戦の鉄則   作:並木佑輔

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第14話 真の怪物

魔都東京の旧市街地にて、数多の妖怪・鬼・吸血鬼達が見守る中、大妖怪・我道と"妖怪殺し“怪童の死闘が火蓋を切った。

 

我道という男は、大妖怪でありながら今のこの妖怪社会を率先している『羅刹一座』のような組織には一切属さず、己の気の向くままに戦いを愉しむ純粋な戦争狂である。

 

まず最初に、我道は圧倒的な妖気を放出しながら妖怪という種族としての純粋な力で人間である怪童を圧倒しようとする。

 

数多の妖怪達がその強大すぎる妖気に吹っ飛ばされる中、怪童は表情一つ変えずに人の身でありながら我道との力比べに互角以上に渡り合う。

 

『ほお…人間の分際で大妖怪であるこの俺と互角に渡り合うか…面白い!!』

 

怪童をただならぬ強者と見た我道は、自分以外の他の妖怪・鬼・吸血鬼達の妖気を束ね始めた。

 

すると、妖怪達はまるで硫酸でもかけられたかのようにドロドロに溶けてしまい、我道にどんどん吸収されてしまう。

 

そして我道は、妖怪達の妖気を収束させ、都市一つを消し去るほどのとてつもなく強大な粒子砲を怪童に向けて発射した。

 

だがそれを怪童は、自身の右手で我道が放った強大な粒子砲を削り取って攻撃を無効化させた。

 

怪童の能力に驚愕するも、我道は彼の能力のカラクリを見出した。

 

『そうか分かったぞ…お前のその右手、最初に触れた対象を完全に無力化させて空間ごと削り取っているんだな。

だから、本来再生能力を持つ吸血鬼が再生出来ないまま息絶えてしまうんだ…

違うか?おい。』

 

怪童の能力を看破した我道は、削り取れないほどの圧倒的な物量の粒子の弾幕を作り出し、怪童を完全にこの世から消し去ろうとした。

 

『終わりだな!楽しかったぜ"妖怪殺し“!!』

 

今度こそ決着が着いたかと思われたその時、怪童はさっき右手で削り取った粒子砲を左手で放出し、圧倒的な物量の粒子の弾幕を完全に消した。

 

『マジかよ…てめえ本当に人間かよ…!

ますます面白くなってきたぜ!!戦争時代でもてめえほどの強さを持つ男はそうはいなかったぜ!!

人の身でありながら、大妖怪であるこの俺と互角以上に渡り合えるその能力と膂力!!

てめえ相手なら、思う存分全力を出せるってもんだ!!!!』

 

怪童を気に入った我道は、遂に本気を出し最大火力の粒子砲で完全に消滅させようとするが、怪童は粒子砲諸共我道を無力化させて胴体を空間ごと削り取った。

 

怪童は上半身だけになった我道を見下ろし、こう言い放った。

 

『どんな気分だ…?

人間如きに見下されるのは』

 

『嗚呼…最…悪の…気分…だ……

この俺が……人間如きに敗れるとは……

だが…てめえに…負けるのは…案外悪い気がしねえ……。』

 

その後、我道は怪童の手によって跡形もなく削り取られた。

 

大妖怪の一人が、"妖怪殺し“の魔の手によって殺害されたという事実が、この妖怪社会を更に混沌の渦へと陥る事態となってしまった。

 

そして、"妖怪殺し“の登場により、今まで妖怪達に虐げられてきた弱き人々が社会に反旗を翻す事態へと変貌し、事態は悪化の一途を辿る。

 

童の皮を被った怪物は逃げも隠れもせず、独りただ前へ進み続ける。

 

己の正義と信念を貫き通し、妖怪を一人残らず殺し尽くすまで…

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