ダンガンロンパ - Replicant-   作:脳の燻製

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PROLOGUE/2「才宝学園より」

 

???

「………………………」

 

???

「……………あ…れ」

 

=保健室

???

(目覚めた僕の視界に広がったのは……)

(知らない部屋の天井、そしてベッドの上に横たわる自分の姿だった)

 

???

「…………ここは?」

(見たところ、保健室っぽいな。……かなり異様な雰囲気だけど)

(ここは一体? どうして、こんな所に……

 

???

「うッ………!?」

 

(何かを思い出そうとした瞬間、僕の頭を激痛が走り抜けていった)

 

???

「な、なんだ? 急に頭が……」

 

(最悪の気分だ、頭の中がヒリヒリ痛む。まるで、ひどい火傷みたいだ)

 

???

(とにかく落ち着いて、何か手がかりになる物を探すんだ)

「ん? なんだコレ?」

 

=電子生徒手帳

 

???

(スマホ型の携帯電話に見えけど、僕の物なのか?)

「……電源を入れてみるか」

 

=画面に才宝学園のロゴが表示される

 

???

「これは、才宝学園の校章? どうして、僕の持ち物に才宝学園の電子生徒手帳が…?」

「江戸川……これが持ち主の名前か。どこかで聞いた事があるような……」

 

???

「……………違う」

 

江戸川

江戸川敬慎。僕の……名前だ」

(僕は才宝学園の入学式に向かうために、学園へ向かっていた。そして………)

(……あれ、どうなったんだ?)

 

(頭の中を全てひっくり返して、どうにか原因になりそうな物を思い出そうとした)

(だが、それどころか……)

(家族、友達、ここに来るまでの事…。あるはずの記憶が全て……)

 

江戸川

「思い…出せない……!?」

 

記憶があった事は覚えているのに、それがどんな内容だったのかが思い出せない。

そんな事、あり得るのか?

 

 

_ガラガラガラ

 

江戸川

「うわぁッ!?」

 

(突然開いた扉に驚いて、僕は思わず声をあげた)

 

???

「おっと、すまない。驚かせるつもりはなかったんだ。どうか許してくれ」

「俺は恩田礼六超高校級の催眠術師と呼ばれている者だ」

 

 

【 恩田・礼六 / オンダ・レイロク 】

【 超高校級の催眠術師 】

 

 

江戸川

超高校級!? この人がそうなのか…)

(そう言われてみると、僕なんかとは全く違う世界のオーラが出てるような……)

 

恩田

「さっきは、急に倒れたから驚いたよ」

「どうかな? 少しは気分が優れたかい?」

 

江戸川

(倒れる? なんの話をしてるんだ?)

(……いや待てよ)

(もしかすると、僕は学園に入った途端、気を失ったのか?)

(記憶が抜けていたのも、そのせいかもしれない)

(……かなりぶっ飛んでるとは思うけど、あの才宝学園の入学式だからな。緊張しすぎたって可能性もあるし……)

(と、すると、この先輩っぽい恩田さんが保健室まで運んでくれたのか)

 

江戸川

「あの、恩田さん」

 

恩田

「おいおい、同じ新入生だろ? さん付けは堅苦しくていけない。恩田くんとでも呼んでくれ」

「もっとも、君の好きなように呼んで構わないが」

 

江戸川

「じ、じゃあ、恩田くん……。ここまで運んでくれたのは、貴方ですか?」

 

恩田

「ああ、そうだよ。急にぶっ倒れたものだから驚いたよ」

 

(そう言って、恩田さんは明るく笑った)

 

江戸川

(笑ってくれてはいるけど、申し訳ないな…)

「……すいません。迷惑かけて」

 

恩田

「気にする事はないよ。……なにせこんな非常事態なんだからね」

 

江戸川

「え? 非常事態……?」

 

(恩田さんの表情は相変わらず笑っていた。だが、目には険しい色が混じっている)

 

恩田

「混乱しているのは君だけじゃないさ。記憶が抜けているのは俺も同じなんだからね」

 

江戸川

「えっ? どうして、その事を?」

 

恩田

「ただの憶測さ。その様子だと正解みたいだね。……最悪な状況には変わりないが」

「俺は気がつくと、隣の教室で気を失っていたんだ」

「学園の前に立ったところまでは覚えているんだが、それ以降の記憶が一切ない。もちろん、なぜ教室で眠っていたのかも」

「とにかく、人を探そうと廊下に出た時、そこに立っている君を見かけたんだ」

「どこかで見た顔だったし、声をかけようとしたら、君がぶっ倒れちまってね」

「あとは、さっき説明した通り。そういう、いきさつさ」

 

江戸川

(なんか、尻の座りが悪くなる話だな……。いや、それより!)

(同じ場所にいる2人が同時に記憶喪失? そんな事があり得るのか?)

(………………)

(いや、まさか、ありえない。超高校級の絶望はもういないんだ)

 

ありえないばかりで疲れた僕の口から出たのは、思いの外冷静な口ぶりだった。

 

江戸川

「僕と恩田くんだと、覚えている記憶の範囲が違うみたいですね」

 

恩田

「君はどこまでを覚えているんだい?」

 

江戸川

「僕は……家族の事も、どんな家に住んでいたのかも思い出せなくて。自分の名前も、ついさっき思い出したんです」

「才宝学園に入学した事は覚えているんですが、どうやって向かったかも……」

 

恩田

「そりゃあキツイな」

「心配だとは思うが、人間がそう易々と全ての記憶を失うものじゃあない」

「きっと、名前を思い出した時のように、案外簡単なヒントで全て思い出すはずだよ。不安に感じる事はないぜ」

 

江戸川

「……そうですね」

(恩田さんも記憶を失っているのに、優しいな)

(もしかして、これが超高校級!?)

 

恩田

「失った記憶には、少し心当たりがあってね。君だけじゃなくて、俺のでもあるんだが」

 

江戸川

「心当たりですか?」

 

恩田

「少し廊下に出ようか。その方が理解が早いだろうしね」

 

江戸川

「は、はい……」

(廊下に何があるんだ? たしか、僕が倒れていたのも廊下だった)

(……それは、僕が気を失うような物なのか?)

 

 

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