冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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私だけ~の、棚が、ここに、あるのー♪(挨拶)

えー、最初はシスコンドラゴンこと一誠の視点です。


仲良く、楽しくね!

えー、どうも、イッセーこと兵藤一誠です。

最近だとシスコンだのオカンだの言われてるけど、俺が女神化したねぷ姉ちゃんのあの魅惑ボディに誘惑されてないのは健全な弟ポジ

を貫いてるからな。決してエロいっすとか思ってないんだからな。

 

…若干思ってるのは内緒な。

 

んで、さっきねぷ姉ちゃんに姫島先輩の関係者…多分、親父さんだよな、会話内容からして…その人の対応を任されて取り敢えず座りましょうって言ってベンチに座って落ち着く。

 

「姫島先輩と何か話してたようですけど…」

 

「お前に話す義理はない。」

 

「まあ、そうなんすけど…」

 

「…先程の少女は、お前の何だ?」

 

「俺には聞くんすね。」

 

「ぬぐ…」

 

「ハハハ、別に構わないんですけどね!

ねぷ姉ちゃんは俺の姉ですよ。」

 

「ねぷ…となると、あの少女がネプテューヌ、女神パープルハートか。だが、お前は悪魔だろう?」

 

「あー、まあ。俺は単純な内容ですけど、ねぷ姉ちゃんは深い事情があったっていうか…」

 

ねぷ姉ちゃんは信じてくれてるのか俺やアーシアには殆ど教えてくれた。

自分に昔の記憶が無い理由…つまり、昔の戦いの時、とっくに本当のねぷ姉ちゃん…ネプテューヌは死んじまってて、今入ってるのは全く別の魂らしい。

 

だからといって俺の大好きなねぷ姉ちゃんは子供の頃からずっと居てくれたねぷ姉ちゃんだけだ。

強くて、優しくて、頼もしいねぷ姉ちゃんだ。

 

アーシアからしても、同じだと思う。

 

姫島先輩の親父さんはそうか、と言って深くは聞かないでくれたのだった。

 

「そうか。…私はバラキエルだ。」

 

「え、ああ!俺は兵藤一誠です。」

 

「一誠か。なるほど…朱乃とはどういう?」

 

「オカ研の副部長と部員って感じですかね。後は部長の眷属同士といったところですよ。」

 

「そうか…あの子が悪魔になったのは私の責任故、何も言う気はない。いや、まず取り合ってすらくれんのだが。」

 

「親子なんですか?」

 

「…そうだ、私と人である姫島朱璃とのな。朱璃に似てくれてよかったと常々思うよ。俺のような武骨な者にならずにいて安心する。」

 

子を心配する親、か…

やっぱ、俺も話さないとだよな。

踏ん切りがつかないのは寧ろ俺の方だしな。

 

『相棒。』

 

(ドライグ、どうした?)

 

『寧ろ、お前がアクセル全開でないのが丁度いいと俺は思うぞ。』

 

(どーいうことだおい。優柔不断な方がいざとなった時のパワーアップが凄まじいとかそっち方面の事考えてるんじゃないだろうな?)

 

『それもそうではあるが…あの女神とお前が全速前進の姿勢だったらどうなるか分かってるだろう?』

 

(あ、はい。)

 

そっすね。

ねぷ姉ちゃんのブレーキ役になれる人はそんなに居ないんだ。

いーすんも絶対止めれるかって言われたら少し悩むしな。

アーシアは…事後処理的な役かも。

 

お、俺が何とかしねぇと。

ヴァーリの野郎には譲らねぇぞ!

 

『白いのと戦ってくれるのなら構わんが、引き合いに出される女神が哀れだ…』

 

(黙らっしゃい。)

 

ええいこのドラゴン、痛いところ突きおってからに。

俺だってねぷ姉ちゃんをそういうことの引き合いに出したくねぇっての。

けど、絶対に決着はつけてやるからな…!

 

「…何やらやる気に満ちているようだが。」

 

「あ、すんません。ちょっとシスコン覚醒するとこでした。」

 

「シスコン…?まあいい。」

 

「気にしないでください。姫島先輩、怒ってたみたいですけど…親子喧嘩ですか?」

 

「私が悪いのだ。…朱璃と朱乃を守りきれなかった私が。」

 

「…良ければ、相談くらい乗りますよ。」

 

「お前が私の相談に乗って得れる利益などあるまい。」

 

「あー…ねぷ姉ちゃんがうつったかな。放っておけないっていうか。」

 

「…変わり者だな。なら、相談に乗ってもらおうか。」

 

そっから、姫島先輩の過去が分かった。

堕天使と人間との子供で、家特有の才能が無いからって…始末しようだなんて間違ってるぜ。

それが原因で仲の良かった家族がバラバラになるのは、尚更!

綺麗事ばかりが世界じゃないのは分かってるけどよ、それを許容したらねぷ姉ちゃんもだけど俺は俺が嫌になる!

 

「バラキエルさんは姫島先輩と話がしたい、ということか…」

 

「ああ…私の責任とはいえ、ああも避けられてはそれも叶わないがな。」

 

「もし、それが解決するとしたら?」

 

「何?」

 

「今から言うのはもしもの話ですよ。俺らしくないからこういうプレイはねぷ姉ちゃんとかに任せるのが弟なんだけど…」

 

協力プレイらしいからな。

ねぷ姉ちゃんが任せたって言うんだからお膳立ては任せたって事だよな。

ふっ、弟はしっかりと分かってるぜねぷ姉ちゃん!

 

俺は頭が悪いんじゃあない。感情的なだけなんだぜ!

そう、頭悪いんだったら駒王に受かる訳がない!

 

「もしも、ねぷ姉ちゃんが姫島先輩の説得に成功したら、バラキエルさんは先輩と話せる。」

 

「まあ、そうだな。」

 

「そうなったら、バラキエルさんはまず何て言うんだ?」

 

「…すまなかったと言いたい。私があの時任務に向かったばかりに朱璃を失うだけでなく朱乃の心を傷付けた。ならば、私は過去の事を朱乃に謝罪したい。そして…もし許されるのなら親子としての絆を、取り戻したい。」

 

「姫島先輩を娘だって面と向かって言えるんですね?」

 

「当たり前だ!悪魔になろうと、拒絶されようと、あの子は私達の大事な娘だ!」

 

「なら、大丈夫ですよ。」

 

「もしもの話だろう!出来るわけがない。あの子の拒絶はとても強い…仲間とはいえ他人がどうにか出来るわけがない!」

 

頭ごなしに否定、拒絶するのは親子って感じだなぁ…

でも、それで言葉を撤回する一誠さんじゃないぜ。

こうして関わった以上、俺はかーなーりしつこい。

 

否定もそこまでだ、残念だったな(某鋼男)

 

「否定するのは簡単だけど、諦めるのか?」

 

「それはっ…」

 

「仮の話だとしても、そういったことも考えられない奴が、すぐに諦める奴が否定するのは違うだろ!

ねぷ姉ちゃんなら絶対に何とかしてくれる。信じてくれ。」

 

「何故だ、何故そこまでする?無償の奉仕など、ただの自己犠牲に他ならないだろう。」

 

「…俺も、本来ならそういったもん求めますよ。」

 

「ならば…」

 

「けど、こういう仲間の問題解決に見返り求めるのは違う。」

 

バラキエルさんは俺の言葉にしばらく考えるように目を閉じた。

少しして、目を開けて俺をしっかりと見捉える。

 

「……そうか、お前はそういったことの判断が出来るのだな。

…そうだな、お前を信じてみよう。」

 

「ありがとうございます!」

 

「いや、礼を言うべきなのは私だ。

ふっ、お前のようなマトモな男だ、どういった願いで悪魔になった?」

 

ピシリ、と固まる。

 

おいおいおいおい、ここでそれ聞くの?

いやまあ、気になったから聞いたんだと思うよ?

答えられる内容じゃないじゃん!

 

ハーレム王になりたいから悪魔やってますだぞ!?

娘さんはそんな俺の仲間ですってなったらどうなると思う!?

ほう、正直に暴露する気ですか。

死ぬわ俺。

 

『はぁい、相棒?建前やってる?』

 

ドライグの妙な煽り。

まずいぞ、このままだと正直に話すしか…建前を、言おう!

そしたら…

 

「え、えー…俺、悪魔社会に物申したくて~」

 

「嘘は好かんな。」

 

「あはん。」

 

ピシャリと一言。

 

ばれてーら。

本格的にまずい。

助けてぇぇ!!ねぷ姉ちゃぁぁぁん!!!!

 

─頑張って!一誠なら誠心誠意伝えれば平気だよ!

 

お、俺の内なるねぷ姉ちゃん!?

そうだよな、俺の名前の通り、誠意ある対応をすれば…!

 

『相棒、お前…(ドン引き)』

 

ドライグが何でかドン引きしてるけど気にしない!

気にしたら負けだ!

シスコンなら己の内に姉を投影するくらい余裕だ!

 

「はい、俺はハーレム王になりたくて悪魔になりました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そしたら、怒られて弁明する機会も失ったんだよな。」

 

「当たり前じゃない?」

 

「かなりキョウフをかんじました((( ;゚Д゚)))」

 

『女神、言ってやれ。相棒はかなり深い沼に沈んでる。』

 

中継変わってネプテューヌだよ!

いやぁ…一誠視点は久しぶりだから切らなかったけど、これは酷い。

え、何?一誠って毎日心の中に自分生やしてるの?

純粋に怖かったんだけど…

 

「一誠…それは、キモイよ…」

 

「ハーレム王が?」

 

「一誠が私を心の中に投影してるのが。」

 

「何でさ…」

 

「いや…私は現実にいるのにそっちにも居るとか引かないのがおかしいっていうか…大人の私が突然空から降ってきました!とかならまだ分かるんだけどね。」

 

『分かったら駄目だろ。』

 

「ヘイゼンとミライのじぶんまたはヘイコウセカイからくるカノウセイをみとめないでください…」

 

「いやほら、ネプテューヌだよ?あり得るって!」

 

次元を越えたりするのは絶対にあり得るよ!

何せ、魂が乗り移る系主人公がここにいるからね!

というか乗り移った結果が自分なんだけどね!!

 

とまあ、こうして一誠の説明を聞いていて、朱乃ちゃんとバラキエルさんは二人で少し気まずそうな雰囲気であっちで座ってる。

そろそろあっちの状況動かさないとね!

 

二人の方へ駆け寄る。

 

「二人とも暗いよー!明るくとは言わないけど、どっちかから話さないと!」

 

「あ、ああ…すまない、この場を設けてくれた女神と彼にはどう礼をすればいいか…」

 

「いいのいいの!」

 

「しかし、それでは私の気が収まらない!」

 

「私もですわ、ネプテューヌちゃん。イッセー君にも迷惑をかけてしまいましたし…」

 

「んー…それならさ!今度、ゲームでもしようよ!」

 

「ゲーム?そんなものでいいのか?」

 

「いつもやっているのでは?」

 

「ううん、誰かとやるゲームって楽しいよ?一人でやるのもそうだけど、いつもと違う人とやるのは新鮮だもん。」

 

「…ゲーム…遊び、か。」

 

「…思えば、昔はよく遊んでくれましたわ。」

 

「ああ、朱璃も…私も、お前と遊ぶ時間が何よりも好きだった。」

 

…うん、何だかいい雰囲気だね。

 

「朱乃、朱璃を守れず…お前を傷付けた。父と呼んでくれとは言わん。だが…すまなかった…!」

 

「…私も、ずっと子供のように頑なに認めなかった。

父様が忙しいことなんて分かってた筈なのに、来てくれなかったからと全部父様のせいだと押し付けて。

…ごめんなさい、父様。」

 

「っ…!」

 

お互いに、謝る。

ずっと、離ればなれだった寂しさもあったのかバラキエルさんと朱乃ちゃんは互いに抱き合って涙を流す。

 

二人の時間にしよう。

そう思って、いーすんと一誠の方へ戻る。

二人ともいい顔だ。

 

「おつかれさまです。(^∇^)」

 

「説得、大変だったろ?」

 

「ううん、ここに来る前の話をしたくらいだよ。」

 

「…先輩も一歩踏み出したんだな。」

 

「とてもおもい、いっぽですよ。」

 

「でも、その一歩が大事なんだよね。踏み出さないと、前に進まないんだよ。当たり前の事だけど、大変だよね。」

 

「ねぷ姉ちゃんはそれをどんどんやるんだから、こっちの身にもなってくれよ。」

 

「主人公ですから!ドヤァ!」

 

「くそ、許せる!」

 

『許すな注意しろ。』

 

あっさり、と思うかもしれないけどこの瞬間まで10年の時間があったと思えば…これくらいあっさりの方がいいよね。

一言一言が本人達には重い筈だから。

 

「よし、ねぷ姉ちゃん!病室に戻ろうぜ。」

 

「はい、フタリともおセッキョウですよ(#^-^)」

 

「覚えてた!?」

 

「あたりまえです!」

 

『甘んじて受け入れるんだな、二人とも。』

 

「ドライグ、テメぇ!」

 

「うわーん!やっぱり鬼、悪魔、いーすん!」

 

「なんといわれようと、コンカイはゆるしませんよ!」

 

うー…今回は逃げちゃ駄目だね、逃げたらいーすんが口効いてくれないかもしれないもん…

一誠と一緒に諦めて、病室へ戻る。

勿論、帰りはおぶってもらう。

 

えっさえっさと戻る途中…

 

「よう、お前ら。」

 

「おっちゃん?」

 

「どうかしたのか、おっさん。」

 

自分達の方へおっちゃんが歩いてきた。

一誠の問いにいや…と言葉を少し濁す。

 

「…姫島の娘の事、ありがとよ。」

 

「アザゼルさん、やはりしっていたのですね?」

 

「ああ、知ってた。…俺がやってやれた事なんてお前らのしてくれたことに比べたら些細なもんだったがよ。」

 

「いいじゃん!ああしてバラキエルさんと朱乃ちゃんは仲直り出来たんだし!何をしてあげられたかじゃなくて、結果どうなったのかだよ。」

 

「お前、お前~…いい奴だなぁ!」

 

「わー!?おぶられてる状態での頭ガシガシは禁止!ねぷ子さんも女の子だからそういうの気にするんだよ!?」

 

「へぇ、意外だな。お前の性格からして無頓着だと思ってたぜ。」

 

「何をぉ!?このねぷ子さんヘアーはわざと短くしていることにお気付きにならない!?」

 

「短くした方が楽だからじゃねえの?」

 

「そんなこと無いよ!短くしてた方が、何て言うか…ねぷ子さんって感じがするし!」

 

「ねぷ姉ちゃ~ん…俺の耳にガンガン響くぜ…」

 

「あ、ごめん。」

 

一誠が目を回してるから静かにする。

 

…そういえば、ロキは大丈夫かなぁ。

フェンリルはどうにかなった…っていうか、アーサー達とどっか行っちゃったけど。

精神汚染って位だからどんどん…

 

「ロキの事心配してんのか?」

 

「分かっちゃった?」

 

「お前の心配事なんて他人ばっかだからな。

安心しろ、悪神だぜ?そういう悪どいもんへの耐性は高いだろ。」

 

「でも、汚染されちゃったよ?」

 

「元々お前用だったんだろ?なら、強めにされても仕方ないさ。

だが、俺とロキを信じな。」

 

「…うん、分かった。」

 

おっちゃんとロキを信じる、か。

うん、だよね。

信じられるだけじゃなくて、自分も信じないとね。

 

一誠にも一人で突っ走るなって言われたし、仲間と頑張らないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、病室に寝かされてる…んだけど…

寝れない!

いーすんのお説教も凄かったし…何気に他に迷惑かからないように防音されてたし!

 

だから、病室で窓をボーッと見てるんだけど…

困ったなぁ。

 

「ねむれないのですか?(/0 ̄)」

 

「いーすんは寝てていいよ。今日はごめんね?」

 

「いえ…あまりムリはしないでくださいね。ネプテューヌさんのことをしんぱいしているのはワタシだけではないのですよ?」

 

「うん、ありがと。」

 

「はい。では…おやすみなさい(-_-)zzz」

 

いーすんはそう言って、自分の中に入って休眠モードに入る。

そこは何かロボっぽいんだね~。

こうなったいーすんはちょっとやそっとじゃ起きない。

いやまあ、心の中で必死に呼び掛けると起きてくれるんだけどさ。

 

…お父さんやお母さんにも連絡はしたし、大丈夫。

 

『ねぷ姉ちゃん。俺、決めた!これが終わったらしっかりと伝える。』

 

お昼の時の一誠の言葉を思い出す。

やっとお父さんとお母さんに話す勇気が出たらしい。

うん、一歩踏み出したね。

お姉ちゃん、そういう一誠が大好きだよ。

 

……あーもう、そこで迷う必要ないじゃん!

 

ずっと入ってこないその人へ声をかけることにした。

 

「開いてるから入ったら?」

 

「…寝ないのか?」

 

入ってきたのは、やっぱりというか…ヴァーリだった。

かっこつけて夜に来た感じ?

ねぷ子さんとのコミュニケーションから逃れることはできないよ!

 

ヴァーリはベッドの近くまで来て、椅子に座る。

 

「何だか眠くなくて。」

 

「俺でよければ話し相手になろうか。」

 

「んー…じゃあ、お願い。」

 

そもそも、何のために来たんだろ?

 

「こんな夜遅くに、下手したら私寝てるのに来た理由を聞いてもいい?はっ、まさか夜這い!?」

 

「そういう事をするつもりはないさ。様子を見に来ただけだ。」

 

「で、本当は?」

 

「寝顔が見れたらラッキーだと思った。」

 

「正直でよろしい!」

 

心配してくれるのはいいんだけどね。

ヴァーリは自分の怪我してる肩を見ている。

 

「…大丈夫か?」

 

「派手に動くと痛いだけで普通に過ごす分には平気。

明日はどうか分からないけどね。」

 

「すまない。」

 

「え、何で謝るの?」

 

「守ると言ったのにこの様だ。離反した英雄派の動向を捉えきれなかった。」

 

「それは仕方ないよ。全部出来る人なんてそういないって!

それに、ちゃんと助けに来てくれたじゃん。」

 

「…それはそうだがお前を守りきれなかった。」

 

「じゃあ、ずっと傍にいてくれる?」

 

「…」

 

ヴァーリが黙り込む。

 

ずっと傍にいるなんて出来ないよ。

ヴァーリはまだ、テロリストなんだから。

英雄派は少し特例なんだってサーゼクスさんが言ってた。

自分や自分の周りの一般市民を守る者が居ないから都合のいい英雄派を護衛役にしたんだって。

 

それでも、実際に助かってるから英雄派の皆への感謝の念は絶えない。

 

身体だけ起こして、座ってるヴァーリの頭を撫でる。

 

「ヴァーリがそう言ってくれるのは凄く嬉しいよ、嘘じゃないよ?でも、強いヴァーリにも守れる限界はあるんだよ?」

 

「…そうだな。」

 

そう言って、ヴァーリは撫でる自分の腕を掴む。

それで、顔をズイッとこちらに近付けてくる。

ちょっとビックリする。

 

「ネプテューヌ…それはお前も同じことだろう。」

 

「ふふん、私は─」

 

「お前は、一人だ。お前しかいないんだ。」

 

強がりを言おうとして、先手を取られる。

どうして、そんな酷く辛そうな顔をするの?

自分は、ただ皆と楽しくいたいから頑張ってるんだけど…

 

「今回は肩だったからよかった。だが…もし、心臓だったら?」

 

「でも、結果としては無事だったよ?」

 

「結果論だ、そうなる前のもしもも想定しろ。」

 

強い口調。

それだけ心配してくれてるのが分かる程、少し危機迫った感じ。

確かに、もしあの速さで刀が胸に来てたら死んじゃってたかもしれない。

 

危機管理が足りなかったと言えば、それまで。

わざわざこうやってもしもの話も交えて気を付けるように言うのは一重に自分を心配してくれてるから。

顔が離れる。

ちょっと安心する。

 

「…ヴァーリは、さ。私が死んじゃったら悲しい?」

 

「…どう、だろうな。考えたこともない。」

 

「じゃあ、考えてみて?」

 

「…苦しいな。」

 

「そっか。」

 

パッ、と腕を離してくれる。

苦々しい顔で、想像できちゃったのかもしれない。

 

自分らしくないけど、自分はいつそういうことがあってもおかしくない立ち位置だと把握してる。

けど、見過ごせないから動く。

 

「私はこういう性格だから危ないって分かってても動いちゃうんだ。」

 

「知ってる。」

 

「で、皆に心配かけちゃうけど…自分がこうじゃないとって思った結果が欲しくてもっと無茶をしちゃう。」

 

「そうだな。」

 

「…本当は戦いたくないよ。こうやって話して、お互いを理解して、解決したいんだ。」

 

「…ああ。」

 

「それが出来るっていうなら、私はこの力だって捨てれる!

神様がせっかく私を想ってくれた力だけど、それが邪魔なら捨てるよ。…でも、それじゃ駄目だから頑張るんだよ。」

 

「仲間を頼っても、無茶をするのか?」

 

「ごめんね。」

 

「…ネプテューヌ。」

 

「うん、何?」

 

「好きだ。」

 

「知ってるよ。」

 

「お前が消えるのは、恐らく俺には耐えられない。」

 

「…そうかな、皆強いから、平気だよ。」

 

「平気じゃない。」

 

…うん、何となく分かるよ。

だから、自分は立ち上がれる。

そうなりたくないし、出来ればそこに自分もいたい。

 

「俺は、頼りないか?」

 

「ううん、頼もしいよ。

…多分、誰よりもそういう面で信頼してるよ。」

 

「なら…もっと頼ってくれ。」

 

「…うん。」

 

ヴァーリはヴァーリのエゴがある。

自分が好きだから、こうして守ってくれてる。

多分、そうじゃなかったら…ここまで言ってくれてない。

 

でも、ここまで自分に言ってくれるのはヴァーリ位しかいないんだよね。

ちょっと…ううん、かなり嬉しいかも。

こう、純粋に好意とかぶつけられるとどうもね。

 

「うーん…ねえ!ちょっと顔こっち近付けて!」

 

「なんだ…これでいいか?」

 

疑いもしないで、顔が近付く。

少し見つめる。

うーん整ってらっしゃる。

こんなイケメンに好意ぶつけられる自分ってもしかしなくても超絶美少女の類いでは?ねぷ子さんだからね。

 

しめしめと思う。

 

「うんうん、じゃあサービスね!」

 

「何を─」

 

 

頬に、唇を当てる。

 

 

「──」

 

「ねぷ子さんからのお礼っていうか!そんな感じ?」

 

「…」

 

「あれれ、ちょっと反応よろしくないよ?」

 

固まってるし。

何さーちょっと仕返しのつもりでやったのに反応がこれじゃちょっとつまんないよ?

 

ヴァーリがスッと立ち上がる。

 

「あ、あれ?」

 

「…帰る。」

 

「あれ、怒らせちゃった?」

 

「いや…もういい時間だ、寝るといい。」

 

「うーん…分かったよ。」

 

何か変だし、聞かないでおこう。

うん、それがいい。

ヴァーリは少し早足で部屋から出る。

 

いーすんも寝てるし、また一人。

 

うーん、勢いとはいえ頬にしちゃった。

まあでも、これも仕返しだしね。

ねぷ子さんも攻めれるんだよと教えてあげないとね!

 

「…えへへ。」

 

ただ、自然と顔が緩んじゃうのは…うん、仕様だよ。

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