「え…!?今、''怪童“って言いましたか!?」
「そうだ。俺達は、その''怪童“という男を探している。」
「よ…妖怪殺しが、あの怪童だという事は…それを知ってて探している貴方達は…''あの施設“の襲撃事件の生存者という事ですか!?」
「……そうです……。」
「な…何だと…!?」
隻腕の霊能力者の少年・人志と、その傍らにいる陽菜、そして妖怪殺しの怪童は、戦災孤児で、過去に樹の言っていたその施設で共に暮らしていた。
その施設の名は『カモミール』。
かつて、人間と妖怪の全面戦争の真っ只中である高名な1人の霊能力者の女性が戦争によって家族を失くした子供達を助け、この過酷な世界を生き抜く為の術を教える為に設立された施設。
カモミールの花言葉は、逆境に耐える。苦難の中の力を意味する。
だがある日、突如妖怪達に『カモミール』を襲撃され共に学び暮らしてきた仲間達と、施設の設立者であるその霊能力者の女性は殺され生き残ったのは人志、陽菜、そして怪童の僅か3人だけである。
生き残った3人は、それぞれ別の道を辿る事になり怪童はたった1人で妖怪達を1人残らず殺し尽くす事を誓い、人志と陽菜に別れを告げ、人志は陽菜を守りながら妖怪社会と戦い、そして怪童を救う為に戦う事を強く胸に誓った。
衝撃の事実を突き付けられた捜査メンバー達。
そこに突如として高名な妖怪と思わしき1人の妖怪が現れた。
「なるほど。そういう事だったのですか。」
「あ…貴方は…」
「ザ…ザクロ様!?」
「!!?」
「捜査メンバーの皆さんお勤めご苦労様です。羅刹一座の1人、バサラ様の右腕のザクロでございます。」
「お前は…あの時の…!!」
「人志さんに陽菜さん…でしたね。よく今日まで生き残ったものですね。貴方達のような弱者が…ククク。」
羅刹一座の大妖怪の1人であるバサラと、その右腕のザクロ。
上記の2人が、『カモミール』を襲撃した張本人である。
「あの時は最高に面白かったですよ。特にあの女は万全の状態ではないのにも関わらず、あの施設の子供達を守りながら私達と互角に渡り合えたのですから…。まあ、それでも所詮は人間でしたがね…ククク。」
それを聞いた人志は、自分達孤児の先生で恩人であるその女性(ひと)を目の前で侮辱され、激怒した。
「……俺達の目の前で……俺達に生き抜く術と希望を教えてくれた……茜先生を…侮辱するな!!!!」
怒りに震える人志。それを見て心配する陽菜。
「…人志…。」
「この妖怪社会において、弱者である人間共は、所詮私達の腹を満たす為の餌に過ぎないのですよ。」
嘲笑うザクロ。更に怒りに燃える人志。
「ザクロオォォォォ!!!!」
怒りを爆発させた人志は、自身の極限まで高めた生命エネルギーを放出し、身に纏い、ザクロに突っ込んで行った。
「…愚か…。」
しかし、ザクロは何らかの特殊能力で人志を沈めて、蹴り飛ばした。
「貴方程度の力ではこの私には及びませんよ…。重力を自在に操作するこの私の能力にはね…。ククク。」