冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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この話は『大人ピーシェが頑張る話。合同コラボ』の冥次元側のエピローグであり、本編の続きです。
何?コラボは本編と関わらないって言った、だって?
ありゃ嘘だ。

プリテンダーってことで許して♡

ということで
『大人ピーシェが頑張る話。合同コラボ』のページです
https://syosetu.org/novel/264627/






帰ってきて、分かるもの

ゲートを潜り抜けるとそこは自分の知る場所。

おっちゃん達がいる研究所の前だった。

帰ってきた。

あの時、何故か分からないけど自分と一誠も巻き込まれたあの日。

自分達は確かに別の次元にいて、絆を紡いで…帰ってきたんだ。

体の重さ、気だるさが消えて、飛び回れるほどの力が湧いてくる。

 

同時に寂しさが込み上げる。

だってまた会える、なんて分からない。

またね、とは言ったけど会えるのかな。

 

「…ううん、繋がりは確かにあるよね」

 

空を見る。

落ちてきたあの空と同じで、繋がっているのかなと想える青空。

偶然なのかな、と再会できた友達を見て思った。

でも必然だと思えるように今はなっている。

 

「ただいま、私の戦う世界」

 

言葉とは裏腹に自分の表情は晴れ渡ったような笑顔でそう言う。

あの時、あの場所で、あの人達と過ごした日々は確かによかったと思える日々だったんだから。

自分に甘えてきて、懐いてくれた男の子から貰った自分を模したぬいぐるみを抱き締める。

ああ、温かい。

想いが籠ってる。大好きだって想いが、伝わってくる。

あの子は帰った後、大丈夫だろうか。

男の子だからって、あの子は子供で。自分はまだ少し気掛かりになってることに気付く。

 

『うん! 僕も頑張るからそしたらまた会えるかな?お姉ちゃんや一誠兄さんとも』

 

自信満々にそう言って、楽しそうな顔でそう言った後に再会を誓った。指切りげんまんしたし、何より…自慢したくなるくらいのお姉ちゃんになるって言ったもんね。

再会するその時まで、自分は挫けていられない。

これから始まる戦いに、自分は心を折られるなんてあっちゃいけない。

 

だって自分みたいに記憶が無いのに頑張ってる子だっているんだから。月のような女の子と、女神の複製体を名乗る女の子。

…あーあ、やっぱり一回記憶喪失ユニット組んでみるんだった。

また会えるかな、会いたいな。

 

…顔向け出来るくらい頑張ったら、会えるよね。

 

「よーし、そうと決まれば邪龍倒して──」

 

「おーい、俺を忘れないで~」

 

「ねぷぅぅ!?って一誠か」

 

背後から声がして、吃驚して振り向くと一緒にあの次元に落ちた弟がいて。

一誠もまた、あの子から貰ったぬいぐるみと…左手の薬指に、黄色い糸?

 

「一誠、それ…」

 

「…まあ、ほら。俺も頑張る理由が増えたっていうか。

変わったというか、さ」

 

照れ臭そうに頬を指で掻く弟に、大変だなぁ、と思う。

一誠ったら、あーちゃんを振ってピィー子に惚れたんだ。

というか、実ったのかな。

 

「じゃあ、尚更頑張らないとね!」

 

「だな、ちょっと面倒そうだけどなぁ、相手」

 

「邪龍でしょ?へーきへーき!ほら、言うじゃん?

悪の栄えた試し無しって!」

 

「ははは、姉ちゃん、何だか元気だな?」

 

「…まあねぇ。私でも、ちゃんと辛い過去から誰かを救えるって分かったら…ね」

 

「…俺も戦う予約されたもんなぁ」

 

「一誠は再戦の予約もでしょー?」

 

「俺、勝てるかなぁ…というか、まずおかしくねぇ?

俺生身、あっち使役だぜ?」

 

「勝ってるんだから文句言わないの!」

 

ぐったりと項垂れる一誠。全くこの子ったらかっこつけちゃって後の事考えないんだからもー!

それくらいが自分達に合ってるのかも。

さて、研究所の中に入っておっちゃんにでも会おうかな。

 

そう思ってドアの前まで行こうとして、足を止める。

というか、目の前の光景に止めざるを得ない。

自動ドアが開いて、おっちゃんやオカ研の皆、ネプギアや英雄派の皆がやって来る。

 

「『ネプテューヌ/ネプ子/お姉ちゃん/先輩』!!」

 

…いやこれ雪崩れ込んで来るの間違いだね!?

 

「ねぷぅぅぐへぇ!?」

 

「グギュグバァ!?」

 

当然のように自分と一誠は揉みくちゃにされる。

ぬいぐるみ、ぬいぐるみだけは死守!!絶対に死守!!

当然のように雪崩れ込んできた皆の中心で、大変な目に遭う。 

 

「ネプ子ぉ!てめぇまた消えやがってよぉ!」

 

「ネプテューヌ、無事だったのか?それはよかった」

 

「お姉ちゃん、一誠さんも!いなくなってビックリしたんですよ!?」

 

「ねぷっち、猫は寂しかったのよー!」

 

「わーわー!皆、落ち着いて!いっぱい話すから!

ちゃんと今日何があったかを話すから~!」

 

「とりあえず落ち着こうぜ、帰ってきたばっかなんだからさ!」

 

一誠と自分の言葉に一先ず落ち着いてくれたのか、研究所へと入り、皆に何があったかを説明した。

皆思い思いの反応があった。

ポケモン、とか…他の女神、とか…そもそも別次元、とか。

かくいう自分も何だか深い因縁がありそうな気がするマ…マザコングだっけ?その人の事とか考えたりしてたけど。

 

何だかあの人、他人の気がしないよね。会ったこともないのにさ。

まあ、それは一応置いておこう。

 

「それで、そのぬいぐるみは愛月って男の子から貰ったのね」

 

リアスちゃんから訊かれて、うん、と頷く。

今も座りながらぎゅっ、と抱きしめているぬいぐるみに皆似ていると言ってくれて、ヴァーリにいたっては欲しそうにしていた。

けどあげないもんね!これは自分が貰った大切な絆だもん!

一誠も片腕に大切そうに抱えていた。

 

「なーんか、弟ってあんな感じなのかなって思ったよな、姉ちゃん」

 

「私はもう弟も妹もいるけど新ジャンルだったよね。

甘えん坊で可愛かったんだよー?」

 

「あらあら、私達も会ってみたかったですわ」

 

「…ネプテューヌさんがその次元に行きたいのでしたら、一応座標は記録したのですが」

 

「いいよ、行かない」

 

「よろしいので?」

 

いーすんの問いに、頷く。

今は行かない、行けないよ。

自分は何も終わらせてないのに、行けるわけがないから。

だから行くとしても…全部終わった後かな。

あーちゃんは一誠の薬指を見て、何かを察したようにくすりと微笑んでいた。

一誠はあーちゃんの微笑みに気付いたのか、恥ずかしそうに頭を掻いていて、他に気付いた人から訊かれていたけどはぐらかしていた。

 

それから、色々と訊かれては答えて、答えにくいことは適当にはぐらかした。帰ってきたことに落ち着いたのか解散して、皆思い思いに行った。

でも、おっちゃんは残って自分に話しかけてきた。

 

「なあネプ子」

 

「なーに?」

 

「楽しかったか?」

 

「…うん、楽しかった。きっと、ここと同じくらいワイワイやれたと思う。でも、やっぱりここが私の帰る次元だよ。

色んな女神がいて、女神の数だけ考え方も違う。

それが分かっただけで嬉しいんだ」

 

「そういうもんかね。…俺ぁよ、ネプ子が戦いを放棄しても仕方ないって思っちまった。ネプ子もあっただろ?辛さからの解放って奴が」

 

「無いよ」

 

辛さからの解放、だなんて無い。

むしろ帰りたくて仕方なかった。

どうしてこんな時に、なんで今なんだって思って…でも、優しい人達だったから落ち着けて。

元の次元では皆探してる筈だから、帰らないとって思った。

 

「私はここの女神。

どんなにあそこでの日々が楽しくても、一緒にいたいって思われても…私、ここが好きだから。

それに私、皆のシェアがないとダメダメな主人公だからさ」

 

「…目指したいこと、見つけたか?」

 

「それはまだかなぁ…」

 

「大変なもんだな、女神さん」

 

「…おっちゃん、女神って別の次元だと一人じゃないんだって」

 

「らしいな」

 

「女神って人の想いから生まれたんだって」

 

「…ま、偶像崇拝だもんな」

 

「…私って、とことん違うんだね~」

 

「…だな~」

 

複製体を名乗る子を思い出して、それでもやっぱり違うと思う。

あの子は誰かのためにその身全てを捧げられる、そんな女神だと思う。きっと女神って誰かのために動ける子ばかりだろうから。

自分は…誰かのためじゃない、自分のために動く。

自分が見てて嫌な気分になるから、と。

 

人の入ってる自分とは違う女神。

その違いに、ピィー子だけじゃなくて、複製体を名乗るあの子とも…やっぱり違う。

自分は女神であって女神じゃない。

だけど…だけど、自分は人に寄り添える。

あの人の願いを、受け継げる。

 

「なあネプ子。

お前さんは他世界の女神を見て、そんでそれに関わったお前以外の奴らを見てどう思った」

 

「どう…?」

 

「お前さんは悩みに陥りやすいからな。

解していくのが一番なのさ。で、どうだった?」

 

「…」

 

どう、かぁ。

自分以外で…皆、色々あったけど笑ってたよね。

自分がいたからって子もいたかもしれないけど、笑ってた。

 

「…笑顔がね、いっぱいあったんだ」

 

「それはネプ子の好きな笑顔か?」

 

「うん、私の好きな笑顔」

 

「そうかい。

…なら悩むことないだろ」

 

おっちゃんは椅子から立ち上がって、そう言う。

自分はよく分からなくて、首を傾げる。

悩むこと、ないのかな。

 

「お前さんの好きな笑顔があるってことは…ここにもあるってことじゃないのか?」

 

「あ…」

 

「辛気臭い事ばっか考えてんじゃねぇよネプ子。

いいか?面倒なことは全部俺たちに投げろ。お前がやりたいことをやって、そんで成し遂げればいい。俺はお前さんの進む道にチップを賭けたんだからよ」

 

「…うんっ!」

 

「よーしそうと決まったら特訓しろネプ子!」

 

「ねぷぅ!?私帰ってきたばっかりだよ!?というか何日経ったの!?」

 

「おう、一日だ」

 

「時間差ありすぎぃ!?」

 

「まあ喜んどけよ、お前さんが最も危惧していた事にはならなかったんだからよ!次元座標については気になるが…やぶ蛇だろうからな、あんまし調べないでおくわ。イストワールの分野だろうしな」

 

いーすんの分野かぁ…

いーすんに聞いてみようかな。今、中にいるしこっそり…

 

─今はリゼヴィム達の事に思考を割いてください

 

酷いや!!

自分頑張ったのに~…いーすん、さては信じてないな!?

 

─いいえ、信じてますよ。特にピーシェさんや女神の複製体という…イリゼさんでしたか、とても気になります

 

そうなんだ…ま、まあね。

自分と違って二人はちゃんと女神だしね。

いーすんも他の女神は気になっちゃうかぁ。

 

─ええ、はい。シェアというシステム自体はどこも変わらないようですが…ネプテューヌさんとは何が違うのかは気になります

 

いーすん、真面目だなぁ。

帰ってきたねぷ子さんに泣いて喜んでもいいんだよ?

 

─私は毎日ネプテューヌさんに感動してますよ

 

うぇ…そ、そうなの?

うー…じゃあ、もっと感動させられるように頑張るね。

いーすんが胸を張って相棒だって言えるように!

 

─……ネプテューヌさんは、自分に正当な評価をすべきかと

 

…それからいーすんからは声がしなくなる。

真面目だけど、やっぱり寄り添ってくれてるような、気のいい友達のような…そんな感じ。

いつでも、自分にとってはいーすんが相棒だよ。

 

「おっちゃん、取り敢えず特訓付き合ってよ!」

 

「オメーその前に親御さんに連絡しろ馬鹿!」

 

「あいたぁ!?」

 

それもそうだけど、チョップはない。

痛いよ…よくも自分にこの痛みをぉ!と言いたいところだけど心配かけたかもしれないし電話しないと!

それから自分はお父さんとお母さんに流石に次元渡ってたというのはあれだったので研究所で色々とお手伝いついでに勉強会をしていたと伝えた。

 

遠い世界の皆。

頑張るから、どうか見ていてね!

 

 

 

 

 

──

────

──────

 

 

 

 

 

「女神と赤龍帝が戻ってきたぞ」

 

「へえ?いやぁよかった。一日だけ…いや、どうかな?

まあいいか、このままいなくて終わり!ってならないでお爺ちゃんも安心だ。もしそうなったら食い甲斐のある奴は孫くらいだしなぁ」

 

ケラケラと嬉しげに笑ってはチェスの駒を進める。

順調に準備は進んでいく。

次期にやってくる遊び心の戦争。

その日のために着々と準備を進めていく。

 

女神ちゃん、君はあっちで何を見てきたんだい。

茶会を開いて是非とも話を聞きたいところではあるが…その答えは戦いの時に聞こうかなぁ。

悪の親玉がまた赴くなんて興醒めもいいところ。

しかしなんだなぁ…これじゃおちおち眠れないなぁ。

 

何か周りでうろちょろしてる奴がいるし。

さてさて…これの駆除はどうするかなぁ…絶妙な立ち位置だろこいつ。どうしたもんかなぁ…

これ、僕ちゃんが手を出したらそれだけ遅延させてくるだろ?

やり手になったねぇ。

放っておくが吉かな。

 

「で、あれはどう?」 

 

「ユーグリッドはよく働く。あれの馴染みも良くなってきている。どうする?一度試運転でもするか?」

 

「んー…いやぁ、実戦投入でいいでしょ。

曲がりなりにも天才だったんでしょ?なら平気平気、それくらいやれるって」

 

「楽観的だな」

 

「早い話、この戦いは俺と女神ちゃんの対話だからねぇ…他人の扱いなんてどうでもいいのさ。肥溜めにぶちこんでいれば~って思うし、丁重に扱っても良いんじゃない?って思う。それくらいどうでもいいね」

 

「ならば、その聖杯もか?」

 

テーブルの上、チェス盤の隣に置かれている金の杯。

それを指差して彼は言うので、一瞥してから指で撫でる。

 

「んー?ああ…これは『別』だよ。ほら、これってあの子の命みたいなもんでしょ?」

 

 

 

 

 

「ちゃーんと全部使ってあげないとねぇ…嬉しいだろ、救世主様」

 

くつくつと嗤う。

戦いの日はすぐそこに。

異次元の旅は楽しかったかい、お嬢さん。

それは重畳。実りのある日々を過ごしたのなら敵としても嬉しいねぇ。

ほら、どうか見せておくれよ女神ちゃん。

楽しい舞台の幕をブチ上げてやるからさ。

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