冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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私のターン!(挨拶)

うおおおおおん、俺は投稿マシーンだ!
原動力となる感想、評価を、くれぇぇぇぇぇ!!(溢れる欲望)





私達、付き合いま…ってこの空気何!?

目を覚ます。

 

何だか、暖かい。

というか…抱き付いて…

 

─思い出す。

 

「わ、わ…」

 

顔がすごく熱い。

あ、あー…そうだった…

昨日は…告白して…それでっ。

 

頭が茹で上がりそうだった。

 

というか、ここ…

 

 

 

病院じゃん!!

 

 

 

あ、あのまま寝ちゃったの!?

迷惑すぎるじゃん、看護師さんとかに見つかったら怒られる!

こ、こうなったら…すぐに窓から飛び降りて女神化すればまだバレない!

 

そう考え、動こうとして今更気付く。

 

…抱き付かれてる。

 

腕を退かそうと思って、やめる。

寝顔を見る。

 

…あーもう、ズルばっかだ。

 

こんな…見てるだけで心がポカポカするのは、ズルい。

逃げるとかそういうのをやめたくなる。

 

脱力して、自分もヴァーリの背中に腕を回す。

 

「…」

 

昨日の夜、ようやくというか…自分が逃げてただけなんだけど恋人になれて。

それで…キスしたんだよね。

うん、その…何回か。

 

今思うと、餓えてるのかって言われたら反論できない…!

 

最近のねぷ子さん、ちょっといやらしい方向行ってるから軌道修正しないと…

かなり心が軽い。

こんな気持ちで朝を迎えるなんて初めて!もう何も怖くない!

 

まあ、重荷がまた無くなったっていうか。

もう、置いていくとか思えないっていうか。

 

「…」

 

「あ、起きた?」

 

少し目蓋を開いたヴァーリに笑顔で挨拶をする。

眠そうな顔を隠そうともせず、じっと自分を見ている。

て、照れるんだけど。

 

「へい彼氏、おはよう!」

 

「おはよう…もういいのか?」

 

「ストップ!シリアスは禁止!」

 

「持ち込むお前が言うな。」

 

「ぐはっ…おのれ、この彼氏容赦がないよ…!

うー…それよりもこの腕を退かしてよー」

 

背中を優しく叩く。

どけて~って軽い調子で言う。

ぷ、プリンが恋しいなぁ!

 

心臓バックンバックンだから早くして!

 

「嫌なのか?」

 

「嫌じゃないけど、場所を考えよ?」

 

「別にいいだろう。俺の病室なんだから俺の勝手だ。」

 

「勝手に倒れておいて良く言うよ…」

 

「少し位傲慢な方が生きやすい。」

 

「…で、どけてくれないの?」

 

「もう少しこのままだ。」

 

「うー…」

 

恥ずかしさが込み上げる。

でも、嫌じゃない。

 

嫌じゃないけど、自制心!

ねぷ子さんは拘束を振り払って見せる!

 

モゾモゾと動いて、上手いこと抜け出す。

ふふん、小さいことが幸いしたね!

 

ふっ、小さいことがね…胸も、身長も…ふっ…

 

そそくさとベッドから脱け出す。

 

ヴァーリは残念そうだ。

罪悪感が凄いからその顔やめてよ~…

要求されたらしてあげるから、なんて恥ずかしくて言えない…

 

「痛くない?」

 

「問題はないが、風呂が恋しい。」

 

「あの後、体を拭いた程度だったんでしょ?そりゃ恋しいよね。」

 

「お前と入りたい。」

 

「流石に欲望の垂れ流しし過ぎじゃないかな!?」

 

「駄目か…」

 

「さ、流石に早いよ…」

 

ちょっと自制心無さすぎじゃないかなってねぷ子はねぷ子は呆れてみたり…

しょんぼりしているヴァーリが、何だか子供っぽくて頭を撫でる。

 

「ほらほら、今日退院でしょ?」

 

「ああ、アーシア・アルジェントには礼を言わないとな。」

 

『…夫婦会話はもういいか?』

 

「ねぷっ!?」

 

だ、誰!?と思ったけど…アルビオンかぁ。

吃驚した。

あんまり声を出さないから誰だろって一瞬なっちゃった。

 

「おはよう、アルビオン。」

 

『ああ…かつて宿主を何度も殺してきた女神が、まさかヴァーリとな。世界とは、分からんものだ。』

 

「あの時は、ほら…感情なかったし…」

 

『構わんさ。弱肉強食、それが龍の世界だからな。』

 

「うーん…にしても、あんまり喋らないのに今日は話すね?」

 

『ヴァーリとお前が番になったのだ、そろそろ黙るのも疲れた。

ヴァーリに二人の会話が好きだからと言われたが…何度も何度も砂糖吐きそうな展開をされたらな。』

 

「アルビオン、黙れ…」

 

『ああ、昨日の告白はよかったぞ。』

 

「アルビオン!」

 

『ハハハ、そう怒るな。俺の苦労が分かっただろう?』

 

「ぐぬぅ…」

 

「あはは…ごめんね?迷惑だった?」

 

アルビオンは自分の謝罪にふっと笑う声を発する。

聞こえるだけで、姿は分からないから声からしか感情分からないや。

 

『戦いしかないこいつに新たな道を示した。

それだけで俺には十分だ。』

 

「なんか、親みたいだね。」

 

『俺に責任もある。宿ろうと宿らなかろうと同じだったろうが…こいつが幼い頃に発現したから見てきたのだ。

それにしても、強くなるの一点張りのお前がなぁ。』

 

「いいからそろそろ黙れ。」

 

『…これ以上はうるさくなるな。

では女神、ヴァーリ共々よろしく頼む。』

 

「うん!」

 

保護者だなぁ。

多分、ドライグとはまた別の視点を持ってるんだろうね。

冷静な姿勢だったから、頼りになりそう?

 

あ、それよりも戻らないと。

 

「えーっと、私戻るね!」

 

「待て。」

 

「え、何?」

 

ヴァーリがベッドから降りて体を伸ばしてから自分に近付いてくる。

 

ジッと見下ろされて、何かしちゃったっけと疑問。

もしかして無理矢理脱け出した事を気にしてる?

謝った方がいい?

 

ちょっと慌てそうになってると、ヴァーリが手を伸ばす。

 

手が頭に置かれる。

 

「ほぇ…」

 

「…よし。」

 

手が離れてく。

あ、もうちょっとしてほしかった。

 

じゃなくて…

 

「ごめん、今の何?」

 

「ネプニウムを供給していた。」

 

「ネプニウム!?」

 

え、何それは…それは流石に怖い。

ちょっと怯えた目で見ていると慌てたような様子。

 

「違う、そうじゃない。今のは照れ隠しのようなものでだな…」

 

「そ、そうだよね。ネプニウムなんか無いよね?」

 

「当たり前だろう。…その、癒しがほしかった。」

 

照れくさそうに、ぶっきらぼうに言うヴァーリが可愛く見えて。

あはは、と笑ってしまう。

何だか、付き合って二日目で色々と見つけられるんだね。

もしかして、ヴァーリも肩の力抜けたのかな。

 

だから、そんな姿を見せてくれるの?

 

「ヴァーリはこの後どうするの?」

 

「少しやりたいことがあるから戻る。美猴やアーサー達が心配だからな。

ああそれと…そろそろ黒猫一匹が寂しがってるから構ってやれ。」

 

「え、ああ!最近忙しくて黒歌の事英雄派の皆に任せっきりだった…」

 

そういえば、レオナルドが少しずつ話し始めたとか、なんとか。

確認と言うか、交流のために顔を見せにいこうかな?

黒歌に関しては謝るつもりで会おう…うん。

 

でも、そっか…やることあるんだ。

 

「あいつも理解しているからな。責めはしないだろうさ。」

 

「まあ、私も匿ってる一人だからね…じゃあ、その…」

 

「うん?」

 

これから言おうとすることが恥ずかしくて言いづらい。

ヴァーリも首を傾げてるし…

でも、言わない辛さはもう分かったから言おう!

 

「あー、その…ほら…で、デートはまた今度かなぁって…

 

「…」

 

「な、なーんちゃって?」

 

「ネプテューヌ、俺を殺す気か?」

 

「なんで!?」

 

「あまり可愛い発言をするなよ…俺が尊死するぞ?」

 

「可愛いって…あーうん、帰るね!」

 

もうなんか、ずっと居すぎだし恥ずかしいし色々とごちゃ混ぜになって一回抱き付いてから逃げるように部屋を退室する。

 

ヴァーリがなんか言ってたけど気にしない!

 

…そういえば、あーちゃんはどうしたのかな。

自分と同じように、動いたのかな。

 

そう思いながら、帰路についた。

ちなみに、一人で帰る時、色んなお店を見てここいいなぁとか考えてた。

 

弛んでますよ、ネプテューヌさんって言われそう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰ってきて、お母さんにどこ行ってたか聞かれて咄嗟におっちゃんに付き合ってたと言うと何でか納得された。

そんなにつるんでる?

おっちゃんには助けられてるけど、もしかして信頼があるんじゃ?

 

後、一誠が勢い良く家を飛び出していったらしい。

うーん?

 

自分の部屋の前に着いて、勢い良く扉を開ける。

 

「おはようあーちゃん、いーすん!そしてただ…い…ま…?」

 

「おかえりなさい、ネプテューヌさん。」

 

 

 

「…おかえりなさい。」

 

いーすんは普通に返してくれたけど、あーちゃんは目に見えて落ち込んでる。

というか、涙ぐんでる。

 

慌てて駆け寄る。

 

「あーちゃん、どうしたの!?」

 

「ネプテューヌさん……私、弱いですね。」

 

「何かあったんだよね?何かされたの?」

 

「…いいえ。」

 

 

 

「私が、してしまったんです。」

 

 

 

あーちゃんが振り絞るようにしてそう言うと顔を俯かせる。

 

勢い良く家を飛び出していった一誠…

 

…もしかして、一誠の事で何かあったのかな。

いーすんを見ると、静かに首を横に振るだけ。

 

「アーシアさんがへやにもどったときにはスデにこのセイシンジョウタイでしたヽ(д`ヽ)」

 

「そっか…」

 

何となく、確信がある。

 

そういうことなんだろうという確信が。

でも、聞いていいのかな。

…ううん、聞かなきゃ始まらないよね。

 

「あーちゃん、一誠に告白したの?」

 

「……はい。」

 

あーちゃんは顔を俯かせたまま同意する。

 

やっぱり。

振られた…にしては、違うよね。

 

「…話しますね。」

 

あーちゃんは、何があったのかの説明のためにもぽつりぽつりと話し出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、イッセーさんが好きだ。

カッコいいとか、そういうのじゃなくて。

真っ直ぐな性格とか、諦めないところとか。

 

ネプテューヌさんの事が大好きなこととか。

家族を大事にしているところとか。

 

そんなイッセーさんが好きです。

 

だから、思い悩む姿を見ている時は傍に居てあげたい。

相談に乗って、その闇を晴らす光になりたい。

ただ、今よりも近くに。

 

けれど、いつも貴方は何処か距離を置くんです。

日常でも、戦いでも。

少し距離を置いて、本当の心まで届かせようとしてくれない。

 

…私では、駄目でしょうか?

 

 

 

イッセーさんが退院して、帰ってきた。

お母様やお父様からは心配の声が当然ありましたが、イッセーさんは

 

「喧嘩してきた!」

 

晴れ晴れとした顔でそう言うから、二人ともそれ以上何かを聞くことはありませんでした。

ヴァーリさんとも戦いは惜しくも引き分けでした。

互いに全力を出しあって、あの結果ならどちらも納得…だと思いたいです。

 

ただ、この時の笑顔に嘘はないと信じます。

 

…治療をする時、若干ながら戸惑いがありました。

こういう大事な戦いで負った傷を大事にする人が中には居るそうです。

この戦いも、大事な戦いでした。

イッセーさん、ヴァーリさんは治療を求めないかもしれない。

 

…もしかしたら、そう思うと戸惑いました。

 

ですが、私は私の意思を信じて治療をしたのです。

 

傷を残す…そんな考えを、私は一生理解できないでしょう。

残していい傷なんて、あってはならない。

治せるなら治すべきですから。

 

…あの戦いを観戦している時、ネプテューヌさんと話しました。

先程の壁を作られているという感覚についても。

 

ネプテューヌさんはイッセーさんをヘタレと言いましたが、本当にそうなんでしょうか。

でも、私から一歩を踏み出さないといけないのも事実。

 

イッセーさんは、起きてすぐに悔しがってました。

あの時もう少し粘れたらとか鍛え方が足りなかった、とか。

私はそう思いませんでしたが、イッセーさん本人がそう思ったのならそうなんだと思います。

 

戦いに直接参加できない私には、やはり分からないことが多いのだと実感しました。

私は治療をする者です。

戦いは本分では無いし、避けられるのなら他の方に任せて治療に走るべき存在です。

その為に護衛となるラッセー君もいますし、周りの方も守ってくれます。

 

…守って、くれるのです。

 

最近は、ネプテューヌさんの顔が優れていませんでした。

ロキ様が亡くなられた影響も少なからずあると思われます。

ですが、カオスフォームを習得してからは整理がついたようで顔色も戻ってお父様とお母様も安堵していました。

 

私は、それも見ているか聞いていることしか出来ませんでした。

 

無力感というものはここまで人を変えるんだと実感したのです。

ロキ様を助けられなかったこと。

私が戦いに参加できたら無かったかもしれない傷。

私自身の弱さが悔しく思います。

勿論、日々の努力として鍛えるなどはしています。

 

私の求めた結果はありませんでしたが。

 

アザゼルさん曰く、

 

『お前さんには戦うって事自体が向いてねぇ。後方支援、それも回復一辺倒が一番合ってるよ。』

 

とのことでした。

悔しい、と思ったのは何度目だったのか。

誰よりも早く駆けつけて、治療をする。

それが出来てようやく一歩。

 

ですが、その一歩がまた遠退く。

…私は、命を取りこぼしたのです。

治療を出来るものが仕方無かったを口にしてはいけないのです。

助けられなかったこと。

それ自体を一生背負わなければならないことなのです。

 

…私は、助けたくてもその傷を埋めるだけの力が足りなかった。

 

必死になって助けた方が瀕死になって、それを救えなかった。

それが杭となって私の心を打つのです。

 

だからこそ、私は決めたんです。

 

優先順位、それを作るべきなのだと。

何かをするにしても優柔不断になりがちな私に必要なものでした。

 

日常でも、非日常でも。

その一位を優先すべきだと。

 

…私の一位はイッセーさんでした。

あの人は真っ直ぐです。

それ故に私よりも脆い方でした。

 

イッセーさんには直接支えてくれる人がいません。

そこがネプテューヌさんとの唯一の違いでしょう。

あの人は、ヴァーリさんがいます。

ですが、イッセーさんは…いないのです。

 

遠ざけてしまうから、というのもあるでしょう。

ですが、恐らくは怖いのだと思います。

裏切られるという事が。

 

人に、ではなく。

物事に裏切られる事。

かもしれない、という可能性が見えた時にはもう壁を作ってしまう。

そんな防衛本能。

 

ネプテューヌさん曰く、イッセーさんはレイナーレさんに騙されて殺されかけたそうです。

恋人になったと思えば、だったようで。

 

心の傷は物理的な治療ではどうにもなりません。

…その傷を埋めるのに、私では駄目でしょうか?

 

そう思った時には私はイッセーさんの部屋の前にいました。

ネプテューヌさんが帰ってきてなくてガッカリしていたのを思い出します。

 

ノックをして反応を待つ。

 

「アーシアか?」

 

「はい、私です。」

 

「おお、入っていいよ。」

 

許可を得て、部屋に入る。

 

イッセーさんは座って、私に笑顔を見せました。

壁を、感じます。

 

「痛みなどは大丈夫ですか?」

 

「ああ、平気だよ。アーシアのお陰だぜ!」

 

「ふふ、そうですか。」

 

私のお陰。

そう言ってくれるのは非常に嬉しい。

ですが、私が癒したいのは…また別の傷なのです。

 

「癒して、良かったんですか?」

 

「え、どうしたよ突然?」

 

「いえ…あの傷を、残したいとか…そういう考えがあったかもしれないと思うと。」

 

「いや、ないないない!痛いまま生活したくないからさ。

アーシアがいるから、俺はピンピンしてるんだぜ?」

 

「そう、ですか。」

 

私がいるから。

その嬉しい言葉にさえ、壁を感じる。

どうしてですか、イッセーさん。

 

隣に座る。

イッセーさんは少しビクッとして、距離を取ろうとするけど腕を掴んで引き止める。

 

「ど、どうしたんだよ?今日は何だか変だぜ?」

 

「イッセーさんは…私を避けてますか?」

 

「いや、そんなことは…」

 

「怖いですか?」

 

私は怖い。

イッセーさんの顔を見るのが怖くて、俯いたまま。

でも、言葉は出てきた。

 

「疲れてるのか?今日は休んだ方がいいよ。」

 

「お願いです、答えてください。」

 

「俺がアーシアを怖がる理由がないだろ。」

 

「…そうですか。」

 

「納得してくれたか。なら─「質問を変えます。」え?」

 

 

 

「─裏切られる事が怖いですか?」

 

 

 

私はその時、意を決して顔をあげてイッセーさんの顔を見た。

ジッと、その瞳から伝わる感情を見るために。

 

目は口ほどに物を言う、ということわざがあります。

 

…その通りでした。

 

その目にあったのは、恐怖でした。

 

「何、を言って。」

 

「ネプテューヌさんは、裏切りません。ご両親も。

…私は、その中には入ってないんですね。」

 

「裏切る、って…」

 

「乗り越えたばかりで申し訳ありません。

ですが、私はその傷を看過できませんでした。

…イッセーさん。」

 

イッセーさんの手を、両手で包む。

 

 

 

 

 

 

「私は裏切りません。私は貴方が大好きです。

…だから、私を貴方の傍に置いてくれませんか?」

 

 

 

 

イッセーさんは、手を振り払って、部屋を出ていってしまいました。

一人、取り残される。

駄目だった。

 

そう思った時には、涙が止まらなくなりました。

私が怖いんですね。

信用、してくれないんですね。

 

…辛くて、仕方無かった。

傷を埋めたい、そんな思いもあった。

でも、イッセーさんが好きという想いは嘘じゃない。

その傷を埋めて、一緒にいたい。

 

…ですが、返事もなく出ていってしまいました。

 

私は、追いかけられませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…私、間違ってましたか…?」

 

震える声で自分に聞いてくるあーちゃんに、どう答えたものかと考える。

積極的…とも違う。

献身的、これだ。

 

あーちゃんの献身は凄いものだ。

でも、一誠からしたらそれは怖いものだったのかもしれない。

 

傷を言い当てて、それを癒したい。

そう言われたら。

…ちょっと警戒しちゃうかも。

 

心の傷なら尚更。

 

でも返事もなく出ていったのは…どうなんだろう。

追いかけるべきと言うのは簡単だよ。

でも、それでさらに追い込んだら…

 

…うん。

 

「あーちゃんはどうしたいの?」

 

「私は、イッセーさんと…一緒にいたいです。」

 

「今でも一緒だよ?」

 

「それは…違います。

私は、もっと傍にいたいんです。家族ではなく、隣に寄り添う者として。でも…」

 

「うん。」

 

「…イッセーさんが私でなく、別の方を望むのなら私は諦めがつきます。私が望むのはイッセーさんの心の傷の回復です。

…傍にありたいのは、本心です。治療も、本心です。

…ズルいですね、私。」

 

「…大変だね、あーちゃんは。」

 

「アーシアさん…」

 

難しい考えだと思う。

二つの内、どれかが叶えばそれでもいい。

そういうのじゃない。

 

あーちゃんは…『心の治療』と『一誠と付き合うこと』が一緒になっちゃってるんだ。

ちょっとした歪みだと思う。

 

あーちゃんも気付いているからこそ、難しいんだ。

 

…一誠、これは自分じゃ無理なやつだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走って、走って。

 

何でか分からないけど、アーシアから逃げた。

何かを見るような目、言葉。

俺はそれから逃げたんだ。

 

罪悪感と自己嫌悪に陥る。

 

でも、戻る気になれなかった。

少なくとも、今戻っても同じことが起こる。

 

…いつの間にか、公園に立ってた。

 

子供はまたそんなにいない。

ベンチに座る。

 

「…俺がアーシアを怖い…か…」

 

思ってない…と言えるのか。

手を振り払ったのは、怖いからじゃないのか。

アーシアの事は信じてる。

感謝もしている。

 

でも、あの時のアーシアは…

 

心に踏み込んでくるような目をしていた。

 

…怖いのか、俺。

 

 

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

綺麗な声が聞こえた。

…はて、俺に聞いているのか。

落ち込んで地面しか見てないから分からなかった。

 

俺の前に、誰か立ってるのか靴が見えた。

 

取り敢えず、見上げることにした。

 

そこにいたのは──

 

「…えっ?」

 

「?」




一誠と誰が出会ったのか。

そして、アーシアと一誠…どうなるのか!
ン待て次回ィ
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