「んー?……もしかしてヒカル?」
「正解。こっちではアキラって名前だよメイプル」
ステータス画面の名前部分だけを表示しメイプルに見せる。
アキラっていう名前しか伝わらないけど、これでも元々長年一緒に遊んできた幼馴染。
口調や外見でわかる……と願いたい。
「へぇ……アキラもこのゲームやってたんだ」
「うん。そこそこ長い期間やってるよ。いわゆる初期勢だからね」
「ショキゼイ?」
「ゲームが発売されてからすぐに始めた人達のこと」
「なるほど!じゃあアキラはモノシリさんなんだ!」
「……ま、それでいいか」
世間話のようなものを挟みながら僕はメイプルの隣に腰掛けた。
そこでメイプルの装備にパッと目を通す。
……紛れもない。ユニークシリーズです。なんで初心者が持ってるかわからないけど、恐らくはヒドラからドロップしたものだと思われます。
「それってユニークシリーズ?」
一応確認を取ってみるけど……
「うん。そうみたいだよ?」
やっぱりか……メイプルってログイン3日目とかじゃなかったっけ?
……ま、いいけど。
運とか運とか運があれば事故が発生して強キャラができるゲームっていうことは認知してるし……ペインとかほんとにいい例だよ……まあ、僕もその一例ではあるけどさ。
「……ゲーム初めて数日って聞いてるんだけど」
「えへへ〜少し運が良かっただけだよ〜」
「運が良いだけで取れるような代物じゃないと思うけど……ところで何しようとしてたの?」
「えっとね……スキルの発掘……かな?」
※※※
とりあえずメイプルとパーティを組み、手頃な狩場……に行こうとしたらメイプルの希望で経験値がさほど美味しくない爆弾テントウというてんとう虫型のエネミーがポップするところに来ていた。
「私は泊まり込みでスキル発掘するんだ〜アキラはどうする?」
「攻略ページに載ってないスキルっていうなら僕も知らないものだろうし……それに《
「いいよ。私もアキラと一緒に遊べて嬉しいんだ。だって最近顔合わせること朝少しだけだし」
「ま、僕は市外の学校通ってるから仕方ないよ」
ちなみにこの会話をしている最中、メイプルは《挑発》スキルを使ってエネミーの攻撃を受けている。……少し気にしたら?ダメージはないと思うけどさ。
ちなみに話し相手になってるのは飽きないようにするため。
僕も《弓の心得》スキルのランクアップ作業中は正直苦行だったし……
今後のアップデートでもう少し心得系スキルは成長しやすくなって欲しい。
「さて、ついたよ。爆弾テントウの生息地」
「ならまずは《挑発》!」
「……へ?」
僕が知る限り1番密集して生息してる所を今回は選んだ。
だから……
「……あれ何匹いるの?」
「見た限り80はいるかな」
凄まじい音量の羽音が耳に届き、その次に爆弾テントウの群れが目に付いた。
「ま、落ち着いてやればいいよ。死んでもこのゲームデスペナ甘いし」
「わかった。《パラライズ・シャウト》!」
メイプルが腰につけてある短剣の鯉口を鳴らし(どう言うべきかわからない)爆発テントウを麻痺させる。
ボトボトと音を鳴らし落ちる虫たちは少しシュールだった。
「……で、これを食べると」
「別にアキラは普通に倒せばいいんじゃない?」
「それで取得できるスキルならもう取れてる……ここは僕も大人しくいただきますかな……」
麻痺しているためピクピクとまだ足を震えさせている爆弾テントウを手に取る。
……生まれて初めて虫を食べるかもしれ……いや。
わりと虫を食べるゲームはあった。
それにいなごの佃煮食べたことあるし……
ま、その虫たち全部
口にすると早速口の中が爆発するような刺激が走る。
「……ぼへぇ」
口から硝煙を上げる……あれ?硝煙ってなんだっけか?
「あれ?どうしたのアキラ?」
「メイプルはなんともない?」
「別に〜。なにせ毒竜食べた後だし」
「いや、そういう物じゃ……そういう物なのかな……」
モグモグと口を動かしテントウムシを食べ続ける。
絵面はかなり酷いがこれもスキルのため。そして攻略のための足がかり……今は堪えて……あ、割と美味しいかも。
そして2人で合計100近くは平らげた頃……
メイプルの思惑が実った。
『スキル【
「おおう……ほんとうに取得できた……爆発ダメ50%カット!?」
「え?そんなに驚くことなの?」
「スキルひとつで種別限定とはいえ50%カットはかなりね。なるほど、
取得条件はHPドレインで倒すこと。
恐らく僕が欲しい《
「おお!これはいいスキル!」
「……いいスキル?メイプル、《
「ふっふー。《悪食》だよ!目に見えて強いスキルなんじゃないかな!」
「……初心者のメイプルがそう思うならたしかに強そう……むむ……僕も欲しい」
メイプル曰く食べた量で得られるスキルなんだとか。
ふーむ……これは僕も毒竜完食コース?
いや、でもな……
僕は防御捨ててるし……
っていうのをメイプルに伝えると……
「なら私が《挑発》してアキラが食べる時間稼ぐよ?」
と言われました……
※※※
「今までも暇な時にRTAとかしてたけど……食べに来る目的でボスに挑むのははじめてだな……」
頬を引っ張り顎を動かし咀嚼するための準備体操の様なものを行いながら呟く。
サクサクと道中の雑魚を倒し、週1ぐらいで殺しに来てる毒竜とボス部屋で対面した。
「サクッと倒すなら出来るんだけどな……」
何せこちらは一応ボスRTA最速タイム保持者。
行動パターンもほとんど覚えているし、メイプル級の盾がいるなら存分に輝かける。
うん、負ける要素は無さそう。
普通に戦えばだけど……
「それじゃいくよ〜《パラライズシャウト》!」
「……いや効かないでしょ」
メイプルがキィン!と音を鳴らしてスキルを放つけど、そのスキルの大元
……普通、毒耐性と麻痺耐性はあると思うよ。
だって、
「あれ!?効かない!?」
「……笑うとこかな。《飛翔》」
僕の足装備(というなの服)【烈風の衣】に付与されてある【飛翔】というスキルを使う。
効果は地上限定の大ジャンプ。かなりの速度で飛び上がり、スキルの効果中は風を伴うので判定の弱い攻撃は打ち消せたりする。
ま、使用方法完全に間違えて今回は毒竜とニアミスするために使うんだけどね!
「まずは一口目、いただきます!」
飛翔での移動中にガブリと毒竜に被りつく。
装備の効果で165になっているSTRはどうやら噛み付く力にも適応されるようで噛んだ部分は簡単に引きちぎることができた。
モゴモゴと口を動かし咀嚼し飲み込む。
「むー……生肉というよりも苦味の強い……うーん」
そんなことを言ってると毒竜がブレスを僕の方に向けて吐いてきた。
やだなぁ……当たるとほぼ即死だろうから……
「《
風を伴い一瞬でその場から姿を消す。
そして消えた時と同じく風を伴い毒竜の顔の前に現れる。
《
今度のは体装備【疾風のマント】に付与されているもの。
一日六回限定だけどかなり使い勝手がいい。なにせAGIは初期の頃に振り分けた15しかない。
だからこそ《
「目が見えるっていうのは面倒だから削らせてもらうよ?《ソニックランス》」
風の槍が毒竜の三つある頭の内のひとつを吹き飛ばす。
……あー、《
目だけを飛ばすつもりだったのに……ま、いいか。
「!!」
突然悪寒を感じ飛ばした首の断面に手をかけパルクールのように毒竜の体に移動する。
DEXが高いと取得できるスキル《アクロバット》
DEXの実数値を傘増しするスキルで効果は
『ダメージが2倍になる代わりにDEXが2倍になる。常時発動』
というもの。
そもそも当たったら死ぬからカンケーないね。
「アキラすごーい!」
「ありがとね。タゲ取ってもらえるともっとありがたいかも!」
「あ、そうだった!《挑発》!」
メイプルにタゲが向かったことで僕へ攻撃しようとしていた毒竜はメイプルに目を向ける。
……このうちに食べとこ。
パクッ ブチッ!
首を回し肉を引き裂く。
……何度も食べると飽きるなこの味。
※※※
「討伐完了!……っとアキラ、スキル取れた?」
「悪食と《
「そっかー……ん?」
「どしたの?」
戦闘が終わりひとつの宝箱を前に僕達はそんな会話をしていた。
だけど、メイプルはどこかバツが悪そうな顔をしている。
「ごめんね……《
「なるほど……ま、このふたつだけでも充分チートだからいっか」
そしてお楽しみの宝箱タイム。
メイプルの装備と同色系統の武器が超低確率で稀にドロップするから楽しみといえば楽しみ……なんだけどさ
今まで何十回も毒竜倒したけど一回も落ちなかった……
だけど
「おお……おおう!?」
「ひゃあ!どうしたの?」
「出た!出た!超レアの装備!」
【蒼月】
大剣
STR+10 AGI+15
【破壊成長】
スキルスロット空欄
しかも狙っていた両手武器のだ!しかも破壊成長付きでステ振りも当たり!
「メイプル!これ貰っていい!」
「え……うん……いいけど……」
早速左手の装備スロットに追加する。
取っててよかった《破壊王》!
弓も両手カテゴリの武器だから一応残していて正解だったね!
ゴゥ!と音を鳴らし大剣を振り回す。
「ふひっひ〜浪漫最強!」
背に戻しクラ〇ドのような感じなポーズを取る。
緑系統じゃないのが少し残念だけど……これはこれでありだね。
「今回は収穫が今までの分帳消しになるぐらい……いや、大きなお釣りが来た!ありがとうメイプル」
「役に立てなら私も嬉しいよ」
「それでなんだけど……この後どうする?」
メイプルを見習い蒼月のスキルスロットに悪食を付与する。
あと1つ残ってるな……
……余分なスキルあったかな
「私はレベル上げをしたいかな〜。そういえばアキラのレベルって幾つ?」
「僕?46」
「高いね……私なんてまだまだだよ……」
「初めて一週間も経ってないニュービーにレベルまで抜かれたら古参が発狂するよ……そっか……ならあそこをマラソンかな?」
匿名投稿どうしよう……
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第七波動のままやれ
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本ユーザーでやってもええよ