この素晴らしい機竜使いに祝福を!   作:ナカタカナ

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 前回、絶体絶命のピンチに陥ったバサラ

 一体どうなる!?


浸食せよ

 

 「くっ」

 

 《ティアマト》に加え、《テュポーン》まで使った反動か、強制解除されてしまった、俺はアガレスに捕まり、ピンチを迎えていた。

 

 「そんなに怯えなくてもいいじゃない」

 

 そういって、正面にいたアガレスが俺の顔を両手で包む。

 

 「さぁ、契約よ」

 

 アガレスの顔が段々と近づいて来る。そのときだった!!

 

 「《ライトオブセイバーッ》」

 

 光の剣がアガレスに襲い掛かる。

 

 「効かないわよッ」

 

 何やら障壁を展開したアガレスは光の刃を弾く。

 

 「ゆんゆんッ!」

 

 「バサラさんッ」

 

 先ほどの魔法を放ったのはゆんゆんだった。

 

 顔色が悪く、ローブの下に着ているドレスは少し汚れている。

 

 「助けにきました」

 

 「あらあら、私がいるのに他の子を見るの?」

 

 そういって、アガレスはすぐさま俺の顔を包み、目を合わせる。

 

 「《ライトオブセイバーッ》」

 

 そこに、ゆんゆんが更に魔法を放つ。

 

 「しつこいわねッ」

 

 アガレスがゆんゆんに向かって、《カースド・ライトニング》を放つ。

 

 「きゃあっ」

 

 ゆんゆんはなんとか間一髪のところで避けたものの、空間転移したアガレスが無防備のゆんゆんに強烈な蹴りを放つ。

 

 「カハッ」

 

 大の男が喰らっても気を失ってしまいそうなその一撃をゆんゆんは正面から喰らってしまう。

 

 「はぁ、全く」

 

 倒れ込むゆんゆんに目もくれず、アガレスは再び俺の方へ向かう。

 

 「ま、だ」

 

 ピクリと小さくゆんゆんが手をアガレスの方へ向けてそういった。

 

 「まだ、まけて、ないッ《ライトニング》」

 

 もう上級魔法を放つ魔力が残っていないからか中級魔法である《ライトニング》をアガレスの背後に放つ。

 

 「ほんとうにしつこいわね」

 

 そういいながら、背後に障壁を展開し、ゆんゆんの《ライトニング》を防いだ。

 

 「もういいわ、あなた。殺してあげる」

 

 「くっ」

 

 静かに呟くとアガレスはゆっくりと、ゆんゆんに歩み寄る。

 

 「やめろッ!」

 

 「・・・・・・」

 

 「やめてくれ!」

 

 「・・・・・・」

 

 俺の制止するように求める声に耳を傾けず、そのままゆんゆんに迫る。

 

 「頼むッ!やめてくれッ!」

 

 そして、アガレスはゆんゆんの髪の毛を掴み拳を握る。

 

 「やめてくださいッ!」

 

 俺は折れた。

 

 「ふふふ、やめて欲しい?そんなにこの娘のことが大切なの?」

 

 アガレスは舌なめずりをしたあと、ゆんゆんの顔を掴む。

 

 「さぁて、この娘はどのように殺してあげましょうかしら?頭を潰す?それとも、体に風穴開けてあげようかしら?あっ、殺す前に私の部下に楽しませてあげるのもいいわね」

 

 アガレスが楽しそうに提案する。

 

 「お願いだ!やめてくれ!」

 

 「あら~ん?お願いだぁ~やめてくれだ?」

 

 「お願いします。やめてください」

 

 「アーハッハッハ!いいわぁ、すごくいいわぁ」

 

 ゆんゆんを離したかと思ったら自身の体を抱きしめるアガレス。

 

 「ゾクゾクしちゃう」

 

 そして、俺の方をみたアガレスの瞳は青く怪しげな光を放っていた。

 

 「バサ、ラさん。わたしの、ことは、いい、ですから」

 

 虚ろな瞳となったゆんゆんが声を枯らしながらそういった。

 

 「あなたは黙ってなさい」

 

 アガレスがゆんゆんの頭を踏もうとする。

 

 「俺の負けです」

 

 「なんていったのかしら?」

 

 「俺の負けです」

 

 「アッハッハッハ、ほんとッ!サイコーよ。あんなにも私達のことをボコボコにしてくれた《黒き英雄》様がこんな娘のために負けを認めるだなんて。

 

 『・・・全く、ご主人様は甘いんですから』

 

 と、聞きなれない声が聞こえた。

 

 ギュウウウンと変な音が聞こえる。

 

 「この音は一体?」

 

 そして、現れる。

 

 亜空間から勝手に飛び出してきたものそれは・・・一本の機攻殻剣だった。

 

 「こ、これは」

 

 刀型の機攻殻剣

 

 そう、デストロイヤーの内部にて発見した《夜刀ノ神》の機攻殻剣だ。

 

 「そうか」

 

 俺の脳内に直接《夜刀ノ神》の声が届いた。

 

 「浸食せよ、凶兆の化身たる鏖殺の蛇竜。まつろわぬ神の威を振るえ、《夜刀ノ神》」

 

 《夜刀ノ神》を纏った俺は、背後から俺のことを抑えていたアガレスを掴み神装を発動する。

 

 神装《禁呪符号(スペル・コード)

 

 この神装は触れた箇所を中心に一時的に支配権を得るというものだ。

 

 そこで、俺はアガレスの頭を掴み、思いっきり力を使った。

 

 その結果、アガレスの分身体は消え去り、アガレスを一時的に抑えることができた。

 

 「があああああ」

 

 もろに神装を喰らったためか、アガレスは頭を抑える。

 

 「よ、よくもやってくれたわねッ」

 

 そういって、アガレスは姿を消す。

 

 「ま、また逃げられた」

 

 いや、今はそんなことどうでもいい。

 

 俺はすぐさまゆんゆんの元へ走り寄り、持っていた回復ポーションを飲ませる。

 

 「う、うう」

 

 ゆんゆんはすぐに意識を取り戻す。

 

 「あ、れ」

 

 「よかったッ」

 

 ゆんゆんが目を開けるのを確認した俺はゆんゆんを強く抱きしめた。

 

 「えっ、ええっ?バ、バサラさん」

 

 「よかった、よかった、ごめんなゆんゆん。俺が弱いせいで」

 

 「そ、そんな」

 

 その後、ゆんゆんは何もいわない。俺も、ただ溢れてくる涙を噛み締めながらゆんゆんを抱きしめていた。

 

 

 





 さて、なんかアガレスが大分強キャラと化しているような気がします。

 では、何故《夜刀ノ神》の神装が使えたのか気になると思いますが、ちゃんとした理由はあったりします。

 しかし、現段階ではネタバレ防止のためにも説明は省かせていただきます。

 といっても、次回で明かすつもりですけどねw
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