四葉 真夜の娘のおしごと   作:KIRAMERO

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不規則な生活のおかげで投稿する時間が遅れてしまいました。こちらの作品は2月24日10:00〜2月26日23:59の間にお気に入り登録が26〜30以上になったらこの後の続きを不定期に更新していきます。最初のうちはストックがあるのでそれなりの頻度で更新は出来ます

加筆修正しましたのでご覧ください。


本編
四葉 真夜の娘と師族会議開始


2097年1月1日、場所は四葉家本邸内。今ここで四葉家の新年会である慶春会が開かれていた。そこではついさっき四葉家の次期当主の決定及びその婚約者についての発表があったばかりなのだが当主である真夜はまだ話したいことがあった。

 

「皆さんにもう1つだけお伝えしなければならないことがあります。本日付けで私の娘である四葉沙夜を師族会議四葉家代表代理としての任に就かせることにしました」

 

その言葉に慶春会に参加していた四葉分家の当主、子息を始め四葉家の使用人全員(葉山と花菱、紅林、白川夫人以外)が驚いていた。それもそのはず当主である真夜はあの事件以降子供が産めない身体になってしまったのだから。それなのに今彼女から発せられた言葉は彼らにとって衝撃的と言っても過言ではない。

 

「ま、真夜様、今なんと?」

 

「2度は言いたくないのですがまあいいでしょう。私の娘である四葉沙夜を本日付けで師族会議四葉家代表代理としての任に就かせることにしました」

 

「「「「…………」」」」

 

「あら、どうしたの?」

 

「ま、真夜様、子供がおられたのですか?」

 

「ええ、貴方方が達也にしようとしていたことを踏まえて貴方方に対して公表するのは控えていましたが今回達也と深雪さんの身分が確定したことを受けて今回公表することにしました。沙夜は私と同じ魔法を操り、四葉の魔法師としては深雪さんの次に優秀な魔法師です。深雪さん、沙夜は貴女の補佐をしてくれます。何か困ったことがあったら頼りなさいな。きっと深雪さんの役に立つわ」

 

「は、はい。叔母様」

 

「ということで沙夜さんには2月の師族会議から出てもらいます。いいですね?」

 

「はい、お母様」

 

「「「!!??」」」

 

「沙夜、私の隣に来て挨拶なさい」

 

「はい」

 

────────────

 

「初めまして、皆様。四葉家当主四葉真夜の実子の四葉沙夜と申します。年齢は次の4月で21だから20歳になります」

 

「「「…………」」」

 

「え、えっと」

 

「こちらこそ初めまして、四葉家次期当主の司波深雪と言います。婚約者の達也さん共々よろしくお願いします」

 

「今深雪のご紹介にあった通り司波達也です」

 

「あ、貴方達が「スノークイーン」とあの「灼熱のハロウィン」の時の術者ね。こちらこそよろしく」

 

「ス、スノークイーンはやめてください……深雪と呼んでください、沙夜従姉様」

 

「自分は沙夜様で」

 

「2人とも硬いなー。気軽に沙夜って呼んでいいから。ねえお母様」

 

「ふふっ、そうね。私の娘だからといって遠慮する必要はないわ」

 

その後は黒羽家、新発田家、津久葉家、武倉家、静家、真柴家の各家当主やその子息達と少しばかりお話してから私はまた四葉家内で3人を除いて立ち入り禁止となっている区画にある自分の部屋へと戻っていった。

 

四葉家の庭では達也が「分解」を使っても倒しきれない相手に対しての対抗魔法「バリオン・ランス」を披露したところで此処にいる四葉家の関係者は疑問に思った。真夜様の娘である沙夜は本当に四葉 真夜だけの魔法であった「流星群」を使えるのだろうかと。真夜が言っているのであれば間違いないのだろうがそれを証明できる者は真夜とおそらく葉山以外誰もいない。そんなもやもやしてた分家当主の思いを達也が代弁した。

 

「母上、姉である沙夜様は本当にミーティア・ラインをお使いになられるのでしょうか?」

 

「ええ、沙夜は産まれてすぐの頃は英作叔父様のお力でも有しているのが精神干渉系か特異な魔法なのか分からなかったのよ。それで6歳になって魔法師としての素質を測ってみたら最初はそんなに上手ではなかったのだけど日が経つにつれて私と同じ魔法が使えるようになったのよ」

 

「「「「…………」」」」

 

「だから、あの子とは最初は関わりにくいかもしれないけど話していれば打ち解けあっていけるって思ってるから」

 

「……母上は沙夜様をどうしたいのですか?」

 

「それは今は教えられないわ。そうね……少なくとも今年の4月には教えてあげます」

 

「……わかりました」

 

「さぁ、皆さんお食事にしましょう。本日は和風のおせちを用意しましたので存分に召し上がってください」

 

この日は四葉家にとって納得と驚嘆の1日となった。しかしこの次の日には日本の魔法師界のみならず世界中の魔法師界が四葉沙夜、司波深雪、司波達也という名前に注目を集めた。

 

日が明けて1月2日、十師族、師補十八家、百家及び有力魔法師に対し四葉家から魔法協会を通じて4つのある発表があった。

 

・四葉家は魔法大学附属第一高等学校2年の司波深雪が次期当主として決まったこと

 

・司波 達也を四葉 真夜の息子と認知すること

 

・司波 深雪と司波 達也が婚約したこと

 

・四葉家は四葉 真夜の娘の四葉 沙夜を師族会議四葉家代表代理にしたこと

 

この四葉家が新年に発表したことは瞬く間に日本中、世界中ネットワークが繋がる限り達也と深雪のことは広まっていった。京都と横浜にある四葉家の私書箱には達也と深雪への祝電が大多数の家から送られていた。しかし一部の家からは彼らの婚約に反対する意見が送られてきていた。そして世界最強の魔法師の1人で「極東の魔王」、「夜の女王」と呼ばれている四葉 真夜に娘がいたこと、その娘が師族会議四葉家代表代理ついたことはに各家は公式には反応を示さず後1ヶ月後に行われる師族会議でという形になっていた。しかし「触れてはならない者たち」と世界中に知られている四葉家が次期当主、次期当主の婚約者、現当主の娘を公にしたことに各国の首脳や軍のトップが度肝を抜かれていた。それもそのはず少なくとも昨日の時点で四葉家として公表されていたのが現当主である四葉 真夜と真夜の姉で故人の四葉 深夜を含む沙夜や達也、深雪の親世代だけだったのに1日にして3人もの四葉家の関係者が増えたのだ、驚くのも無理はなかった。

 

その中心にいた四葉 沙夜は財界で知らぬ者はいないほどの超有名人である。もちろん彼女は本名で行動するわけにはいかないのでビジネスネームを使用しているのだが2094年からFLT(フォア・リーブス・テクノロジー)の筆頭株主になったのを皮切りに、その後2096年からは九校戦の衛星中継や日本国内向けの中継を行っている会社の筆頭株主にもなった。そして彼女が投資を行った企業は必ずと言っていいほどに企業価値は相対的に伸びていく。財界においてはホクザングループ総帥北方 潮と並ぶほどのやり手でありその容姿から「月夜に輝く麗しき姫君」と言われている。彼女は財界の大物が集まる場には偽装魔法を使い参加している。ちなみに沙夜がここまで来れたのは偏に真夜と四葉のスポンサーである東道 青波の熱心の指導のおかげであり沙夜は財界においてこれだけの地位をわずか5年で築いたのである。

 

そして迎えた師族会議1日目である2月4日。今回会議が行われる箱根にある超高級ホテルの会議室には10人の男女が円卓のテーブルを囲むように座っていて1人だけが立っていた。座っているのは一条家当主・一条 剛毅、二木家当主・二木 舞衣、三矢家当主・三矢 元、四葉家代表代理・四葉 沙夜、五輪家当主・五輪 勇海、六塚家当主・六塚 温子、七草家当主・七草 弘一、八代家当主・八代 雷蔵、九島家当主・九島 真言、十文字家当主・十文字 和樹。立っているのは十文字家当主代行を担っている十文字 克人だ。定刻になり、最年長である九島 真言より開会の言葉がありそこから会議は始まっていった。最初に十文字家の家督継承が行われ、次の話題は四葉家のことへと映っていった。

 

「さて次だが四葉沙夜殿、何故四葉殿はこの師族会議を沙夜殿に任せることにしたのかその真意をお知りでは無いか?」

 

「それにつきましては当主である真夜より書類を預かっております。こちらにお目を通していただきたいと思っております」

 

十師族の各家当主に四葉真夜からの手紙を配り沙夜もその中身を見た。そこにはこう書かれてあった。

 

「親愛なる十師族当主の皆様へ

 

私、四葉真夜は一身上の都合により一時的に娘である沙夜に四葉家師族会議代表を任せることにしました。尚、私が病に罹っているということではございません。沙夜が迷惑をかけることはあるかと思いますが四葉家の人間として恥じない程には育てましたので是非ともよろしくお願い致します。

 

2097年 2月4日 四葉家当主 四葉 真夜」

 

十師族各家当主はこの書面を見た時に驚きと疑惑の目で沙夜のことを見ていた。そこに十師族当主の中で2番目に若い当主になった六塚温子から声が上がった。

 

「四葉 沙夜殿、四葉殿は何をしているかは知っているのか?」

 

「いえ、当主である真夜からは何も聞いておりません。ただ私に言えるのはその書類に書いてあることを信じてあげてください」

 

「「「「…………」」」」

 

その後各十師族当主から担当地域の現状についての報告が終わると次に話題となったのは対外的には私の弟であり、事実は従兄弟の達也と従姉妹の深雪の婚約に関することだった。一条家が四葉家に対して深雪との婚約を望んでいたのは「近親婚による生まれてくる子の遺伝子異常の可能性がある婚約は十師族として認められない」ということでこの一条家の主張は他に七草家が賛同していた。

 

「一条殿、私達四葉家が発表した婚約は当人同士の偶然に過ぎません。それにこの婚約は法律に定められている正当な婚約です。それに十師族の次期当主の婚約に十師族の賛成が必要だとは当主の真夜からも聞いたことはありませんが。そして一条家は私達四葉家の内政に干渉するおつもりですか?」

 

「……いや、当家に他家に干渉するつもりは一切ない。ただ当家も決して巫山戯半分で将輝と深雪嬢の婚約を申し込んだ訳では無い。もしこの話を四葉家が受け入れるならば将輝を差し上げるつもりだ」

 

この一条家の発言に他の十師族各当主からも少なくない声が上がった。実戦経験があり、その上げた戦果から「クリムゾン・プリンス」と呼ばれる彼を四葉家に差し出すというのだ。

 

「一条殿、一条殿が息子の恋を応援したいという気持ちは私もわかりますがこれは聞いたことではありますが当主である真夜も姪の気持ちに応えたいのですよ。私にとっては従姉妹でありますが私も彼女の想いを大事にしてやりたいと思っているのですよ」

 

「だが深雪嬢は将輝のことをまだ知らないはずだ」

 

「それは将輝殿も同じでしょう?それに一条殿、先程から私の弟である達也に対する配慮が無いように思えますが?」

 

「…………」

 

「無反応は肯定と受け取りますよ?」

 

「四葉殿、少し言葉が過激かと」

 

「それは失礼しました。九島殿」

 

「四葉殿、一条殿にチャンスを与えてやってくれませんか?私は四葉家の達也殿、一条家の将輝殿にも面識があるので申し上げますが一条殿にチャンスを上げても達也殿は気になさらないと思いますが」

 

「十文字殿…確かに一理はありますが深雪がハッキリと断っている以上申し出を断るしかないのよ」

 

「確かに深雪殿の接し方は兄妹としては不適切ではないかと思われるところはありましたが同年代としてチャンスを少しでもあげていただけたらと思うのですが」

 

「十文字殿……まぁいいでしょう。ただしチャンスはお互いが高校を卒業するまでということで手を打ちましょう。無理矢理やそういう類のことが見られたら四葉家は見つけた時点で即刻そのチャンスとやらは破棄させていただきます」

 

「わかりました。将輝にはそう伝えておきます」

 

「さて、私からも1つよろしいでしょうか?」

 

「どうぞ、四葉殿。四葉家からもたらされることはあまり無いものですからな」

 

「皆様は周公瑾という青年をご存知でしょうか?」

 

「周公瑾…ですか…聞いたところ三国志に出てくる周では無さそうの気はしますがその青年がどうかしましたか?四葉殿」

 

「周公瑾は大陸出身の魔法師で崑崙法院の生き残りで最近まで横浜中華街に居座り日本で非合法活動をしていました。確か大陸の魔法師は道士、と呼ばれるんでしたわよね?九島殿」

 

「う、うむ」

 

「どうかしたか、九島殿」

 

「い、いや何でもない」

 

「四葉殿、していたということは今はしていないということか?」

 

「周公瑾については昨年10月京都にて達也が一条将輝殿、九島光宣殿の協力を得て仕留めたと報告を得ています」

 

この発言に一条剛毅は報告を受けていたが真言は聞いていなかったため驚いていた。

 

「四葉家の達也殿、一条家の将輝殿、九島家の光宣殿…何とも頼もしいことですな」

 

「そうですね、優秀な次世代が育っていることは本当に喜ばしい限りです。これからの日本も安泰ですね」

 

三矢 元、二木 舞衣が手放しで賞賛する。

 

「私や十文字殿、それに沙夜殿からしたら次世代というより後輩にあたりますが頼もしい限りです」

 

六塚 温子の言葉は年長組の笑いを誘ったが沙夜が投げかけた次の言葉でその雰囲気は霧散していった。

 

「七草殿、貴方は周公瑾と手を組み、共謀関係にありましたね?」

 

「……四葉殿、それは確かな確証があって言っておられますかな?」

 

「ええ、貴方は配下の名倉 三郎氏を使い、周公瑾とコンタクトを取り、昨年4月民権党の神田議員を間接的に使嗾し、反魔法師運動を煽った事は調べがついているそうです。反論はありますか?」

 

「発言してもよろしいか」

 

「ええ、構いませんよ十文字殿」

 

「七草殿が反魔法師運動を煽っていたのは事実です。私もそれは七草殿から伺っておりました」

 

「何か弁明はありますか?七草殿」

 

「十文字殿の言われたことは事実です。四葉殿のことも概ねは合っていますがただ順序に誤解があるようですね」

 

「順序が違うだけでやっていることは同じだろう」

 

「私が部下を使って周公瑾とコンタクトを取ったのは反魔法師運動が一高の恒星炉実験後に小康状態になった後です。あの実験は確か四葉殿の弟の達也殿が発案でしたな。ローゼンの支社長も高評価で実に優秀な弟君ですな」

 

「それがどうかしたか」

 

「弟を褒めてくださるのはありがたいですが話は別です。確かに話を煽ったのは後のようですが、周公瑾は七草殿が手を組む前からこの国に害を生していたのは事実です。十師族としてそのような者と手を組むのは如何なものかと思いますが、皆様はどう思いますでしょうか?」

 

「然り」

 

「沙夜殿の仰る通りです」

 

「残念ながら、その通りですな」

 

「七草殿、私はあの時も止めるべきだと申し上げました」

 

「七草殿にもお考えがあったのでしょうが……」

 

「私には七草殿を弁護出来ない」

 

「七草殿。どのような意図があろうと、超えてはいけない一線、手を組んではならない相手というものがございます」

 

剛毅、温子、雷蔵、克人、勇海、元、舞衣の順に沙夜のいや真夜が収集したと思われる情報に対し支持をする中、真言だけが態度を明らかにせず上記7人の注目が真言に集中した。舞衣が最後に言った言葉は真言にも当てはまっていて、真言の場合弘一と事情が異なるが周公瑾と結託していた。

 

「入らせてもらっても構わないだろうか」

 

突然会議室内に響き渡った会議室外からの聞こえてきた声は沙夜以外にとっては良く知っている老人のものだった。最初扉が1番近い克人が立ち上がろうとした時に沙夜が制止した。その後沙夜が周りを見回し全員が頷いたのを確認してから扉を開けるとそこには日本魔法師界の長老であり九島家先代当主九島 烈の姿がそこにはあった。

 

「ご無沙汰してます、老師。それにしても本日はいかがなされましたか?」

 

舞衣が丁寧に烈を迎え入れると、沙夜は自分の座っていた席に烈を進めようとしたが烈は手を振って笑った。

 

「ふむ、貴殿が真夜の娘か」

 

「お初にお目にかかります、老師。師族会議四葉家代表代理四葉 沙夜と申します」

 

「はは、あやつの娘とは思えぬ性格だな」

 

「は、はぁ……」

 

「すまんな今は話が別だ。今の話は聞かせてもらった」

 

どうやってとは十師族当主全員が言わなかった。師族会議の内容を自家へ情報を流しているのは何も今に始まったことではない。各家独自に情報を流しているのだ。しかし沙夜はそのことを真夜から聞かされていないため何故と思ったがここは余計なことで長引かせるわけにはいかないと押し黙った。

 

「皆が弘一を責めるのは当然だ。だが私は弘一から反魔法師団体のことについて相談を受けていて、私はそれを止めなかった。だから責任を問うのは待ってもらいたい」

 

円卓に座っている各々が視線を飛びかわせる。弘一、真言、烈を除く剛毅、舞衣、元、勇海、温子、雷蔵、克人そして未だ老師の隣にいる沙夜は何故烈がこのようなことを言ったのかその真意を測っていた。

 

「周公瑾と手を組んだのは我々九島家も同じだ。弘一は結託しても陰謀を語るだけで実際行動にはうつしていない。私はパラサイトを使用した無人魔法兵器に周公瑾から提供された技術を使用し、罪のない若者を危険に晒した。ここにいる沙夜殿の弟が止めてくれなかった取り返しが付かない事態になっていたかもしれない」

 

烈が隣に立っている沙夜のことを見るとそこにはまだ驚いた表情をした沙夜がいて、烈はそれを見て弟子であった真夜の幼き頃と重なって見えていた。沙夜にとっては従兄弟である達也が自身が現場にいた九校戦会場でそんなことが起こっていたことに衝撃を受けていた。そして此方を見ていたことに気付いた沙夜は頷いた。沙夜としても老師と師弟関係があると聞かされている七草家当主を無碍にはしたくはなかった。

 

「私がしたことに比べれば、弘一が行ったことは陰謀ごっこに過ぎない」

 

「しかし、老師…」

 

剛毅が何かを言いかけたが烈が目で制する。

 

「九島家は十師族を退く。それでこの場は収めていただけないだろうか」

 

「先代……」

 

「真言、お前には直接便宜を図った罪がある。この国に送り込まれた道士の件で、沙夜殿の弟、一条殿のご子息に迷惑を掛けている。本来はお前が言い出さなければならない事だ」

 

「先代……父上!」

 

「真言、お前には失望した」

 

呆然とし父親の顔を見る真言に苛烈に眼差しを向けていた烈を宥めたのはこの日が初対面であった沙夜だった。

 

「それくらいでよろしいかと老師。四葉家は九島家が全責任を取るのであればそれでも構いません。七草家には今後の貢献で償っていただければ結構です」

 

沙夜は何故烈がこれほどまでに弘一を庇うのかの大半は分かっていた。師弟の情ではなく自分が構築した十師族体制を維持するために庇っているのだと。現在国内で最も強い魔法師集団は国防軍の魔法師部隊ではなく、四葉家及び七草家でありこの二家は日本魔法師界の双璧であるために七草家を十師族から除外するというのは国防の観点から見ても好ましくない。四葉家としても沙夜としてもこれ以上話を長引かせるのは得策ではないと判断したまでだ。

 

「四葉殿がそう仰るのであれば……」

 

「確かに今のご時世に七草家に抜けられると穴が大きすぎますな」

 

温子、雷蔵が沙夜の意見に賛同し、他にも反対の声が上がらなかった。烈はそれを見てから会議場から「邪魔したな」といい去っていった。烈と真言が会議場から立ち去ると明日の選定会議に向けての話し合いが始まり九島家が抜けたことで空きが出たところは沙夜の提案により七宝家が臨時で入ることになった。これにて師族会議1日目は終了した。沙夜はというと話し合いが終わり会議場を出るとすぐさま師族会議を行っていた箱根のホテルから都内へと舞い戻っていった。彼女は四葉家として名を公表したが財界ではビジネスネームで行っているため取り引き相手には自分が四葉沙夜だとは言っていない。無事に話し合いも終わり箱根のホテルに舞い戻った沙夜は今現在彼女専属の執事である花菱兵庫に今日はご苦労さまと声をかけると部屋の中に閉じこもった。




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もしよろしければ自著の「姉は戦略級魔法師、その妹も戦略級魔法師!?」もご覧ください。同じような話ではありませんが良ければ是非
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