これは少女達の壮大な物語の始まりである。
※※※※※
ただの途中まで書いて力尽きた作品。

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書いてみたは良いけどぶつ切りで終わったやつ

『魂喰い』(たまぐらい)と言われる存在がいる

 

それは吸血鬼や悪魔といった存在の力を無効にする者

 

その者はどんな魔法を起こす事も出来ないが、反対にどんな魔法も効かないので魔法使いの天敵でもある

 

その者に触れていると気なども通用しない

 

なお、『魂喰い』は魔法使いや吸血鬼などを無力化するには触れていないと無理のよう

 

 

『魂喰い』は『魂なし』とも呼ばれる事もあると書物には書いてあったが、その存在はほとんどいないのか、『魂喰い』に関する本を確認できたのはたった一冊

 

ただ、確認できていないだけで、本当はまだあるのかも知れない

 

書物に載っていた『魂喰い』の存在に会ったのはつい、先日の事だ

まさか本当にいるとは思わなかった

 

 

 

†††

ローブを纏っている小柄な人はパタンと手帳を閉じて、溜め息を吐く。

 

その人はフードを目深に被っているので顔が見えないが、背は低いので子どもだろうとわかる。

 

 

その子はもう一度溜め息を吐く。

 

 

「恨みますよ、師匠」

 

 

その呟きは小さいが、少女だとわかる声だった。

 

少女の周りの空気が何故だか冷えた様に感じる。

 

今、少女がいる場所は電車の中にいる。見るからに怪しげな格好と黒いオーラを放っているので、少女周辺には人は寄って来なかった。

少女が呟くと同時に寒気が広がって来たので更に少女から人は遠ざかろうとするけれど、ここは唯でさえ人が多い、満員電車の中。さすがにそれ以上は離れられないので、周囲の人達はびくびくと怯えるしかない。

 

少女周辺にいる人達は早く自分の下りる駅に着くか、少女の下りる駅に着いて欲しいと切実に願っていた。

 

 

 

†††

漸く少女は目的の駅に着き、電車から下りると大きな溜め息を吐き、周りを見渡して疑問に思う。

 

 

確かここは日本だった筈なのに何故、ヨーロッパの建物なのだろう、と。

 

だが、少女はこれから行く所を思い出してうんざりし、帰ろうかと思うが、家が無くなったことを思い出して、イライラする。

 

 

「何で学校に通わなくちゃ行けないのよ。学校に行かなくても良いように飛び級までしたのに……。その上何なのよ。せっかくラッシュ時を避ける為に早めに来たのに電車の故障で遅れるし……」

 

 

少女は黒いオーラを放ち、歩みも重そうにしながらブツブツと呟いていて、やはり周りには人は寄り付かず、少女を避けながら周囲の人は歩いて行く。

 

 

少女はぶつくさ言いながら歩いていると、前方の建物の角から突然、人影が飛び出して来て、少女とその人影はぶつかり、少女はぶつかった拍子に転ぶ。

 

 

「うわっ!と、ご、ごめん!」

 

 

飛び出して来た人影は制服を着た黒髪のショートの少女で、慌てたように転んだ少女の手を掴み、立ち上がらせる。

 

 

「ほんっとにごめんね。急いでたからさぁ」

 

 

黒髪の少女は手を合わせながら言い、何かに気がつくと、地面に落ちている青い色の眼鏡を拾い上げ、転んだ少女に渡す。

 

 

「ごめんなさい。見た感じ、ヒビもないし、壊れたようでもないけど……って時間がない!?」

 

 

女子中学生は眼鏡を渡す時に腕時計を見て、また慌て出し、少女に頭を下げて言う。

 

 

「何かあったら、あたしのところに来てよ。お詫びもしたいし。あたし、麻帆良学園中等部の二年D組、神無 歩(かみなし あゆむ)!」

 

 

神無歩と名乗った女子中学生はそう言って手を振りながら走り去って行った。残された少女はただ嵐のようにいなくなった女子中学生を見送る形で立ち尽くし、暫くして懐から黒い手帳を取り出して開く。

 

開かれた手帳にはこう書かれている。

 

 

――その『魂喰い』という存在は神無歩と名乗る女の子だった

 

 

と。

 

 

少女はその文字を見つめて呟く。

 

 

「なるほど、面白そうね。……だからこの学園に師匠は来させたかったのかしら?」

 

 

少女は手帳をしまい、先程掴まれた手を見ると、楽しそうに言う。

 

 

「……確かに、何も感じなかったわ」

 

 

途端、少女の前から突風が吹き、フードが取れる。

フードの下からは、はっとするほどの綺麗な長い白い髪で、太陽が当たるとキラキラと輝き、少し切れ長の珍しい紫色をした瞳を持ち、綺麗に整った顔を少し微笑んでいる美しい少女がいた。

少女は渡された青縁眼鏡を掛け、もう一度フードを目深に被ると、黒いオーラを放たずにゆっくりと歩き出す。しかしその歩みは先程よりも軽く感じるものだった。

 

 

 

†††

フードを目深に被った少女は目的地の学園長室の前にいる。

 

中から話し声が聞こえるが、少女はそれに構わずノックをすると扉が開いた。部屋の中には赤髪の少年と長い黒髪の綺麗な少女、何故か制服ではなくジャージを着ているツインテールの少女、スーツを着た無精髭の似合う眼鏡を掛けた男性と、そして頭が長いのが特徴の男性の老人がいる。扉を開けてくれたのは眼鏡を掛けた男性で、その男性が少女を部屋の中へ入れると、頭の長い老人が聞く。

 

 

「君がサトリ・ジザニオンかの?」

 

「はい、そうです」

 

 

少女は頷き、フードを取って挨拶をする。

 

 

「初めまして、サトリ・ジザニオンといいます。私の事はサトリと呼んで下さい」

 

 

そう言ったサトリは無表情で無愛想、その上青色の太縁の大きな丸い、少しセンスが悪い逆光眼鏡を掛けており、つい先程微笑んでいた美少女はいなかった。

 

 

「うむ、わしはこの学園の学園長の近衛 近右衛門と言う。……ではサトリ君、副担任をよろしく頼むよ。担当教科は社会科じゃの」

 

「……はい?」

 

 

サトリは訝しげに顔をひそめるが、それに気付いていないのか、頭の長い学園長は話を進める。

 

 

「子どもが教師なんてどういう事ですか?!しかも二人も!?」

 

 

とジャージ姿の少女が至極まっとうな事を言うが、学園長は取り合わずに、

 

 

「まぁまぁ、アスナちゃんや。はるばる遠い所から日本に修行をしに来たのだし、それに大丈夫じゃ。二人は大学を飛び級して、教員免許も持っておるしからの」

 

 

と言う。

 

 

サトリは確かに大学を飛び級をしたが、教員の免許を持っていたか?と考えている間にも話は進み、何故だか副担任を任されていて、今は住む所の話になっている。

 

 

「それとネギ君とサトリちゃんの部屋なんじゃが、教員の部屋に空きがなくてのう。すまないが、このかとアスナちゃんの部屋に泊めて欲しいのじゃ」

 

「何でですか、嫌ですよ!三人部屋なのに四人で住むなんて!!」

 

「別に明日菜、いいんちゃう?かわいい子達やし」

 

「このか?!」

 

「明日菜君、ネギ君はいい子だから大丈夫だよ」

 

「高畑先生?!…………わかりました。二人とも泊めますよ!!」

 

 

明日菜と呼ばれたジャージの少女はあれほど嫌がっていたが、周りに観念したのか、怒ったように新しい担任と副担任を泊める事を許す。

 

 

「ありがとうございます。このかさん、アスナさん!」

 

 

赤髪の少年、ネギは嬉しそうに言い、サトリは静かに言う。

 

 

「申し訳ありませんが、ホテルの予約をしているので私はいいです。なのでそこの少年だけ、泊めて下さい」

 

 

そのサトリの言葉に周囲は驚き、学園長が戸惑ったように言う。

 

 

「う~む。じゃが、これからこの学園で働くのに、ホテルからだといろいろと大変じゃろう」

 

「えぇ、ですから先ずはどこかこの学園から近いアパート等を探している間だけホテルにいます。借りれるアパート等が見つかったらそこに移ろうと思っています。……後、心配しなくともお金はちゃんとありますし、それにそれならその子達の部屋はそこまで狭くはならないと思いますよ」

 

 

サトリのその淡々と、しかしはっきりとした物言いに戸惑いながらも学園長はその要求を飲む。

 

 

「むっ、もう時間じゃからこのか、アスナちゃん。教室に戻ってもいいぞい」

 

「あ、はい」

 

「ネギ君とサトリちゃんはまだ話があるから残って貰う事になるのう」

 

「はい!」

 

 

学園長は時計を見ると、このかと明日菜を学園長屋から出してサトリとネギを残し、出て行った二人と入れ代わりに一人の女性が入ってきた。

 

 

「この人は源しずな先生じゃ。ネギ君とサトリちゃんの指導をお願いしておる。何か分からない事があったらしずな先生に聞くように」

 

「初めまして、源しずなです。宜しくお願いしますね」

 

 

しずなは軽く微笑みながらサトリとネギに言うと、ネギは「よろしくお願いします!」と元気よく返し、サトリはお辞儀をしながら「お願いします」と返すだけだった。

 

 

「うむ、もうクラスに行く時間じゃな。では、頑張るんじゃぞ。ネギ君、サトリちゃん」

 

 

ネギは元気よく、サトリは静かに返事を返して、しずなとネギ、サトリと続きながら学園長室から出るが、サトリは出る直前に足を止めて振り返る。

 

 

「学園長。この後、少しお話がしたいので、お時間を空けて貰っても宜しいでしょうか」

 

 

学園長はサトリの言葉に少し驚くが、それを表に出さずに言う。

 

 

「良いぞ。丁度わしも君に話をしたい事があったからのう」

 

「ありがとうございます」

 

 

サトリはお辞儀をして扉を閉めた。

サトリ達が部屋を出ると、学園長と高畑は話し始める。

 

 

「学園長。サトリ君はどういう子何ですかね。ずいぶん大人びていましたけど……」

 

「うーむ。メルディアナ魔法学校の校長の話ではとても優秀な生徒だった人物の弟子で、その弟子も優秀じゃが少し対人関係が悪いと元生徒が悩んでいたところに、校長がネギ君と一緒に修行をすれば良いじゃないか、と勧めたそうでな。それに、校長もネギ君の事も心配していてのう。その元生徒の弟子なら安心じゃ、とも言っておって、あれよあれよと言うように元生徒の弟子、サトリちゃんがネギ君と一緒にこの学園で教師をする事になったのじゃ」

 

「そうだったんですか。……ならよくはサトリ君の事は分からないんですね」

 

「そうじゃな。……とりあえず、この後の話し合いでサトリちゃんの人となりを見ようかのう」

 

 

そう言って学園長は溜め息を吐き、高畑は頷いた。

 

 

 

†††

ネギとサトリが受け持つ事になった二年A組の教室の前に着くと、中は騒がしかった。

 

ネギは一息を吐いてからドアを開けると黒板消しが落ちてきて、ネギの頭に当たる直前で一瞬止まるが、黒板消しはそのまま落ちていきネギの頭に当たって、チョークの粉が舞う。

 

ネギは咳をしながら前に進むと、ワイヤートラップにかかり、まるでコントのようにバケツを被って転ぶ。

 

 

「え、子ども?」

 

 

生徒の一人が呟くと、ほとんどの生徒が慌てて罠にかかったネギのもとへ行き、

 

 

「ごめんね!まさか君みたいな子が罠に掛かるとは思わなくて……」

 

「大丈夫!?」

 

「怪我はない?」

 

 

と言うようにネギを心配する声を掛けて行く。

 

 

暫くして漸く落ち着いたのか、先ずはネギから自己紹介が始まる。

 

 

「初めまして。僕はこのクラスの担任のネギ・スプリングフィールドです。英語を教える事になります。どうぞよろしくお願いします」

 

 

ネギはそう言いお辞儀をすると、一瞬教室の中が静かになった後、爆発的に騒がしくなる。

 

 

「キャーー!かわいいー!!」

 

「君、何歳?」

 

「どこから来たの?!」

 

 

など、ネギは何人もの生徒から色々な質問をされるが、ネギは戸惑いながらも律儀に返していく。

中にはしずな先生に本当にネギが担任になるのか、と聞いている生徒もおり、その質問にしずな先生は肯定をすると質問をした生徒はその事実に愕然とする。

 

暫くすると、しずな先生は手を叩き、生徒達を静かにさせ、まだ教室の扉付近にいるサトリを入らせる。

 

サトリが入って行くと、教室の中は静かになる。なぜならネギは一応スーツを着て、見た目はきちんとしているが、入って来たサトリの服装はフードは被ってはいないが、少し汚れているローブを纏っており、その上黒いオーラを発しているからだ。

生徒の中に朝の電車で一緒の車両にいたのか「朝の電車にいた不審者……」と呟き、サトリはそれが聞こえたのかチラリとそちらの方を見て、呟いた生徒はビクリとする。

 

サトリはネギがいる教壇の方には行かず、教室に入って直ぐの所に止まり、口を開く。

 

 

「サトリ・ジザニオン。今日からこのクラスの副担任を任されました。担当科目は社会です。年齢は十四。以上」

 

 

サトリは淡々と言った後、しずな先生の所に行き、話しかける。

 

 

「しずな先生。この後はネギ先生の授業ですけれど、私は職員室に行きたいので、どこにあるのかを教えて下さい」

 

「えっ、そ、そうね。本当は私が案内をしたらいいのだろうけど……」

 

「しずな先生。ネギ先生の授業は僕が見ていますから、サトリ先生の案内をお願いします」

 

「高畑先生。……では、よろしくお願いしますね。ジザニオン先生、案内します」

 

「ありがとうございます」

 

 

サトリはお礼を言い、しずなはどういたしまして、と笑顔で返して教室を出る。サトリもしずなの後に続き教室を出て行く。

 

 

 

サトリはしずな先生の案内で職員室に行き、職員室にいる教師達に挨拶をした後、教師は何をすればいいのか、などの質問を彼女は聞いていた。

 

サトリは教師用の教科書を受け取り、自分に宛がわれた机に向かい、座る。今日の二年A組の時間割りに社会科は入ってはいないが、他のクラスは入っているので、どうやって授業を進めるかを考え、いらない紙を貰い、その紙の裏で考えを纏めていく。

途中、まだ挨拶が終ってない先生が入ってきたら挨拶をする。

 

 

 

†††

授業も終わり、学園長に話があるサトリは不機嫌になりながらも学園長室に歩いて行く。

 

サトリは黒いオーラを纏いながら歩いていると、危なげに大量の本を持ち歩いている生徒がいた。

 

 

(あれは確か二年A組の宮崎のどか。でしたっけ?危ないわね)

 

 

サトリは階段を降りようとしているのどかに近づこうとするが、声を掛ける前にのどかは足を踏み外し、普通ならある筈の手刷りがなく、階段の横から落ちていく。

 

のどかは目をぎゅっと瞑り、痛みに耐えようとしたが、思っていた大きなものではなく、腕を引っ張られるような感覚と、その直後のお尻を打ち付ける衝撃。のどかは恐る恐ると目を開けると階段の下ではなく、まだ階段の上にいて、階段から少し離れた場所に尻餅をついていた。

 

何故、自分は階段から落ちていないのだろう、とのどかは思っていると、「どっこらせ」と言う掛け声が聞こえると同時に下から人が上がってきて驚く。その人は今日から自分のクラスの副担任になったばかりのサトリ・ジザニオンだったからだ。

 

 

サトリは呆けているのどかに近づくと、どこか痛いところがないか聞く。のどかははっと我に返り、慌てて立ち上がってお礼を言おうとするが、立ち上がる際に足首に痛みが走り、また尻餅をつく。

 

 

「少し失礼します」

 

 

そう言いながらサトリはのどかの足首を見る。

 

 

「……ぱっと見はただの捻挫みたいですね。保健室まで送ります」

 

「本屋ちゃん、大丈夫!?」

 

「大丈夫ですか?宮崎さん、サトリさん!?」

 

 

慌てたように心配する声が二つ聞こえてきて、サトリとのどかは声のする方へ顔を向けると、階段をかけ上がり、こちらへ走ってくる明日菜とネギがいた。

 

どうやら、のどかが階段から落ちていく様子とそれを助けたサトリを下から見ていたようだ。

 

 

「私は大丈夫です。宮崎さんは少し捻挫をしてしまった様なので、すみませんが保健室に連れて行って貰えませんか?私は学園長にこの事を報告しないといけませんので」

 

 

サトリは淡々と言い、ネギと明日菜は了承して、のどかを支えながら三人が保健室に向かうのを見届けると、サトリは元々の目的地である学園長室に向かう前に、のどかが落としていった本を拾う。

 

 

(さて、この本はどうしようかしら。どこに持って行こうとしたのか聞いとけばよかったわ)

 

「どうかした?」

 

 

サトリはのどかが落とした本をどこに持って行けばいいのかと途方にくれていると、声をかけられた。

 

サトリは振り返って見ると、焦げ茶色の長い髪を首の付け根の辺りで括っている少女がいた。制服からして中等部だろう。

 

 

「この本はどこに持って行けばいいのか聞き忘れてしまいまして」

 

「そう。多分、あっちの所だと思う」

 

「……出来れば案内をしてくれませんか」

 

「うん、いいよ」

 

 

少女は指を指して言うが、どこにあるのか分からなかったのでサトリは案内を頼み、自分は数冊の本を持ち上げ、残りの十数冊の本は少女に持たさせて運ぶ。

 

少女はお人好しなのか嫌な顔もせずに黙って運んだ。

 

 

本を運び終わり、サトリはお礼を言うと、少女は笑いながらこう言った。

 

 

「別にいいよ。うちの同室の子がぶつかったお詫びだし。……じゃあ、またね。サトリ先生」

 

 

少女はサトリに手を軽く振り、のんびりと歩きながら去っていった。

 

サトリはその様子を驚きながら見ていて、少しした後、納得するように頷く。

 

 

「まぁ、こんな格好だと広まるのは早いでしょうね」

 

 

そう言いながらサトリは自分の服装を見ると、ボロボロのローブ。更にネギよりも歳上だが、この歳で教員だと言うのは噂になるのも当たり前だろう。

 

 

「神無歩さんはぶつかった事を話したのかしら?まぁ、同室らしいから話したって不思議ではないわね」

 

 

独り言を言いながらもサトリは学園長室に向かう。

 

 

 

†††

サトリは学園長室の前につくとノックをし、それに返事が返ってきたので、中に入ると妖怪、ではなく学園長がいる。

 

サトリは挨拶もほどほどにして早速本題に入る前に先程の事を話す。

 

 

「ふむ、確かに危ないの。早速手刷りを付けて貰う事にしよう」

 

「ありがとうございます」

 

「して、サトリちゃんや。話とは何かの?」

 

「住まいの事で……。私はまだ、ここには来たばかりなので、どこか良さそうな不動産屋を紹介をさせて頂ければ。と思いまして」

 

「ふむ。わしもサトリちゃんの住む所の話とやって貰いたい事があったのじゃよ」

 

「何でしょうか」

 

 

サトリが学園長に聞いた時、ノックの音がして「失礼します」と声がした後に扉が開かれた。

 

入って来たのは二人の少女で、サトリが副担任を受け持つクラスの桜咲刹那と龍宮真名だった。

 

 

「学園長。お話とは何でしょうか」

 

「おお、丁度いいところに来たのぉ。二人の部屋にサトリちゃんを泊めて貰いたいのじゃ」

 

「ちょっと待って下さい。私は学園の近くで部屋を借りられれば良いのですが?」

 

 

サトリは眉をひそめて見るからに不機嫌にしながら言うが、学園長は気にした様子もせずに飄々と笑いながら話す。

 

 

「サトリちゃんにやって貰いたい事は寮の警護でな。そのまま寮に住めばやり易いし、この二人は魔法生徒で夜の警護にも出て貰っておるからの。何かと分からない事があったら二人にも聞けばいいかと思っての」

 

「……桜咲さんと龍宮さんはそれで良いのですか?」

 

 

サトリは学園長の要求は飲みたくなかったみたいだが、刹那と真名はサトリの考えに沿う事はなく、サトリとの同居に二人は了承し、それを聞いたサトリは少しの間考えていたかと思うと、大きな溜め息を吐きながら渋々、寮の警護と同居を承諾した。

 

学園長はそれにお礼を言い、笑っていたが、サトリは内心、面倒事が増えてうんざりしていた。

 

 

学園長室から出ると、刹那と真名からこれからネギとサトリの歓迎会をやる事を聞かされ、サトリは顔を出すだけにする事に決める。

 

 

 

†††

サトリは本当に顔を出すだけ出して、買い物をしないと行けないから、とその場を去っていった。

生徒達は

 

 

 

※※※※※※※

ここで終わっている。

 

 

この後、サトリはエヴァの知識を得るために取り引きをする。暫くしてから歩に接触して、歩の体質を研究。関わって行くうちに、同室の子がサトリに「世界樹」の奪還の手伝いを依頼して、サトリは面白そうだと言って承諾する。歩の同室の子は「世界樹」正式名は「神木・蟠桃」の守り人の一族の生き残り。一族の悲願を果たそうとしている。なんやかんやあって…………と妄想していたけど、別にネギまじゃなくても良いのでは? と思って、それから続きを書いてない。

 

 

 




何かもったいないな。と思ったので投稿してみた。何気に初の三人称で書いたやつ。


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