NEED FOR SPEED:Legend Of The Lan 作:天羽々矢
クラナガンまでの距離・・・4,643km
リュウの現在の走行順位・・・205位
トライシティから脱出したリュウはカーオーディオプレイヤーから流れる朝のラジオの陽気な音楽をBGMにしながら前方の車列を追ってバルモンテパスという低い山道を疾走していた。
現在リュウが追走する集団は手前から、
オレンジのダッジ・チャレンジャーSRT8、
メタリックブラックの1977年式ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム、
メタリックブルーの1997年式日産・フェアレディZ(Z32)、
ブルーマイカの三菱・ランサーエボリューションⅩ、
シルバーのルノー・メガーヌ クーペ3 RS、
ホワイトの2008年式フォルクスワーゲン・シロッコR、
クリムゾンレッドの1999年式フェラーリ・360モデナ、
メタリックオレンジの2005年式レクサス・IS350 Version S、
ブラックの2005年式4代目三菱・エクリプス、
ガングレーメタリックの2005年式クライスラー・300C SRT-8、
この10台である。
このまま道なりに進めばアヴローラ・ナショナルパークに最速でアクセスできるルート、インターステイト601に出る。
集団を追ってR34GT-Rを駆るリュウに、インパネのタブレットからユーノの声が響く。
〈リュウ!シルバーロックに150位以内で入るんだ!〉
「何だって!?もう1度!」
自分のGT-Rも含めレーサー達の車両の爆音でよく聞き取れなかったリュウはもう1度ユーノに問う。
〈シルバーロック150位以内!でなきゃジ・エンド!!〉
「OK、了解!」
今度はしっかり聞き取れたリュウはユーノにそう返し。再び運転に集中する。
この先の高速が勝負所だと判断しそれまでは追い抜きにかかりつつも余力を温存するハイスピードクルージングでGT-Rを走らせていく。
――――――――――――――――――――
未だに会議室にいるなのは達は冷たい雰囲気を漂わせていた。
突然のリュウの逮捕命令と、それ故の特殊追跡部隊への編入と・・・頭の処理能力がキャパオーバーしていたのだ。
そんな中で、なのはが徐に立ち上がりその場にいる全員に向き直る。
「・・・やろう、みんな」
なのはのその言葉、それはリュウの逮捕に手を貸すという事だった。
当然それに納得しない者はおり、なのはの言葉に食いつく。
「そんな・・・なのはさんはリュウを疑ってるんですか!?」
その1人が、先程マサノリに異を唱えようとした青髪の女性スバルである。
スバルの言葉に賛同するかのようにフェイトやはやてといった隊長陣を除いた全員がなのはに注目するが、なのははスバルの言葉に首を横に振って否定する。
「ただ捕まえるんじゃなくて、助けるためだよ。きっとリュウは今とても危険な橋を渡ってる・・・私たちなら・・・ううん、私たちじゃないと助けられないよ!」
「私もなのはと同じ考えだよ・・・」
なのはの決意に彼女の左隣に座るフェイトも立ち上がりながら賛同する。そしてそれに続くようにはやても立ち上がる。
「私もなのはちゃんと同じや。このままじゃリュウは遅かれ早かれ折れてまう・・・その前に私らが何とかせぇへんと!幸いこういう時に力になってくれそうな人を知っとるんよ、ちょっと行って来る!」
言うや否や、はやては駆け足で会議室を飛び出していった。
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場面は変わりクラナガン市内の低所得者街、その一角にある小さなガレージ付きの一軒家。
ガレージの外にリュウより少し年上の雰囲気を醸し出す1人の青年がいた。
肩まで届く銀髪と目付きは悪いが整った顔立ちをした赤い眼、黒いパーカーと黒いジーパンを身に着けた青年、名は“ギルバート・ドレイク”。
ギルバートは愛車の整備と軽い洗車をしながらもラジオから流れるニュースに耳を傾けていた。
〈繰り返します。本日、時空管理局当局はリュウ・アステリオン元三等陸尉を、質量兵器の不法所持、車両窃盗、強盗傷害等の容疑で指名手配する事を発表いたしました。アステリオン容疑者は既に10人以上に重傷を負わせ所持していた金品等を強奪したと思われています。更にはカラハン・モーターズ経営責任者アダム・カラハン氏もアステリオン容疑者の被害にあったと思われており現在も容疑者の行方の捜索が続けられています・・・〉
ギルバートは一瞬ニュースの内容を聞いて呆気にとられるも何とか持ち直し、点検を終え愛車のボンネットを閉める。
すると外からエンジン音が聞こえ、ギルバートが外を振り向くと青みがかったシルバーの5代目フォルクスワーゲン・ポロが急ブレーキをかけながらギルバート宅の前で停車した。
そしてポロから1人の女性が飛び出すように降りてきた。
「ギルバート君!」
「・・・はやて?」
その女性とは、はやてであった。
だが今の彼女は酷く焦っているような雰囲気だ。
「お願いやギルバート君、助けて!!」
「ちょ、ちょっとはやて、まずは一旦落ち着いてくれ・・・」
はやてがギルバートに縋るように駆け寄ってきた事でギルバートは一瞬ドキリとしたが、まずは彼女を落ち着かせる事にした。
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「・・・落ち着いたか?」
「うん、その・・・ごめんな?」
とりあえずペットボトルのお茶を差し出して何とか落ち着かせ事情を聴く事ができた。
ギルバートが耳を疑ったリュウの指名手配報道、そしてその逮捕の為にはやて等、元機動六課メンバー全員に白羽の矢が立ったという事。
「けど私はリュウがそんな事するなんて思えへんのや・・・」
「あぁ俺もだ。あいつとは何回かレースでやり合った事はあるけど、そんな事をするような奴じゃない」
ギルバートが言ったレースとは深夜に行われるストリートレースの事だ。
今はこうして管理局二等陸佐のはやてと話してはいるが、その実は夜の世界では知らぬ者はいない程の有名レーサーであり、リュウとは互いの腕を競い合った仲でもある。
そんなギルバートが普通なら犬猿の仲である管理局の、しかも二等陸佐という上級幹部のはやてと何故普通に話せているのか?
簡単な事だ、レーサーとしての腕を管理局に見込まれ罪状の赦免と引き換えにこれまで何度か追跡用のドライバーとしての雇われ経験があるからであり、その時に知り合って今では日常でも時間を見つけては連絡を取り合っている仲だ。
「せやから、私は・・・私たちはリュウを助けてあげたい。ギルバート君も手伝ってくれへん?」
そのはやてからのお願いとは、やはり今回のリュウ絡みの件のようだ。当然管理局員でないギルバートには関係の無い話、もし首を突っ込めばどうなるか分からない。
だがギルバートは既に腹を括っている。
「分かった。あいつは俺にとっても仲間だ、放っておく道理なんて無い」
ギルバートの答えを聞くとはやては満足そうに笑みを浮かべる。
「よかった、ギルバート君ならそう言ってくれると思っとったで」
はやてはそう話すと踵を返し乗ってきたポロの方に向かう。
「スピード違反は見逃しとくから、できるだけ急いでな」
はやてはポロに乗り出発する。
その姿を見てギルバートは手早くガレージの中を片付け、家とガレージの方にも施錠すると、自分の愛車に歩を進める。
往年の雰囲気を漂わせる角ばったデザインの中にある完璧な曲線美のボディにそれにマッチしたブラックのボディカラー。
そして何より目を引くのは、ボンネットから突き出たスーパーチャージャーである。
まるで有名なカーアクション映画の車をそのまま持ってきたかのようなその車の名は・・・
1969年式ダッジ・チャージャー B-Body。
一見すると70年式に見えるそれは、70年式のフロント周りを69年式のボディに移植した物である。
ギルバートは自分の愛車であるそのチャージャーに乗り込み、スロットにキーを差し込み回すと7.0L V8スーパーチャージドエンジンが獣の唸り声のような低く重くある爆音を上げながら目覚める。
ギルバートはその目付きを更に鋭くさせつつ、ある1つの誓いを立てていた。
それは・・・リュウをハメた奴に必ず報いを受けさせる事。
その誓いを胸に、ギルバートはアクセルを踏み込んでホイルスピンをさせつつもチャージャーを発進させ自宅を後にし、はやてが乗るポロを追いかける。
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アヴローラ・ナショナルパーク・・・
リュウのはるか前方に進んでいる車列の中に1つの異色な集団がいた。
そのGT Sの後方には、まるで付き従うように走る3台のマシン・・・。
シームレス加工を施した
GTレースカーのようなボディキットとレースウィング、SEIBON製GTレーススタイルのカーボンボンネットを付けたペールブルーメタリックのBMW・M3 GTR。
GT4レースを彷彿させるボディキット、GTウイング、GT500タイプダクト付カーボンボンネット、
4台が纏まって走る中、GT Sのドライバーであるは女性はインパネに固定してあるタブレットを操作すると、リュウ・アステリオンの情報欄を出した。
「・・・ふふっ♪」
緑色のセミロングヘアーを首の後ろ辺りで束ね1本にしたヘアスタイル、右眼は赤で左眼は青という異色虹彩を持った幼さが残る顔立ち。
黒いインナーシャツと青いベスト、薄い青のショートパンツにブラウンのブーツを身に着けたGT Sのドライバーであるその女性の名は“トモエ・シズマリ”。
・・・リュウに賭けられた懸賞を狙う
ED:Blast My Desire/m.o.v.e
今回において応募してくださいましたオストラヴァ様とZG様のキャラを少しですが登場させました。
ただしZG様のキャラの方につきましては大きく変更する事になり、この場を借りて謝罪いたしますm(__)m
オストラヴァ様の方のキャラも間違っているか不安ですので先に謝罪しておきますm(__)m