ウチの幼馴染は最強で最硬なんだ!   作:何処でも行方不明

4 / 7
腐れ縁との合流

第一回イベントが終わって一日が経過した。

イベントは結局上位三名の変動がなく終わってしまい僕は無事にイベント記念メダルを取得できた。

あとでフレンドチャットを飛ばし確認したところ

ミィは4位、クロムは9位らしく1度カスミに負けたと言っていたシンですらも7位という好成績。援護系であるフレデリカは入賞を逃したことを悔しく思っており、僕により2位から15位に叩き落とされたドレッドはいつか借りを返すと言っている。

と、昨日を回想するのもこの辺りにして今僕がやろうとしていることを確認してみる。

場所は始まりの街から南に位置する地底湖。

ここにはユーザー間の噂とスポットの公式説明により何かがあると断言されている。

かく言う僕も色々探ってみたけど何も見つけてはいない。

稀に武器を釣り上げることがあるぐらいでその武器には【水中適正】というスキルが付与されていることを攻略ページに書き殴ったぐらいしかしてない。

だから今の印象は運絡みのレアアイテム釣り場。

しかも現状のNWOに水中適正が活きるようなところはこの地底湖ぐらいしか存在していない。

 

「ま、だからこそこうやって体を伸ばして水中を探ってみようというわけだけどね」

「よしわかった。私は帰る」

「ちょっと!?」

 

昨日の久々の遭遇で昔組んでたペアを懐かしみ、この探索にミィを誘ってみた。

だけど、僕の目論見がわかった瞬間踵を返し街に戻ろうとしている。

 

「なんで帰るのさ!謎が解けるかもしれないのに!」

「明日から二層が実装されるからその前準備でMPポーションを買いに行くだけだ」

「だったらあとからでもいいじゃん!」

「いや、だって……地底湖の水中にもしダンジョンがあったとしてそのダンジョンは私の【炎帝】スキルが使えない可能性が高いわけで……そういうのはちょっと……」

「ここで若干素に戻るのやめてくれない!?」

 

たしかにミィはMPとINTにステを割いてるからSTRDEX両振りの僕よりかは上手く泳げないだろう。

というか、装備のステ底上げがないと泳げない可能性もある。

 

「でも僕だけで水中ダンジョン行っても弓使いの実質墓場だから無理じゃん」

「ならイベントで使った大剣使えばいい」

「僕の近距離PS壊滅的なのよく分かってるくせに……」

 

そんな時だった。

地面を踏みこちらに歩いてくる音が聞こえてくる。

僕とミィは顔を見合せハンドサインをお互いに出し頷く。

足音がもしAGI極ぶりとかのプレイヤーのものだと僕らはカモにされやすい。

このゲーム、プレイヤーキルが出来るかどうか。

したところでメリットがあるかどうかは分からないけど、前に一緒にやったゲームの癖でつい前方警戒のハンドサインを出してしまう。

僕が弓で入口を警戒しミィは物陰に隠れてもらう。

そして……

そして……

……足音の主全然来ない

ずっと足音だけザッザッと聞こえてくる。

ザッザッ……

ザッザッ……

ザッザッ……

 

「……遅くないか?」

「アジ0のプレイヤーなのかな……」

 

そしてようやくその姿が見える。

まあ、遠見使えばもっと早くわかったんだけど……

特徴的な黒い鎧に大盾。周りをキョロキョロしながらのほほんと歩くその子はまず間違いなくメイプルだった。

アジ0のプレイヤーだね……

 

「あれ?アキラ……と誰?」

「……4位は眼中になしか。まあ、いい。私はミィ。そこのアキラとは付き合いがそれなりに長くてな。今はこうして一応パーティを組んでいる。というわけだ」

「それなりって……ニュービーの時の可愛げはどこ行ったのさ」

「私に元々そんなものはなかった。いいな?」

「ア、ハイ」

 

変な剣幕の笑顔でそういうミィに僕は首を縦に振るしか無かった……

男の子は女の子の笑顔に弱い生き物なんだよ。

うん。そうしておこう。

そうじゃないと僕の沽券に関わる。

 

「そうなんだ!私はメイプル。アキラとはリアルでも友達なんだ〜。よろしくね!」

「アキラの友人ということは私とパーティを組むこともあるだろうな。こちらこそよろしく頼む」

「うっわ……ミィがまだロール続け……なんでもないです」

 

ギラッと睨み付けられよく見るとその右手には火炎が……

当たったら死ぬからやめて……せっかく【剣の舞】っていうノーダメージ報酬スキル取れたんだから……今後も探っていきたいじゃん?絶対まだまだあるだろうし。

 

「と、とにかくさ。メイプルは何しに来たの?」

「私?私は……あ、そうだった!」

 

そう言うとメイプルはウィンドウを表示させ操作。

釣竿をアクティブにし手に握った。

 

「白い装備一式が欲しいから素材集め!」

「なるほど……ようは白魚の鱗狙いか……うん、メイプルのステ振りだと結晶の方は無理だろうし……」

「アキラは?」

「僕は海底探索……かな。ミィも道連れにして」

「よし、メイプル。私と魚釣りをしてアキラの探索が終わるのを待つことにしないか?」

「……うん、もうそれでいいや」

 

※※※

 

ゴボゴボと鳴る水をかき分け辺りを捜索する。

あちらこちらに魚が見えるから剣の練習についでに狩っておこう。

ちなみに今の僕の装備はAGIガン振りのオーダーメイド一式と小刀一本のみ。

水中で弓を射ったことはあるけど全然飛ばなかったんだよね……

僕は【遠距離特化】っていうスキルがあるから近接攻撃はダメージ-50%、遠距離に+30%のボーナスがあるからできる限り遠距離攻撃が○なんだけど……

むむ……水中銃でも実装……されないだろうなぁ……

スパスパと魚を斬りつつ辺りを見回す……

あ、何かある。

……扉かぁ

多分ダンジョンの入り口……だと思う。

……でもなぁ……水中だと弓はなぁ……産廃だからなぁ

…………とりあえず一旦戻ろう。

海底に足をつけて……と。

手早くウィンドウを操作していつもの装備に戻して……

 

「《飛翔》」

 

ザパァ!と水飛沫とともに飛び上がる。

そして……最近謎に練習していた技術を使って天井に着地!

……キャッスルヴァニアのアクションで無かったっけか。

まあ、いいか。

 

「む、戻ったか」

 

僕の飛び上がる様を見たのか……いやまあ、湖付近にいたら誰でも見えるか……

僕の飛び上がる様を見たミィがそう言った。

少し指で釣竿をトントンと叩いていることから釣果はそんなによろしくないみたい。

 

「もう一度……《飛翔》!」

 

今度はミィたちの方に向かって飛んでいく。

 

「……二つ名がついてから動きがダイナミックなったと聞いたが……噂は間違いではなかったみたいだな」

「ま、大体この装備のおかげだけどさ」

 

気分の問題でマントを絞る。

ギュゥゥゥと音を出し水を絞り出す。

 

「へくちっ!」

「あれ?ゲームでも風邪ひくの?」

「気分の問題だよ……」

 

とりあえず画面を操作して白い鱗をバラバラと排出させる。

 

「はい、上げる」

「え?いいの?」

「だってミィとやってもそんなに釣果ないでしょ?」

「いや、まあ。そうだけど……」

「だからこの間と更なる恩の押し売り〜返済期限は無期限でいいからね」

「……相も変わらずお人好しだな」

「前線級のプレイヤーが増えるのはいい事だからね〜」

 

そこでチラっと時計を確認する。

 

「あ、時間不味くない?」

「ふむ……そうだな。そろそろ落ちた方がいい」

「そうだね。それじゃあおやすみ〜」

「え?話早くない!?ゲーマーってこういう人ばかりなの!?」

 

※※※

 

というわけで翌日。

朝、楓の家の前でスマホを弄りながら待ってる。

久々に一緒に学校に行こうと誘われたから。

……と言っても、僕は途中で駅に向かうからそこでさよならだけどね。

それにリサカスも来るみたいだし……

 

「おはよう輝」

「ん?なんだリサか」

「なんだ、とは失礼ね」

「これが僕らの関係のデフォでしょ」

「まあそうだけどさ……もっと浮ついた話とかないの?年頃の男の子でしょ?」

「僕にそんなもの望まないでよ」

「……なにも言い返せない」

 

リサカスと話してると本条家の玄関が開き、やっと楓が姿を現した。

 

「おはよー……って理沙もいる!?」

「おはよう楓、遅かったわね」

「おはよう。じゃあ早速歩こうか」

 

親友トリオが揃ったことで通学路を歩き始める。

話を切り出したのは楓だった。

第一回イベントのことやNWOについて。

リサカスが割と楓がゲームにハマったことに驚いてるのを後目に僕はニヤニヤしてた。

 

「……なによニヤニヤしてキモいわよ?」

「うっさい。これぐらい別にいいでしょ。ニュービーの冒険話聞くの面白いんだから」

「そういえば輝は前のイベント何位なの?」

「僕?二位」

「やっぱり初期勢兼トッププレイヤーだとそうなるわよね……」

「そうでもないよ。僕は遠距離からピシピシ殴って姑息にポイント稼いだだけだし」

 

まあ、それ以外のコツも色々とあるけど……

ま、言わなくてもいいかな。

 

「なるほど、なるほど……じゃあ今日から三人パーティーが組めるわね!」

「許可でたんだ?」

「なんとかね……ゲームのためとはいえ久々に勉強がんばったわ~」

「日頃から勉強したらいいのに」

「優等生の輝くんにはこの苦労はわからないでしょーよ!」

「はっ!そんな苦労わかりたくもないね!」

「あわわ……」

 

楓は口喧嘩を始めた僕らを見て慌てふためく。

でもこれが僕とリサカスのデフォだから。

 

「じゃあ今日五時、はじめの広場でね!」

「あぁ!首洗って待ってろバカ!」

 

だから話も普通に進めます。

 

「あれ?喧嘩してない?」

「「してるよ!」」

「ひわわ……」

 

楓も始めてじゃないんだからいい加減に慣れてほしいものだ。

喧嘩するほど仲が良いを素で行くのが僕とリサカスの間柄ですしお寿司。

 

「じゃ、僕駅行くから」

「またね~」

「とりあえずスキル掘りは付き合ってもらうわよ」

「気が向いたらね~」

オリ主どのギルドに投下させようか

  • 楓の木(ギルドマスター:メイプル)
  • 集う聖剣(ギルドマスター:ペイン)
  • 炎帝の国(ギルドマスター:ミィ)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。