いよいよ始まるオリジナルエピソード
今回は機竜の本領発揮といったところでしょうか?
魔王軍を蹴散らすさまが、なんとも清々しい。
機竜使いの王城入り
「ふぅ~ゆんゆんと出会ってからあまり経っていないはずなのに」
「随分昔のことのように感じますね」
「そうだな」
王城からの呼び出しがかかった俺は、こうしてゆんゆんと二人で王都に来ていた。
思えば、初めてゆんゆんと出会ったのもここだった。
といっても、ゆんゆんと出会ってから一ヵ月も経っていない。
にも関わらず、これほどまで昔のことのように感じるのは、それだけこの世界に来てからの生活が充実しているということだろう。
「バサラさん」
「どうしたんだゆんゆん?」
「そ、そのぉ、随分荷物が多そうですけど何なんですか?」
そういって、ゆんゆんは俺が背負っている荷物を指差す。
「えっ?あぁ、王城に呼ばれてるし、最低限正装は用意しておかないとなって思って」
「そういえば、そうですね。で、でも、私・・・」
「そっか、ゆんゆんにいってなかった俺も悪かったな。どうする?話している間、宿屋で待ってくれるか?」
「えっ」
すると、ゆんゆんは悲しそうな顔をする。
「ははは、冗談だよ。ちょっとその辺の服屋で正装を買うか」
「は、はい」
ちょっとした冗談でゆんゆんをからかうと、ゆんゆんは顔を赤くして俺の服の袖を握った。
「ごめんごめん」
「もう、バサラさんの意地悪」
涙目上目遣いで訴えてくるゆんゆんに胸を撃たれるッ!!
「ぐはっ」
「ど、どうかしまたかバサラさんッ!?」
そんな俺をみてゆんゆんが心配してくれる。
「だ、大丈夫だ。少し懺悔したくなっただけだ」
「は、はぁ~」
そして、俺達はそのまま以前、御世話になった服屋へと来ていた。
「いらっしゃいませ・・・お客様ッ」
店に入るとさっそく、店主さんが来てくれた。
「お客様、本日はどういったものをお探しですか? ライダースですか?」
「いや、今回はこちらの子に似合う正装を買いに来たんだが」
「ほほう、彼女さんに似合う服ですか」
そういって、店主さんはゆんゆんのことをじぃ~っと見つめる。
「か、彼女じゃないです」
ゆんゆんは店主に彼女といわれたことが恥ずかしかったらしく、すぐに否定していた。
そんなに必死に否定されると少し傷つくが・・・まぁ、気にしたら負けだ。
「紅魔族の方ですよね?」
「は、はい」
「でしたら、黒いドレスなどがありますが」
「で、では、それで」
そして、店主さんが三着ほど黒いドレスを持ってきてくれた。
「お客様に似合いそうなのはこちらになります」
三着ともゆんゆんに似合いそうなのは確かだが・・・少々露出が激しいような。
「あ、あのぉ、もう少し地味な物は?」
「お客様はスタイルがよろしいので、こちらの方がお似合いかと」
しかし、店主さんは引かない。むしろ、押してきた。
「バ、バサラさんは?」
「そうだな、確かに俺もちょっと露出が多いような気がすけど、でもまぁ、似合うと思うぞ」
「そうですか?」
「店主さん、試着させてもらえるか?」
「えぇ、勿論です」
店主さんからオッケーを貰ったので、ゆんゆんには試着室に入ってもらい、三着全てを見させてもらう。
一着目はレースがついており、露出は一番すくないが、ところどころ透けているため下手な露出より刺激が激しいドレスとなっていた。
「よくお似合いですよお客様ッ!」
「あぁ、すんげー似合ってる」
「うぅ、恥ずかしいです」
二着目は背中を大胆に露出させたドレスとなっており、ゆんゆんの白い肌が映えている。
「うぅ~」
「こちらもお似合いですッ!!」
「あ、あぁ、似合ってるけど、刺激が強いな」
そして、三着目
「こ、これなら」
「露出はそこそこありますが、お客様のスタイルならば男の引く手待ったなしですよっ!!」
「・・・・・・」
「バ、バサラさん?」
「えっ?あ、あぁ、悪い」
「ふふふ、お客様の姿に見惚れていたようですね」
「こ、これにしますッ!」
そういって、ゆんゆんは即決した。
「あ、お金は俺が払うよ」
「そんな!悪いですよ」
懐から金貨袋を取り出すとゆんゆんが止める。
「いいって、付いてきてもらってるんだし」
「で、でも」
「お客様、こういうときは男性にカッコつけてもらうのがマナーですよ」
「だそうだ。ということで」といいながら、俺は金貨袋を店主に渡した。
ゆんゆんの正装を準備した後、俺とゆんゆんは王城へと案内された。
「来てくださりましたか」
玉座へと案内するために、俺達の対応をしてくれたのは、この国でも由緒正しい貴族の家で、ダクネスと同じクルセイダーで、アイリスの護衛を務めているクレアだった。トレードマークは短髪に白い男性用のスーツ。しかし、女性である。
「あぁ、久しぶり」
「それで、そちらの方は?」
「俺の仲間だ。頼りになる魔法使いだ」
「そうですか、確かに見たところ、紅魔族のようですし」
「ゆ、ゆんゆんです」
「私はクレアだ。アイリス様の護衛を務めている」
そして、俺とゆんゆんはクレアによりアイリスのもとへと案内された。
「やっと来てくれましたねッ!バサラ様ッ!」
玉座に入室した瞬間、可愛らしい少女の声が俺の名を呼ぶ。
声の方を見ると、ひとりの少女が座っている。
美しい金髪の髪に碧眼の少女、年齢は十二歳でありながら、王族の血を引いているため、高い戦闘能力を所持している、この国の第一王女。
そう、この少女こそが、ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリスである。
「久しぶりだな、アイリス」
「お、おいっ、不敬であるぞ」
「いいのよ、クレア。私がいいっていったの」
「で、ですが」
「ク・レ・ア」
「か、かしこまりました」
王女であるアイリスを呼び捨てにしたことで、クレアが怒るが、アイリスはドスの効いた声でクレアを宥めた。
「バサラ様、そちらの方は?」
そして、アイリスはゆんゆんを見る。
「わ、私はゆんゆんと申します。バサラさんのパーティメンバーです」
「そうなんですね!!でしたら、是非、バサラ様の冒険のお話を聞きたいのですが」
「アイリス様ッ!!」
ゆんゆんが俺のパーティメンバーと知ると、アイリスはすぐに提案した。
なにせ、アイリスは冒険譚が大好きで、よく冒険者を城に呼び、冒険譚を聞いている。
しかし、今回は別件のようだ。そのため、クレアが注意する。
「むぅ、わかっていますよ」
そして、アイリスは咳ばらいをした。
「バサラ様にお願いがあるのです」
それから、アイリスは俺を呼び出した訳を話してくれた。
どうやら、魔王軍の大規模な軍隊が王都へ向かっているとのことだ。
しかも、今回は魔王軍幹部だけではなく、ドラゴンを連れているらしい。
「それで、その魔王軍幹部というのは?」
「はい、御察しの通り、アガレスです」
『またアイツかッ』と心の中で叫ぶ。
「そういえば、アクセルの街でアガレスと戦闘したという報告を聞いたのですが?」
そこで、アイリスの横にいたアイリスのそば付きをしている、魔法使いの女性レインがそういう。
「報告では、アクセルの街に、アガレスはベルディアと共に攻めてきたにも関わらず、同士撃ちをする形でベルディアを攻撃し、弱ったところを、仲間のアークプリーストが浄化し、ベルディアを撃退したと報告されています」
「快挙ですよ!!今まで誰も成し遂げることの出来なかった魔王軍幹部の討伐」
「それに加えてデストロイヤーの討伐と来ています。やはり、バサラ殿には我が王国の騎士団に」
三人が興奮して話を続けるが・・・
「それで、魔王軍の進軍はいつごろなのでしょうか?」
ゆんゆんが話を戻してくれた。
「あ、はい、すみません。偵察の報告によれば二日後だと」
「二日後ッ!」
「はい、ですので時間はないのですが」
クレアがもし分けなさそうに話す。
「それで、俺が呼ばれたと」
「その通りです。しかも、頼りになるアークウィザードと共に召喚されていただけるとは」
更にレインがそういった。
「ちょっと待ってくれ」
そこで、俺は待ったをかけた。
「どうかなさいましたか?」
「少しゆんゆんと話す時間が欲しいんだが?」
「かまいません」
許可を得た俺は、ゆんゆんの方を見る。
「悪いな、まさかこんなことになるとは、ついて来てくれて悪いんだが、手伝ってくれるか?」
ゆんゆんは深く頷き
「勿論ですッ」
二つ返事で了承してくれた。
「すみません、ゆんゆんもこういってるんで、その戦いに参加するということで」
「バサラ様ならそういってくれると思っていましたわッ」
アイリスだけではなく、他の二人も嬉しそうな顔をしている。
「ち、ちなみに、魔王軍の規模はどのくらいなんでしょうか?」
小さく手をあげたゆんゆんが訪ねる。
「はい、およそ二千ほどかと」
「二千ッ!?」
ゆんゆんはあまりの数の大きさに驚く。
「なんだ、二千か」
「ええッ!?バ、バサラさん。二千ですよ?二千、しかも幹部とドラゴンもいるって」
「別に大した数じゃないさ」
俺は自信満々にそういってやった。別に見栄を張っているわけではない。
二千程度なら、本当に楽勝なのだ。なにせ、こちらは機竜がある。ドラゴンや、幹部ならまだしも、ただのモンスターたちには後れを取らない。
「おぉッ!流石バサラ殿です」
「なんなら、今から奇襲でもしてこようか?」
直後、バタッと急に扉が開く。
「し、失礼します」
「どうしたッ!今は謁見中だぞ」
「はっ、実は王都の周辺に大規模なテレポートにより魔王軍が攻めてきましたッ!!」
「なんだとッ!?」
キリのいいところで終わります。
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