四葉 真夜の娘のおしごと   作:KIRAMERO

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3話目です。投稿してから約5日でお気に入り件数50突破しました。本当にありがとうございます





沙夜の正体と四葉の中枢

それから約1週間後の2月10日、達也と深雪、水波の自宅に3、4人の護衛を連れて四葉 沙夜がやってきた。既にテロリストの首謀者と思われるジード・ヘイグの抹殺の任務は始まっているのだが達也の下に沙夜から情報は流れていなかった。

 

「折角の休みにごめんなさいね」

 

「いえ、それで本日はどのようなご用件でしようか?」

 

「この前お母様から私のことに関して色々聞いたみたいだけどその事と今回のテロの件ねだから少しだけ深雪ちゃんと水波ちゃんは席を外してくれるかしら?」

 

「分かりました、従姉様。それじゃあ水波ちゃん、従姉様とお兄…達也様の飲み物を用意しましょう」

 

「はい、深雪姉様」

 

深雪と水波はリビングにあるキッチンへと向かっていき、リビングにあるソファには沙夜と達也、沙夜の執事ー花菱 兵庫ーだけがそこに残っていた。沙夜は3人になると遮音フィールドを貼るとテロリストのことについて話し始めた。沙夜が集めた情報は今まで真夜から伝えられていた情報よりも量も質も凌駕していたという。テロリストの話も終わると沙夜は深雪と水波をソファへと呼んだ。

 

「3人とも何処まで話は聞いてるかしら?」

 

「叔母様からは従姉様が風早 似衣菜ということはお聞きしましたが……」

 

「そう、それは事実ね。ここに来るまでも色々な会社の方々に挨拶回りしてたもの、ほらこれが証明になるかは分からないけど名刺ね」

 

「従姉様はこれからどうされたいのでしょう?」

 

「そうね……難しい質問だわ。生まれてから今まで私が四葉として名乗れることはないと思ってたから。だから今はこの四葉 沙夜という名前を1秒でも多くの時間を名乗れること、それと貴女達が当主になってから不自由にならないようにしていくのが今の私の目標かしらね」

 

「私達の、ですか?」

 

「ええ、四葉の次期当主を裏から支えるそれが私に対するお母様からの要望だからね。私も貴女と同じようにお母様の「流星群」や貴方の「分解」のような特異魔法と伯母様のような精神構造干渉魔法のような精神干渉魔法を持ち合わせているけど私の場合は貴方のように発動速度に難点があるから」

 

「それでしたら今度FLTで開発したシルバー・ホーン トライデントβをお持ちしましょうか?叔母上や深雪のような発動速度はお約束出来ませんがそれでも国際ライセンスB級程度までは速めることは出来ますよ」

 

「いいえ、結構よ。βなら既に四葉本家で試して使用したことあるから」

 

「……あれはまだ試作段階で牛山さん以上の人には見せていないはずですが……」

 

「そこはお母様のことだから私は分からないわよ…使ってみた感想としては文句はないわ確かに発動速度としては普段使っているものよりも断然に良いわ。ただ少し大きすぎるという所が問題点といえば問題点ね」

 

「その点に関しては昨日には解決しました。従来のシルバー・ホーン トライデントと同じくらいの大きさに調整しましたので」

 

「あら、そうなの?今度試させてもらうわ」

 

「私からも1つよろしいでしょうか?」

 

「遠慮することは無いわ。慶春会ではあまり話せなかったもの。お母様からも貴女のことについてはよく聞いてたから」

 

「失礼ではありますが従姉様は本当に叔母様の「流星群」をお使い出来るのでしょうか?」

 

「……実際に試してみましょうか?これから少し付き合ってくれるかしら?」

 

「分かりました。少々準備してまいります」

 

そして数分後沙夜、達也、深雪、水波は四葉家が所有しているビルへと向かっていった。移動すること約10分後四葉家が所有するビルへと辿り着くと沙夜は達也、深雪、水波を地下にある魔法訓練所へと連れていった。沙夜自身この施設を使うことは滅多になくこの訓練所へ入るのも初めてだった。

 

「さてと、ここでいいかしらね」

 

「このビルは一体……」

 

「ああ、ここは四葉家の東京本部といったところよ。お母様からきいてない?」

 

「いいえ……」

 

「ここにいる人達は全員四葉家の関係者よ。だから大丈夫よ」

 

そう言うと沙夜は早速「流星群」を使った。威力は充分抑えられていたがそれは紛れもない「流星群」で達也、深雪、水波は真夜以外の人が本当に「流星群」を使う場面を目撃した。

 

「それでどうかしら?これでいい?」

 

「え、ええありがとうございます従姉様」

 

「そう、それなら良かったわ」

 

「沙夜様、そろそろお時間が」

 

「あら、もうそんなに経ったの?」

 

「はい」

 

「それじゃここでお別れでいいかしら?本業の方で少し用がね」

 

「そうでしたか、色々とありがとうございました」

 

沙夜は達也がそう言うと彼女の専属執事である花菱 兵庫と共に部屋から出ていった。達也、深雪、水波も沙夜が出ていってから少し経った頃に部屋を出ていった。

 

沙夜の本業、それは個人投資家である。もっと詳しく言えば沙夜が投資家として働くために設立した投資家グループを四葉 真夜が作った。普段は先程いた調布にある四葉の東京本部、立川にある沙夜の個人宅、山梨と長野の間にあるとされている四葉本家の何処かにいることが多い。沙夜は現在20歳だが大学には通っていないため昼間等は暇を持て余しているのだが今日は昼間にも関わらず沙夜の姿は東京の神田にある政治家や経済界の大物達が極秘に訪れる料亭にあった。沙夜は今回呼び出されたのであるがその呼び出した相手が四葉 沙夜にとっても風早 似衣菜にとってもそして四葉にとっても無視出来ない相手であった。沙夜が指定された部屋に到着してから数分後にやってきた。

 

「待たせたな」

 

「とんでもございません、閣下」

 

「それにしても随分と厄介なことになっているな」

 

「申し訳ありません」

 

「いや、沙夜が謝ることではない。元を辿ればUSNAが引き起こしたことだからな」

 

「USNAがですか?」

 

「ああ、今そなたらが追っているジード・ヘイグは大漢の生き残りでUSNAに亡命していたのだからな」

 

「それは存じ上げませんでした」

 

「ならば覚えておくがいい。それと今回の件についてはあまり首を突っ込むのは止した方が良い。沙夜、お前の力をみすみす同盟国であるUSNAにのみ知られるのは好ましくない。見せつけるのならUSNAの仮想敵国である新ソ連にしろ」

 

「かしこまりました。それと達也のことで少し相談が」

 

「何だ、言ってみろ」

 

「達也は遅かれ早かれ国防陸軍第101旅団独立魔装大隊の特務士官の地位を返上することになると思っています。達也の利害関係と国防軍の利害関係が一致するとは私は思えませんでした。佐伯閣下のことですから申し出があった場合当日中に削除するでしょう。そうなった場合現在達也にある交戦者資格を現在のまま適用出来るように手配出来ないでしょうか?」

 

「何故と聞いていいか」

 

「現在の世界情勢はこの上なく戦略級魔法についての緊張が緩んでいます。発端は達也が大亜連合艦隊を葬り去ったあの時ですが既にUSNAがアンジー・シリウスを使ってまで探りに来たことを考えると今後新ソ連を始め戦略級魔法師を使ってでも達也暗殺を目論むこともあるでしょう。その時国防軍所属の場合何かと不都合が生じる場面が出てくるかもしれないからです」

 

「確かにそうかもしれぬな。分かった、交戦者資格についてはこちらに任せてくれ」

 

「ありがとうございます」

 

東道青波と沙夜はそれからも経済界についての話や世間話をして小一時間が経った頃に東道 青波が次の用事のため退席したところで2人は別れた。

 

それからというもの一条 将輝が第一高校に三高に籍を置きながらやってきたこと、鎌倉にて一波乱あったこと、反魔法主義者襲撃等色んなことが起こったが最終的にはUSNA軍魔法師部隊スターズがジード・ヘイグを乗っていた船ごと海の底に沈めてしまったため容疑者の生死不明で事件は終焉を迎えた。

 

師族会議襲撃事件をきっかけに起こったテロリストのの捜索・捕縛の命令を受けそれが終わった後達也や深雪、水波の元に沙夜からの連絡も無ければ四葉本家、又は真夜からの連絡も一切無く達也達は平穏とは言い難いものの比較的普通の生活を送っていた。その後は春休みの期間に2092年の大亜連合の沖縄侵攻に合わせた戦没者慰霊追悼集会や雫の父親が関わっている人工島の竣工パーティーに出たりしていた。そして4月1日彼らの状況は一変する。世界に13人しかいない戦略級魔法師の1人でブラジル軍のミゲル・ディアスが戦略級魔法「シンクロライナー・フュージョン」を使用したとブラジル政府が発表した。この発表に世界中の軍部や政府が緊急会合を開いていた。それは十師族も同じであり師族会議とまではいかないものの各家当主間では色んな議論が重ねられていた。達也はこの戦略級魔法の発動により戦略級魔法使用に関する心理障壁がこの上なく下がったと思った。

 

それから1週間が過ぎようとしていたある日沙夜の元に意外な人物から連絡が届いた。最初は電話を掛けたが応答が無かったためかメッセージで電話が出来るようになったら掛けて欲しいという伝言が届いた。

 

『夜分、遅くに失礼します』

 

「いいえ、大丈夫よ。昼間は出れなくてごめんなさいね」

 

『こちらも予め予定を伺っておくべきでした。少し沙夜様にお伺いしたいことがありまして』

 

「何かしら、私に出来ることだといいのだけれど」

 

『実は夕方十文字先輩……いや十文字 克人殿から私達に対して手紙が届きましてその内容が沙夜様にも関係することでしたので』

 

「十文字殿が?一体どのような用件かしら?」

 

『今週の日曜の9時に魔法協会支部で反魔法師対策会議を開きその場に沙夜様か自分か深雪を招待したいということです。今回は師補二十八家だけということですが将来的にはナンバーズ、ナンバーズ以外の魔法師も招待したいということでした。沙夜様が出席なさるのであればそれは私達としては構わないのですがご都合は如何でしょうか?』

 

「日曜ね、分かったわ。達也今回の件は私が引き受けます。後でオリジナルの文書を四葉家のビル宛に送ってくれないかしら」

 

『分かりました』

 

沙夜は達也がそう言うと少し微笑んでから電話を切った。そしてすぐさまある場所に向けて電話を掛けた。しかし目的の人は表れなかった。

 

「夜分遅くに失礼します」

 

『これは沙夜様、奥様は現在他のことに手を貸せない状況でございまして用件は私の方で受け取りますが如何致しますか?』

 

「いえ、直接お母様に申し上げたいので申し訳ありませんが再度折り返しします」

 

『かしこまりました。奥様の手が空き次第こちらからご連絡致します』

 

それから数十分後に本家から折り返し電話が掛かってきた。

 

『お待たせ、それで相談って何かしら』

 

「既にご存知かと思いますが、十文字殿が今週の日曜に反魔法師対策会議を魔法協会支部にて行うようです。そこに私か達也か深雪の誰かを招待したいということでした。それで誰が行くかということですが日曜は本家に集まる日ですそれを踏まえて私が出席するということにしましたがお母様はどう思いますか?」

 

『そうね…会議は貴女に任せます。貴女が思ったようにしなさい。それと七草家には注意なさい。今回の件は七草家が主導ですから』

 

「分かりました。それではまた日曜日にお会いしましょうお母様」

 

『ええ、私も楽しみにしてるわ』

 

日は経ち4月14日、横浜にある魔法協会支部には日本を代表する有力の家の次期当主やご子息がそこにはいた。そこには今回の会議の本当の意味での発起人である七草智一の妹である七草 真由美、七草 香澄、七草 泉美がお手伝いとしてこの場にいた。沙夜は3人の姿を遠く離れたソファから見ていた。そこに一人の女性が沙夜の近くへとやってきた。

 

「お久しぶりです、六塚さん」

 

「ああ、久しぶりだね。それにしても四葉殿直々に出席なさるのですね」

 

「ええ、弟や従妹にはまだ外が騒がしいですし、それにまだ高校生ですから」

 

「そうでしたね。ではまた次は四葉の次期殿に会えることを楽しみにしています」

 

「六塚さんであれば母もきっと快諾してくれるでしょう。私も楽しみにしてます」

 

そう言うと六塚さんは一条家の将輝の方へと向かっていった。私は皆が会場の中に入るのを待っていてやがて私が見る限り十文字殿と七草智一さん以外が入るのを見ると私も腰を上げて会議室内へと入っていった。会議室内へと入っていくとそこはまだ会議が始まる前だからか隣同士で喋っている人が多かったが私が入るとピタリとその声は止まった。私は辺りを見回して空いてる席を見つけそこに座った。隣に座っていたのは一条将輝、二木結衣の両名でありお互いに挨拶をしてから十文字殿と七草智一さんが入ってくるのを待った。数分後2人が入ってきてやがて会議は始まった。

 

会議は最初からどちらかというと暗雲立ち込めるような感じで始まり九島家の九島 蒼司が十師族内での情報の占有等から始まり何故当主クラスの会議ではなく次期当主の人達との集まりになったのかについて議論が及んだ。最終的に議論は魔法協会に広報部門を作ろうという声が多く聞こえてきた。

 

「広報部門というと誰かにお願いするということですか?」

 

「はい。七草さん貴方の妹の真由美さんなんか適任じゃないですか?」

 

「真由美ですか?真由美はちょっとそういうのには向いてないと思いますが……」

 

その言葉に会議室内から落胆する声や他にいないのかという声がしていた。すると思いついたのか私が知らない家の人がある一言を言い放った。

 

「そうだ!四葉殿貴女のところの次期殿なんていかがでしょう?我々の象徴になっていただけると思うのですが」

 

その言葉が出た瞬間七草智一はこの会議における1つのわかりやすい出来事として態勢を決める言葉を放とうとした瞬間にこれまで会議内で特に何も発していなかった沙夜が声を上げた。

 

「よろしいでしょうか?」

 

「ええ、どうぞ」

 

「魔法師に対することを話すだけで何らかの合意はなされない、そういうことでしたよね十文字殿」

 

「如何にも」

 

「さて、皆様方にもお伺いしたいのですがもし皆様方のご子息や兄弟姉妹が今回の深雪の立ち位置になったところで皆様方は快くお引き受け致しますか?何も魔法師は私達の他にも軍や警察にも多数の方がご在籍しています。それなのに私達が横からしゃしゃり出るのは如何かと思いますが?」

 

沙夜の言葉に参加者からは何も反論が出来なかった。それは的を得たことであり参加者は反論が出来なかった。その後も会議室内は不穏な空気の中進んでいき時間はお昼を迎え一旦休憩ということになった。ここで沙夜は本家に向かうために会議場を出て調布にある四葉家のビルへと向かおうとしていた。

 

「待ってください、この後参加者の皆様に昼食を用意しています。四葉殿もご一緒に」

 

「生憎ですが、私にも予定というのがあります。それでは私はこの辺で失礼させていただきます」

 

「四葉様、屋上にVTOLのお迎えが来ているそうです」

 

「屋上に?分かりました、ありがとうございます」

 

沙夜は魔法協会の職員から伝言を受け取るとすぐ側にいた七草智一、五輪家次期当主五輪 洋史、十文字家当主十文字 克人、六塚家当主 六塚 温子に向かって会釈をするとベイヒルズタワーの屋上へ向かうとVTOLが2機止まっていた。

 

片方には達也と深雪が乗っており、もう片方に私が乗るということになっているみたいで先に達也と深雪が乗っているVTOLが発進しそれに次いで私が乗るVTOLが発進することになっている。私はその空き時間を利用し(一応)本業である投資家としての仕事をしていた。

達也達が乗っているVTOLに遅れること10分後調布のビルに着くと既にセダンタイプの四葉家専用車に乗り込んでいた達也と深雪、水波ちゃんが乗っている後部座席に乗り込み一路四葉家本邸へと向かっていった。

 

本邸に着くと四葉家執事序列第2位の花菱さんの先導の元本邸内にあるダイニングへと向かった。そこには黒羽家の姉弟、津久葉家の夕歌さん、新発田家の勝成さんが座っていた。

 

「遅くなりました」

 

「いいえ、予定は事前に伺っていましたから問題ありませんよ。それと少しばかりだけど軽食を用意しました、どうぞ皆さんつまんでくださいな」

 

お母様が声を掛けるとダイニングテーブルにはサンドウィッチ等の軽食が用意された。今回四葉家の中枢メンバーが集められた理由はここ数ヶ月における国内での出来事を踏まえてだった。まずは2月の師族会議襲撃事件を受けてのテロリスト捜索、西果新島におけるオーストラリア軍の工作未遂事件、そして最近の国際情勢における戦略級魔法の心理障壁のハードルの低下に関すること、今日の対策会議のこと、最後に達也が体感したという新ソ連の『トゥマーン・ボンバ』のことで集められた。

 

私にとってはあまり新鮮味が無かったが(師族会議襲撃事件は当事者、西果新島における工作未遂事件は北方 潮の招待状で竣工記念パーティーに参加)それでも達也が開発したという『ゲートキーパー』という精神干渉系魔法、お母様が発した巳焼島に新たな四葉家の研究拠点の設置は私にとっても重要なことであった。『ゲートキーパー』については想子保有量が多い者にとっては無力であるという、これは私にとっては致命的なことだ。私はお母様の魔法や伯母様の魔法を受け継いでいるその短所として魔法発動に対する速度と想子保有量の少なさがある。もし私に向かって発動することがあれば確実に私は無力化されるだろう。次に巳焼島のことだがお母様が言っていた四葉の次期当主が不自由にならないようにしていくようにと言われた意味が漸くわかった。

 

「沙夜、今日の会議はどうだった?」

 

「正直参加しなくても良かったと思える程でしたが私にとってはとても有意義な時間になりました」

 

「どういうこと?」

 

私は今回の会議の顛末を語っていると黒羽家の姉弟、津久葉 夕歌さん、そして達也からも少し憤りを感じている程だった。

 

「そうでしたか。沙夜、四葉家は貴女が何を言ってもその発言については支持します。例え他の二十七家が反対だとしても私達は貴女の行動を支持します。今後も四葉家に関することで干渉があった場合は貴女の配慮で無視及び反撃しても構いません」

 

それから1時間『トゥマーン・ボンバ』のことや今後のことについて話したところで達也、深雪、水波、は明日が学校ということもあり本邸を後にした。勝成と夕歌も達也達と共に本邸を後にした。今この場に残っているのは真夜と沙夜、真夜の執事の葉山だけでありこの3人で同じ場にいるのは沙夜が個人投資家となった16歳以来であった。

 

「久しぶりね、私と貴女それに葉山さんの3人でいる時間は」

 

「私が個人投資家として家を出てからですからもうそろそろ5年になりますか」

 

「そうでございますな。真夜様に子供が出来た時私はどれほど嬉しかったことか」

 

「もう、大袈裟よ」

 

「真夜様も大変お喜びになっていましたよ、当時は。真夜様が妊娠したということを知っているのは当時の当主である英作様、深夜様、穂波、私だけでございます。隠すのは大変でしたな」

 

「そんな極小人数しか知らなかったんですか…」

 

「もちろんよ。私が妊娠したなんて話を聞いたら分家の方々はどう思う?」

 

「まぁ…大体は分かります」

 

「それで本題なのだけど貴女に幾つか縁談の話が来てるのだけど……」

 

「断ってください。今の私のことを知られるわけにはいきません」

 

「そうよね…沙夜貴女は分家当主や本家当主みたいに公の身分とは違って何時でも書き換えられる代表代理よ。貴女が良いと思ったなら私は反対しないから何時でも言いなさい」

 

「……私は当分結婚するというかときめいた人すらいないのですが」

 

「あら、そうなの?」

 

「ようございましたね奥様。沙夜様はまだ誰かのものにはなりませんよ」

 

「なんのことかしら?」

 

「毎晩沙夜は元気にしているかしらや沙夜が結婚したいと言ってきたらどうしようとご心配なされてるではありませんか」

 

「そ、そんなことは無いわよ」

 

「そうなのですか?葉山さん」

 

「そうでございます、沙夜様」

 

それから私とお母様、葉山さんは昔話に盛り上がりその日は私はその日のうちに自宅に帰る予定だったが四葉本邸にある自室で泊まることになった。

 

次の日から私の予定はしばらく空いていて久しぶりに自由を謳歌する予定だ。個人投資家としての仕事や株主としての仕事も特に予定はなく本当の休日は実に3年振りだった。沙夜はこの休みを利用して3週間のバカンスに入ることを決めている。






如何でしたでしょうか?後数話くらいはストックがあるので何日かに分けてお送りしたいと思います。
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