人志・樹・愛菜・凍哉の四人は、十日間の鍛錬を経て陽菜奪還の為に、遂に妖魔帝国本部に乗り込んだ。
凍哉は、自身の千里眼で陽菜が捕われている本部の実験室内部を特定し、それを人志達に教えた。
『本部の実験室内部、そこに陽菜はいる…。』
『よし!そうと決まれば、このまま直行だ!!』
『はい!』
『おう!』
人志達は、陽菜のいる実験室内部に突き進むが、四人の前に新たな敵が立ちはだかる。
羅刹一座の大妖怪のヒノマルの右腕イバラギ、オニタケの右腕アスラ、ミコモの右腕クロコ、オロチの右腕ホヤウが、人志達を排除すべく目の前に現れた。
『こいつら…大妖怪達の右腕か。』
『ここから先は一歩も通さん…』
『上等だ!力尽くで押し倒させてもらうよ!!』
戦いは、人志対アスラ、樹対クロコ、愛菜対イバラギ、凍哉対ホヤウの構図で始まった。
アスラは、自身の能力で超高密度のエネルギーを剣に纏わせて、人志に襲い掛かる。
クロコは、自身のその妖美な貌で樹を骨抜きにしようと魅了する。
イバラギは、自身の能力で大地震を引き起こし、愛菜に身動き一つ取らせずに一方的に攻める。
ホヤウは、自身の触れれば即死する超猛毒の牙で凍哉を本気で殺しにいった。
大妖怪の右腕としての強さを誇示するイバラギ達。
だが、人志達もこのままやられっぱなしではいかず、各々反撃を開始した。
人志は、アスラの持つ剣に纏っている超高密度のエネルギーを逆に操り、アスラに強烈なカウンターを喰らわせ倒した。
樹は、クロコに魅了されないように自身の血で木のナイフを作り出し、手に刺して痛みで魅了を克服し、その後大量の大木を作り出して放出して倒した。
愛菜は、自身の身体能力の全てを倍以上に強化させて地面を強く踏み込んで高く跳躍し、陽の光を利用して目眩しをし、超強力な一撃を喰らわせて倒した。
凍哉は、相手の牙を瞬時に凍結、その猛毒の機能を完全に停止させて瞬殺した。
大妖怪の右腕達を倒した四人は、自分達の成長をしかと実感した。
『大妖怪の右腕達を倒した…僕達の力で…
この調子なら…!!』
『ああ…だが、まだ油断しちゃいけない…
大妖怪達がまだ控えてるからな…。』
右腕達との戦いを制した人志達は、このまま先に進もうとした。
だが、突如凍哉の背後に敵が現れ、凍哉は背中を刺されてしまった。
『凍哉!!』
『この者は、私の手で始末させてもらう…
邪魔は許さんぞ…。』
男は、自分と一緒に凍哉を別空間に転移させて人志達の前から姿を消してしまった。
『あの野郎…あたし達の隙を突いて、あの凍哉を一瞬で…!!』
『ああ…どうしよう… 凍哉さんが…』
『落ち着け樹!奴は凍哉と一緒に何処か別の所に行った…
あいつなら大丈夫だ…あんな奴にやられはしない
このまま先に進もう。』
三人は、凍哉の無事を祈りながら先に進んだ。
が、しばらく進むと何やら血生臭さと死臭が辺りに蔓延っていた。
『うっ!な…何だよこの臭い…!?』
『血の臭い…!?』
人志は、辺りに敵がいないかどうか自身の生命エネルギーで探知した。
しばらく先に敵ではなく人の生命エネルギーを探知したが、人志はそのエネルギーに強烈な覚えがあり、その人がいる場所に走っていった。
『ちょっ!?人志さん!?何処に行くんですか!!?』
『人志!!』
二人は走る人志の後を追った。
人志達は、そのエネルギーを発している人の元に辿り着いた。
辿り着いた先には、数え切れないほどの妖怪・鬼・吸血鬼達の屍の山が無惨にも積もられていた。
その妖怪達の屍の山に、一人の人間が立ち尽くしていた。
その人物は、人志のかつての戦友であり、"妖怪殺し“という悪名を妖怪社会に轟かせている男…怪童であった。
『怪童ォォ!!!!』
戦友の名を見上げながら叫ぶ人志に対して、怪童は屍の山からただ見下ろしていた。
『よう…四年ぶりだな
人志…。』