冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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お互いの認識確認の時間!つまり、コミュニケーション!

というわけで続きの時間のネプテューヌだよ!

 

二人がプリンを作りに行ってから、皆でゲームしてるけど、これが中々面白い。

どうやら、この次元の自分も腕前はいいと見えるね。

 

「ふっふっふ!ようやくタイマンできるね!もう一人の私!」

 

「その%でこのねぷ子さんを倒そうだなんて夢のまた夢!

悪いけど、私が天に立つよ!」

 

「ノワールさんを倒したと思ったら踏み台にされて倒された…俺を、利用したのか姉ちゃん!」

 

「ゲームに関しては、より外道になる方が勝つんだよ一誠!」

 

「…楽しそうで何よりだ。」

 

「ふっ!あまりそのネタを使うなよ…弱く見えるよ(どやぁ)」

 

 

「ああもう…まさか異世界の奴になぶり殺しにされるなんて…イッセー!後で私とタイマンしなさい!」

 

 

「あ、それ私も入っていいですか?」

 

 

「……」

 

「それはどうかな?強い言葉が弱く見えるんじゃない、強い者こそがその台詞を吐けるんだよ!

それと、もう一人の私…私はタイマンの方が強いよ!」

 

「何度でも受けて立ちますよ、勝つのは俺だぜ。

ネプギアも一緒にやろうな。」

 

 

「……はぁ」

 

 

ピィー子の大きくため息が聞こえた。

あ、戻ってきたっぽい?

うーでも、ケッチャコを着けないと!

 

「…もう少し放っておきましょうか」

 

「そうしてやれ。」

 

「…おや、皆さん楽しそうになさっていますね。」

 

「む、イストワールか。」

 

「まだ慣れてないご様子ですね。」

 

「こちらの世界とは文明レベルが違う。半日ほどで慣れるのは無理がある。」

 

「それはそうですよね」

 

 

そう言って、ピィー子はゆっくりと玄関の方へ足を進める。

 

 

「いーすん様、私は少し外をぶらついてきます」

 

ピィー子はそう言い残すと、そのままこの部屋を立ち去ってしまう。

 

い、行っちゃった。

どうしよ…くっ、自分なだけあって実力はほぼ一緒だ!

決着が着かない!

 

「大変だな、あいつは。」

 

「同感です。…そちらの世界は女神が一人しかいないんですね。」

 

「いない、というより…一人しか創れなかった、が正しいのかもしれんな。」

 

 

「ま、まさかここまで粘るなんて…こうなれば!

勝ちも負けも要らない!私は、道ずれを選ぶよ!!」

 

「何!?姉ちゃんが勝ちを捨てて掴みからの道ずれ戦法を!?」

 

「ぁああぁ!!おのれドンキ────グ!!」

 

「「「P音不可避ぃ!!」」」

 

「ヴァーリさんは混ざらないんですか?」

 

「俺はいい。こうして見ているのも楽しいものだ。」

 

微笑んで楽しんでいるこちらを見るヴァーリ。

 

うん、カッコつけてるけど、ヴァーリはこういうゲーム弱いから参加しないだけだよね?

前なんてヘラクレスにもやられてたよね?

 

RPG位しかやりたくないって言ったの覚えてるからね!

 

「ふっふっふ…引き分けだよ!でも、気分的には勝利!」

 

「よし、次は俺達のターンだな!」

 

「ええ!残機は3でいいわね?」

 

「はい、私はそれで大丈夫ですよ!」

 

「もう一人の私!次はアリオカート!!さっきみたいに道連れが出来ないゲームで決着をつけるよ!もう一人の私は私が撃つんだ!今日!ここでぇ!」

 

ぼーっと見ていたいーすんが、ボソッと呟いた。

 

「……これ、いつになったら終わるのでしょうか?」

 

「次もぎったんぎったんにしてやりますよ。

のわーって言っても知らねぇぜ!」

 

「レーシングゲームだね?撃てるかな!同じ私を、君にぃ!」

 

「盛り上がっているところ悪いが、プリンが出来たぞ。」

 

「え、プリン!?くっ、決着が先かプリンが先か…」

 

「折角作った出来立てのプリンなのだが、そうか、ゲームが大事か。残念だがイストワールと食べながら眺めてるかな?」

 

からかうような笑みでそう言うヴァーリは楽しそうだ。

むむむ…

 

「仲がよろしいんですね」

 

「そういえば、ピーシェさんはどうしました?」

 

「外に行かれましたよ?」

 

「そっかー。なんかピィちゃん、こういう風に遊んでると離れる癖があるよねー」

 

「ヴァーリは何か分かってるんじゃないの?」

 

「さあな。」

 

惚けた感じだけど…まあ、気軽に話してじゃないしね。

じゃあ、行きますか!

 

「んー…じゃあ、私呼んでくるよ!皆でプリン食べたいし!」

 

「え、じゃあ俺も…」

 

「一誠はそこでお座り!」

 

「はい…」

 

一誠はしゅんとなるけど、こういう時にしっかりと周りと仲良くならないと。

ピィー子の事が気になるのか、自分が心配なのか分からないけど大丈夫大丈夫!

 

「じゃ、ちょっと行ってくるね!」

 

「…そういえば、そちらのネプテューヌさんはプラネテューヌを殆ど知らないのでは?」

 

「「「「あっ」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、とは行ったものの遠くには行ってないと思うんだよねぇ。」

 

トボトボと歩いているけど、本当に別世界って感じだ。

 

何というか…未来的?

いつかこっちの世界もこうなるのかな。

どうなんだろう。

 

「嬢ちゃん、ちょうど良かった!ほれ、新作プリン!

前みたいに感想聞かせてくれよな!」

 

「へ?あ、ありがとう?」

 

突然おじさんにプリンを渡されたと思えば感想をねだられた。

慕われてるんだねぇ…何だか申し訳ないけど。

 

取り合えず、ちょっと食べてここはこんな感じがいいよって言ってからとっても美味しかったと言う。

おじさんは笑顔だ。

 

─あれ、これって。

 

「お姉ちゃんだ!今日も遊んでくれるの?」

 

「あ、あーえっと、今日は迷子を探してて!」

 

ああ、やっぱり。

この光景に、覚えがあるよ。

 

「姉ちゃん、サッカー上手くなって褒められたんだぜ!」

 

「わーすごい!頑張ったんだね!偉いよ少年!」

 

ああそうだ、これは…──

 

 

『お姉ちゃん、遊ぼうよ!』

 

『よしきた!一誠、遊びの時間だよ!』

 

『うん!』

 

 

─これは、よく似ている光景だ。

 

 

『姉ちゃん、この前のテスト百点とったんだぜ!』

 

『凄いじゃん!教えた甲斐があるねー…これからも高得点ゲットだよ!』

 

 

─駒王町で、皆と共にある、自分。

 

 

『いつもありがとうねぇ、ねぷちゃん。』

 

『ううん、こういう時間も楽しいよ!』

 

『偉いねぇ…じゃあ、今日は息子の作ったプリンでも食べるかい?』

 

『いいの!?やったー!お婆ちゃんのお店のプリン大好き!』

 

『今は息子のだけどねぇ。』

 

 

─見た目は違うけど、同じ。この次元のネプテューヌも…皆に慕われてる。きっと、願いも自分と同じ、なのかな。

 

うん…そっか。

ここは、プラネテューヌはネプテューヌの理想なんだね。

守りたいのは当然だよね。

こんなに、優しさに溢れてる。

 

国のトップだし、誹謗中傷とかあるかもしれないけど…でも、この国の人の根底にある信仰はネプテューヌに向けられるもの。

何だか…安心した。

 

この国の女神と勘違いされながらピィー子を探して、ふと立ち止まる。

 

ありゃりゃ…

 

「迷ったね、うん。」

 

「…て、こんなところで何してるんですか?」

 

あ、いた。○○○ちゃんいた。

 

「だからそれはやめてって!」

 

このツッコミはピィー子だね、うん。

 

「探したよー!帰ろ?ゲームに夢中ですっかり忘れちゃってたよ!プリン、プリン♪」

 

いや、迷子になるとは思わなかったけど無事にピィー子に会えたからヨシッ!

 

「探してたって…完全に迷子になってるじゃないですか」

 

そう言いながら、ピィー子達は帰ろうと足を動かし始めた。

 

でも、少ししてピィー子は立ち止まった。

 

「…あの、一ついいですか?」

 

「うん?なーに?言っとくけど、スリーサイズは教えないよ?」

 

「そんな野暮なことは聞きませんよ…」

 

 

ピィー子は頭を掻きながらため息をついた。

 

 

「どうして、あんな簡単に私達を信用できたんですか?ただ恩を感じたから?」

 

「どうして、かぁ…」

 

そう聞かれると、難しい。

納得できる答えじゃないと思うし。

 

「恩を感じたというより、ピィー子や他の皆を信じたいと思ったからだよ。」

 

「皆を信じたい…、ですか」

 

 

それを聞いた途端、ピィー子は少し俯いた。

 

 

「あまり軽々しく信じないほうがいいですよ?」

 

「軽々しく見えたかな?」

 

ただ微笑む。

まあ、仕方ないと思う。

ピィー子からしたら…馬鹿馬鹿しいのかもしれないね。

 

「ピィー子はさ、悪の組織って感じの組織に連れ浚われたとして、その人たちをどうする?」

 

ふざけてるかもと思われるかもだけど、至って真面目な質問。

 

「そうですね…、殺す… と言ったら?」

 

 そう言いながら、ピィー子は不敵な笑みを浮かべた。

 

「普通だと思うよ。だって、組織の中心にいて、そこになにもされないでポンっていたら誰でもやると思う。」

 

髪を少しいじりながら肯定する。

ピィー子は意外だったようで、少しだけ反応する。

ごめんね、貴女の知る『ネプテューヌ』ではないんだ。

 

でも、と付け加える。

 

「私は、それが出来なかったんだよね。

何でかな、組織のトップの子を助けようとか…色々と変に頑張ってさ。自分の心配なんかより、他の人の心配ばっかしちゃって。自分でも、ちょっと怖かったりね?」

 

あははと苦笑する。

 

曹操達、オーフィス、クルゼレイ、ヴァーリ、美猴と黒歌。

皆の事、心配しちゃって。

衝突もしたけど和解して。

 

これは自分の願いだから。

 

「……」

 

ピィー子は少しだけ沈黙した。

 

 

「貴方はやさしいんだね…、他の人を助けようとできる人は……本当に尊敬するよ」

 

ピィー子は微笑んで、話を続けた。

 

「敵すら信じることができるのは…ネプテューヌさん、いえ、ねぷてぬの特権なのかもしれないね」

 

「そうだね、これは《私》の特権かもね。何て言っても、ネプテューヌは主人公だもんね!ほら、帰ろ?」

 

手を取って、歩く。

 

ねぷてぬ。

それが本来のネプテューヌへの呼び方なんだね。

…もしかしたら、ピィー子も同じなのかな。

 

なんてね。

事実は分からないけど、ピィー子はピィー子だよね。

 

「《ネプテューヌ》は凄いよね。この国もそうだし、いろんな人に信じられてる。普段はぐでーっとしてるのに、慕われてる。

助けることに戸惑いを持たない。傷付くことも厭わない。

失うことが怖いんだろうね。」

 

「……まるで『憑依転生』した別人見たいな言い方するね。まぁ転生した人、何人か知り合いいるけどさ」

 

ちょっとだけ核心を突かれる。

でも、ちょっと違う。

転生ってことでもないと思う。

 

あはは、と笑う。

 

「どうだろねー?まあ、私ったら超絶美少女にして完全無欠だからどこ行っても人気者なのは仕方ないかな~って感じ!

プリンが私を待ってるよー!皆で食べるプリン程美味しいものはないからね!」

 

「…そうだね、帰りましょうか」

 

そう言って、手を繋ぎながら帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おかえりー!全部プリンたべちゃったよ★」

 

よし、殴ろう。

遠慮は要らないね。

 

「うーん…もう一人の私さ、ちょっと座ろっか?」

 

「ね、姉ちゃん、落ち着い─」

 

「一誠。」

 

「はい!」  

 

「静かにね?」

 

「マズイ、キレてるぞ…」

 

「え、あっ、ちょっ…!冗談!全部なくなってたらどうなるかっていうドッキリだからちゃんと食べてないよほら!」

 

そういって、別ネプはプリンを見せた。

うんうん、分かってる分かってる。

だから取り合えずぶん殴るね。

 

「落ち着いてもう一人の私!クールになるんだ!!」

 

「どうなるか知りたいんだよね?今から、教えてあげるよ!」

 

「俺は何も見てない何も見てない…」

 

問答無用と、別ねぷに拳骨を叩きつける。

 

「あだぁぁ!!?」

 

「はい、許したよ。」

 

「拳骨落とした後に言う!?」

 

「あはは……でもどうします?」

 

「ん?なにがよ?」

 

「このプリン、誰も食べてないはずなのに人数分ないんですよ」

 

確かにあるのは七人分、一人たりない。

 

ああ、わざとかな。

 

でも、逃がさないよ。

 

「ああ、私は食べないので、私は省いてください」

 

「ピィー子。」

 

ピィー子の前まで行って、スプーンで半分にする。

 

「こういう時はね、半分こするんだよ?一緒に食べようよ!」

 

「……自分は、食べないつもりで作ったので、お気になさらずに」

 

何故かピィー子は頑なに食べようとしない。

苦々しい表情を自分に向けてきたけど…それは、多分、自分にじゃない。ネプテューヌに向ける感情だ。

 

笑顔で伝える。

 

「じゃあ、私も食べない。」

 

「エリート女神のノワールさん、こういう時どうすれば?」

 

こそこそと一誠がノワールに話しかける。

おお、仲良くなったね?

 

「何よその呼び方…というか完全に子供の喧嘩じゃないの!」

 

「勝手にしてください!私は食べません!」

 

「ピィちゃんが食べないなら私も食べない!!」

 

「お、お姉ちゃんとピーシェさんが食べないなら私もいいです」

 

「何伝染してるのっ!!訳わかんない!」

 

ピィー子は顔を赤くして怒った。

この場の皆は優しいから、こうなると思うよ?

ちょっと、認識不足じゃないかな。

 

「俺も食べない!」

 

「面白そうだ、俺も食べるのを止そうか。」

 

「アンタもかい!!」

 

尚も否定するピィー子に、顔を近づける。

 

「ピィー子は、プリンが嫌い?

それとも、私が嫌い?それとも─」  

 

 

 

「─自分が嫌い?」

 

頑なに断る姿に、自分は放っておけないと思った。

 

「───っ」

 

自分が嫌い、その言葉を聞いた瞬間。ピィー子の顔が少し強張った。

ああ、ちょっと当たりだ。

 

「何故……自分が嫌いだと?」

 

「プリンが嫌いなら、作るって言い出さないし…さっきの会話で何となくこっちの私に好感を持ってるのは分かる。

単に食べたくないって言うのもそろそろお昼近いから小腹とか空いてるよね?じゃあさ。」

 

「昔、何かあったとか。それのきっかけの一つがプリンとか。」

 

「…貴女に教える必要はありません『赤の他人』の貴女には」

 

そういった後、ピーシェはため息をついた。

 

赤の他人。

そりゃそうだね。

うん、気付いてたりする?

 

直感程度、かな。

 

「でも、わかりました。食べますよ」

 

「うん!」

 

教えてもらえなくても、笑う。

 

折れてくれたから、OK!

こうやって皆で食べるから美味しいんだよね。

 

「美味しい!プリンは何処でも美味しいね!…あれ、皆どうしたのさ?食べようよー!」

 

「お、おう!」

 

「…おお、確かにいい味だ。覚えるために練習だな…」

 

「はっ犯罪的だ……!美味すぎる!!」

 

「こら!こっちのネプテューヌ!そういうネタをしないの!」

 

「ろ、労働の火照りと?部屋の熱気で──」

 

「ネプギアも乗るな!!ピーシェ!アンタからもなんか…」

 

「……」

 

「……ピーシェ?」

 

「──ん…んむっ…ん〜♪♪」

 

 

ピィー子はメッチャ美味しそうに食べている。

 

おーおー可愛い顔しちゃって…

素が出てる出てる。

 

「──!」

 

 周りの視線に気がついたピィー子は顔が真っ赤になったあと、わざとらしく咳払いをした。

 

「ごほん!!!ごほん!!!わ、我ながらまぁまぁですね」

 

「ふっ…くく…く、く…!」

 

「お前、趣味悪いな…」

 

笑いを堪えるのに必死なヴァーリ。

ジト目でそれを見る一誠。

 

「…うんうん。」

 

「別次元のネプテューヌさん、どうかしましたか?」

 

「んー?何にも。この次元は楽しいんだろうなって。」

 

「帰りたくなくなりますか?」

 

いーすんの言葉。

 

ちょい当たり。

 

「…あはは、どうだろ?」

 

「帰りたいと思うまでここにいていいの!私という主人公は望まれる場所に現れるのだ!!ふはははっ!!」

 

「あはは、流石私!言えてるね!帰りたいと思うまで、かぁ!うん、それもそうだよね。」

 

「…」

 

「んー、いーすん!教会を散歩していい?」

 

「構いませんが…お一人で?」

 

「うん!プラネテューヌ教会を別次元の私自らが審査してしんぜよう!なんてね。」

 

「言われてるわよ、グータラ女神。」

 

「何をぅ!?」

 

「私もついていきます」

 

そう言ってピィー子は立ち上がった。

 

「お、じゃあ二人で審査の時間だー!」

 

ピィー子の手を取って、部屋を出る。

 

「楽しそうだな、姉ちゃん。」

 

「どうだろうな。」  

 

「何だー?拗ねてんのか?」  

 

「ふっ…まだまだだな。」

 

「上等だ、表出ろ」

 

 

 

「…さて、あそこの暑苦しい二人は置いておいて、行きましょうか」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教会の中を歩く。

 

「教会かぁ。凄いねー!ここがプラネテューヌの中心なんでしょ?」

 

「そうなりますね、だからほら。ここはタワーですから。滅茶苦茶高いですよ」

 

そう言って窓のほうを指さす、高さにして雲まで届きそうな勢いだ。

凄い!これは東京タワー並に高いよ!

スカイツリー?ちょっと時代追い付いてないんで…

 

「…すいません、ついてきてしまって」

 

「ん?気にすることないよ。」

 

窓からの景色を見る。

 

「謝るのは、私の方だよ。

土足でピィー子の心に入り込もうとした私が謝らないとね。

…ごめんね。」

 

「……」

 

 

ピィー子は気まずさか、それとも何か別の理由なのか。頭をかいてばつが悪そうにしている。

 

 

「じゃあ、親睦の意味もかねて、少し愚痴大会しませんか?なんでも聞きますよ?」

 

「んー?愚痴?私は特に無いよ。

ここに来て、むしろ希望が持てた位だもん。

むしろ、私が相談に乗るよー?」

 

おちゃらけた様子に戻って、ピィー子に笑いかける。

 

もう、聞いてもらったばかりだしね。

その、うん、好きな人にね。

 

「ふふっ、そうですか…では少し愚痴を聞いてもらうとしましょう」

 

 

 そう言って、ピーシェは軽い口調で話し始めた。

 

「エンディングが本当にあるとしたら…『バットエンド』『トゥルーエンド』『ハッピーエンド』どれを取りますか?」

 

「悪い、本当、良い。三つの内一つかぁ。

分かってると思うけど、私はハッピーエンドを取るよ。」

 

「なるほど…あなたにとって、ハッピーエンドってどんなものですか…ってなんか、某職人のプロ番組みたいな言い方になっちゃいましたけど」

 

 

そう言いながら、ピィー子は苦笑いをした。

 

「皆が、笑い合える未来。人も、悪魔も、堕天使も、天使も。皆が笑い合える未来が私にとってのハッピーエンド…なんてどうかな。」

 

窓を見つめながら、でも同じくらい苦笑いしてるのが分かるような声でそう言う。

 

「……………その中に、《自分自身》は入っていますか?」

 

「─ピィー子は、どう思う?私がその中にそれをいれると思う?」

 

「正直思いません」

 

 

ピィー子はそう断言した。

よく分かってるんだね、ネプテューヌのこと。

 

 

「貴女みたいな人は、私は数多く見ています。『みんなで幸せになりたい』『ハッピーエンドを目指す』『争いのない世界』そんな理想を持っている人は、ほぼ確実に、こういう理想なんです─」

 

「─『みんなが助かるのなら自分の命など惜しくない』と」

 

「だよね~」

 

あはは、と笑う。

 

「我ながら馬鹿だなって思うよ。私が居なくなったら泣いちゃう人も居るのにね。うん、だから極力そういう事態にならないようにするよ、これからも。

でも…それでも私一人消えればそれで済むのなら。

…私は、それを迷うこと無く選択するよ。

多分、大事なことも、家族も、友達も…全部投げて、安全な場所に投げて…私は消えるよ。」

 

我ながら馬鹿馬鹿しい。

だって、それは何人かを泣かせてしまう行為だ。

自己犠牲の、精神。

 

でも…やってしまうんだろうね、自分は。

 

「…そうですか。ネプテューヌさん…いえねぷてぬ。」

 

「ん?なに──」

 

 

 

「歯ぁくいしばれぇ!!ぴぃぃぃぃぃぱああああああああああぁぁんち!!!!」

 

 

 

自分の頬にピィー子の右ストレートが炸裂した。

吹っ飛ばされて壁にぶつかる。 

背中と頬が痛む。

 

…ああ、なるほど、色々と、見えてきた。

 

貴女は経験したんだね、それを。

 

「……殴られるとは思ってたけどかなり強い一撃だね~。」

 

頬を擦りながら立ち上がる。

 

「溜め込んでたのかな、《ピー子》?」

 

 

「そうだね溜まってるね!ねぷてぬ見たいな優しい人のおかげでね!」

 

 

そう言ってピィー子はネプテューヌの胸倉を掴んだ。

 

 

「言っておくけど、私は『ハッピーエンド』なんて嫌い。

大嫌い!!」

 

「そっか。」

 

胸倉を掴まれる。

でも、それは分かってる。

 

「それは押し付けられるから?」

 

「……それもある、『ハッピーエンド』っていうのは、基本的に誰かが頑張って、勝ち取った未来。でもさ──それが何?」

 

「必死にがんばって、そのエンディングを目指したその後は?その頑張りはただの世界平和如きで満たされるの?その人が頑張っている途中でも、『家族』や『親友』。そんな人たちは貴女を心配してるんだよ?それが全て終わったら、その心配がなくなってみんなが『笑顔』になる?そんなわけないでしょうが!!」

 

「分かってる。」

 

ピィー子に同意する。

 

掴む手に、手を添える。

ごめんね、本当にごめんなさい。

 

自分を思っての発言は分かる。

 

でも…もう、失いたくないからさ。

 

「─それでも、私はそうする。

手を取り合う未来に私も居るのがベストだけどね。

でもね、ピー子…自分にしか出来ない事がそれだったら…女神の力も、何もかも捨てるよ。」

 

「それは大切な人が悲しんでも?その自分しか出来ない事は、大切な人を悲しませる以上に重いことなの?」

 

「そう言われると悩むんだけど…うん、そうだね…理屈じゃないよ、これは。悲しませたくないけど、やるしかないっていう矛盾。そういうものを私は抱えてるんだよ。

誰でも一つは持ってる矛盾…私の場合は、それなんだ。」

 

「…そう」

 

 

ピィー子はそう言うと、力なくネプテューヌを解放した。

 

 

「自分で矛盾と思ってるなら、これ以上言うつもりはないよ……。でもそれだともう一つ矛盾出てきちゃうね?」

 

「うん?何かあったかな…?」

 

「『ハッピーエンド』なら、主人公が死んじゃダメでしょ?主人公が死ぬのは『トゥルーエンド』。」

 

そう言って、ピィー子にデコピンをされる。

 

 

「主人公なら、まず生きて。生きて生きて生きまくって、『ハッピーエンド』を見てから死んで。あなたは《ねぷてぬ》なんでしょう?」

 

「あいたっ!」

 

額を擦る。

 

「私にとってのハッピーエンドって言ってたじゃ~ん…分からなくはないけど。

うーん、まあ、ピー子のいうねぷてぬとは違うけど…まあ、主人公なねぷ子さんだよ?そりゃ死にたがりじゃないから生きるけども。」

 

殴られたとこまだ痛むな~と愚痴りながらぶつぶつと言う

 

「ふっ…。そんなハッピーエンドはお姉さんが許しません」

 

ピィー子はそう言いながら、ごめんね、と言いながら自分の頭を擦った。

 

「…まあでも、私にもそっちの顔見せてくれたからグッド、かな。で、なつき進化はまだなの?ピィ!」

 

「ふふふっ…私はそう簡単になつき度はあがらな───って私はポケモンじゃないってば!! 」

 

「うんうん、ナイスツッコミ。丁度いいし戻るよ《ピィー子》。」

 

「あ、はい、そうですね」

 

ピィー子が考え事をしている……その時。

 

 

 

「おやおや、もしかして結構仲良くなった?」

 

「───っ!!」

 

殺気。

ピィー子が反射的にコンバットナイフを投げたが、固い音がするだけでダメージはないようで。

 

 

「……イクス」

 

 

目の前にいたのは黒くて丸い球体。羽を生やして飛んでいる。その姿は愛らしいような、どこか禍々しい。

 

「あれれ、もしかしてくーろーまーくー?」

 

取り敢えず木刀を構える。

 

(んーシェアが少ないから女神化を下手に使えないね~

どうしよっかいーすん…っていーすん居ないんだった。)

 

「もしかしなくても黒幕だよ~ン」

 

そう言いながら、表情がわからないイクスはかっかっかとおぞましい笑い声をあげた。

 

瞬時に理解した。

イクスは、こいつ(・・・)はどうしようもない悪だ。

 

 

「それで?この世界にネプテューヌさんを含める三人が来たのはお前の所為でしょう?何が目的?」

 

「んー、率直に言うと、そのネプテューヌを渡せ、的な?」

 

狙いは自分。

二人じゃないんだ、よかった。

 

「また私狙いな人!?人じゃないけど!もー勘弁してよ!

前に一回ポセイドンと名前の意味同じだろっていう謎の怒りを向けられて辟易としてるんだよ!?毎度毎度グータラしていたいのに厄介事起こるし~積みゲー増えるばっかで困ってんだからね!」

 

取り合えず、ピィー子の手前だし、少し迷惑そうにする。

実際は、自分狙いなら好都合だよ。

だって、他の人を巻き込まないできてくれたから。

 

「……なぜこの人を?」

 

 

シリアスブレイク発言を無視し、ピィー子はイクスを睨んだ。

 

 

「おや?もしかして気づいてないのかい?」

 

「……」

 

「そいつの体に『黄金の欠片』の反応があることにさ」

 

うん、何それ。

え、自分また設定生やされたの?

 

伏線回収しきれなくなるでしょ!!

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