冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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楽しかった、ゲイムギョウ界!(卒業式)

「というわけで、私達は今!カントー地h、じゃなくて温泉に来てるよ!」

 

「イエエエエエェェェイ!モーモーミルクのもう!!モーモーミルク!!」

 

「ポケットの中のモンスターネタはピィだけで勘弁してっ!!」

 

「「ナイスツッコミ!!」」

 

「なんで二人ともそんなに仲いいのっ!!」

 

二人して胸を張る。

 

「そりゃもちろん、ネプテューヌであるからして!

だいじょーぶ!ちゃんとネプギアちゃんとノワールもいるからね!」

 

「ノワールは帰ってもボッチだから呼んだよ!」

 

「誰がボッチよ!?」

 

「よかったのかな、成り行きで来たけど…」

 

 

「ヴァーリ、俺達は空しいよな。」

 

「…言うな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…時は温泉。

 

 

「……」

 

「……」

 

 

 ピーシェと俺…兵藤一誠はその場で静止していた。

 

あ、ありのまま…今起こったことを話すぜ…!ネプ姉ちゃんとヴァ―リがゲームしてて、先入って来いって言われたから渋々入りに来た、こっちのネプテューヌさんに連れ去られてここまで来たが…なぜか全裸のピーシェさんがそのまま温泉に入っていた…!?な、なにを──。

 

 

「……ここ、混浴もあるらしいよ…」

 

「へ、へえー…お、俺出ますわ…」

 

駄目だ、俺の理性…鎮まるのだ。

確かにピーシェの体は素晴らしいが!ここは耐えろ…

 

っていうか謀ったな!?

 

「あ……えっと、いいですよ。せっかく服脱いだんですし」

 

 

ピーシェはそういいながらもかなり顔が真っ赤だ、温泉の水越からでもわかる豊満な体、スレンダーな体系、そして水滴が肋骨のラインをスーッと通り、自然と色気を演出している。

 

え、エロイ!

 

だが待て、待つんだ一誠。

 

…俺は、紳士だ…!

 

「それに一誠君には聞きたいこともありますし」

 

「うっ…!そ、そっすか…」

 

意識しつつも湯船に浸かろうとする。

 

「ちょっ!!すとっぷ!!」

 

 

 見ないように温泉に入ろうとした瞬間、一瞬だけこっちを向き、すぐにそっぽを向いたピーシェが怒鳴り声をあげる。

 

「まず体!体から洗ってください!」

 

「あー、あーそうだった…すんません。

ちょっとまだ吃驚してるっぽいっす。」

 

馬鹿野郎!!いつもやってることダルルォ!?

じょ、女子と一緒だからってお前…馬鹿野郎!!

 

しっかりとシャワーで体を洗おう…ついでに落ち着こう。

 

やべぇ、ドキドキが止まらん…

 

「気を取り直して、聞きたいこととは?

シャワー浴びながらっすけど」

 

「ネプテューヌさんと一誠君ってどういう関係なんですか?義姉弟?」

 

ピーシェはそう聞いてきた。

義姉弟…ああ、そうだったな。

もうずっと一緒だから普通の姉弟だとばかり…

 

「よく、私の胸見てきたよね?でもそれよりネプテューヌさん見る回数のほうが多かった。男子だとそういう人は珍しい気がして」

 

(バ、バレテーラ…)

 

ちょいと視線が痛い。

すいません悪気は無かったわけでもないんです良い胸です許してください俺は駄目な男です…!

 

と、取り合えず質問に答えるか。

 

「ああ、俺と姉ちゃんは義姉弟だよ。

記憶喪失の姉ちゃんを、拾ったっていうか…懐かしいなぁ。」

 

懐かしそうにそう言う。

 

『うーん…姉ちゃんが言ってること半分分かんないけど困ってるんだな!家に来なよ!』

 

『え、いいの?』

 

この時が俺達姉弟の始まりだった。

俺は、こっから憧れを見つけたんだ。

 

「姉ちゃんは、俺の憧れなんだ。

優しくて、強くて、諦めが悪い。…俺が大好きな姉ちゃんはさ、女神とかそう言うの関係無く前からあんなでさ。

俺は、そんな姉ちゃんを守りたくてさ。だから、かな。」

 

「……通りでその歳にしてはたくましい背中だと思った」

 

そういいながら、ピーシェは軽く微笑んだ。

逞しい、か…俺よりもそれが似合う奴なんていっぱい居るってのに。

…何喜んでんだ、俺。

 

「少し私に似てるかもしれませんね、私にも二人、姉みたいな人がいたんですよ。

一人は素直じゃないけど優しくて。もう一人は素直だけど怒と哀を出すのが苦手で…」

 

そういって、ピーシェは俯いた。

 

「……まぁ、私は守りたいと思ってもあの二人には色んな意味で敵わないんだけどね」 

 

「そんなもんだよなぁ…」

 

分かる、それはスッゴい分かる。

俺も姉ちゃんには一生勝てないって思ってるからな…

あんな簡単に信じられねぇし…

 

シャワーを止める。

 

「…すんません、入りますね。」

 

今度こそ湯船に浸かる。

ピーシェに背中を向ける形で。

 

「あー…風呂はいいなぁ。」

 

女性と一緒の風呂ということを誤魔化すように呟く。

 

「…俺は馬鹿だから、ねぷ姉ちゃんを守る盾位になれればって思って鍛えてきた。でも、あのいけすかねぇ奴の方が強いし、他にも姉ちゃんの仲間はいるし。

俺は要らないんじゃないかって…思ってた。

でも、昔から俺は守れてたって知れたから、今は軽い気分なんだ。」

 

「…よかった、今盾になれればいいと思ってたら殴るところでした」

 

「うへぇ、怖い怖い。

…ここのネプテューヌさんは女神って事を除けば姉ちゃんと全く違うなって思ったよ。

根っからの女神って点も含めて違う。」

 

「…そうですか、守ってあげてくださいね、大切なお姉さんを」

 

 

そういいながら、次の瞬間。

 

むにゅっ……

 

 

背中にむにっとしたいい感触が当たる。

 

ば───!?

 

硬直する。

 

「おおぅ!?あ、当たってる当たってる!」

 

思わず固まって色々と想像してしまう。

 

「一誠さんこれでも頑張って抑えてますことよ!?」

 

「……そんな貴方に、姉の一人の言葉を送りますどんな奴を地獄に落としてもいい、()()()()()()()()()()()()

 

 

そういいながら、ピーシェは抱きしめる力を少しだけ強くした。

あ、あがが…この人狙ってやってます!!?

 

 

「…ところで、当たってるって何が─────っっ!?!?!??」

 

 

今頃気づいたのか、すぐに離して後ろを向いた。

 

 

「す、すいませんっ!!!いつもの癖でっ!!」

 

「あー…ハハハ…男って獣っすから気を付けてください…はい…」

 

鎮まれ、俺!

頼むから…頼むから…!

 

 

─俺に、意識させないでくれ…!!

 

 

「でも、それはピーシェにも言えることだからな。

改めて肝に命じてくれよ。

…後、ごちそうさまです…」

 

「ええ、貴方がそう言ってくれると、あのネプテューヌさんへの不安要素がなくなります」

 

 

ピーシェはそういいながら笑顔を浮かべた。

心が揺さぶられる笑顔だった。

 

…くそ、何でこんな展開に。

 

 

「あ、あと。抱き心地よかったです、こちらこそごちそうさまです」

 

 

ピーシェは立ち上がり、髪をサラッと翻した。

 

「さて、そろそろ出ますね。ある人たちに O★HA★NA★SHI★しなければいけないので」

 

「…まあ、そうだな。

俺も手伝うよ。今回はちょっとよろしくねぇし。

ついでにヴァーリも殴る。

て、訳で先出てくれ。」

 

「ふふっ、ありがとうございます。さて……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エクソダス、ロザミア。貴方達が主犯だね。殴る」

 

え?

 

 

待ってくれ!俺は無実なんだ!

エクソダスなら殺してくれ!何度だって殺してくれ!

首跳ねてそこらに晒してくれてもいい!

俺は口車に乗せられただけなんだ!だからコラボ主の俺の命だけは助けてくれ!

 

「見苦しいぜ。」

 

バカやろぉぉぉう!!!!

 

ロザミアぁ!!

 

なぁ↑にをいってるぅ!!!

 

ふざけるなああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!

 

「「とりあえず死ね!!」」

 

 

松ダぁああああああああああああああああああぁぁぁ!!!

 

 

止まるんじゃねえぞ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼ、ボコられた…ネプテューヌです…前が見えねぇ状態から復帰したばっかです…

 

「ってことで!!ピィちゃんの好感度を二人のネプテューヌで上げて進化させようプロジェクト!(添い寝)はじめるよ~~!!」

 

「わぁぁぁ!って思ったけど私とピィー子の好感度はメーターにしても平均よりちょっと上だと思うんだけど、そこんとこどう?」

 

「……いや、どうしてこうなった?」

 

ピィー子は困惑した。

必ずかの、邪知暴虐な女神を───

 

「それはメロスっ!」

 

「イベルタルとかが出る地方…」

 

「それはカロス!!」

 

「はーいナイスツッコミ!

うーん、まあほら、ねぷねぷしよう!」

 

「読者はこういうのを求めているのだよピィちゃん!!」

 

「……いっても無駄ですね」

 

そういいながら、呆れ果てたようにため息をついた。

 

「あはは、ごめんね?まあほら、もっと仲良くなれってガイアが私に囁いたからさ!

一緒に寝るだけだよ!

川の字で、真ん中ピィー子ね。」

 

「はいはい、わかりましたよ」

 

「じゃあさっそく!!好感度上げてピッピにするよ~~もう一人の私!」

 

 

「あ、言っておきますどお二人とも好感度は最底辺ですからね今」

 

「「ガーーン!!?」」

 

「ねぷ子さん最大の秘密を話していないからなの!?

ちょっとショック…!」

 

「なつき度が…足りなさすぎ!?」

 

「もうチートバグするしかないよ、これは!」

 

「どっちがどっちだか絶対読者わかってませんよね?!どっちもウザい事ぐらいしか読者視点だと感じない!!」

 

そういってピィー子はため息をついた。

ば、馬鹿な…殴られた意味は一体!?

あ、ムカついたからか。

 

「っていうか、なんでそんなに仲良くなりたいんですか?そちらのネプテューヌさんには……、あの時ひどいこと言ったはずですけど」

 

「え、どゆこともう一人の私?」

 

「仲良くなるのに理由って要るのかな?

私はピィー子と仲良くなりたい!それじゃ駄目?

こっちの私も、そうやって接してきた筈だよ。」

 

「おお、流石もう一人の私!なんか蚊帳の外だけど!」

 

「つまり…もう一人私が要れば!」

 

「「三人でジェットストリームアタック出来る!」」

 

「分かった?」

 

自分はそう言って笑いかける。

 

「だからガイヤなの?!マッシュとオルテガも囁いたりするの?!あああぁぁもう!ツッコミが追い付かない!」

 

 

ピィー子はそういいながら、顔を真っ赤にして怒った。

 

「ま、まあいいです、理由がいるか、そう聞きましたね

そもそも理由のない仲は無いんですよ?」

 

「私ともう一人の私は理由無く仲良いよ?」

 

「そうだよ(肯定)」

 

困ったように笑いながら自分はピィー子と話す。

たまーに素が出そうになるけど、問題ないない!

 

「んー…まあ、さ。

別にお堅くなくていいんじゃない?

二人の時は素で話した仲じゃん。

良いんじゃないかな~…」

 

「それは貴方のやり方がムカついたから素が出てしまっただけです。

私。貴方みたいな人たち大嫌いですから」

 

「ええー!?ピィちゃん酷い!」

 

大嫌い。

…うん、仕方ないかな。

自己犠牲しちゃう系だからね、自分達。

間違いなく嫌われても文句言えない立場だよ。

 

「んー…仕方ないよ、この次元の私。

じゃあ、ピィー子を困らせるのもここまでにして、解散にしよっか?」

 

「そうだねー、あっ!ネプギアとノワールのとこ行こうよもう一人の私!絶対面白い反応くるよ!」

 

「いいね!枕持ってって不意打ち枕投げとかしよう!」

 

「いいねいいね!」

 

「……私、男性陣の所行ってきます」

 

「お?もしかしてだけど〜?」

 

「もしかしてだけど〜?」

 

「「次元を超えた恋?」」

 

「ほんとにうっざいね!!そんなんじゃないよ!!」

 

「一誠にもついに春が!?」

 

「おー…イッセー君ももしかしてプラネテューヌに永住?」

 

「幸せ掴んでくれるかな!?」

 

「ヴァーリ君でもありじゃない?」

 

「え、駄目。」

 

「あ、うん…」

 

普通に駄目だよ。

…ちょっと独占欲あるんだなぁ、自分。

まさか別世界で気付かされるなんて。

 

「……ヴァーリくんは色々伝授しときます。師匠直伝の堕とし術でも吹き込んでおきます」

 

そう言って。その場を後にした。

 

「いってらっしゃーい!」

 

「…で、好きなの?」

 

「あははー。私達も行こっか?」

 

誤魔化しながらネプギアちゃん達の部屋に行った。

勿論、ノワールからツッコミ入れられてそこから枕投げ大会が始まったのは言う迄もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…よく分かんねぇけど、ピーシェがこっちの部屋にきた。

意識しちまうから顔を見たくなかったんだけどな…

 

「で、俺達のところに来た理由は?」

 

「あんま女一人で来るもんじゃないぜ。」

 

「夜這い…とは思ってくれないんですね。体には少し自信あるので少しショックです」

 

正直、そういうことを言うのはよろしくないと思った。

ヴァーリはあれだけど。

 

「俺には心に決めた奴がいる。お前よりもずっと魅力的だよ。」

 

ほらな…呆れるぜまったく。

 

「…」

 

「おい、赤龍帝君?」

 

「いや、迫られたら断れる自信なしっていうか…」

 

まあ、俺は駄目なんですけどね…

ていうか、迫られたら風呂場の事思い出すからマジでやめてね!

一誠さんも男なんだからね!

 

「情けない…」

 

会話を聞いて、軽くピーシェは微笑んだ。

 

 

「ジョークですよ、ジョーク。ほんとの理由は二つあります」

 

 

 そういってピーシェはクリスタルのようなものを俺達に投げ渡した。

 

「憎悪、助かりました。二天龍様。お返しします」

 

クリスタルを手に取ると、二人は顔を見合わせる。

 

そして、返す。

 

「ドライグも言ってただろ?一回限りだって。」

 

「もう感じないしな。」

 

「後さ、二天龍様ってやめてくれ。イッセーでいいよ。」

 

「好きに呼べ。様は要らないがな。」

 

「…一応残った分はお返ししようと思ったのですが」

 

そういいながら、ピーシェは苦笑いをした。

 

「じゃあ、先ほどのように一誠君、そしてヴァ―リ君と呼ばせていただきます」

 

それに俺達は微笑む。

 

「それでいい。それだけじゃ何も出来ないだろうからな。

消費され過ぎてる。アルビオンめ、計算高いもんだ。」

 

「はは、それで、用はそれだけなのか?」

 

「いえ……あと一つ、正直男性二人に言うのは抵抗あるんですが…ここで寝かせていただけませんか?」

 

…ん?

 

雲行きが怪しくなってきましたね。

まあ勿論ここは断──

 

「構わんが。」

 

「ええ!?」

 

「どうした。」

 

「あーいや…」

 

先程の風呂を思い出して顔が赤くなる。

ヴァーリは何か察したのか鼻で笑う。

 

「ウブめ」

 

「あ"?」

 

「…ふふっ」

 

こ、この野郎…血の海に砕き沈めてくれるわぁ!!

 

ピーシェは、どこか小悪魔っぽい顔を見せた。

 

 

「ああ~、でも私、抱き枕がないと寝れない体質なのよねンっ、良い抱きまくらないかな~~ンっ…・・・・ちらっちらっ」

 

ガツンと殴られた気分。

 

『おい、相棒?』

 

…抱き枕、ピーシェの抱き枕?

あの豊満な胸を合法的に…!

 

『相棒?一誠さん!?』

 

「…な、なら仕方ないよなー俺が抱き枕に!(あわよくばその素晴らしい体を堪能させてくれ!)」

 

「…」

 

正直色々といっぱいいっぱいな俺は正常な判断を失い欲に任せた発言をしてしまう。

ジト目で一誠を見るヴァーリ。

 

 

「はい!交渉成立ですね!!」

 

 

少し驚いた顔をしたピーシェだったが、何故かノリ始めた。

 

「俺は…何を見せられているんだ…?」

 

「さあ、どんと来い!俺は抱き枕だ!」

 

覚悟完了はしているぜ!

いつでも来い!

 

頭を押さえるヴァーリ。

 

「よーし!じゃあさっそく──」

 

 

 ピーシェが笑顔で抱き着こうとしたその時───。

 

 

「「ぎゃぅ!!」」

 

ピーシェと俺の頭が銃のような何かによってぶち抜かれた。

 

一体、何が起こった…くそぅ…!

 

 

「……し、シオリ姉が怒った」

 

「一体…何が…」

 

「…気は済んだか?馬鹿二人は仲がよろしいようだ。」

 

「俺は一体何を…」

 

「…どうやら、異次元から狙撃食らったみたい…。ごめん、さっきの私は冷静じゃなかった」

 

「いや、俺も冷静じゃなかった…悪い。」

 

「取り合えず、寝たらどうだ。」

 

何度目か分からないため息をつくヴァーリに一誠は素直に謝る。

 

『相棒、お前は─』

 

(…分かってるよ!)

 

「そうですね、おやすみなさい」

 

ピーシェはそういうと、立ったまま壁にもたれかかり、眠り始めた。

 

…いやいやいやいや!?

 

「…おい?」

 

「立ったまま寝るなよ!?しっかりと布団で寝てくれ!」

 

「いえ、ベッド2つしかないですし…、ね?」

 

ピーシェの発言にヴァーリは天井を仰ぐ。

はーくそが、みたいな感じだ。

 

「…おい、赤龍帝君。」

 

「何だよ。」

 

「少し頭が痛くなってきた。俺は少し外の風を浴びてくる。」

 

「お、おう…」

 

ヴァーリはため息をついた後、部屋を出る。

 

「…うん、そこのベッド使っていいんじゃないか?

多分、そういうことだぜ。」

 

「……わかった、あの人女ったらしでしょ。さっきもドキッとすること言いましたし」

 

「あー…その気は無くはないのか。

でも、アイツ、ねぷ姉ちゃん一筋だからな~…

…今の姉ちゃんが一番甘えられるのって俺とアーシア、いーすん除けばアイツだけだしなぁ。」

 

気に食わねぇけど、姉ちゃんの支えは多い方がいい。

…耐えられるのだって限りはあるんだしな。

 

「…へぇ」

 

 

そういって、ピーシェは俺に近づいた。

どうして、こいつはこうも……無警戒っていうか…

 

「じゃあ、一誠君はどんな人がタイプ?好きな人とかいるの?」

 

「え、俺?急だな…」

 

急な話題だ。

いや、ヴァーリから俺に切り替わっただけだけど。

 

少し、考える。

 

「姉ちゃんは違うんだよ、間違いない。

アーシア…は守ってやりたい存在だし、部長たち…は仲間だし。」

 

最初は、助けたい、恩返しがしたいから始まった。

ハーレム王になりたいとか…そんなことも考えてた。

けど、何だろな。

 

分かんねぇけど、色々と余裕が無くなっていく現状でそういうのが消えて。

 

改めて、俺のタイプか。

 

姉ちゃんは、違う。

だってあの人は俺の憧れだ。

付き合いたいとは明確に違う。

守りたいと好きは…違う。

 

…目の前のピーシェを見る。

 

二天龍の怨念を受けたり、疑いの目をずっと向けてきたり。

…なんだか、壊れやすい、或いは壊れてる印象を受けた。

 

ああなるほど。

ストンと、納得した。

 

そして、後悔する。

…損な役割だな、俺って。

 

 

 

「でも、タイプってんなら…多分、ピーシェみたいのがタイプだと思うよ。」

 

 

 

「……マ?」

 

ぽかんとした表情で、ピーシェは俺を見つめた。

 

 

「おう、嘘は言わねぇよ。」

 

 

真面目な様子でピーシェを見つめ返す。

実際、嘘じゃない。

 

危ない印象を感じて、儚げな様子とたまに見せる無邪気な様子。

姉ちゃんと似てるけど明確に違うなにか。

 

一目惚れなんだろうか。

…支えたいって思っちまった。

別世界の、誰かを。

馬鹿な奴だ、どうしようもない馬鹿な奴だ。

また、女で困ってるじゃないか。

 

 

 

「…ありがとっ!!」

 

むぎゅっ!!

 

さっきより強めに抱きしめられる。

む、胸が!

柔らかい体が抱き着いてきて…!

 

「どわぁ!!?」

 

抱き締められて、慌てる。

あーもう、またか!

 

「唐突すぎて吃驚するって!?」

 

「す、すいません。また…」

 

そういいながらも離していない。

…あーくそ、可愛いじゃねぇかよ!

 

 

「タイプだ…、なんて初めて言われたもので……嬉死しそうでつい…」

 

「…マジかよ。ピーシェはかなりっていうかめっちゃ美人なんだから自信持てよ。」

 

呆れた。

周りは馬鹿か。

こんな可愛いのに、告白もされたことないは疑うわ。

 

今の顔を見られたくなくて、抱き締める。

…あーくそ、マジだよ。

一日でこれは…惚れやすすぎだろ。

 

 

「俺なら間違いなく告るね。周りの男は見る目がねぇよ。」

 

 

こう言って、離れてくれればいい。

それでいい。

そう思って、俺はわざとそう言った。

 

実際には、そんな度胸はない。

あるんだったら今頃…ここにはいないと思う。

 

 

 

「…ありがと、何なら今告ってもいいんだよ?」

 

 

 

予想外な発言に息を飲む。

蠱惑な言葉だった。

それは、分かってていってるんだろうか。

 

(『相棒、分かっているんだろうな。』)

 

…分かってるよ。

そんなことは、分かってる。

本当に馬鹿な男なんだ、俺は。

 

…何で惚れるかなぁ…よりにもよって、この子に。

でも、それでも…

 

言葉にせずに溜め込むことの辛さは…分かってるつもりだ。

 

なら、それをして、後悔する方がいい。

 

俺は、意を決して言葉にする。

 

 

 

 

「…俺は、ピーシェが好きだよ。」

 

 

 

 

初めての告白だった。

結果の分かっている告白。

だって、互いに忘れた方がいい事なんだ。

それを、俺は…告白なんてして。

 

声が震える。

 

(『悲しんでるのか、相棒。出会って、数時間しか一緒にいない女だぞ。』)

 

…想いに、時間は関係無いよ、ドライグ。

 

抱き締める力が強くなる。

初めてだ、こんなに胸が締め付けられるのは。

姉ちゃんの辛そうな顔を見た時は真っ先に怒りが浮かんだ俺とは思えない。

 

 

 

「で、も…オレ、は……!」

 

 

「『ネプ姉ちゃんや、みんなを守りたいんだ』かな?」

 

 

「…っ、ああ。姉ちゃんが放り出してねぇのに俺が放り出すわけにはいかねぇ。それに…俺は、この次元の奴じゃない。」

 

俺は、この次元に居られないんだろう。

激しい矛盾だ。居たいのに居られない。

…難儀な性格だと思う。

姉ちゃんを守りたいから一緒に帰る。

けど、好きな人とも居たい。

 

だから、これは一つの選択だ。

 

 

「…そう」

 

 

そういって、ピーシェは俺を離した。

 

 

「それでいいよ。君のやりたいこと。信じたいことを貫き通せばいい」

 

「…ああ、俺は俺の意志を通す。」

 

顔を乱暴に腕で拭ってから、拳をピーシェに向ける。

吹っ切れたいい笑顔を装う。

…本当は。

その想いを、今度こそ心に仕舞う。

 

…俺は、こっちを選択しないと。

 

「だから、ピーシェも頑張れよ。」

 

「…いわれるまでもないよ」

 

 

そういって、ピーシェは俺の拳に、自分の拳をぶつけた。

まるで何かを誓い合うように、ぶつけあった。

 

…勝手に告って、終わったなぁ。ま、その方がらしいか。

 

レイナーレの時より、よっぽど心地がいい終わり方だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「昨日はお楽しみでしたねっ!!」」

 

「そうですね」

 

「「え?」」

 

「おう、そうだな。」

 

「あ、ありゃりゃ?イッセー君の反応も普通?」

 

「何もなかった?」

 

「どう思う?」

 

「うわぁ一誠が反抗期!」

 

ま、まさか一誠がはぐらかすなんて!?

こ、これは事件だよ…!

 

「ちょちょちょ!!ピーシェさん何かあったんですか?」

 

「……ふっ」

 

「何よ!!その大人な笑みはぁ!!」

 

ピィー子は軽く笑って、ヴァ―リに体を向けた。

 

「なんか、昨日はすいませんでした」

 

「構わん。実際、ここの風をもう少し感じたいとは思ってたからな。」

 

「おー、ヴァーリ君って厨二?」

 

「ほう、この口か?」

 

「いひゃひゃひゃひゃ!!」

 

ヴァーリが笑顔で別ねぷの口を左右に引っ張る。

 

「あはは、二人とも思い思いに楽しんだっぽいね。」

 

「ええ、とても…さて、そろそろタイムリミットでしょうね」

 

 

「ん?ピィちゃんどういうこと?」

 

 

その言葉に反応するかのように、自分、一誠、ヴァ―リの体が光りだす。

およよ…?

 

「次元が繋がったからと言って、ずっと持続できるわけではありません。ある程度近いと修復はされませんが。

遠すぎると次元修正のために強制的に元の世界に戻されるんです」

 

「わわっ!?ってそっか…今日でお別れか。」

 

「そのようだ。…まあ、何にしても、面白い夢だったと思っておこう。」

 

「そう、か。お別れか…居心地よかったし、もう少しいたかったぜ。」

 

ヴァーリはふっと笑い。

一誠はかなり残念そうにしつつも苦笑い。

お別れ。

それを実感した。

 

…そっかそっか、これで皆とお別れかぁ…

長いようで、短い終わり。

 

うん、仕方ないよね。

 

「ピィー子、ノワール、ネプギアちゃん、もう一人の私。

ちょっとの間だったけど、ありがとね。」

 

「うん!またね~!!」

 

「ちょっと!まだスマシス一回も勝ってないんだけど!」

 

「はい、さようなら!!」

 

 

そういって、ノワールは怒ったが、別ねぷとネプギアは満面の笑みを浮かべた。

あはは、ノワールには悪いけど再戦の機会は無いかなって…

 

「…」

 

少し黙っていたピィー子が、まずはヴァ―リに近づく。

 

「ヴァ―リ君、これを」

 

 

差し出されたのは紙で、何かのレシピにようだ。

 

 

「疑ってくれたお礼です。堕とすのに使ってください。愛情というスパイスは忘れずに」

 

ねぷっ!?

 

驚く自分の横で一誠が高笑い。

 

「ハーッハハハ!残念だったなノワールさん!勝ち越しのまま行かせてもらうぜ!ネプギア、お前の姉ちゃんを守れよ!俺も頑張るぜ!」

 

「後腐れないねー流石私!」

 

 

「ん?ああ…ありがたい。…ピーシェ、俺には倒すべき相手、憎むべき敵がいる。だがそれとは別に守りたい者もいる。

…挫けるな、何かあれば、周りをみろ。目を曇らせること無く、強くなれ。」

 

レシピを受け取ってから、真面目な面持ちでピーシェに言う。

 

「とまあ、俺が言いたいのはそれだけだ。レシピ、感謝する。いつかの再会を楽しみにしていよう。」

 

ヴァーリはふっ、と笑ってまた会おうと言う。

 

「ええ、忠告感謝します」

 

そういってピィー子は優雅にお辞儀をする。

 

 

「そして一誠君、まあ君には伝えるべきことは伝えましたね。だから…そうですね」

 

 

ちゅっ……

 

ピィー子は一誠のほっぺにキスをした。

へっ?

 

ちょ、ちょちょちょ!?

どういうこと!?

やっぱりそういう…!?

 

「次会ったときは貴方の心を頂く…なんてね」

 

「…ハハ、参ったな。次会うときは、全部の荷物を下ろせてたらいいんだけどな。またな。」

 

恥ずかしそうに頭を掻いてから、ニッと笑う。

何でそんな満更じゃなさそうなの!?

 

「わわわ…ピィー子と一誠がそんな関係に!?」

 

「どうでしょうね?…さて、最後にネプテューヌさん」

 

 

そう言って、ピィー子は驚いてる自分を見た。

え、ああ、自分の番?

 

 

「私は貴方が嫌いです、貴方のような自己犠牲の塊はだいっっ嫌いです」

 

「また言われちゃった…他に言葉は無いのー!?

ピィー子のケチー!」

 

「ねぷ姉ちゃんは自業自得だろ。」

 

「…まあな。」

 

「うぐっ!酷いなぁ…」

 

ひ、酷いあまりにも酷い言葉に心が砕けそうだよー…

 

「でもね……『ねぷてぬ』、誰にでも一つは矛盾を持ってるって、言ったよね?」

 

ピィー子はそう言って、何かを取り出した。

缶?

 

ピィー子はそれを見て、少し瞑目。

 

そして─

 

 

 

 

 

「私の矛盾を教えてあげるっっ!!私の大嫌いは!大好きだから!!」

 

 

 

 

 

そういってピィー子は何かを投げ渡した、それはプリンのジュースのようだ。

…これは…

 

「私はエンディングは作らない!そしたら会えなくなっちゃうから!

次回予告がずっとずっと続き!もっともっと会えますように!!

 

それは()()()()()()()()()()よ!受け取りなさい!!」

 

「わっとと…」

 

…ああ、そっか、これ。

うん、想いを感じる。

シェアじゃないけど、それに似た何かを。

 

「あはは、そっか!きっと世界一美味しいね。」

 

…ピィー子になら、いっか。

 

ちょっとしたサプライズ!

 

受け取って、笑顔を見せる。

ピィー子の方へと近づく。

 

「うん、こうやって教えてくれたピィー子には、ちゃんと教えないとだよね。」

 

光になっていく手で、しっかりとピーシェの手を握る。

 

綺麗な手。

でもきっと、それを言ったら否定されるから心に。

 

…スイッチを切り替える。

 

 

 

 

「『自分』は─────ネプテューヌ。」

 

 

 

 

 

「かつて、死んじゃった空っぽのパープルハートに入った誰かさん。」

 

 

 

 

 

いーすん位にしか見せない顔。

ネプテューヌとしてじゃない、自分の顔。

 

言葉を送りたくなった。

 

励ましの言葉を、友達としての言葉を。

本当の本当の、本心から。

 

 

 

「きっと貴女はこれからも苦労すると思う。

でもね、それでも貴女は一人じゃない。

一人きりでは越えられない苦難も、誰かと一緒に。

貴女を含む抱える悲しみ全てに希望を灯してくれる筈だよ。

『自分』も、ここではない何処かで貴女を支える一人。」

 

 

 

自分にも言える事。

誓いのように、ピィー子に伝える。

これは、神様にも伝えたことの一つ。

 

ネプテューヌとしてじゃない、自分としての言葉を。

 

ネプテューヌ特有の微笑みじゃない、何か別の、平凡な微笑みを向ける。

 

 

「……やっと見れたね、貴方の本当の顔を」

 

 

 

そういってピィー子は優しく握り返す。

 

 

 

「なら、また会ったら話し合おう…。希望も絶望も…。

願わくば、私も貴方を支える一人の『大嫌いな人』になろう…。またね」

 

ああ、やっと。

この時ようやく…通じ合えた気がする。

 

嬉しくて、悲しい。

 

けど、お別れにはしたくないから。

また会いたいって気持ちを込めて─

 

 

 

 

「─うん、『またね』」

 

─スイッチを、切り替える。

 

手を離して、一誠とヴァーリの元へ戻る。

 

「もしかしたら、次元が繋がっちゃうかもしれないし!

希望は捨てないよ!

じゃ、皆!光さんも空気読んでるみたいだし!締めといくよ!

ドタバタだって絆はここにあるから、来れない保証なーし!

というわけでさよならは無し!

また今度、ゲーム機持ってカチコミに行くからよろしく!!」

 

「また会おうな!」

 

「まあ、縁があれば、だな。」

 

そう言って、手を振って完全に光となって消えていく。

まるで最初から、そこにいなかったかのように。

 

「またゲームしようね~!!」

 

「はい!また縁があれば!」

 

「また会いましょう!次は負けないわ!!」

 

最後に皆との再会を願う言葉を聞いて、ゲイムギョウ界から、自分達は消えた。

 

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