ウチの幼馴染は最強で最硬なんだ!   作:何処でも行方不明

3 / 7
天眼の第一回イベント

弓の弦を最大限に引き目測150mぐらいの位置にいるプレイヤーに矢を放つ。

とんでもない音と共に発射された矢は弾丸めいた速度でプレイヤーとの距離を詰めその頭部を寸分の狂いもなく撃ち抜く。

 

「これでやっと900か……今回のイベントは割と僕向けだな。ま、第一回だからよくわからないけど」

 

そういいながらまた矢を番えて放ちまた別のプレイヤーの頭をはじけ飛ばす。

とりあえずの目標は《遠見》以外の一切のスキルを使わないでスコアを1000まで稼ぐこと。

この調子ならまだまだ行けそう。

 

「さてさてさぁーて?お次は……っと」

 

遠見で新しいプレイヤーを見つけその距離に応じて弓に力を込める。

 

「これで902人目!」

 

正直なところ一斉に攻撃出来る《ミリオンショット》や《トリプルスティング》、移動を楽にする装備に付与されてるスキルを使わないと効率が雑魚い。

……10位以内に入れるかな。

他のプレイヤー……クロムはまだしもミィとかペインは大量にスコアを稼いでると思う。

それにドレイクやシン、それにカスミとかの近距離勢は敵が群がっていれば直ぐにスコアを伸ばせる。

だけど僕は安全圏内から一人一人を撃ち抜くしかない。

だからこそ一斉に何百と矢を放つ《ミリオンショット》や同時に三本の矢を穿つ《トリプルスティング》を個人的な趣味で封印している僕は伸びがトッププレイヤーの癖にかなり悪い。

 

「……縛りやめよ」

 

900まで稼いでイベントの開催時間3時間のうちの半分を費やした。

単純計算で6秒に一人。

これだけ稼いだならそろそろ始めようかな。

さっきから遠見を使ってる時にチラついていた集団に標準を定める。

 

「《ミリオンショット》!」

 

20人でパーティを組んでいる集団に向けて山なりに矢を放つ。

スキルにより威力は一本一本が半分になるけど空中で何百にも増える。いや、言い過ぎかな。

とりあえずたくさんに増えた。

ほとんどの矢がプレイヤーを貫きHPを全て減らし全損させ消滅させる。

 

さてと。どんどんギアを上げないとね!

 

「《疾風(はやて)》」

 

移動の足がかりにめいいっぱいの瞬間移動。

対象範囲が視界というある意味使いにくいスキルなのでさっきとはまた別の集団の直上に出現した。

 

「ごめんね〜《暴風(タイラント)》!」

 

その場に竜巻を巻き起こし集団を文字通り一網打尽にする。

一瞬で奇襲して相手が状況を把握するよりも先に倒す。

多分これが1番早いと思います。

 

「うぎゃぁぁあああ!!」

 

断末魔を上げて消滅していくプレイヤーたち。

うーん……無双ゲー。

 

※※※

 

僕による僕のための蹂躙劇が始まったきっかけ。

それを説明するために少しだけ時間を遡ろう。

メイプルとレベリングに明け暮れ……そもそもレベリング自体今日行われる第一回イベントのためのもの。

その参加者たちは所定の場所……

初めてゲームにログインした時に自キャラがポップする広場に集まっていた。

僕個人も例外ではなく、その広場で見知った人影を探し始める。

まずは……

あ、いた。

 

「おーい!」

 

赤い髪に女帝を思わせる装備を身に纏う女の子。

僕の初代パートナーであり、現在《炎帝》の二つ名を持つ《ミィ》だ。

 

「……ん?アキラか」

「やっぱりミィも出るんだ」

「当たり前だ。記念すべき第一回のイベント。それに不参加というのはゲーマーとして意地でも回避すべき事態だろう」

 

そんな会話をする僕たちの後ろから赤い装備に身を包んだ大盾使い。《クロム》が現れた。

 

「よう、アキラにミィ。お前たちが並んでるのを見るのも久々だな。一ヶ月ぶりぐらいか?」

「そうだな。互いに仰々しい二つ名で呼ばれるようになってからは気がついたら疎遠になっていたからな」

「僕はもうちょっと派手めの二つ名が良かったかな〜。ミィは《炎帝》なのに僕は《天眼》って……もっとさ、《鷹の目》とか……今なら《風皇》もありか……」

「既に《天眼》で定着したから無理があるだろ」

「クロムに同意する」

「ちくせう……」

 

少し肩を落としガックリとする。

お調子者ロールも割と疲れる。いや、まあ。

ミィのカリスマロールよりかはマシかもしれないけど。

 

「それにしてもクロムも参戦かぁ……倒すの面倒くさそう……」

「もし戦うようなことになればお手柔らかに頼むよ」

「だがアキラのことだ。いつものように遠距離攻撃しかしないのだろう?」

「それはもちろん。鳥が空中から地上を攻撃するのと同じように僕は僕の持ち味を活かして戦うよ」

 

そんな会話をしていると運営からアナウンスが入る。

ようは《そろそろ始めるから覚悟しろ》とのこと。

 

「ルールは殺して殺して殺しまくれ……か」

「十位以内を目指すのであれば死ぬのは論外だな」

「一番ポイントの損害が多く設定されてる上に被ダメのも加算するとなるとね……与ダメと撃破の倍率によってはクロムみたいなタンクは無視した方がいいかも」

 

三人でイベント開始直前にそんな話をする。

そして僕はミィと顔を見合せ……

 

「ひさびさにするか」

「だね。これを逃すと次はいつ出来るかわからないし」

 

互いに握りこぶしを突き出しコツンと当てる。

 

「「Good lack」」

 

その言葉を最後に僕達は転移の光に飲まれた。

 

※※※

 

〜イベント観覧席にて〜

複数名のプレイヤーたちはモニターに表示されているイベント参加者たちの姿を見ながら思い思いに時を過ごしていた。

イベントの順位予想で一山当てようとするもの。

シンプルに見るのを楽しむもの。

参加者たちから有用なスキルがないか漁ろうとするもの。

まさに十人十色。

掲示板に書き込みをしつつ家でパソコンを弄ってる者もいるだろう。

だが、そのほとんどがNWOのプレイヤーであることには変わりはない。

そして、そのほとんどが最強のプレイヤーが誰かという疑問に答えを出したがっていた。

 

「やっぱり優勝はペインか?ゲーム内最高レベルだから無双してるしな」

「いーや、アキラは外せねぇ。あの超射程の攻撃に気を付けるなんて無理な話だからな」

「……どっちにしろ動きが両方とも人間やめてるな。ペインは近接型だからわかりやすいが」

「アキラもアキラでゲーム内初のユニークシリーズ保持者だからな……装備で言うと互角ぐらいか?」

「ユニーク装備スキルついてるらしいからな。未知のスキルを扱えるっていう点ではアキラの方が上よ」

「だがペインは対人最強だぜ?ほら、また3人も倒した」

 

あーだこーだと言い合うプレイヤーたち。

戦闘が行われているところだけ自動的に選出してるのか勝ちを重ねているプレイヤーはわかりやすい。

 

「順当に勝ちを重ねてるのはよく聞く名前ばかりだな。ドレッド、カスミ、ミィ、ドラグ。やっぱり近距離勢が今回は有利か?」

「トッププレイヤーが強いのはそりゃ当たり前よ」

「他にはシン、マルクス、ミザリー……ほとんどが二つ名持ちだわな。さすがトッププレイヤーたちってところか」

「おっと、でもやっぱりダークホースってのがいるんだな。これが」

 

そういったプレイヤーは自身がみていたプレイヤーの画面をスクリーンショットで掲示板に貼り付けた。

それはちょうど毒竜(ヒュドラ)スキルでプレイヤーを飲み込もうとしているメイプルだ。

 

「今までの撃退数で言えばミィやドラグを超えてなおかつ被ダメゼロ。さっき頭で大剣弾き返してた」

「……は?」

 

※※※

 

イベントも残り約一時間。

30分前にギアを入れた僕にとって朗報が舞い込んできた。

それは

【現在上位3名である《ペイン》《ドレッド》《メイプル》を倒せばポイントのうち三割が譲渡される】

とのこと。

距離的にドレッドしか狙えないけど……

ま、メイプルはまず攻撃が通りそうにないし、ペインは楽に倒せるけど山超えないといけないから無理っと。

 

というわけで僕はとあるスキルを起動させる。

スキル名【天眼】

取得条件は不明。効果は相手のスキルやステータスの露呈とダメージ期待値の自動算出。《遠見》と組み合わせることでプレイヤー個人の判別を遠距離で可能にするスキル。

だから今、ドレッドが射程圏内にいるのがわかる。

そしてドレッドを確実に仕留められる術を僕は持っている。

それは……

大剣《蒼月》を弓に番え《ミリオンショット》で放つこと。

メイプルにも内緒で試した結果。武器はほぼ確定で壊れるけど扱うことができると分かった。

しかも《蒼月》は破壊成長という壊れる度に強化されて戻ってくる特性を有している。

うーん、ベストマッチ。

 

「というわけで悪いね。ドレッドとついでに大勢のプレイヤーを巻き込んでポイント乱獲と行こうか」

 

蒼月を装備スロットに追加する。

背中に装着された蒼月を弓に番えキリキリと音を鳴らしドレッドのいる方向に向かって弓を構える。

これが僕が今のところできる最大の攻撃。

 

「《ミリオンショット》!!」

 

大砲が発射されたような音が鳴り響き蒼月が発射される。

空中を飛行する間にその本数を何本にも増やしその全てがドレッドが戦闘フィールドに選んだ岩石地帯を抉る。

ドゴゴゴゴッッッ!!

と大量の掘削機でも稼働しているかのような音が僕の耳に届く。

それにより視界の端に映っていた撃墜スコアが一気に増加していく。

スコアはぐんぐん伸び1700近くだったのが一気に2000を超える。

……ドレッドはどれだけ大軍に囲まれてたんだろ。

そして……

ドレッドが倒れたのかスコアに1000近くの加算が入る。

 

『暫定二位の《ドレッド》さんが倒され順位が変動します!

1位《ペイン》さん、2位《アキラ》さん、3位《メイプルさん》です!』

「ドレッド倒してもまだペインが上か……1位は無理っぽい?でもせっかくなら……」

『なお!《アキラ》さんを倒してもポイントの譲渡は行われます!これによりドレッドさんの表示が消え、代わりにアキラさんの表示がマップに追加されます』

「うへぇ……」

 

アナウンスの言う通りこっちにゾロゾロと大軍が向かってくる。恐らくはドレッド狙いだったプレイヤーたちだろう。

おぉ……こわ……

 

「負ける気はないんだけど……さ!」

 

早速矢を番え一番近くにいるプレイヤーをヘッショして倒す。

僕は当たったら死ぬというステータス構成にしてる。

だけど僕のスキル構成は当てると死ぬ、でもある。

君たちの内の誰かが攻撃を当てるのが先か。

僕が全滅させるのが先か。

さあ、勝負といこうか!

オリ主どのギルドに投下させようか

  • 楓の木(ギルドマスター:メイプル)
  • 集う聖剣(ギルドマスター:ペイン)
  • 炎帝の国(ギルドマスター:ミィ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。