四葉 真夜の娘のおしごと   作:KIRAMERO

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この話は前半は沙夜は出てきませんが後半は出てきます。今回はリーナが日本に来たことや一緒にやってきた子についてのお話です。




USNAの秘蔵っ子

 

リーナが一国の国家公認戦略級魔法師が本国を飛び出してきた。それは達也達にとっていや国家間での争いに発展しうる展開だ。達也達はリーナと一緒にやってきた亜夜子を中に入れた。

 

「USNA軍の叛乱、そして日本脱出か」

 

「シリウス少佐、いえリーナさんは私達黒羽家で保護させてもらいましたが御当主様はリーナさんが隠れ住む場所として巳焼島をお考えです」

 

「巳焼島にリーナが住める環境はあるのか?」

 

「その点は問題ないと聞いています。しかし私達が十分でもリーナさんや付いてきた子にとって十分かは分かりませんが」

 

「私、そんな贅沢じゃないけど…この子にとってはきっと良いところになるわ」

 

「ですから、リーナさんには前以て見てもらおうと」

 

「母上と姉上がそう言ったのか?」

 

「御当主様は仰いましたが、沙夜様からは御当主様の決定に従うと。そこで案内役に達也さんをということで」

 

「なるほど……仮にリーナの逃亡が偽装で四葉家への偽装工作だった場合確実に抑えつけなければならないことを踏まえると、同じ戦略級魔法師の俺が適任ということか」

 

「そんな事しないわよ!」

 

「分かっている。これは四葉家内部に対してのポーズだ」

 

「あぁ、そういうこと……」

 

リーナは特に組織学については苦労してきた。それは昨年のスターズの件にも表れていた。

 

「それでリーナその子は誰なんだ?」

 

達也はリーナと顔を合わせた時から疑問を投げかけた。リーナと一緒にいる子は水波よりも年が下に見えていて、深雪や亜夜子、水波も気になっていた。

 

「……本当は連れてくる気は無かったんだけど…この子はUSNAの次世代の戦略級魔法師よ……」

 

「っ……」

 

「この子は私やローラン・バルト、エリオット・ミラーの次の世代の戦略級魔法師になりうる可能性を秘めた子なの」

 

「……そんな事、俺達に話しても良かったのか?」

 

「当然、良いわけないわ。でもこの子にパラサイトが憑依したらそれこそUSNAという国家が崩壊する可能性すらあるのよ」

 

「どういうことだ?」

 

「ごめんなさい、これ以上は私でも国家機密ましてやUSNAの国家公認戦略級魔法師として答える訳にはいかないの」

 

「そうか」

 

それから亜夜子は真夜の元にリーナの件について報告しに行き、リーナは連れてきた子と共に四葉家の東京本部ビルにある宿舎フロアにある一室に通された。

 

「ほんと、どうしたらいいのかしらね。野放しになんて出来ないし」

 

リーナは迷っていた。USNAを出てきた時には既に出来ていた覚悟は日本に来たことにより少し揺らいでいた。リーナが連れてきたルーナ・シールズはリーナの再従姉妹にあたり、スターズで出会った時は2人ともに驚いた。しかも彼女の年齢はリーナより3つ下の現在14歳である。まだジュニアハイスクールに通っていなければならない年齢であるのに軍のシステムの中で生きていて、将来的には国家公認戦略級魔法師になることが既定路線になっている。リーナはそれを偶然聞いた時にスターズましてやUSNA軍が自分以外にこんなことをしていたとは夢にも思っていなかった。リーナは昨年に一時的にではあるものの軍の管轄外にて生活をした事がある。その時に軍というシステムが如何に制限がかけられた場所であり、それがリーナの心を徐々に動かしていくきっかけにもなった。ルーナをこれ以上軍の好き勝手にやらせるわけにはいかないリーナはそう思っていた。

 

「んうう…」ゴロゴロ

 

「はぁ……気楽でいいわね、貴女は」

 

「リー……ナ、おねえちゃん……」

 

「っ……/////はぁ……」

 

ひとまず、リーナはルーナと共にUSNAから脱出してそしてこの日本で受け入れてくれた四葉家に感謝を覚え横になった。

 

その頃四葉本家では真夜と沙夜が当主の執務室でリーナとUSNAで起こったことについて話し合っていた。USNAのそれもスターズ内で起こったパラサイトの出現、それに伴いUSNAのバランス大佐から真夜宛に送られたメールの内容、国家公認戦略級魔法師のアンジー・シリウスの保護等話せることは話していた。そこに来客を告げるインターホンが鳴り響いた。真夜は来客を執務室にやってくるように葉山へ指示した。

 

「それで、東道殿は新ソ連のことについて何か仰ってた?」

「司波 達也の働きには満足しているようです。巳焼島の件も概ね了承はしてくれました」

 

「そう、それは良かったわ。これでスポンサー様達も少しは安堵するでしょう」

 

「ですが、USNAの件はいかが致しましょうか……国家公認戦略級魔法師が国外にいることがわかればいずれ外交ルートを通じて身柄の引き渡しを要請してくると思いますが」

 

「そこに関しては達也さんに一任するわ。どちらにしろ国防軍が達也さんの特尉という地位を理由にしてでも言ってくるでしょうけど、達也さんなら任せられるわ」

 

コンコン「真夜様、亜夜子様をお連れ致しました」

 

「入って」

 

「失礼します、御当主様。沙夜様も居られましたか」

 

「久しぶりね」

 

「亜夜子さん、リーナさんは予定通りにことを運べそうですか?」

 

「はい、御当主様。ただ1つだけ想定外のことが起こりまして……」

 

「何かしら?」

 

「当初はリーナ様お一人という事でしたが。リーナ様以外にもう1人いらっしゃいました」

 

「誰を連れてきたのかしら」

 

「名前は分かりませんが、私と同じかそれよりも下の子です。リーナ様が仰るにはアンジー・シリウス、ローラン・バルト、エリオット・ミラーの後に続くUSNAの国家公認戦略級魔法師になりうる可能性がある子だそうです」

 

「USNAの!?」

 

「亜夜子さん、今日はご苦労さま。ここに泊まっていってもいいし、浜松に帰ってもいいわよ」

 

「ありがとうございます。それでは失礼します」

 

亜夜子が真夜の執務室から出ていくと沙夜は再び真夜と向かい合った。

 

「お母様、亜夜子ちゃんと同じくらいの子をどうするのですか?」

 

「まずは、リーナさんに直接か間接的にでもコンタクトをとる必要がありそうね……」

 

「そうですね…」

 

「そこに関しては考えておくわ。それで今日はどうするの?」

 

「せっかくだから泊まっていきます。明日は特に何も無いので明日の夕方に帰ろうと思ってます」

 

「そう、じゃあ準備を」

 

「ただいま」

 

葉山は2人の会話に入ることなく真夜が言ったことに即座に反応を示した。その後、亜夜子は自宅のある浜松に、沙夜は執事とメイド以外の3人を除いて入ることが禁止されているエリアの自室へと歩みを進めた。

 

リーナがやってきてから2日後、昨日の内にリーナは巳焼島に移動し今頃はコンドミニアムで生活しているだろう。沙夜はその時を狙い巳焼島へと移動を始めた。沙夜は個人用プライベートジェットを四葉家所有を含め3機使えるようになっている。そのうちの1つはメンテナンス中で使えないため一機を利用し巳焼島までやってきた。巳焼島の空港に着くと空港職員に「お疲れ様です」と言うと巳焼島に上陸した。沙夜が巳焼島を訪れるのはこれで4回目だ。幼少期に2回、自立してから1回、そして今回だ。沙夜はまだ四葉家内部において人望が乏しいため一緒に連れてきた(着いてきた)茉純の運転によりコンドミニアムに移動した。

 

「ごめんあそばせ」

 

「……あの、誰…ですか?」

 

「私は四葉 沙夜。後ろにいるのは四海 茉純、私の付き人ね」

 

「サヨ・ヨツバ!?今回はありがとう…ございます」

 

「いいのよ、気にしないで。上がらせてもらってもいいかしら?」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「お邪魔します…」

 

「何か私に用でしょうか?」

 

「この前、亜夜子ちゃんから貴女と一緒に女の子がやってきたって聞いたから挨拶くらいはしておきたいって思ってるの」

 

「ルーナに何か用ですか……」

 

「ルーナちゃんっていうのね。亜夜子さんからは次世代の国家公認戦略級魔法師だって聞いたけど」

 

「ごめんなさい、そのお話はオフレコでお願いします。今のところは国家機密として扱われてますから」

 

「それはごめんなさい。それでルーナさんは今、どのような扱いでUSNA軍にいるの?」

 

「……まだ訓練を始めて数ヶ月しか経っていないので軍の魔法師としては正規の扱いではありません。私だって訓練を始めてから2年かかりましたから」

 

「それで今後どうするつもりなの?」

 

「……まだ分かりません。私が日本にいることはホワイトハウスもペンタゴンも把握済みでしょうし」

 

「そう、なら私のガーディアンやってみない?」

 

「は?」

 

「あら、嫌だった?ルーナちゃんは四葉家が責任をもって預からせてもらうわ。もちろん貴女とルーナちゃんが一緒にいれる時間も取らせてあげる。私は基本的に個人宅か貴女が昨日いたところか四葉本家にいるから何処か出かける時に付いてきてくれればいいわ」

 

「いや…でも、ワタシは…」

 

「そんなにペンタゴンやホワイトハウスが怖い?」

 

「いえ……そうでなくて…」

 

「大丈夫よ。貴女が私と一緒にいるところなんて誰にもわかりはしないわ」

 

「……どういうことでしょう」

 

「貴女が九島家の秘術『仮装行列』を使うように私も同じような魔法を使って活動してるから。この顔一度見たことない?」

 

「……まさか…ニイナ・カザハヤ?」

 

「正解よ。私の表の稼業は投資家グループの代表。このことを知っているのは四葉家を除いたら九重 八雲さんと貴女くらいのものよ」

 

「…分かりました。お引き受けいたします」

 

「ありがとう…そしてごめんなさいね。日本に来ていきなりルーナちゃんと離れ離れになる時があるというのに」

 

「いえ」

 

「今日はもう私は帰るからこの辺でね。ルーナちゃんには貴女の口から告げてあげて。きっと私達が言っても了承しないだろうから」

 

「分かりました…」

 

「何かやって欲しいこととか欲しいものがあったり、相談したいことがあったらここに連絡して。仕事をしてる時は茉純ちゃんか四葉家の人が出るから用件を言っておいて」

 

「何から何までありがとうございます」

 

「いいのよ。貴女達を私達が保護したからには責任持ってやらせてもらうから」

 

そう言うと沙夜と茉純はコンドミニアムを出ると、巳焼島にある四葉家の関連施設を見て回ってから巳焼島から立川の個人宅へと戻っていった。





後半部分は強引な気はしますが物語上深雪の護衛役が水波のままなので沙夜の護衛役にしました。ですが沙夜が出かける時は基本的にあまりないのでリーナはルーナといる時間は長くなります。
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