四葉 真夜の娘のおしごと   作:KIRAMERO

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※この話は前話投稿時に終わった話より先に進んでいます。前話を加筆修正していますので是非1つ話を戻っていただいてからこの話を見てください。

有難いことに2月26日23:59までにお気に入り件数が26件あったので投稿していきます。


師族会議2日目、選定会議と襲撃そして沙夜の秘密

沙夜が明日の準備をし終えるとそのタイミングをまるで知っていたかのように彼女が泊まる部屋に一本の電話が鳴り響いた。

 

「もしもし、私は今すぐに寝たいのですが睡眠時間をどうしたら確保させてくれますか?お母様」

 

『あらあら、それはごめんなさいね。それでどうでしたか?師族会議は』

 

「全てはお母様の予定通りに進んでいます。ただ九島家が十師族から外れたことだけが想定外でしょうか」

 

『それは大変ねえ。それでビジネスとしてはどうでしたか?』

 

「そちらは抜かりなく。ですがあれほどの会社に何の意味があるのでしょう?」

 

『それは後々達也さん達が必要になると思ったからよ。沙夜、貴女は本来私達だけが知っている存在で良かったのだけれど貴女はほんとに困った子ね』

 

「それは……申し訳ありません」

 

『いいのよ。娘のことは何でもしてあげたくなるのが親というものよ。貴女ももし結婚してそういう子供が出来たのならそうしてあげてね』

 

「お母様……」

 

『話は以上よ。それと明日は気を付けなさい。良からぬものがそちらに入り交じってるから。最悪貴女の魔法が露見しても大丈夫なようにそちらに何人か人を回しましたから。ただ出来る限り奥の手は使わないようにね』

 

「……それは一体……」

 

『それじゃあお休みなさい、沙夜。夜更かしは肌に良くないわよ』

 

真夜はそう言い残すと電話を切った。するとそのすぐ後にメッセージで花菱 兵庫からお客様が来たということを伝えられると私は四葉 沙夜用に取られていた部屋から出る前に視覚偽装魔法を使い部屋を出ると兵庫から伝えられた場所まで行くとそこにはまるで全員が何処かSPのような格好の人がそこにはいた。しかし彼らの他に現当主の息子であり次期当主の婚約者であり私の従兄弟である達也がいて、まるで達也がその人達を指揮するかのように並んでいた。周りにいる人達は本家で見たことがある人達がそこにはいた。

 

「沙夜様、明日は何があっても絶対に他家の当主達とは別行動されることのないようにご当主さまからいい賜っています」

 

「分かりました。お母様には了解したとお伝えください。それでどうして達也はここに?」

 

「母上から沙夜様の様子が気になると言われまして……」

 

「はぁ……分かりました。それではもう1つ何ですけど大丈夫ですとお伝えくださいませんか?」

 

「かしこまりました、沙夜様」

 

「ほら、貴方は帰りなさい、達也。貴方明日も学校でしょう?師族会議はお姉さんに任せて貴方は学業に励みなさい。兵庫さんすみませんが達也を東京の自宅まで連れて行ってくださいませんか?」

 

「かしこまりました。では達也様こちらになります」

 

「それでは姉上」

 

「ええ、また近いうちに会いましょう」

 

沙夜は達也と兵庫を見送るとその場所にいた四葉本家直属の魔法師の全員に明日のことを話すと自分の部屋へと戻っていった。

 

師族会議2日目の2月5日。今日は日本中雲に覆われ何かが起こりそうな模様が出るまま会議は始まった。次の4年の十師族を決める選定会議も前日から臨時で入っていた七宝家が新たな十師族として加わることとなった。沙夜としては特に何かがあった訳では無いがそれでもこの不気味な感じが沙夜の神経を尖らせていった。そして話は反魔法師運動の話になった時にそれはいきなり起こった。会議が行われていたホテルが襲撃を受けたのだ。幸いにも沙夜を含め十師族当主に命を落とした者はいなかったが魔法師出ない人が犠牲を受けてしまったことは十師族にとっては痛手だった。その後現場に駆けつけた警察による取り調べを私達は受けていた。取り調べからしばらく経った時に周りが騒がしくなった、私は取り調べを受けていたので分からなかったがおそらく達也が来て十文字殿から説明を受け、後輩達(おそらく七草の双子、水波ちゃんあたり)のことを見ていたのだろうと私が見える限りそう思えた。

その後その場にいた一条将輝がここまで乗ってきたヘリに十師族当主、七草の双子、七草家の長男智一、新しく十師族入りした七宝家長男琢磨が搭乗し横浜にある魔法協会支部へと移動した。

 

 

しばらくして魔法協会支部へ着くと急にも関わらず職員による努力のおかげですぐに緊急会議を開いた。そこでは先程のテロに対して魔法協会を通じて十師族はテロを非難することと容疑者追跡に全面協力するという声明を出すことを決めた。続いてその捜索隊に出すメンバーについて少し議論が起こった。

 

「続いてですが、テロリストの捜索には誰を向かわせますか?」

 

「当家からは私と達也を遣わせます」

 

「うちは将輝にその任を任せます」

 

「沙夜殿自ら出るのですか?それに沙夜殿の弟である達也殿、一条家の将輝殿はまだ高校生です。潜伏している犯罪者を炙り出すのも往々に時間がかかるものです。十師族の務めと言えども学業を長期間犠牲にするのは如何なものかと言えます」

 

舞衣の反論は的確に的を得ていた。そのことを証明するかのように剛毅は舞衣の言葉に反論出来ずにいた。しかし沙夜は違っていた。

 

「二木殿、確かに学業を長期間犠牲にするのは私もどうなのかと思いますが家の達也にそんな常識には当てはまりません。我が四葉家のバックアップを受けた達也なら逃げ隠れする相手だとしても1ヶ月はかかりません。その程度で学業に支障を来すこともありません。そして私自らが出るということに関してはこの作戦は極秘裏に行うものそして何より時間による制約が無い方がよろしいかと思いまして私は時間による制約を受けないので心配ご無用です」

 

沙夜のその未来予知にさえ到達しうるのでは無いかと思うほどのことを自信ありげのセリフに舞衣はこの中で年長者にも関わらず圧倒されていた。しかしそこは十師族の当主たるもの圧倒されたとしても何も言えなくなるということはなかった。

 

「……しかし達也殿はまだ高校生なのも事実です。幾ら弟が有能だとしても学外でテロリストを探させるというのは外聞が悪すぎると思いますが」

 

舞衣の言葉は確かに説得力はあるものの沙夜いや四葉家にとっては「今更ね」といった言葉が語られるくらいに沙夜の顔は笑っていた。

 

2095年4月に発生した第一高校テロリスト襲撃事件の詳細は大部分が1年以上経っても秘匿されたままだった。しかし今は十師族の各家には顛末だけは伝えられていた。依然達也が使った魔法は明らかにされていないが達也と克人が中心となってテロリストを倒したことは達也が四葉家として発表された時に十文字家から十師族各家に報されていた。無頭龍の幹部暗殺は秘密のままだが、横浜事変の立ち回りは当時から知られていたしパラサイト事件に関しても詳細は不明にされているが関与は明らかにされていた。昨年秋の周公瑾の件は昨日沙夜から説明されている。これだけのことがあるのに学外でテロリストを探させるということはダメだというのは本当に今更であるのだ。会議場が静かになり膠着状態になったがそれは弘一によってうち崩された。

 

「沙夜殿、確かに貴女の言う通りこの作戦には時間制約が無い方が好ましいです。それならば当家の智一に指揮を執らせてくれませんか。智一は学業を終えた身で仕事も時間の都合がつくものです。それに箱根で起こったことはその近辺に手がかりもあるはずです。関東・伊豆は七草と十文字の担当地域です。もし先程の件で私のことが信じられないのならば十文字殿を責任者とし、智一をその補佐としていただいても構いません」

 

「それで先程の罪滅ぼしのおつもりか……」

 

「いえ、これはその第一歩です。これからも今回のような事例には惜しみなく貢献していきます」

 

「私どもとしても七草家がそのようなことをするならば構いません。関東は七草と十文字のテリトリーですもの。もし達也の力が必要とならば何時でもお貸ししますので」

 

「かたじけない。一条殿のご子息にもご助力いただくことがあろうかと思います」

 

「無論、当家も労は惜しまないつもりだ。将輝をこき使ってくれて構わない」

 

克人は沙夜と剛毅に頭を下げると次に弘一の方へと顔を向けた。

 

「七草殿、名目上私が責任者となりますが実際に指揮を執るのは智一殿にお任せしたいと思います」

 

「ありがとうございます」

 

弘一は親子と同じくらい年の離れた克人に丁寧にお辞儀をした。ただ克人はその後も話を続けた。

 

「ただし一条家の将輝殿はこちらでお預かりしたいと思います。そこで四葉殿、先程四葉殿と弟である達也殿が出ると仰いましたが具体的にはどのような行動をなさるつもりでしょうか」

 

「無論、テロリストの追跡をするつもりですが」

 

「それならば達也殿をこちらでお預かりしてもよろしいでしょうか?仮に管理を自分と四葉殿2人でやると少なからず情報の相違というものが出ます。そこを無くすためにも是非とも達也殿をこちらでお預かりしたいのですが」

 

「それでしたら構いません。どうぞ使ってやってください。私達の方で掴んだ情報も包み隠さずとは行きませんが集まる場合は達也からお伝えする形でよろしいでしょうか?」

 

「結構です」

 

「それでは魔法協会を通じテロを非難する声明を出し、十文字殿を責任者とし七草家が主力となりテロの首謀者を捜索するということでよろしいでしょうか?」

 

舞衣の言葉に十師族各家当主及び代表代理は頷いた。しかしまだ言葉が続いた。

 

「その方針は分かりましたが本当に首謀者は日本にいるのでしょうか?」

 

「それは間違いない。死体を操る魔法は決まった動作をプログラムする類の術式ではなかった。少なくとも遠隔操作によるものだと思われる。それにあれほどの数の人体を動かすとなればごく近くにいないと動かないはずだ」

 

「ごく近くとは?」

 

「術者にもよるが半径10km以内だろう。もちろん我々が知らない魔法の使い手であれば想像は出来ないがな」

 

「それは仕方がないでしょう。相手が常識を超えている相手ならばもはや日本国内にいたとしても補足は不可能に近いでしょうな」

 

「それもそうです。私は先程の方針でいいと思います」

 

勇海が剛毅に質問し雷蔵が舞衣のプランに改めて支持を表明した。これをきっかけに賛同が相次いだため緊急師族会議は幕を閉じた。

 

会議が終わると各家当主は各々の本邸へと帰っていった。しかし沙夜は当主では無いためしばらくの間魔法協会支部に残り会議の顛末と無事を知らせる連絡を母親である真夜にしてから東京の調布にある四葉家が所有するビルへと帰っていった。

 

達也と深雪は師族会議が行われていた箱根のホテルから自宅へ帰り、その後は達也が深雪と水波の勉強の手伝いをしていた。そこへ1本の電話がかかってきた。相手は彼らの叔母であり四葉家当主四葉真夜であった。

 

『いきなりごめんなさいね』

 

「いえ、勉強をしていたところですので」

 

『あら、達也さんでも勉強することがあるんですね』

 

「一応は学生ですので勉学を疎かに出来ませんから」

 

『その勉学に集中させられないのは心が痛いわね……達也さん貴方に今回のテロの首謀者の捜索と捕縛を命じます』

 

「……分かりました。捕縛でよろしいのですか?」

 

『ああ、テロリストの生死は問いません。とにかく無害化しなさい。それと深雪さんの護衛はこちらで手配します。別に水波ちゃんの腕を疑っている訳では無いのよ』

 

「心得てます、御当主様」

 

『貴方は十文字殿の指揮下で動いてもらいます。ああ十文字殿は克人殿のことです今回の師族会議で十文字家は代替わりしました』

 

「そうでしたか……独立魔装大隊でも噂は耳にしていたので」

 

『あらあら、それは国防軍も油断なりませんね。それともあのお嬢さんのおかげかしら。それはともかく今回のこの件に関しては沙夜も加わることになっているからよろしくね』

 

「従姉様が出られるのですか?」

 

『ええ、沙夜は情報収集という点で動くみたいよ。そうね…そろそろ達也さん達には知らせておこうかしらね、沙夜の秘密を』

 

「沙夜様の秘密?」

 

『ええ、沙夜は情報収集に関しては四葉全体と比較しても比較しきれないくらいに情報網がありますから。それに沙夜は魔法師界の中では四葉というネームだけで有名になったのだけどそれ以前から日本の中では知らない人はいないくらいの有名人なのよ』

 

「従姉様がですか?」

 

『ええ、達也さんも聞いたことはあるでしょう?風早 似衣菜という名前を』

 

「まさか、あの「月夜に輝く麗しき姫君」風早 似衣菜が沙夜様ということですか?」

 

『ええ、沙夜のその才能は恐るべきものでした。だからといって何か変わるわけではありませんがそういうことです』

 

「そうでしたか……」

 

『詳しいことは沙夜を通じて後日貴方達の家に向かわせますのでその時にでも。沙夜をくれぐれもよろしくね』

 

「かしこまりました、叔母上」

 

四葉真夜との通信を切ると達也は近くにあった椅子に腰を下ろした。

 

「大丈夫ですか?達也様」

 

「あぁ、大丈夫だ。それにしてもあの風早 似衣菜が沙夜様だったというのは驚いたな」

 

「達也様、その風早 似衣菜というお名前私はあまり馴染みがないのですが…」

 

「風早 似衣菜は財界きっての有名人だ。その圧倒的な資金力や次々と筆頭株主になっていくことから容姿もあいまって「月夜に輝く麗しき姫君」とまで呼ばれるようになった財界の超大物だ。それこそ雫のお父さんのような人だ。そして彼女は2094年からFLTの筆頭株主、そして2096年からは九校戦を衛星中継や国内向けに中継しているテレビ会社の筆頭株主にもなっている。国内の資産家ランキングでも常にトップ3を維持する程の財力は一体何処からとは思っていたが背景には四葉がいたか」

 

「従姉様は今後どうするのでしょう…四葉の次期当主は私に決まってしまいましたし」

 

「それが今俺の中にある一番の疑問の1つだ。叔母上は一体何故深雪を次期当主に指名した直後に沙夜様の存在を公表したのかだ。もし沙夜様が次期当主ならその存在は前日には俺達だけには教えられただろう、しかし教えられなかった。 そしてもう1つは何故叔母上は師族会議を沙夜様に任せたのかだ。叔母上が健康を損ねているそんなものは見られなかったし叔母上の意思が分からない」

 

「お兄様……」

 

「少なくとも沙夜様は俺達を信頼してくれているはずだ。だから深雪、今俺は叔母上からの命令である程度は水波に任せなければならない。そこで何か不測の事態が起こったら沙夜様を頼れ。叔母上が正月に言った通りならお前を助けれくれるはずだ」

 

「……分かりました」





如何でしたでしょうか?基本的には四葉継承編から始まるのでそこまでは原作既読推奨になりますがよろしくお願いします。ここからですが基本的に師族会議編はジード・ヘイグの話はスルーしていって動乱の序章編からになります

今回もご読了ありがとうございました。お気に入り登録、感想、評価よろしくお願いします
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