「人志!!」
ザクロの重力の能力で地面に沈められ、蹴り飛ばされた人志を助けようとする陽菜。
「おっと!」
しかし、それを阻み、陽菜の身柄を拘束するザクロ。
「…クソ…!!…陽菜…!!」
「これ以上抵抗すると、この小娘の命は保証しませんよ…。それに、この小娘には何やらとてつもない能力を秘めているとバサラ様から聞かされているのでね…。」
「な…何だと…!?」
陽菜について何かを知っているような口ぶりで話すザクロ。
「でもまあ、どの道処分する事に変わりはないんですけどね…。」
そう言い放ったザクロは、陽菜の首を絞め首の骨を折ろうと画策していた。
「が…あ…ぁ…」
「や…やめろザクロオォォォ!!!!」
「さようなら…ククク。」
だがそこに、今陽菜を殺そうとするザクロに巨大な大木が一斉に襲い掛かった。
樹が自身の霊能力で、ザクロに殺されかけている陽菜を救ったのである。
「い…樹!!てめえ何て事を…!!」
「自分が何やってんのか分かってんのか!!!!」
「……何のつもりですか…?そこの霊能力者の少年。返答次第では唯では済ましませんよ…。」
「僕達の仕事は、妖怪殺しを見つけ出し、捕獲する事です…。その人達は今回の事件とは無関係だ…。あんたはそんな無関係な人達を巻き込んで、挙げ句の果てに命まで奪おうとしている…。あんたの今の行為は、断じて許されない!!いや、僕が許さない!!!!」
樹はザクロに向かって怒り叫んだ。
「あのガキ…死んだな…。」
「そうですか…。この私に反抗するというのですか…。では…身の程を弁えない愚か者には…この私が直々に死罰を与えましょう。」
自分に反発してきた樹に対して殺意を向けるザクロ。
それを迎え撃たんとする樹。
だが、ザクロの圧倒的な実力を前になす術なくやられてしまう樹。
「やめろ…何故赤の他人であるお前が…俺達の為に自分の命まで張る必要があるんだ…」
「ぐ…はあ…はあ…本当に何ででしょうかねえ…。そこん所は、自分でもよく分かりません…。けれど一つだけ言えるのは、"自分にとって大切なものを奪われたり、傷付けさせない為に、死ぬ気で戦って守り通す“という点においては、貴方だけじゃなく、他の人達にも共通するのではないんでしょうか…?
貴方には…彼女を守る為に、そしてかつての親友を救う為に…己の生命を燃やして、戦おうとしている強い信念と決意を感じた…。だから、貴方のそんな姿を見て、僕はその…何ていうか…放っておけなかったんです…。」
「……。」
「お喋りはもう済みましたか…?では、3人仲良くあの世にお逝きなさい。」
ザクロは、人志達に向かって強力な重力のエネルギー弾を放った。
命中すれば、強大な重力によって跡形もなく押し潰される。
絶体絶命の危機に、人志は己の生命エネルギーを限界以上に高め放出し、ザクロの放った重力エネルギー弾をかき消した。
「何!?この私の重力エネルギー弾をかき消しただと!?」
その後、人志はザクロによって傷付けられた陽菜と樹に自身の生命エネルギーを分け与え、全快に回復させた。
「陽菜…、樹…、立てるか…?」
「…人志さん…。」
「人志…ごめんなさい…。私なんかの為に…。」
「俺の事は気にするな…。お前の事は…俺が最期まで守り通すと…あの日…全てを奪われたあの時から誓ったんだ…。
そして…必ずあいつをこの手で救い出すと…。」
そう言い放った人志は、今一度己の拳を強く握り締め…そして、強靭な信念と決意の眼差しを眼前の敵に向けた。
「行くぞザクロ…。ここからが…本当の戦だ…!!」
「ほ…ほざけ…!!人間め…!!」