ウチの幼馴染は最強で最硬なんだ!   作:何処でも行方不明

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負けイベ勝つシーンが思い浮かばないんですよ……


炎帝の受難

「不完全ねんしょーだよ……」

 

ミィが拠点にしている宿屋に押しかけぐでーと机に体を預けブーたれる。

 

「文句ばかり……」

 

ミィが部屋をロックし他のプレイヤーが入れないようにした事で今は昔のような口調で……いや、素の口調で話している。

 

「でも新しいスキルは手に入れたんでしょ?」

「……まあね」

 

赤と緑のマグカップにホットドリンクを入れミィは椅子に座った。

どうやら話を聞いてくれるみたい。

 

「第二回イベントに向けての自己研鑽……じゃなくて、メンテナス後に追加されたイベント巡りの一環でやったんでしょ?

今更アキラが苦戦するようなエネミーと遭遇する方が難しいと思うけど」

「このゲームレベルキャップとか聞いたことないし多分そうなんだろうけどさ……」

 

ウィンドウを操作しとある装備をミィに見せる。

 

「これが今の僕の装備」

「あれ?あのユニーク装備から変えたんだ?」

「いや、変わってないとも言えるよ。ただねぇ……」

 

右手:轟竜(弓)【環境無視】【防御貫通強化】【覚醒成長】

左手:蒼月(大剣)【覚醒成長】【スキルスロット】【悪食】

頭装備:竜王の羽飾り【竜王】【覚醒成長】

体装備:竜王の軽鎧 【疾風】【竜化】【覚醒成長】

足装備:竜王の衣 【飛翔】【空中適性】【覚醒成長】

靴装備:竜王のブーツ 【空中歩行】【覚醒成長】

 

「……なにこの見たことないスキル群」

「イベント戦で手に入った竜王装備……」

「それは見てわかる……」

 

とりあえず僕が使ったことのあるスキルは置いておいて、概要を確認しよう。

 

【環境無視】

この武器により行われるスキルや攻撃はありとあらゆる環境による影響を受けない。

 

要は水中でも普通に矢が飛んだり、嵐の中でも真っ直ぐに飛んでいくってことなんだろう。

……チートだ。

 

【防御貫通強化】

防御貫通属性を持つスキルのダメージを上昇させる。

【覚醒成長】により強化される。

 

倍率や増加値によるけど、単純な分野限定の火力バフってだけで怖いです。

 

【竜王】

常に発動。

【覚醒成長】により強化される。

 

……まあ、とりあえずスルー

 

【竜化】

一日一回効果発動。

スキルを使用してから一時間の間、自身に【竜】特性が付与され各ステータスが1.3倍となる。

【覚醒成長】により強化される。

 

成長しなくていいんだよォ!

 

【空中適正】

両足が地面に接触していない場合、常に攻撃力+10%。

【覚醒成長】により強化される。

 

【空中歩行】

空中に不可視の足場を作り出すことが出来る。

地面に触れることで回数が回復する。

現在1回

【覚醒成長】により強化される。

 

「……で、肝心の【覚醒成長】なんだけどさ」

「もう頭痛いから見たくない……」

「ここまで来たら見てもらう」

 

嫌がるミィを無視し【覚醒成長】のスキル概要をタップする。

もし見なかったら逐一自動送信のメッセージでスキル概要が飛んで来るだろうからミィも観念して見ることにしたみたい。

 

【覚醒成長】

このスキルには必要経験値が設定されている。

必要経験値が満たされる度に武器の性能、適応するスキルの効果が上昇する。

また、このスキルは【破壊不可】を内蔵している。

 

「……レベルアップする武具ってどうなの」

「で、でもほら!エルダースクロールには似たような効果持ってるデイドラ武器あるし……FFシリーズにもちょっと違うけど、逃げた回数で性能が変わる武器あるし……」

「そういえばあったね……でも肝心なのが……」

「……もう想像ついてるから言わないで」

 

うん、だいぶ困ったことになった。

僕が保持していたユニーク装備が全部この竜王装備に置き換わってしまったのだ。

……原因は分かってる。

恐らく負けイベを僕とサリカスが意固地になって強引にクリアしたからだと思う。

毎回思うんだけど、このゲーム負けイベとか無理ゲーをもしクリアしたらそれ相応の対価があるのおかしいと思うよ。

歴戦の弓と大剣が変化し、僕とサリカスの武具を進化させたって感じに変化したんだけどさ……

サリカスも頭抱えてたよ。

しかも僕側が【竜王】でサリカスが【竜姫】

ぜぇぇぇったい対比される。

……そういうのはミィとペインだけでいいんだよ。

 

「そ、そういえば!」

 

無理に話題を変えようとミィが口を開いた。

 

「風の噂で聞いたんだけど、一層に美味しいカレー屋さんが出来たみたい。今から行かない?」

「ん?あー……あそこか。いいけどミィは変装することをオススメするよ」

「変装……?なんで?炎帝の格好が目立つから?」

「それもある。まあ、結果的に炎帝だってバレると面倒なことになるからだけど……」

「……アキラが言うならわかった。そうするよ」

 

※※※

 

ミィが髪の色を変え、服装もいつもの赤を基調とした物から一般販売品の変えて出てきた。

別に装備を変えるぐらいならゲームの仕様で服とか脱げないけど、気分の問題ってことで僕は宿屋のエントランスで待つことにされた。

 

「そういえば呼び方も変えた方がいいか。ミィでしょ……ミケ?」

「私は猫じゃない」

「やっぱりダメ?」

 

そういう僕も中盤で使ってた軽鎧を見に纏い、髪型も目元まで隠れるモノに変えた。

多分知り合いでも僕だってバレないだろう。

 

「ミノ……ミカ……ミカでいいか」

「じゃあアキラは……アキ?」

「まるで女の子の名前だね。別にいいけど」

 

というわけでアキ(偽名)とミカ(偽名)のお忍びパーティが結成された。

ちなみに言うと、全然意識してなかったし僕も指摘されるまで気が付かなかったのだけど。

この時のミィは

 

(もしかしなくてもこれってお忍びデートってやつ!?)

 

と思考をだいぶ賑やかな感じにしてたみたい。

……炎帝さん、少し落ち着いて対処しようか。素の君があれだから無理だろうけど。

件の風の噂のカレー屋さんはすぐに見つかった。

行列があることもそうだけど、そもそも一層にカレー屋さんが一軒しかなかっからね。

まあ、問題は……

 

(なんでメイプルがいるのかな……)

 

そう、メイプルがそのカレー屋の行列に並んでいたからだ。

変装を看破されそうで怖い。

僕がバレる分にはいいけど、ミィがバレると悲惨な目になし崩しでなる未来が見えるから。

 

「ね、ねえミカ。今日は別のところにしない?」

「……?」

 

ミィは察しが悪くそのまま行列に並ぼうとする。

……そして

 

「おう、アキラにミィじゃねぇか。最近よく2人一緒になってるのを見るな」

 

メイプルではなく僕らの真後ろにしたクロムにバレました……

 

※※※

 

結局あの後メイプルにもバレ4人でひとつのテーブルにつくことになった。

 

「お前たち二人が来てるから例のチャレンジをしに来たのかと思ったが……その変装の仕方からすると違うみたいだな」

「……チャレンジ?」

「僕がミカがバレると面倒だって言った原因。今の期間、このお店では激辛チャレンジがある」

 

へぇーと相槌をうつ女性陣2名。

……まあ、炎帝モードじゃないミィはこんなのだからいっか。

というか、メイプルも知らなくて来てたんだ。

 

「でもチャレンジってことはクリアしたら何か賞品が貰えるんでしょ?」

「そうだな。ポスターにも『粗品差し上げます』と書いてある。だがな……」

「確かまだチャレンジ達成したプレイヤーいないんだっけ?」

「え、そうなの?」

「ああ、そうだ。まずこの激辛カレーだが……食べると火属性の極大ダメージが入る」

「「カレーでダメージ!?」」

「そして、耐性がない場合は火傷が付与され、当たり前だがゲームの味覚エンジンギリギリの辛さ設定にされてる」

「体験した人曰く暴力を通り越した殺人的な辛さらしいね」

「ああ、それは間違いない。だが火属性ダメージだ。属性軽減スキルやVITの数値でそれなりに誤魔化すことも出来るし【不屈の守護者】とかのスキルも発動する」

「なにそのカレーとのバトル……」

「もし身バレしたらなし崩し的にミカが挑戦することになるだろうから黙ってたんだけどねぇ……どうする?する?」

 

クロムとメイプルの手前、炎帝という大層な二つ名を持つミィは引き下がりにくくなってるだろう。

多分ミィならクリアできる。

それに予測でしかないけど、このチャレンジ、食べるという目的ならもしかしたら火属性ダメージ耐性スキルを取得出来るかもしれない。

まあ、異常なVITのメイプルもいるからメイプルでもクリアできるかもだけどメイプルなら味覚の方に限界が来てギブアップしそう。

というか、多分する。

 

「僕もやろうと思ってたんだけど、ダメージが入るなら話は別。絶対即死するから無理」

「あー……なるほど。アキはVITの数値が0だから……」

「そういうこと。火属性耐性スキルなんて持ってもないね」

 

そう言うと僕は普通のカレーを注文する。

 

「クロムは挑戦するの?守護者あってもスリップダメージで死にそうだけど」

「今更デスペナ怖くてNWOやってると思うか?」

「さすがフロムムーブしてるクロムなだけあるね」

 

クロムはやる気満々で……いやまあ、怖いもの見たさもあるか。

激辛チャレンジに挑戦。

それだったらとメイプルも参戦を表明。

あとは……

 

「………」

 

黙りこくっているミィだ。

 

「無理しなくてもいいんじゃない?」

 

と一応は言って見る。

だけど……

 

「炎帝なら行けると思ったんだがな……誰もクリアしたことが無いチャレンジ結構な知名度に繋がるよな」

「……まあ、失敗したら別の知名度に繋がりそうではあるよね。メイプルを覗いて」

「なんで私?」

 

だってどう足掻いても『メイプルかわいい』で済まされるじゃん。

そんな時だった。

 

「メイプル?……あとはクロムと……なら一緒にいるのは無名のプレイヤーじゃないだろうな」

「ミィに似てる子がいるな……変装か?……それにあの軽鎧……一時期アキラが使ってたのと酷似してるな」

 

ガヤガヤと周りが賑わってくる。

……正体看破されそう。怖い。

というか、なんで鎧の形状から推察されてるの?

 

「やはり炎帝と天眼か?」

「特に天眼は顔が広いことでも有名だからな……メイプルやクロムと友好関係にあっても不思議じゃない……」

「となると、あの天眼がつるむとなると……」

 

外野は推理を続ける。

もうほとんど正解だから冷汗も止まった。

 

「フフフ……」

「……ミィ?」

「アキラがクリア出来ないというのなら私がここでクリアしてやろう!」

 

炎帝モードをONにし、変装を解いたミィはどうやら後に引けなくなったのを察していつもの装備で激辛チャレンジに挑むことにした。

結果だけ言うとね

 

 

ご馳走様でした。色んな意味で美味しかったです。




ところで仲良しアンケートはサリーがメイプルを逆転しましたね。

オリ主ギルド。バージョンつ〜

  • 楓の木(ギルドマスター:メイプル)
  • 集う聖剣(ギルドマスター:ペイン)
  • 炎帝の国(ギルドマスター:ミィ)
  • アキラがギルドマスターの新ギルド
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