其れではどうぞ
私と錬は何かに慌てていたウィンディアに手を引っ張られて、私達は連れて行かれた場所に到着すると
「素晴らしいわ
羽毛が深いのね
見た目の違いは此れだけ?
骨格は通常の個体とほぼ同じ…人語を発音出来るのは魔法?
それとも鳴管?
内は如何なって居るのかしら…」
何故か痙攣して倒れているフィーロと白衣を着て居る癖のあるプラチナブロンドの長髪に小麦色の肌をしたスタイルの良い長身の美人が倒れているフィーロを触って居た
「な…なんなんだ!?
アンタ!!」
子供達がかなり警戒して居ると
「あぁそうそう
勇者に伝えて頂戴
貴方の魔物とても興味深いわ
ねって」
フィーロを触って居た女性がこっちに振り向いた時に私達に気が付いて
「……」
私と錬を見比べて錬の方を向いて
「貴方が盾の勇者?」
女性の質問に
「いや、俺は剣の勇者だが?」
錬はそう言うと
「へぇ剣の勇者?
そぉ…」
女性は興味がなく引き続きフィーロの身体を調べ始める
錬は無視された事が気に食わなかったのか剣の聖武器を女性に向けて
「怪しい奴め
今すぐそのフィロリアルから…」
錬の警告を遮る様に女性は
「コレ貴方の魔物?」
いきなりの質問に
「は?」
錬は素っ頓狂な声が出てしまう
「此処の魔物は皆盾の勇者の物なんでしょ?」
「確かに魔物の管轄は盾の勇者の尚文だけど」
「なら貴方達はお呼びじゃないわね」
「な…」
女性の身勝手な言い分に
「…私のじゃないけど…
貴方のでもないでしょ…っ
此処の魔物に何の用なの!?」
ウィンディアが思いっ切りくってかかってきた
「なんの用?
決まってるじゃない!
何度も言ってるでしょ」
と言うが
「…ん
いや言って無かったか…」
何かを思い出そうとしたタイミングで
「もしや貴方は…」
エクレールも何か思い出したのか自身の手を錬の手に添えて剣の聖武器の剣先を下げて
「最近メルロマルクに亡命してきた錬金術師殿では
フォーブレイで異端とされて追放されたと聞いたが…」
「正確じゃないわね」
女性が完全に否定しない所エクレールの言っている事は殆ど合っているようで
「つまりやべぇ研究者って事か?」
「尚文…!」
「いつの間に戻って来たの」
私達の後ろに尚文とラフタリアが居た
「今すぐ俺の魔物から離れろ
マッドサイエンティスト」
尚文がそう言うが
「…そう貴方が…」
錬金術師の女性は目的の人物に出合えたようで嬉しそうにしていると
「ふにゅあ…」
先程まで痙攣していたフィーロが
「いにゅああっ」
突然起き上がって
「もういやぁああっ
メルちゃーん!!!」
尚文を無視しながら一目散に逃げだした
「俺は無視かよ…」
「もう切れちゃった
もっと強い薬でも良かったわね」
如何やら
「お前…っ」
尚文が何かを言おうとしたが
「ラト」
「ラトティル=アントレイア
私の専門は魔物の強化及び創造
強い魔物貴方興味ある」
如何やら自己紹介の様だった
「何だって?」
「人々に力を貸し後の世にまで称えられる様な伝説級の魔物…」
「さっきのフィロリアル・クイーンよね」
ラトティルがそう言うが
「正確に言えばフィロリアル・プリンセスと言えばいいのかな
ラトティルが言うフィロリアル・クイーンは別の個体であの子は次期フィロリアル・クイーンになるかもしれない存在だけ」
私が補足する
「あらそうなの!?
でも次期でもフィロリアル・クイーンをこの目で拝めるなんて
まさに伝承の中で語り継がれた存在よ
貴方が育てたのでしょう盾の勇者」
「私も創造したいのフィロリアルの様な種を」
ラトティルは尚文に近づいて
「此処では魔物の研究をさせて頂戴
損はさせないわよ」
ラトティルの提案を
「断る」
尚文は蹴った
「人の魔物に勝手に薬を盛る奴を信用できるか」
尚文は私達の方を向いて
「氷水、錬、エクレール!
こんな奴を自由にさせとくな!
さっさと摘まみ出せ!」
と尚文がそう言うと
「…あら
ホントに?
興味が無いの…?」
「まぁ、尚文は村の開拓目的で魔物を飼育しているだけだから育成は二の次三の次だから…」
此処でも補足すると
「あんな風に魔物の育成が出来るのに?」
ラトティルは私と尚文思いっ切り詰め寄って来て
「どんな風だが知らないが
魔物の創造などは興味が無いっ
それに氷水の言う通り、俺は魔物の育成は二の次三の次で、別段特別に育てるつもりは無いっ
フィーロを卵から育てたがフィーロリアル・クイーンなったのは偶然だ!」
尚文がフィーロがあーなった理由は偶然と言うと
「偶然…?」
ラトティルの研究者としてのスイッチが入ったようで
「偶然生まれるものならばもっと自然発生している筈…
気付いていない要因が何かある筈よ」
独り言を喋り出して
「そもそも卵は何処で手に入れたの?
もっと詳しく…」
ラトティルはグイグイと尚文に近づいた
「はぁ!?」
「フィーロやその他の魔物の卵は確かメルロマルクの王都の路地裏にある奴隷商から買って、魔物の育成補正がある盾を持って居ると思うけど…」
私がそう言うと
「お、おい氷水
余計…」
尚文がそう言うがもう遅く
「そんな盾があるの!?
其れを見せなさい!!」
ラトティルは尚文は胸倉をつかみながらさらに詰め掛かる
「おいいい加減に…」
「尚文さまっ」
一足即発になりそうな瞬間
バキンッ
何か大きな物が木をへし折る様な音が響いて全員が音をした方向を向く
バキ バキンッ
更に音が鳴り
「なんだ?
何の音…」
私達が疑問に思って居ると
「あっ…」
「ウィンディア…何か思い当たる節があるの?」
私が質問してウィンディアが答えるよりも先に木が倒れて、倒した木犯人は
「キャタピランド…」
私達が飼っている魔物、キャタピランドなのだが
「でっかいっ!!!」
尚文の叫び声の通りにでっかいっ私達が飼っているキャタピラランドよりも二倍、三倍位デカいのだ
「いつの間にあんなデカく…
っていうか三匹
朝は二匹だった筈…」
確かに私達が飼っているキャタピラランドは二匹で三匹目は私達は把握して居ない
「おい魔物担当あいつは…」
魔物担当であるウィンディア達を問い詰める
魔物担当、特に当の本人であるウィンディアは
「なんでもないっ」
巨大なキャタピラランドを庇う様に立っており
「な…なんでもない…っ
何でもないったら…」
ウィンディアはそう言って巨大なキャタピラランドが動くたびに
「だっだめ
出て来て来ちゃダメ」
ウィンディアも動くが巨体故に全然隠し消えずに
「見ないで~」
「明らかに何でもなくないだろ…」
「全然隠しきれていないね」
「アレなんか既視感…?」
取り敢えず私達は移動して
「戻してきなさい」
尚文は野良犬や野良猫を拾って来た子供達に親が言うようなセリフを言う
「ウチのは魔物紋の制約で成長を抑制してるんだぞ
知っているだろう?」
「にっ兄ちゃんっ
あのなぁコイツは…」
「お前等は黙ってろ
「罰ですわっ
こういう時はキツイ罰を…」
「お前も黙ってろアトラ」
尚文達がごちゃごちゃしている間に私とラトティルは件の巨大なキャタピラランドを見て
「ラトティル、この子は…」
「…えぇ、間違いないわ」
「この子野性じゃないわよ」
「だから野性に返せない!」
と言う
「だぁぁどいつもコイツもっっ
お前はさっさと出てい――」
と言いかけたタイミングで私とラトティルの言葉の意味を理解して
「は?」
「人慣れもしているし野性にして小綺麗だし…」
「其れに魔物紋も見つけた」
「だからこの子は恐らく貴方の魔物よ」
私とラトティルの言葉を聞いた尚文は直ぐにステータスで魔物の把握をして
「…どぉして俺の知らない魔物が俺の所有物として登録されてんだ!?」
動揺して居る尚文の側で
「それはその…」
子供達がたじろぐをして居ると
「!」
尚文は子供達を睨んで
「ひぃっ」
子供達は怯んだ
「どうせ尚文の血が入った魔物紋の原液を手に入れて其れを魔物の卵に付与したんでしょ」
「…そんな事が出来る奴は…」
尚文も私も心当たりがある人物が思い付いた時に
「要らないなら私が引き取るわよ」
ラトティルが引き取る宣言をする
引き取る目的は
「蒼青の勇者が言っていた盾の勇者が持って居る魔物の育成補正がある盾の成長補正が掛かった子だもの
興味深い変化があるかも」
やっぱり研究目的の様だ
「いっそ解剖してみるのも…」
「だっ
ダメ~ッ
殺さないでぇえ~」
「谷っぽい事言うのやめろ」
「尚文も思って居たのか」
「谷っぽい事…?」
「私達の世界の物語の話
まぁ私達は其々異なる世界から来ているからタイトルは伏せておくわ」
その後尚文は子供達に他に魔物の卵を隠して居ないか問い詰めると子供達はある建物に行きその建物の床を外すと
「まだこんなにあるのか…!?」
其処には床下びっしりに木箱に入っていた魔物の卵があった
「知ってたか?
氷水、ラフタリア」
「すいません
まさかこんな所に…」
「まぁ、私は狩りの同行した事が無いからこんな事になって居るのは初めて知った」
「コレ全部キャタピラランドか?」
尚文が質問するとウィンディアは
「…わからない」
「わかんないって…!」
「色んな所から卵集めて来たから…」
「勝手に孵化したらどうするつもりだったんだ!?」
「そうだよ
だからさ主を盾の勇者様にしといたほうがいいって…
奴隷商のおじさんが…」
私は思って居た通りの今回の黒幕の正体が当たっており
「あいつめ…
余計な事を吹き込みやがって…」
尚文もあの奴隷商の商人の商売の算段に付いて悪態をついていた
「此処の卵もお小遣いがたまったら登録を頼むつもりだったんだ」
子供達の説明を聞いている側で他の子供達が魔物の卵を出していると
「なっなにするの!?」
ウィンディアの驚きの声が聞こえて私達は声がした方向を見ると
「勝手にさわらない――…」
「ねぇ
この卵も拾って来たの?」
ラトティルの手元にあるのは他の魔物の卵よりも一回り二回りも大きい卵があり入れ物も宝箱の様な入れ物に入っていた
其れを見たエクレールは
「あっ」
何か思い出した様で
「すまない
別件で私から預けた卵だ
イワタニ殿に報告すべき事が…」
エクレールは直ぐに建物を出て私達は付いて行き倉庫に到着して倉庫の戸を開けると
「全てイワタニ殿の留守中に見つかったんだ
薬草や鉱石、武器や防具まである
あの卵も此処に入っていた」
ラフタリアは荷物の上に置いてあった紙を取って
「盾の勇者様へ
恵まれない奴隷達にプレゼントして下さい
差出人は…不明ですか」
「寄付と言うにはいささか高価な物が多くてな
恐らく盾の勇者を神と崇める人々による物だろう
シルトヴェルトやシルドフリーデン辺りの…」
「…俺へのご機嫌取りか
面倒な物を…」
「手を付けるかは相談してからと思ったが
卵は流石に其のまま不味いだろうと魔物に詳しい子に預けていたんだ」
「其れがウィンディアちゃんと言う事」
「ふぅん
で?
ラトティルと言ったか
お前の反応だと厄介な物なんだろうな?
何の卵なんだ?」
「そうね…この卵を此処で割ってもいいなら教えるわ」
ラトティルがそう言うと
「なっ
ダメっ
返してっ」
ウィンディアが過剰に反応する一方で
「貴方の答えは?
盾の勇者」
尚文の答えは
「なら返してもらおう
お前が教えなくても孵化すれば分かる事だ」
「受け取るんですか
寄付を」
「返す奴も分からんのだしな」
「其れに全て尚文当てだからね」
「…まあそうなるか」
「なら
私に此処で魔物の研究をさせるべきよ」
「お前もしつこいな」
ラトティルの提案に
「イヤ!!
この人魔物に優しくな――…」
相変わらずウィンディアが反対する事にウザく感じた尚文が
「五月蠅い谷子!」
「谷子!?」
「また変なアダ名を…」
変なアダ名を付ける始末
「私は此処へ置いた方が良いと思うわよ
この卵を孵化させるなら…ね
私は専門家よ
魔物の卵の鑑定も出来るし適切な魔物紋も施せる
しかもタダでやってあげるわ」
ラトティルのプレゼンで
「ゔ」
タダの部分で心が揺れ始めた尚文
「でないと後悔する
この卵一つの為に此処一帯の生態系を簡単に狂うわ」
専門家であるラトティルのプレゼン=忠告に対して
「ウソだよ
そんな事しない
ドラゴンはそんな事しないよっ」
「谷子!!」
ウィンディアはラトティルが持っていた卵を奪って逃げるように去って行った
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