、いや、ダクネス」

 

 「言い直して正解だ。そちらの名前で呼ぼうものなら、私はお前を殴っていた」

 

 「はいはい、だけどまぁ、そんな身構えなくてもいいぜ、俺が動きをとめるからな」

 

 「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、デストロイヤーはやってきた。

 

 「冒険者の皆さん、戦闘準備をお願いしますッ」

 

 ルナの言葉とともに奴は現れる。

 

 機械的な体をした蜘蛛。とてつもなくデカい。

 

 あんなのがアクセルを通過したら・・・考えるだけでも恐ろしい。

 

 「ほんとに大丈夫なのッ?」

 

 ここにきてアクアが弱音を吐く。

 

 「大丈夫、大丈夫、大丈夫」とめぐみんも片言で弱音を吐きながらガクガクと震える。

 

 「めぐみんッ大丈夫よ。あなたは私のライバルなのだから!!」

 

 ゆんゆんがしたからめぐみんを励ます。

 

 そして、アクアが魔法を放った。

 

 「セイクリッド・ブレイク・スペルッ」

 

 爆裂魔法にも引けを取らないほど巨大な魔法陣を展開したのち、それら全てから収束された虹色の光が起動要塞デストロイヤ―へと向かって突き進む。

 

 「くううう」

 

 アクアの顔は苦しそうだ。

 

 「ぐうう、うおおおおおおッ」

 

 力の全てを吐き出す勢いで魔法を放つと、虹色の光は更に太く力強い光になり、デストロイヤーを守っていた魔法陣を見事、打ち破った。

 

 「俺もアレを見たなら出し惜しみはしないッ。離れてろダクネス」

 

 「あぁ」

 

 デストロイヤーの結界が完全に破れたことを確認した俺は黒い機攻殻剣(ソードデバイス)を取り出す。

 

 「すぅ~はぁ~」

 

 一度ゆっくりと深呼吸をする。

 

 そして、詠唱符を唱えた。

 

 「顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜、黒雲の天を断てッ!!《バハムートッ》!!」

 

 直後、紅の光が俺を包む。

 

 光がやむとそこには、漆黒の騎士が立っていた。

 

 「黒い、騎士、まさかッ」

 

 「おっと、ダクネス。それは内緒にしておいてくれ。にしても、貴族なだけあって、やっぱり知ってたか」

 

 どうやら、ダクネスは俺のことを知っていたらしい。まぁ、それもそうだろう。アイリスとかなり親し気だった。

 

 「いってくる」とだけいって、俺は《バハムート》でデストロイヤーに飛んでいく。

 

 ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャと駆動音を響かせながら近づくデストロイヤーの正面に着くと、俺は《バハムート》の特殊武装である烙印剣(カオス・ブランド)を取り出す。

 

 「いくぜッ」

 

 そして、デストロイヤーの脚に斬りかかる。

 

 ガキンッ

 

 しかし、デストロイヤーの脚は思っていたよりも頑丈だったらしく、傷一つ付かなかった。

 

 「クッソ、でたらめな硬さしやがって」

 

 その後の何度も切りつけたが傷が付くことはなかった。

 

 「このままだとまずいな」

 

 そう思って焦っていると、脚の関節部分に目が向く。

 

 「あそこならっ」

 

 思った通り、脚の関節部分は弱いらしく、そこを重点的に攻撃していた。

 

 複雑な構造をしており、一本の脚に四か所の関節部分が存在している。

 

 「一個ずつチマチマやってる時間はないかッ」

 

 破壊できることはわかった。

 

 みんなが全力で街を守ろうとしている。

 

 ならば、俺も全力で街を守るしかない。

 

 「《暴食(リロード・オン・ファイア)

 

 迷わず俺は《バハムート》の神装を発動した。

 

 先の五秒間でエネルギーや現象を数分の1にまで減少させ、次の五秒間で爆発的に開放する。

 

 かなりピーキーな神装ではあるが、そこへさらに、ティアマトとの修業で身に着けた神速制御(クイック・ドロウ)を重ねて発動し・・・

 

 残っていた27箇所の関節部分を破壊した。

 

 そこで、初めてデストロイヤーは歩みを止めた。

 

 ダクネスとの距離は一キロないくらいだ。

 

 「なんとかギリギリだな。というか、急いで離れないと」

 

 そして、俺がデストロイヤーから離れた直後、俺の背後でデストロイヤーに特大の爆裂魔法が二発炸裂した。

 

 そのときに破壊されたデストロイヤーの破片がダクネスの方へと飛んでいく。

 

 ただの破片であるならダクネスの耐久力によって防げると思うが、今回飛んだ破片はかなり鋭利なもので、下手すればダクネスの体を突き刺すかもしれない。しかも、かなり大きい。

 

 急いでダクネスの前に立ち。

 

 「《機竜咆哮(ハウリング・ロア)》」

 

 機竜に搭載されている幻想機核(フォースコア)から渦上の障壁を展開し、投擲物などを防ぐ技で迫ってきた破片を受け止める。

 

 「大丈夫かダクネスッ?」

 

 「あぁ、問題ない」

 

 そして、爆裂魔法によって土煙が舞い、姿が見えなくなっていたデストロイヤーだが、段々と煙が晴れ、姿が見えた。

 

 そこには、脚を失い、爆裂魔法によりボロボロとなったデストロイヤーがいた。

 

 

 

 

 





 次回はデストロイヤーに乗り込む話ですが、そこで再び《バハムート》に活躍してもらおうかと思っています。
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