NEED FOR SPEED:Legend Of The Lan 作:天羽々矢
クラナガンまでの距離・・・4,049km
リュウの現在の走行順位・・・129位
時刻は既に午前1時を過ぎており、辺り一帯が暗闇に包まれた荒野の一本道“ルート186”を駆け抜ける1台の白い車がヘッドライトを煌々と照らしながら時速200km程の高速クルーズで駆け抜けていく。
それはシボレー・コルベット グランスポーツ(C7)・・・。故障により走行不能となったリュウのR34GT-Rに代わり逮捕されたレーサーから押収される直前に盗った物である。
そして現在はシルバーロック近郊に蔓延っていたライバル達とのバトルに勝利し順位を着実に上げている。ナビで確認する限りでは前方に他のライバルは見当たらない。
「・・・zzz」
だがそのコルベットの運転席にて今のコルベットの主であるリュウはシートにもたれかかり寝息を立てていた。現在コルベットの運転はリュウの魔力糸で形成された回路にて接続された彼の相棒ウルスが代わっている。
ここまで睡眠はもちろん休息と言える物をまともに取っておらず管理局はもちろん、なのは達機動六課メンバーが集結したタスクフォース、更にマフィアまでもがリュウの命を狙う中ウルスがリュウのコンディションを気遣い自ら代わりを買って出たのだ。
今ウルスはリュウに代わり200km程の速度でコルベットを走らせていく。
しかしデバイスといえど万能な訳もなく、高速走行で演算能力を大分消費している。そのせいで状況確認能力が鈍っていたのか、後方から迫りくる1台の車に気づく事が出来なかった。
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ヘッドライトを消して深夜の暗闇に紛れリュウのコルベットの背後に近づく1台のマシン。
黒いボディにF1レースカーのノーズコーンを彷彿とさせるフロント周りと流線形の綺麗なラインをしているその車の名は“メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン”。
「・・・見つけたぜリュウ・アステリオン」
そしてその運転席にてハンドルを握るのは、角刈りに近い黒いヘアスタイルと薄黄色の肌に一重瞼という典型的な日本人の身体的特徴、黒のタンクトップに青のジーンズという成りのその男は“タケル・サトウ”。
彼はレーザーことアダム・カラハンの
そんな人物が何故このザ・ランに参加しているのか、それはアダムがタケルの参加費35万ドルを立て替える事を引き換えにリュウの始末に手を貸すという事になったからだ。しかし今アダムはかなり先にいる。この調子でアダムがザ・ランに勝利すれば遅かれ早かれリュウは破滅する。
そんなどこか余裕めいた考えがあったのか、タケルは自分が駆るSLR マクラーレンをリュウが駆るコルベットの前に出すと同時にライトを点灯してすぐにフルブレーキをかけ急減速。
するとそれに驚いたのかリュウのコルベットは慌てて急ブレーキをかけハンドルを左に切ってSLRを回避するも、完全に制御を失い車体を1回半ほど回しながら路肩の砂地へ突っ込んでいった。
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運転を担当しているウルスは主であるリュウを起こさず、かつ後続のレーサーに抜かれまいと必死でコルベットを走らせていた。そのせいか演算処理能力の大半を割かれていたために背後から近づいてくるタケルのSLRに気付けなかったのだ。
そして後ろのSLRがコルベットの前に出たかと思いきや、突然テールライトが点灯しすぐに発光、減速してコルベットにリアから突っ込んできた。
《!?》
突然目の前に姿を見せたSLRにウルスも対応できず、慌ててサイドブレーキを目一杯引きながらフルブレーキしつつハンドルを左へ。SLRを回避しようとするが結果制御を失いコルベットは1回半ほど回って路肩の砂地へ突っ込んでしまった。
「うわっ!?何だ何だっ!?ウルス何があった!?」
運転席で寝ていたリュウも突然襲ってきた衝撃に慌てて目を覚ましウルスに問う。
《申し訳ありませんマスター、車両の制御に演算能力の95%を割り振っていたために後続車の存在に気付く事ができませんでした・・・》
それに対しウルスから返ってきたのは自らの能力不足による失態への謝罪だった。だがすでに起こってしまった事への責任を追及する気にもならずリュウは1つ溜息をつくと一旦車外に出てコルベットを砂地から脱出させるための行動を起こす。
「元々は俺の為にウルスに無理させちゃってるんだ。謝るなら俺の方だよ。それよりまずは車を出そう。手伝って」
《了解》
リュウの言葉にウルスは間髪入れずに即答し、リュウがコルベットのフロントを思い切り手押ししてウルスは車内からの操作でバックギアに入れ必死に後輪を回し抜け出そうとする。やがて砂地から脱出するとリュウは運転席に戻り今度は自分がハンドルを握る。既にタケルのSLRの姿は闇の中に消えており、消えたその姿を追うべくコルベットを走らせる。
しばらくすると、徐々に空に明るみが差し込み始め、リュウはその眩しさに一瞬目を瞑り目元を右腕で覆うがすぐに目を開けると、東の砂漠の地平線から太陽が登ってくる光景が見えた。
その雄大でありながらも美しいその光景にリュウはしばし見惚れた。それはリュウへの激励かそれとも更なる困難への警鐘か・・・、だが止まる事は許されない。
「・・・よし!」
リュウは一旦ハンドルから両手を離すと両手で顔を挟むように2回ほど叩いて自分に喝を入れる。そして再びハンドルを握ってコルベットを加速させる。
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シルバーロック郊外、ヴォルフラム艦内格納庫では、シルバーロックでの大追跡において事故やレーサーからの攻撃で破損した車両の修復及びメンテナンスが行われていた。
特にダメージが酷かったのはシグナム・ヴィータコンビのジャガー・XJ220とシャマル・ザフィーラコンビのポルシェ・959だ。リュウがキャリアカーに体当たりし起こした故障車の雪崩に巻き込まれたのが1番の要因であろう。
「はやて、見て分かる通りXJと959は当分は動かせそうにないぞ」
「せやね・・・、それになのはちゃん達も少し怪我してしもうたし、リュウは車を強奪し地元管理局部隊を振り切ってそのままシルバーロックから脱出して東進・・・」
現状ははやて達にとって芳しい物とは言えなかった。妨害が入ったとはいえリュウには逃げられその上六課組の最高戦力であるなのは達隊長陣の何人かも負傷してしまっている。当面はフォワード隊メンバーのスバル達を中心に行動せざるを得ないのだ。
「・・・まぁ確かになのは達が動けないのは痛いけど、人員なら大丈夫だ。さっき連絡があって遅れてた“4人”のマシンが仕上がったから担当要員もまとめて持ってくると」
ギルバートのその知らせを聞いてはやては顔を綻ばせた。今の状況では1人でも人手が欲しいのだ。
少しすると外でヘリのローター音が聞こえ、外を見れば管理局にて最近正式採用された輸送ヘリ“JF704式改”が2機着陸して後部ランプドアが開くと合計4台の車両が降りてきた。
最初に降りたのはVeilSide製FORTUNE MODELボディキットを装着し一見すれば跳ね馬の車と見間違うシルバーストーンメタリックのそれは“ホンダ・NSX(NA1)”
2台目はD.SPEED製ボディキットPYTHONフロントリップウィング、フロントグリル、サイドステップ、エアロミラー、リアアンダースポイラー、
3台目はVARIS製14 Ver.Relordedスタイルフロントバンパー Ver.2、クーリングエアシュラウド+エアダクト、サイドスカートVer.1、リアバンパー+ディフューザー、フェンダーダクト、GT-WING EURO EDITION、クーリングボンネットフードVer.2、ライトウェイトトランクを装着したライトブラウンメタリックの“三菱・ランサーエボリューションⅩ GSR”。
最後に降りた4台目は、ギルバートのチャージャーと比べると小振りだがボンネットから突き出ているスーパーチャージャーが目を引く、ボンネットに両脇にイエローの細ラインをあしらった白いダブルストライプのバイナルを施したワインレッドの1973年式“ポンティアック・ファイヤーバード トランザム”。
4台が横1列に並び、エンジンが切られると4台からドライバーが降りてきた。
シルバーのNSXのドライバーは右目に黒い眼帯を着けた長い銀髪の小柄な女性・・・チンク・ナカジマ。
レッドメタリックのR32のドライバーは赤い短髪で少年的な雰囲気を纏った女性・・・ノーヴェ・ナカジマ。
ブラウンのランエボⅩのドライバーは長い茶髪を薄黄色のリボンで結っている女性・・・ディエチ・ナカジマ。
ワインレッドのトランザムのドライバーは赤い髪を後頭部で結ったノーヴェに似て少年的な雰囲気を纏った女性・・・ウェンディ・ナカジマ。
彼女達は機動六課の面々が集合した際に共にいた人物たちだ。そして・・・
「到着が遅れ申し訳ありません、チンク・ナカジマ、ノーヴェ・ナカジマ、ディエチ・ナカジマ、ウェンディ・ナカジマ以上4名、ただいま着任いたしました」
ここから先新たに立ち塞がるタスクフォースのメンバーでもある。
ED:真理の鏡、剣乃ように/鈴木このみ
今回はエナジーマン様ご応募のキャラを少し出演させていただきました。
それと思ったより投稿が遅れてしまった為に募集期間を今月一杯まで延長します。[https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=235406&uid=79933]