四葉 真夜の娘のおしごと   作:KIRAMERO

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1週間空きましたがこの間にこの話+で2話くらい出来たので今週と来週で1話ずつ投稿していきます。


沙夜の覚悟と『イグナイター』からの襲撃

 

会見終了後すぐに沙夜は東道 青波を介してホクザングループ総帥の北方 潮にアポイントメントを取ると今日の夜には会ってくれるということなのでそれまで手持ち無沙汰になってしまったがそこは沙夜だって一介の女子であるため自身の付き人である四海 茉純と共に副都心にあるショッピングモールで服を見て回ったりアクセサリー等の小物のショップに立ち寄ったりショッピングモールの中に入っているカフェにてお茶したりとしていた。夜になると沙夜は茉純と共に神楽坂にある料亭へとやってきていた。

 

「本日はお忙しい中お呼びだてしてしまい申し訳ありません」

 

「いえいえ、風早殿からお呼びしてもらうことは滅多にありませんからな。それで今回は今日の件ですか?」

 

「ええ、今回の司波 達也君からの計画について色々知っているとは思いますが如何せんFLTはCADメーカーてす。この計画は恐らくFLTさらには私の影響が及ぶ範囲の中で協力を結びつけられたとしてもそれでも足りません。そこでホクザングループ総帥である貴方の協力が不可欠です」

 

「では何故私なのでしょう?」

 

「司波 達也は一高の生徒です。だからといって彼自身に」

 

「なるほど。……分かりました司波君には出来る限り協力しましょう」

 

「本当によろしいのですか?」

 

「はい。NSAが発表したあの計画は魔法師を人身御供にするより酷い物ですから。知っての通り私の妻と娘は魔法師です、だからこそというのもあります」

 

「ありがとうございます」

 

「いやいや礼に及ぶものではありません。風早殿にも色々あるのは理解していますから。それに東道殿からも頼まれましたからな」

 

「そうでしたか……ではよろしくお願いします。東道殿にはこちらからも挨拶をしておきます」

 

そう言うと私と北方 潮は運ばれてきた料理に手を付けそれからも達也が発表したESCAPES計画について経済界に及ぼす影響について語り合っていた。沙夜は北方 潮と別れるとすぐに立川の自宅に帰り真夜と達也のESCAPES計画についてお互いに話していた。真夜にとってもこのESCAPES計画は成算があると踏んでいるようで沙夜にも今回の事については風早 似衣菜として可能な限り際限なく協力するようにと言われた。私としても弟がすることには協力するつもりだったので頷いた。

 

その後はちょうど来日していたエドワード・クラーク、レイモンド・クラーク親子のインタビューを聞いたりしたが沙夜は達也に限って今更あの計画に参加するとも思えず聞き流していた。東道 青波から日本政府が達也の計画について妨害を始めたということを聞いていた沙夜は外交的には仕方がないと思っていたが今沙夜がいる経済界の著名人の集まりでは反応が全く違った。いざ私が会場に表し話が始まるやいなや達也のESCAPES計画についての話が盛り上がり沙夜はそれを聞いてどうも経済界と外交間での差がありすぎると感じた。それは四葉家当主である真夜も感じていた。経済界のことは沙夜から聞かされたことではあるが外交のことは四葉家として集めた情報でもそれは物語っていた。

 

「それで沙夜、ここに来たのは経済界の反応を伝えに来ただけじゃないでしょう?」

 

「確かにここに来たのはそれだけが目的じゃありません。達也のESCAPES計画は確かにディオーネー計画に対抗するだけの大義名分はあると思います。ただこれだけで終わるとも思えません。ディオーネー計画に賛同しているベゾブラゾフ辺りは達也を暗殺しようとさえ思っているかもしれません」

 

次の金曜日、沙夜はスケジュールの空きを作り四葉家本邸へとやってきていた。この間にも世界のディオーネー計画とESCAPES計画についての議論が加速していた。木曜日インド・ペルシア連邦の魔法研究の中心地、旧インド中南部のハイダラーバード大学の魔法工学分野の第一人者で戦略級魔法「アグニ・ダウンバースト」の開発者のアーシャ・チャンドラセカールが記者会見を開きそこで達也が発表した恒星枦計画を支持を表明した。さらに次の日つまり今日だが日本時間の朝早く、USNAの野党系テレビ局がトルコの国家公認戦略級魔法師アリ・シャヒーンのインタビューに成功し、そこで政府の見解では無いものの魔法師としての未来を狭めるべきでは無いとコメントし実質的にNSAが発表したディオーネー計画だけではなく達也が発表したESCAPES計画を支持した形になっていた。世界の構図は旧EUを含めたヨーロッパ諸国、新ソ連はUSNAのディオーネー計画支持、インド・ペルシア連邦、トルコを含め大亜連合を除いたアジア全体は日本のESCAPES計画支持という構図になっていた。

 

「それで沙夜、貴女は何がしたいの?」

 

「私は誰かの助けになりたいと思ってます。それは私達だけじゃなくて水波ちゃんや葉山さん、白川さん達全員いや今いる魔法師全員の助けになりたいって思ってます」

 

「そう、それなら明日からの予定は白紙にしておきなさい。ここ最近新ソ連の動きが奇妙だから貴女の言った通りになるかもしれないわ」

 

「やはり動いてましたか……」

 

「ええ、モスクワにある『イグナイター』が関わっている研究所付近に不審な車両が来ましたからおそらくそれだけ大がかりな魔法と考えていいでしょう。だからもし貴女の言ったことを忠実に守りたいなら予定は白紙にしておきなさい」

 

「分かりました。ありがとうございますお母様」

 

「いいのよ。貴女の身分も前とは違って動きやすいだろうしね。それに前にも言ったでしょう、貴女のやりたいことは気兼ねなくやりなさいって。閣下からも新ソ連には好きにやっていいって言われてるんでしょ」

 

「ご存知でしたか……でしたら好きなようにやらせてもらいます」

 

「ええ、達也さんの方には私からも言っておきますが貴女の方からも一言伝えておきなさい」

 

私はその言葉を最後にお母さんの執務室から出ると一緒に来ていた茉純ちゃんと共に四葉家本邸を後にしてFLTが所有している魔法実験施設を訪れていた。無論魔法の使用実験をするのだが、私の対抗魔法は術式解体や術式凍結といった術式に関与するものではなく魔法そのものに干渉し定義破綻を起こさせる魔法でこれは茉純ちゃんお手製のものであり系統外魔法が得意分野でないと扱えない代物らしい。だからこの魔法が扱えるのは私が知る限りでは私と達也かまだ私が知らない魔法師くらいだろう。そしてテスターの中にも系統外魔法の得意な魔法師だけでは足らず私も参加することになった。結果テストは無事にパスして実用化の目処がたったと言える。それからも沙夜は茉純を初めとしたFLTの研究開発部門のメンバーたちと共に茉純が開発した系統外魔法「ソーサリーエリア・ディストラクション」の練習をしていた。

 

次の日、深雪は達也の別荘へ水波と共にやってきていた。事前に真夜と達也に許可を得ていたため心晴れやかに伊豆に来ていた。しかしそんな深雪とは逆に水波は家を出てから嫌な予感に付き纏わられていてずっと緊張していた。だがこれから行くのは達也がいる別荘でそこにいれば主人である深雪は絶対に安全だと自分にいくら言い聞かせてもその不安は消えなかった。今日深雪と水波は学校だったため伊豆に着いたのは既に夕方になっていた。着くと達也が深雪と水波そして2人を送迎してきた花菱 兵庫を出迎えると深雪と水波を先に屋内に入れると達也は兵庫に話しかけた。

 

「花菱さん、何か聞いていますか?」

 

「いえ、本日は何も。深雪様をお連れしただけです」

 

「何処も動きはないという事ですね」

 

「国内は、ですが」

 

「国外はあると?」

 

「チャンドラセカール博士とシャヒーンの事は達也様もご存知かとは思いますがその反応がUSNA、新ソ連からありません」

 

「かえって不自然だと?」

 

「御意にございます」

 

「分かりました。引き続き情報収集よろしくお願いします」

 

兵庫は会釈すると再び車に乗りこみ元来た道に帰っていった。

 

伊豆の別荘に深雪と水波が着いた頃四葉家の別荘の程近くにある沙夜個人の別荘には3人の姿があった。1人は家主である沙夜、もう1人は彼女の付き人の四海 茉純、最後の1人は四葉家執事序列第2位の花菱だ。何故ここに沙夜、茉純、花菱がいるのかは知っての通りつい最近真夜から言われた通りのことを終えてから立川にある自宅から伊豆近郊にある別荘へ行こうとしていた所に花菱が来たのが始まりだ。花菱は四葉家の中で荒事面の手配を行っており今回は真夜から沙夜のお目付け役として遣われていた。花菱は移動中沙夜から「ソーサリーエリア・ディストラクション」の説明を受けていた。

 

「さてと、これで準備万端だね。後は『イグナイター』がどう出てくるかか」

 

「沙夜様、これから如何なさいますか」

 

「うーん、とりあえず津久葉さん所に挨拶しておかなきゃね。私達が近くにいることを教えておかなきゃ何かあった時大変でしょ?」

 

それから沙夜と茉純、花菱の3人は津久葉 夕歌が滞在している家屋を訪ねた。最初は驚かれたが事情を説明し一緒に夕食を共にしながら親睦を深めていった。その後沙夜、茉純、花菱は別荘へと戻るとそれからは各々自由に過ごしていた。沙夜と茉純はおそらくここ数日に来るであろう襲撃に備えCADの最終確認等を行っていた。花菱は普段四葉本家から外に出ることは多くあるものの一族の私用施設に訪れるのは初めてであり最初こそぎこちなかったものの今は沙夜に対して出来ることをしようと執事らしくしていた。そして日付けが変わり数時間経った頃沙夜は上空で魔法式が複写し1度目の敵の攻撃を達也が分解で無効化しその後タイムラグを置いて投射される瞬間沙夜は「ソーサリーエリア・ディストラクション」を発動した。分解魔法「ソーサリーエリア・ディストラクション」、これは系統外魔法に分類され茉純…ミセス・kaguyaお手製の魔法であり現代において最高難易度として分類されている分解魔法の1種として開発された魔法だ。性質的には「術式解散」や「雲散霧消」と似ているが必要サイオン量は従来の4分の1にコンパクト化されている。サイオン量が少ない沙夜にとってはまさにうってつけの対抗魔法だった。無事に「ソーサリーエリア・ディストラクション」は所定の効果を発揮した。そして次の瞬間沙夜は自身固有の魔法である「リベラル・フリーダム」を繰り出した。この魔法は過去に沙夜が1度でも実際に見たことがある魔法を沙夜の魔法力に準じて発動することが出来る魔法だ。記憶領域にイメージ記憶として記録されている魔法を記憶領域から起動式を呼び起こし展開、読み込み時間を省略する四葉家の秘術「フラッシュ・キャスト」を活用し四葉家の調整体魔法師「桜」シリーズの障壁魔法を展開した。

 

ベゾブラゾフは第1、第2の連続照射を防がれることは想定内でありその次の第3の照射に自信をのぞかせていた。だがその第3の照射は当該地域において何一つの損壊を出さずにそこには佇んでいた。このことにベゾブラゾフは驚愕していた。この伊豆の別荘には日本の非公開戦略級魔法師司波 達也が婚約者と共に滞在しその建物の中にはその2人と従者と思わしき1人がいるのはわかっていた。それでも十文字 克人がこの地にいるということはベゾブラゾフでも知り得ていなかった。ただ十文字 克人はこの地にはいなくてベゾブラゾフのトゥマーン・ボンバを防いだのが沙夜だということをベゾブラゾフは知ることは無かった。

 

達也と深雪、水波は今この状況下で起こっていることについて理解が追いついていなかった。1度目の攻撃は他でもない達也が防いだが2度目、3度目は3人ではない誰かが防いだという事実に誰がやったのかということについてまるで理解が出来ていなかった。

 

「達也様……一体どういうことでしょう?」

 

「分からない…2度目は兎も角3度目の魔法は水波の障壁魔法をグレードアップした魔法に感じた。ただでさえ水波の障壁魔法は対物理に関しては十文字先輩並かそれ以上の物だ。それ以上となると並の才能では……あれは風間中佐か?」

 

「風間少佐がお越しになられているのですか?」

 

「あぁ、どうやら夕歌さんに炙りだされたらしい。少し様子を見てくる。深雪は水波とピクシーと一緒にいてくれ」

 

「かしこまりました、達也様」

 

その頃、風間 玄信は目の前に表れた4人の女性に困惑していた。目の前に表れたのは師族会議四葉家代表代理 四葉 沙夜とその従者四海 茉純、四葉家を本家と仰ぐ津久葉 夕歌とその従者の4人だった。

 

「お初にお目にかかります、風間中佐。師族会議四葉家代表代理の四葉 沙夜と申します」

 

「こちらこそ初めまして、国防陸軍中佐風間 玄信です」

 

「先程の夕歌さんとの会話を聞いていて思ったのですが確かに形式だけでこちらとしても納得は出来ません。国防軍にもメンツがあるでしょうからお答えしづらいとは思いますがどうして此処にいるのでしょう?この地域は四葉家及び私個人の私有地であり私達に許可無く国防軍の装甲車を走られるのはどうも気分が悪いですね」

 

「…………」

 

「黙りですか……それでは仕方ありません。此方も国防軍に対して四葉家及び四葉 沙夜個人から申し立てを行わせていただきます」

 

「待ってください。どうして軍はトゥマーン・ボンバによる攻撃を予期していたのでしょう」

 

「達也……」

「…………」

「……達也さん……」

 





如何でしたでしょうか?今回の話で沙夜自身の魔法を出しました。少しずつ原作から乖離してますが書いてる内に光宣をどうしようと思い始めました。

今回もご読了ありがとうございました。お気に入り登録、感想、評価よろしくお願いします。
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