ネプテューヌは一人じゃない、皆が支えてくれるよ!
ホテルのソファに座って、項垂れる。
どうしてこうなるのかなって激しい自己嫌悪に陥る。
何だろう、覚悟していたんだけど…ガツンと固いもので頭を殴られた気分だった。
でも、あの子に罪はない。
あの子はただ生まれただけだから。
でも…自分は…シャルバを、許せるのかな…
あの手を取れるのかな。
手を差し伸べる事が出来るのかな。
─ネプテューヌさん…大丈夫ですか?
「ごめんね。少し…辛いかも。」
「…先輩、どうぞ。」
「ありがと、小猫ちゃん。」
缶の炭酸を貰って、開ける。
カシュッという気持ちのいい音。
喉を刺激するようなシュワシュワとした感じが今の自分には何となくありがたかった。
ちょっとだけ落ち着いて、冷静になる。
「私、あの子のお姉ちゃん…なんだよね。」
「ネプギアさんがそう言っているだけです…とは一概には言い難いです。」
─ネプテューヌさんの細胞を用いて誕生した女神…妹とはいかなくても子供の部類にはなるかもしれませんね。
二人の言葉をしっかりと聞く。
子供、かぁ…そうだよね…
どうして姉なんだろう?
シャルバっていう父親がいるんなら母親を求めるのが普通じゃないかな。
でも、ネプギアは自分という姉を求めた。
シャルバがそう教えたのかな。
「私って駄目だね。
誰かに誓っても、こうやって挫けちゃう。
主人公失格だよ…」
「…そんなこと言わないでください。
先輩は、私にとって誰よりも格好いい主人公ですよ。」
自分の言葉を小猫ちゃんが隣に座って、否定する。
どうして?
自分はこんなに情けないよ。
神様にああやって見ていて欲しいって言っても、一人の女の子を受け入れられないんだから。
「先輩は、私を救ってくれたんです。
姉様を信じきれなかった私を、どうするべきか悩んで沈んでいく姉様を…救ってくれたんですよ。」
「…救えてる?」
「はい。
誰かのために頑張れるって誰にでも出来る事じゃありません。
皆誰だって自分が一番…自分の都合です。
でも、先輩は自分の都合だとしても誰かを必死に救おうとしている。免罪符にしないで、何が起きても受け止めようとしている。」
「そんなことないよ。私は…もっと。」
もっと救えたんじゃないかって。
そんな傲慢な思いがあるんだ。
まだ、まだ救える。
そうやって、必死になって終わった後には大抵…両手から結構溢れて。
救えるものも救えない。
「傲慢でいいじゃないですか。」
「え?」
「私は、先輩よりも傲慢な人を知りません。」
そう言う小猫ちゃんは、微笑んでいた。
それって褒めてる?
「もっと助けたい、なんて傲慢な人じゃないと考えません。
でも、そんな先輩だからこそ助けられた人がいて、今があります。
溢れた命もあると思います。善悪関係なく手を差し伸べると決めた先輩には納得できない事の方が多いと思います。」
でも、と自分の手を掴む。
自分の右手を両手で包み込む。
暖かい。
「先輩は、その傲慢さで私達を助けてくれたじゃないですか。」
「…」
「先輩が溢してしまった人は、先輩にどんな言葉をかけましたか?」
「私が助けられなかった…」
『…お前は、愚かだな…だが、正しい…』
バルパーはコカビエルに刺されて、でも…自分を正しいって言ってくれた。
『ああ…悪である私が…最期に、希望を…ハ、ハ…上出来な、終わりだ…───』
ロキは、シャルバに神核を抜き取られて、助けられなかったけどその力を託してくれた。
二人とも、自分を肯定してくれた。
「…いいのかな、このままでも。」
「向き合ってばかりだと疲れるのは当然です。
先輩は…頑張りすぎですよ。頼りないかもしれませんが、私達をもっと頼ってください。じゃないと、姉様も私も心の底から喜べません。」
「でも私、ネプギアに酷いこと言っちゃった。」
「感情的になる時なんて皆ありますよ。すぐに受け止められなくても、徐々に受け止めていけばいいんです。先輩は少し…走りすぎです。」
「小猫ちゃん…」
…ありがたいな、こう言ってくれる人って。
やっぱり、自分は一人じゃ駄目だ。
挫けやすいから、起こしてくれる人がいてくれないと転んだままになっちゃう。
うん、そうだよね。
ちょっと急ぎすぎだったのかもしれない。
「…よし、取り敢えず回復したかも?」
「疑問系ですか。」
─ネプテューヌさん、無理をなさらなくても…
「無理してないよ!こうやって支えてくれる皆がいるから私の今があるから…大丈夫!」
「そうですか。では、戻りますか?」
「うん!」
ネプギアにも謝らないと。
しっかりと、向き合わないとね。
まだ話してもいない、自分の感覚だけで否定しちゃったから。
大丈夫、ねぷ子さんの夢はこんなところで終わらないって所を分からせないとね!
ダッシュで戻るよダッシュで!
部屋に戻る…と?
「たっだいま~ねぷぅ!?」
「…」
「ああ、おかえりネプテューヌ。」
「あ、お姉…ネプテューヌ、さん。」
び、吃驚した。
ああ、読者の皆は何に吃驚したか分からないよね。
ねぷ子さんがしっかり描写するよ!
部屋に戻ってきたと思えば部屋には曹操達はいるんだけど、見知らぬ人がいたんだよね。
長身の人で、黒の袴を着た…男の人かな?
それだけならよかったんだけど…
赤い天狗のお面を着けてるんだよね、うん。
っていうか、ネプギアは遠慮した呼び方してるし…うーん。
自分が悪いし…
「何だ、まだ連れがいたのか。」
「すまない…ネプテューヌ、この方はこの京都を取り仕切る妖怪。
八坂殿の遣いの者だ。」
「ジャパニーズ妖怪!?そ、そっか、日本神話の神様もいるんだしそりゃいるよね。」
「先輩、私も元は妖怪です。」
「あ、そうだった。」
小猫ちゃんも妖怪だったね。
今は悪魔だけど…
八坂って人の遣いの妖怪さんは入ってきた自分達を見定めるように見てから頷く。
「では、私は外で待っている。準備が出来次第こちらへ来てくれ。」
「分かった。」
お面の人は出ていった。
んん?内容が分からないや。
曹操に近寄って、話を聞く。
「HEY曹操!これはどういうことなんだい?」
「その感じ、戻ったな。先程、遣いから二年生組を保護したとの報せを聞いてな。それで八坂殿と共にいるそうだからそちらに行こうという話になった。」
「なるほど…もしかして、スッゴい場所?」
「京都の裏だ。」
「え、ブラジルでも行くの?」
「日本の裏側に行くんじゃない。後、日本の裏側は海だ。」
「ええ!?」
「し、知らなかった…」
「限定的な知識を知る必要はないぞネプギア。」
嘘ぉ!?
自分はブラジルの人に声が届くと信じて穴を掘って叫んだのに!
まあ、開通してないけど。
そっか~…海だったんだ~…初耳だよ。
でもよかったよ、一誠達助かったんだね。
本当によかった!
こうしている間にも~って考えてたから助かったよ。
よーし、これはもう八坂って人に会うしかないね!
その前に…
「ネプギア!」
「は、はい!」
「…ごめんね、さっきはあんな態度取って。
私も、どう反応すべきか分からなくて、そしたら思考がぐちゃぐちゃになって…」
「ぁ…」
ネプギアに謝る。
しっかりと向き合うためにも、自分から一歩進まないと。
謝るところから始めて、そこからようやく進める。
「後、ネプテューヌさんじゃなくて、お姉ちゃんでいいよ!」
「…うん…お姉ちゃん!」
嬉しそうにネプギアは自分をお姉ちゃんと呼ぶ。
おお、一誠とあーちゃんに続いてネプギアもかぁ。
シャルバはそんなネプギアを複雑そうな目で見ている。
…今は、抑えよう。
「それで、シャルバ達はどうするの?」
「悲しいことに協力しろと言われた。仕方無く付き合おう。」
「お父さんをこうした人を許せません。
倒して、謝らせます!」
「…謝る、か。ネプテューヌ、今回の犯人だが…頼光達が動いた。」
「…そっか。」
頼光と向き合う時が来た。
それだけ分かればもう十分。
頼光が動くなら他のメンバーも動いてる。
あの女の子、パンドラって子も戦うのかな。
「先に言っておくけど、英雄派だけで解決するなんて言わないでよ?」
「流石に言わないさ、もう十分巻き込んでしまってる。」
「よかった!主人公の出番を失くす何ていう大損害を好感度稼ぎしておいた私はフラグごと叩き折るなんて…私ってばフラグクラッシャーじゃない!?」
「だといいがな。そのまま嫌なフラグも叩き折ってくれ。」
ただ…ずっと思ってたことが一つだけ。
これだけは解せなかった。
あり得るのかな、といってもいい。
ネプテューヌの観点ではなく、『自分』という個の観点からの疑問だからこそ、それが当たっているのか分からない。
「日本神話の神様は京都にいるんだよね?」
「ああ、その筈だが…」
「なら…どうして、頼光達の行動を咎めないんだろう?」
「……確かに。これも下手すれば京都の安寧を乱す行為の筈だ。
それを管理者の日本神話が何故…」
「簡単なことだ。」
「お父さん、分かるんですか?」
シャルバは分かりきったように外を睨む。
「日本神話がその行動を許している。
それだけだろうさ。」
「何故だ?」
「さて、それは私にも分からん。だが…神とて感情を持つ。
奴はこの日本において最後の兵士だ。
頼光の存在は、どのように映ったのだろうな。」
「……考えても、仕方無いか。
だとすれば妖怪側も黙認する筈と思ったが…一枚岩ではないということか。」
難しいんだね、神話事情も。
もしかして、今回は自分達だけで解決すべき問題じゃないのかな…?
でも、それは…うーん。
とにかく、お面の人の所に行こう!
ネプギアとシャルバも仲間になったし、戦力アーップ!
…こんな時ヴァーリもいたらなぁって思うのは良くないんだろうね。
・
・
・
外に出る。
暑さで気が滅入りそうになるけど暑さに負けないくらい元気でいれば問題ない!
お面の人は周りの人に怪しまれてる様子もなく立っていた。
というより、皆この人を見ていない?
「準備は出来たか。」
「大丈夫!セーブしてないけど平気だよ!」
「せえぶ?西洋の言葉は難しいな…では、ついてまいれ。」
そう言ってさっさと歩きだしたお面の人についていく。
シャルバの服は何と元に戻ってた。刺し傷とかあったのに…
魔法の部類かな?
ゲオルグは暑さに顔をしかめてるけどついてくるようだった。
「大丈夫?ホテルで待機でもいいんだよ?」
「このメンツを見ろ。
脳筋ばかりだぞ、一人は気弱で動けるかも分からない。
頭脳派の俺が一緒でなくてどうする。」
「き、気弱…泣きたい気分ですぅぅ…!」
「えっと…大丈夫、ですか?」
「はいぃ…どうせ僕は引きこもりで陰キャでいる方がお似合いなんです…」
「ゲオルグのせいで落ち込んじゃったじゃん!」
「知らん、事実を述べただけだ。」
ツーンとした態度のゲオルグにまったくと思いながらネプギアに慰められてるギャー君を見る。
頑張ってるのは知ってるけど…後一歩なんだろうなぁ。
きっと大丈夫だよ。
リアスちゃんも信じてるって言ってたし!
曹操は依然として自分の隣を離れない。
何かありがたいなぁ…
歩きながら、曹操が自分を横目で見た後、視線を戻してから話し掛けてくる。
「頼光は…お前と戦うだろうな。」
「…頼光は転生悪魔だった。だから、三勢力が嫌いなのかな。」
「それだけではないのかもしれないな。
きっと、失望したんだろう。」
「失望?」
「人を人とも思わない所業。人体実験、悪魔化、危険だからといった殺害…その多くを見てきたんだろう。
事実、パンドラもその被害者だった。」
「でも、三勢力にもいい人はいるよ。」
「だから失望なんだろうさ。」
曹操は淡々と話を続ける。
何かを悟った様子でもあった。
「善を見出だしたくても、それを塗りつぶす悪がいれば…目を瞑りたくもなる。喜劇よりも悲劇が多いのが世の常だ。
お前が喜劇にねじ曲げてきたことを、頼光には出来なかった。
その無力さも後押ししてしまったんだろう。」
「…今からでも間に合うのかな。」
「……」
曹操は、何も言ってくれなかった。
肯定も否定もなかった。
自分次第…なのかな。
手を取り合える未来を取りたい。
でも、頼光は…どうなんだろう。
悩みながら歩いているとお面の人が立ち止まる。
人気のない裏路地だった。
「ここ?」
「ああ、ここが裏の京都の入り口の一つだ。」
お面の人は何もない空間に手を翳す。
すると、空間が捻れる。
目の前に、何もない筈だったのに江戸時代を感じさせる建物が見えるようになる。
…これが、入り口。
「一種の結界か?」
「この京都は表と裏…二つあって初めて安寧を保つ。
何も表に妖怪がいないわけではないがな。」
「わー凄い!この先に八坂って人がいるの?」
「うむ、では行こうか。」
皆で足を踏み入れる。
そこは、空は薄暗く、町に点る仄かな灯りによって幻想的に照らされている…そんな場所。
ここが裏京都!
凄い…!
─位相が違う…というのでしょうか?とにかく、ここなら私も、出られそうですね。
そう言って、いーすんが自分の中から出てくる。
「レーティングゲームのクウカンとにています。
しかし、このキョウトは…オモテとのイソウがずれているようですねφ(・・*)フムフム...」
「うわぁ、お姉ちゃんの中から人が…?」
「…私も初めて見るな。まさか、女神…普段は隠しているのか?」
「流石に普通の人に見せられないでしょ。」
「ネプギアさん、はじめまして。
ネプテューヌさんのサポートをタントウしています、シショのイストワールともうします(o^-^o)」
「ちなみに私はいーすんって呼んでるよ!」
「ネプギアです、よろしくお願いしますね、いーすんさん!」
「いーすん、さん?」
「あはは、いいんじゃない?」
「陽キャのような呼び方ですぅぅ!僕と真反対に位置してへぶぅ!?」
「ギャー君うるさい。」
こ、小猫ちゃん…
拳骨って、ネガティブキャンセルが雑ぅ…
いーすんは何だか困ったような嬉しいような、そんな顔で頷いていた。
ちなみに…
「私は無視か。」
「ワタシはアナタをミカタとしてみていません(*`Д')」
「嫌われたものだ。」
「お、お父さん…」
「…さて、和気藹々としているのは結構だが八坂様も暇ではない。」
「あ、ごめんね。行こっか、皆。」
お面の人にやんわりと言われて謝る。
そうだよね、偉い人だもん、忙しいよね…
よしよし、いーすんも出てきたしこのままレッツゴー!
お面の人についていくと、町を出てしまう。
あれ?町じゃないの?
黙ってついていくと、小川を越え、林を抜ける。
ちょっと疲れたかも…
そのまま歩くと、巨大な赤い鳥居と古風な屋敷が建っていた。
ま、まさかここが八坂って人の家かな!?
ここが件の人のハウスね!
「ここ?」
「しかり。私はここまでだ。」
「そっか!お面の人、ありがとね!」
お面の人は自分の頭をポンポンとしてから歩いていった。
うーん、子供扱いされてない?
自分、こう見えて18…じゃなかったね、うん…
年増になるんだね、自分…はは…
勝手に落ち込んでる自分を尻目に曹操達は鳥居を潜る。
「あー待って!私を置いていったら罰金100万円だよ!」
「寒そうな地方のライバルの真似をしてないで来い。
八坂殿も暇じゃないと言ってただろう?」
「曹操って護衛だけど厳しいよね。」
「逆だ。護衛だから厳しいんだ。」
ええ…?そんなもんかな?
自分も鳥居を潜って、屋敷の入り口の前に立つ。
誰が開けるんだろうなぁ…
…え、自分?
自分に指差すと、皆が早くしろとばかりに頷いた。
ネプギアは苦笑している。
…はーい…
「ごめんくださーい!ネプテューヌはいかがっすかーーー!!」
「違くないか、それは。」
方向がおかしい?
そんなことないよ!来たって伝えればそれは挨拶!
そう何もおかしいことはないのだ!
戸がゆっくりと開いた。
後ろの皆にドヤ顔をかましてから我先にと中に入る。
「お邪魔しまーす!」
「お、お姉ちゃん…声大きいよ…」
「ネプギア、知っておけ、これがうちのネプテューヌだ。」
皆も中に入る。
すると、今度は青い炎がぼうっと自分の目の前に現れる。
吃驚したけど青い炎はゆらゆらと揺らめいて、少ししてから案内するように移動し始めた。
「狐火…か?」
「え、じゃあ八坂って人は狐の妖怪?」
「九尾…というヤツか。」
皆で狐火?についていく。
熱いのかな?
そっと手を近付けると、狐火?は自分に当たらないように前に出る。
…うーん、この。
諦めてついていくと、大きな戸の前に辿り着く。
狐火?も消えちゃった。
ありゃりゃ…面白かったんだけど。
取り合えず、戸をゆっくりと開ける。
開くとそこには…
「ねぷ姉ちゃぁぁぁぁぁぁん!!」
「ねぷぅぅ!?」
一誠が猛ダッシュで大広間の奥から来た。
これはぶつかるパターン!?
そう思って身構える。
「ぐへぇ!?」
「…あれ?」
一誠はあとちょっとの所で首根っこを掴まれたように呻き声をあげた後にぐったりと倒れた。
あ、あれ?
「─騒がしいのぅ。」
圧を感じる声。
一誠を引き摺りながら中に入る。
そこにいたのは…
「姉の気配がどうのと言っておったが本当とは。
お主の弟はどのような嗅覚をしておるのじゃ?」
「シスコンだから…うん…」
「先輩、来てくれたんですね。」
「待っていたぞ!」
「ああよかった、ネプテューヌさん…!」
9本の尾を生やした巨乳の金髪美女が座っていた。
皆の姿もあったし、よかったぁ…!
ていうか、何かお茶出されてるし!
「八坂さん?」
「左様、妾が八坂。妖怪の頭領をしておる。」
「凄い人って事だね!」
「ふふっ、そうじゃな、そういうことじゃ。」
八坂さんは上品に笑ってから、座るように促す。
取り合えず、皆座ると、ポンッと何もないところからお茶が出てくる。
はえー…凄いや。
「いってて…あ、姉ちゃんは…ってシャルバ!?」
「…面倒になる前に外にいればよかったか。」
「てめぇ何でここにいやがる!とにかく、ぶっ飛ばして…」
「一誠さん、やめてください!」
「へ?」
ネプギアが一誠を止める…って、知り合いなの?
え、いつ知り合ったの!?ねぷ子さんそれ知らないよ!?
別のシーンで知り合ってたパターン?
一誠はネプギアを見ると、どうしてここに、といった様子だった。
「え、何でネプギアがここにいるんだ?」
「お久しぶりです、一誠さん。えっと…お父さんは今お姉ちゃんの味方なので戦うのはやめてください!」
「は?お父さん?」
ネプギアが頷く。
一誠の視線がこっちに向く。
説明してプリーズっていう目を向けられる。
八坂さんに時間を貰えるか聞くと、少し楽しそうにしながら了承してくれた。
「えっと…かくかくしかじか!」
「まるまるうまうまって事か。」
「何で伝わってるんだい?」
「私にも分からなかったぞ…?」
「え、そうですか?」
「アーシア、お前…凄いな…」
一誠は話を理解してからシャルバを睨む。
シャルバはだからなんだと言わんばかりにお茶を飲んでる。
「お前の事、まだ許してねぇからな……ネプギア、また会えて嬉しいよ。」
「はい、私も嬉しいです!」
笑い合いながらまた会えたことを喜ぶ一誠とネプギアに取り敢えずシャルバの事は触れない方向になったことを理解する。
まあ、それが一番だよね。
不自然な共闘だけど…今は友達同士が会えたことを喜ぶべきだよね。
…なんだけど。
笑顔のまま湯呑みに皹を入れるあーちゃんを見る。
「……」
「あーちゃん?」
「はい?」
「ナンデモナイデス…」
「…ふむ、取り敢えず話は終わったかの?」
「うん、待たせてごめん!」
「よいよい。」
「それで、話があるんだよね?」
ただ助けただけならこっちに来る筈。
招待したってことはそれなりの用件だよね。
心して聞かないと。
八坂さんも真面目な様子になって頷く。
「この四人を救出したこと、それを理解しておるな。
ならば話は簡単じゃ。この京には今、不届き者がおる。
天照大神は黙認しておるが…我ら妖怪勢力は別じゃ。」
「裏の京都を利用されたの?」
「うむ、裏の京都の鏡…それらを結界の起点とした。
これは立派な領域侵犯じゃ。神が許そうと妾は妖怪の頭領として許さぬ。
どのような物か理解しておらずとも皆殺気だっておる。」
自分達に向けてじゃなく、頼光達へ向けた怒気でさえこっちにもビリビリする程の圧。
…結構怒ってるね。
「本来であれば我ら京の妖怪が奴らを追い出せばいい話ではある…が、どうやらお主らと関わりがあるようじゃな?
天照大神と共にいた堕天使の総督曰く、三勢力と対立しているとのこと。」
「おっちゃんはどうしてるの?」
「天照大神の場所に今も居る。
…恐らく、お主らと戦わせる腹積もりじゃろうな。」
「天照大神か…この戦いで何かを見定めるつもりか?」
おっちゃん…多分、サーゼクスさんやミカエルさんもだよね。
頼れる筋がちょっと消えちゃったね。
でも、ある意味好都合だよ。
日本神話の神様はどっちにも味方しないスタンスってことでしょ。
こう言う状況だけど、今回の戦いはハッキリとしてるね。
なら、ここはねぷ子さん言っちゃうよ!
「どの道、あっちとはまた戦うつもりだったからいい機会だよ!
八坂さん、私達に任せてよ!」
「こっちから願いたかった位だ、八坂殿。
俺達の元仲間…三勢力の被害者が相手ならば俺たちが向き合うべき問題だ。」
「うむ、ならば戦うのはお主らに任せよう。
場所は妾達が整えようではないか。」
…何となく、分かる。
今回の戦いが自分にとってどれだけの意味を持つか。
似てるようで決定的に違う理想の頼光と自分。
…その決着になる。
負けられないね、絶対!
妖怪勢力と共に反英雄派と戦うことになったネプテューヌ達。
場所を整えると言った八坂の策とは?
そして、表の京都にて偽物の一誠達と行動するリアス達はどうするのか。
次回、『ミラーラビリンス攻略 前編』