冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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10周年おめでとねぷ!!!(挨拶)

初代ネプテューヌ発売日は昨日、私の誕生日も昨日!!
今度記念話でも作りますね。

新作発売が待ち遠しいぜ!

では、刮目せよ!





王と女王の意地/英雄よ、推して参る

やっほー!

久しぶりのねぷ子さん視点じゃない!?

二話ぶりのねぷ子さんの事、待ってた人もいるんじゃない?

やあやあ久し振り、大スターネプテューヌだよ!

 

さてさて、自分達はリアスちゃん達を救出すべく京都を手当たり次第歩いているんだけど…

 

「何処にもいないよぉ!」

 

「闇雲に探していればそうもなるだろう。」

 

「部長達が何をするのかを考えましょう。」

 

「ええっと…あれですぅ、周りを巻き込まないよう動く、とか?」

 

「リアスちゃんと朱乃ちゃんならそうする、のかな。

じゃあ、人気のない場所に行く?」

 

「といってもそれだけならしらみ潰しだが。」

 

「なら、どうするの?」

 

「…そうだな。ギャスパー、だったかな?」

 

「ウェ!?はい!?」

 

曹操が考える仕草をしつつ、チラリとギャー君を見るとビクリと反応する。

曹操は取って食う訳じゃないんだから、と言ってから

 

「グレモリーや姫島朱乃の魔力を感知できないか?」

 

「えぇ!?いやいやいやいや、無理無理無理無理!ぼ、僕はそんな器用な芸当が出来るわけ無いじゃないですか!?」

 

「器用かどうかはやってみれば分かる。」

 

「ギャー君ならやれるよ!」

 

「何でそんな根拠ないこと言うんですかぁ!僕に出来るなら先輩でも出来ますよぉ!そ、そうだ!イストワールさんに頼りましょう!?」

 

あくまでやりたくないと言うギャー君に対して、曹操は眉間に皺を作る。

うーん…いーすんかぁ。

一応、確認のために自分の中で待機してるいーすんに聞いてみる。

 

いーすん、やれる?

 

─この大勢の中から二名だけを捕捉するのは難しいです。私のサーチは一つ一つを確認して割り出す物なので…お役に立てず申し訳ありません。

 

ううん、そんなことないよ。

いーすんのお陰で私は無事なんだから!

これからもよろしくね、相棒いーすん!

 

─ふふっ、なんですかそれ?私の機嫌を取っても夏休みの課題は手伝いませんよ。

 

ガーン…そんなつもりないのに!

取り敢えず、皆に苦笑い。

 

「ごめん、いーすんも二人だけを探知するのは時間がかかり過ぎるって。」

 

「決まりだな。」

 

「…ですね。」

 

「う、うう…」

 

「ギャー君!」

 

「は、はい?」

 

うじうじと悩んじゃうのは仕方無いよね。

元々内気なギャー君にぶっつけ本番なんて難しいにも程がある。

でも、でもだよギャー君!

 

「ギャー君も、リアスちゃん達を助けたいんでしょ?」

 

「それは…はい…」

 

「すっごく大変なことをお願いしてるのは分かってるよ。

でも、ギャー君じゃないとこれは出来ないから…出来たら、リアスちゃん達をずーっと早く助けられると思うんだよね!

もうサラマンダーより早い!って位!」

 

「本当、ですか?」

 

「ねぷ子さん嘘つかないよ!だからお願いギャー君!

ここは勇気を出して見ようよ!」

 

「……」

 

「大丈夫、一人じゃないよ!」

 

「………やります!」

 

ギャー君が自分から、しっかりとやるって言ってくれた。

うん、よかった!

ギャー君だって助けたくない訳じゃないもんね。ただ、自分を出すのが怖くて、閉じ籠っちゃうだけだよ。

 

少し圧をかけられると怖がるけど、こうやって手を取る感じでいくのがやる気を引き出す秘訣だよ!

ここ、ネプポイントアドバイスね!

 

「よし、場所の割り出しとしては…ここと、ここ、そしてここだ。」

 

「まず三つのポイント…ですね。行きましょう。」

 

「大体近ければ分かるので…が、頑張りますぅ…」

 

地図に印を付けながら、移動する自分達。

取り敢えず、時間との勝負だよね。

タイムアタックでもねぷ子さんは主人公!

仲間と力を合わせれば時間短縮なんて楽々だよ!

 

待っててね、リアスちゃん、朱乃ちゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暑さが思考を鈍らせる。

長いことこうして観光をしながら背後の四人に気を付けているけど…

ここまで何かをすることはない。

偽者なのだろうけど…困ったわね。

 

(まるで監視ね、これじゃ。)

 

でも、もう少しで人気のない場所へは行ける。

 

そこで…仕掛けるしか私と朱乃に生存の道はないと見たわ。

このままずっと何もしないなんてあるわけがないもの。

 

…そうね、頼りすぎだった。

自然と、ネプテューヌ達がいるから大丈夫。

そんな他人任せの考えが私にはあった。

私よりも優秀で、私よりも強くて明るいあの子がいる…私が駄目でもあの子達がやってくれる。

 

何て浅はかで愚かしい考えだろう。

いつから私は誰かを盾に生きることを選んだのだろう。

遅かれ早かれ巻き込まれたから、なんて理由はもう通じない。

今でさえ、私は私が何をしてしまったのかを理解している。

そんな自分が嫌になる。

 

ハッピーエンドを目指すあの子がいれば平気?

そんなわけ無いじゃない。

ネプテューヌはそんな器用な子じゃない。

何処までも愚直に誰かの手を握ろうとすることしか出来ない子。

強くても、あの子は脆いのよ。

 

あの子に任せきりにしていたら、私は私でなくなってしまう。

私であることの意味を失う。

そんなのは嫌だ。私は、私だ。

 

魔王の妹なんて肩書きにふんぞり返る私じゃない。

守れる私になるために、私なりの努力を重ねてきた。

 

ファッキンホット(めっさ暑いわ)

 

「え、部長なんて?」

 

「とても暑いわ。少し休憩しましょう?」

 

「賛成です。そうですね…あそこなんでどうですか?」

 

朱乃が指を差した方…俗に言う裏路地ね。

流石にバレるかしら…?

でも、日陰で休むという意味ではおかしくはないはず。

あ、でもお店にしておいた方がよかったのかも…

 

「あーいいっすねー」

 

「僕も賛成です。」

 

「何かを急いでる訳でもないんだ、問題ないだろう。」

 

「ですね。」

 

あ、よかった。

これは通るのね。

…まるで普通の観光ね。

やっぱり事を起こさないでネプテューヌ達を待った方が……

 

考えを振り切る。

 

ここは戦わないと相手の思う壺よ。

偽者とはいえイッセー達だもの…ここで倒しておかないと後々面倒になる。

 

ただ、どう戦うかよね。

そもそも裏路地じゃ狭いし、人払いの結界を貼っても向こうは力業があるわけだし…

 

限りなく私達は動けない状態。

ここで戦ったら周りの建物、人間への被害は確実。

レーティングゲームの中なら問題はないけど、無い物ねだりね。

 

「あら、飲み物が空になってしまいましたわ。少し買ってきますわね。」

 

「ええ、分かったわ。」

 

「なら、僕も「木場君はお茶でよろしいですね?」え?ええ…」

 

「買ってきてあげますわ。暑かったでしょう?ここは先輩に任せてくださいな。」

 

「…分かりました。」

 

(───)

 

(分かったわ。)

 

朱乃が去り際に視線を寄越す。

 

…なるほどね。

なら、ここは朱乃を信じて待ちましょう。

それまで、私はこの偽者達を引き留めていればいい。

 

一人で考えすぎね…朱乃もいるのに私は一人で考えていた。

こういう事態に慣れてなさすぎるわね…

 

基本的に監視なはず。

私達が決定的な隙を見せない限り、始末はしに来ない。

私をここで始末しようものなら面倒事が起こる。

 

一般人の介入…それを気にしないのなら既に仕掛けてきてもいい筈。

この偽者が誰かが化けた物なのか、単純に中身の無いそれっぽいだかの偽者なのかは私には分からない。

けど、私が敵なら数の有利があるとしても周りの目を気にする。

証拠を消すだけの何かがあるのなら別だけど…

 

無いわね、皆基本脳筋だもの。

アーシアは違うけど…うん、他三人は無いわね。

 

「さて、少し休みながら話でもしましょうか。

イッセー、あなた最近は落ち着いたじゃない?」

 

「そうっすか?あーでも…そうかもしれないですね。」

 

「そうよ。ヴァーリとの一戦から憑き物が落ちてきた感じで、今なんて気負ってないって感じじゃない。」

 

「確かに、前はネプテューヌ先輩が絡むだけで怖かったからね。」

 

「怨霊の類かと錯覚するほど呪詛を吐いてたからな。」

 

「うっそだろお前。」

 

「ところがどっこい、夢じゃない…現実だ…!!これが現実…ッ!!」

 

このやり取り、やっぱりいつものあの子達ちなのよね。

ネプテューヌに言われなかったら騙されてたわね。

そのまま何処かで暗殺…なんてこともあったと思うとゾッとするわ。

まるでスワンプマンね。

 

そうして、十数分経っても朱乃は帰ってこない。

今のところ、会話で時間を稼いでいるけど…

 

「…姫島先輩、迷ってるんですかね。」

 

「そんなおっちょこちょいじゃないわよ、朱乃は。

イッセーもそう思うでしょ?」

 

「え?もしかしたら迷ってたりする可能性とか…はっ、ナンパ!?」

 

「あのSが発覚しなければモテるからな。私が男で何も知らなければ突撃してるかもしれない。」

 

「あっさりとあしらうと思うけどね。

それに、もし無理矢理でも悪魔よ?」

 

「…あ、そうかぁ。」

 

もっともらしいことを言って誤魔化す。

実際、朱乃はそんなおっちょこちょいじゃないからおかしくないわね。

それはどちらかと言うと私だし。

 

…自分で言ってて悲しくなるけど。

 

「お待たせしました。」

 

───チャンスは来た。

 

朱乃の声と共に、手に消滅の魔力を集中させる。

朱乃の視線から伝わったこと、それは…

 

 

 

 

 

「一人となって尚平常心を保ち、親友を信じる…人それを、絆と呼ぶ!」

 

 

「だ、誰だ!」

 

「悪党に名乗る名前はないよ!!というわけで、お待たせリアスちゃん!私達、参上!!」

 

ネプテューヌ達をここに連れてくること。

 

あるかないか、と聞かれれば無い確率の方が高い。

でも、信じるしかないじゃない?

必ず連れてくるって目だったもの。

 

それに、ネプテューヌ達なら来てくれるって信じてたわ。

 

偽者達が狼狽える。

 

「姉ちゃん!どうしてここに…!?」

 

「一誠の偽者にお姉ちゃん呼ばわりされたくはないよ!

さあ、二年生組、覚悟!曹操、合図送っちゃって!」

 

「ああ。

──八坂殿、お願いします。」

 

八坂?

誰の事かは分からないけど…曹操が札のような物にそう言うと──

 

 

 

 

 

 

─私達はいつの間にか薄暗い空の下、まるで日本の江戸時代を想起させる建物の数々。そんなおかしな空間に立っていた。

 

これは、レーティングゲームのような…?

いえ、違うわ。

恐らく、先程の八坂といわれる人物はネプテューヌ達と協力している。

その作戦の場がここってことね。

 

…ここまでお膳立てされたら、やるしかないわね!

 

偽者達を指差し、発言する。

 

「貴方達、少しおいたが過ぎたわね。よりにもよって、私達の大切な仲間に化けるなんて…お仕置きが必要ね。」

 

『……』

 

偽者達は、黙り。

先程までの慌てぶりはなんだったのか。

 

本性、というより人形らしい姿ね。

 

大方命令を実行する。

そのつもりなんでしょう?

 

距離的に近いのは私。

朱乃はネプテューヌ達の近くにいるけど、ここまで来たら皆殺しを選択して攻撃してくる筈。

それとも、一人でも多く始末するか… 

 

まあ、どちらにしても…やっと盤面が同じになった。

 

されるがままの手をこまねく状況から、手を出せる状況まで。 

結局ネプテューヌ達や朱乃のお陰なのは情けないけど…

 

でも、これで手を下せる。

 

「リアスちゃん、こっちは引き受けるよ!」

 

「ええ、なら…朱乃!やるわよ!」

 

「あら、お一人でもよろしいのでは?」

 

「何言ってるの。女王がいないと王は働かないのよ」

 

「あらあら、困った王様ですわ」

 

そう、困った王様なのよ。

司令塔としても、戦うものとしても未熟もいいところ。

こんな隙だらけの王なんて恥もいいところよ。

でも、そんな私についてきてくれるから未熟なりに頑張れる。

 

いつかお兄様すら越える王になるために。

ここで立ち止まることは出来ない。

 

集中させた消滅の魔力。

ただ玉を投げるように放つだけじゃなくってよ。

 

「!」

 

裕斗がこっちに接近してくる。

こっちは一人だから、狙うのは普通よね。

…それにしても、速さも裕斗そっくりね。

 

良くできた偽者だこと。

 

すぐに距離が縮まり、剣を振るおうとする裕斗。

私は人差し指を裕斗に向ける。

 

「それでも貴方は人形。

精密な動作は難しいのかしらね?」

 

これ以上私の家族の姿でいられるのも癪だわ。

消えなさい。

 

人差し指から放たれる消滅の魔力。 

細いレーザーのようにして放たれたそれは裕斗の胸に穴を空けた。

血は出ないのね。

 

「──」

 

裕斗の偽者は何も言わず、無表情でパリン、と鏡が割れるように消えた。

 

「まずは一人。能力は本人に準拠するのね。

ただ、禁手までは出来ない…そんなところかしら。」

 

呆気ないと思うが、それもその筈。

そもそも、消滅の魔力は威力だけじゃなく、阻む壁でさえ消し去るからこそそう呼ばれる。

 

貫通する、この一点だけなら私はこの場の誰よりも強い。

 

ネプテューヌ達は目を白黒としている。

朱乃が雷で三人を囲うように放つ。

 

「戦える状況になれば偽者程度に負けるわけないでしょう?」

 

「ええ、けれどやりにくいですわね。

偽者といえど仲間ですから…」

 

「あ、あー…私達いらなかった?」

 

「馬鹿言わないの。ネプテューヌ達がこうして来てくれなければ私達は何も出来なかった…本当に感謝しかないわ。」

 

「そうそう、ほら、やりますわよ。」

 

「はーい!」

 

ネプテューヌと小猫が構える。

ギャスパーは何やら疲れた様子だけど…どうしたのかしら?

もしかして、私達の捜索を頑張ってくれた?

 

…そうだとしたら、うんと褒めないと。

 

「まあでも、私達が負けるわけないよね!」

 

「先輩、油断はいけませんよ」

 

「油断じゃなくて、これはお決まりって奴だよ!

主人公ねぷ子さんとその仲間の皆がこんなところで負けないよ!」

 

「…なあ、護衛の俺が戦わなくていいのか?」

 

「曹操はこの後のために待機ね!」

 

「ふぅ…分かった、従うよ。まったく、うちの女神様はいつもこれだ」

 

曹操はやれやれとした様子で構えずに待機する。

まあ、相当な手練れじゃない限り不意も打てないでしょうけど…

この後?

何があるのかしら…

 

「後で教えてもらうわよ、ネプテューヌ!」

 

「うん!その前にまず、うちの弟と妹に化けた偽者をぶっ飛ばすよ!」

 

危機的であったはずなのに、これから戦うというのに。

何故かしらね。

貴方や皆と共に戦えるのが、とても嬉しいわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷の包囲網から抜け出した一誠が朱乃ちゃんに殴りかかるけど、籠手の一撃を自分の刀で受け止める。

 

…うん、受け止められる。

一誠の拳はこんなんじゃない、もっと想いの乗った拳で強いんだ。

こんな、何もない拳が自分達を倒せるわけないよ。

 

「久しぶりのパワーエーッジ、なんてね!」

 

「…」

 

雷にぶつかるように弾き飛ばす。

偽一誠は雷にぶつかって痺れる。

 

「あらあら、私の雷を素直にくらうなんて…やはりイッセー君らしくはないですわね。悪い子にはお仕置きしませんとね?」

 

朱乃ちゃんがすかさず堕天使の力を引き出し光の槍を三本放つ。

痺れて動けない偽一誠はそれをマトモにくらう。

…あの、朱乃ちゃん…

 

「頭に突き刺すのは…どうかと思うよ…」

 

「あ…すみません、ネプテューヌちゃん。気にくわなくてつい」

 

「いや、うん。いいんだけどヒエッてしちゃって」

 

偽一誠は哀れにも爆発四散することもなくパリンと割れて消えてしまった。

後はあーちゃんとゼノヴィアの偽者だけど…

 

「…!」

 

偽ゼノヴィアは自分達を飛び越えてギャー君の方へと剣を振るう。

 

「ヒエェェェェ助けてくださぁぁぁぁぁい!!」

 

そう言いながらもギャー君は目を背けない。

何とか視界に偽ゼノヴィアを収めると…

 

偽ゼノヴィアの動きが止まる。

 

「あ、あれ。…あ、神器あるんでした」

 

思わずズッコケそうになった。

あ、あれぇ?それでいいのギャー君!

ギャー君はホッとした様子で、小猫ちゃんに声をかける。

 

「あ、あの塔城さん…」

 

「果てしなく自分でやってくださいと思った私は悪いのでしょうか」

 

呆れた様子だけど仕方なしとばかりに停止する偽ゼノヴィアに念には念を入れてなのか10発位殴る小猫ちゃん。

心なしか、胸とか重点的に殴ってない?

 

あ、もしかして気にして──

 

「先輩、そこから先は物理的に首が飛ぶと思った方がよろしいですよ」

 

「アッハイ」

 

停止が解除された偽ゼノヴィアは衝撃が今襲ってきたのか物凄い挙動をしながら吹っ飛んでパリンと割れて消えた。

 

…うわぁ、あれが時止め無駄無駄ラッシュ?

怖いなぁ怖いなぁって。

くらうのは嫌だなぁ嫌だなぁって。

 

「で、残りはアーシアね」

 

「…私がやるね」

 

偽者とはいえ、妹だもん。

一誠は朱乃ちゃんが倒したけど、せめて偽あーちゃんは自分の手で。

 

「…駄目ね、それはやらせられない。不許可よ」

 

偽あーちゃんに向かおうと思った直後、リアスちゃんのそんな声と共に偽あーちゃんの胸が穿たれる。

自分に警戒していた偽あーちゃんはなす術もなく、その場で倒れてパリンと割れて消えていく。

 

偽者はこれで全部。

戦いは、とても呆気なく終わった。

偽者自体、命令通りにしか動かないし力も限度があるせいで神器の特性を活かしきれてないのもあるし、当然とも言えた。

 

リアスちゃんがこっちに歩いてくる。

 

「ありがとう、皆。消えくれなかったら私たち、何処かでひっそりと消えていたかもしれないわね」

 

「…えっと、一ついい?」

 

「偽者のアーシアのことなら理由は一つよ。

偽者とはいえあなたが大好きな妹だから自分でやろうとしたんでしょう?そんなのさせられないわ」

 

「でも…」

 

「いい、ネプテューヌ?」

 

リアスちゃんは屈んで自分の頭に手を置く。

 

「心はね、一つしかないのよ」

 

「それは、分かるけど」

 

「そして、耐えられるのにも限度があるの。

あなたは、バレないように溜め込む時があるんだもの。私が代わりにやると言っても聞かなかったでしょう?」

 

バレてる。

辛いものは辛いけど…でも、それでも自分がやった方がいいって考えてたことが。

 

リアスちゃんだってあーちゃんが仲間として大好きなのに。

 

自分の代わりに、請け負ってくれたんだ。

 

…なら、自分はその好意を受け取らないと。

 

「ありがとう、リアスちゃん。」

 

「いいのよ。私にとって、あなたは本当に大事な友達なんだから」

 

「うん!

…あ、それでね、リアスちゃん達を見付けられたのは朱乃ちゃんが来てくれたのもあるんだけどギャー君のお陰なんだよ!」

 

「あら、そうなの?」

 

「え、ぼ、僕は何も…皆さんのお陰です!」

 

「ギャスパー…ありがとう」

 

ギャー君の照れ隠しを聞いて、微笑みと共に頭を撫でる。

…うんうん、よかった。

 

曹操がこっちにやって来る。

その顔は少し不満げだった。

 

「あっさり終わったな」

 

「何か不満げだね?」

 

「当たり前だろう。仕方無しに了承したが、本来は守られる立場なのを忘れないでくれ」

 

「あはは、ごめんごめん。ねぷ子さんも活躍したいなぁって思ってたんだけど…皆強くなったよ、うん」

 

「…それで、俺を温存させたのは何故か聞いても?」

 

「うーん…特にないんだけどね」

 

「おいっ」

 

そう怒られても、活躍したかったのは本当だもん!

主人公なのに京都でそんな活躍してないんだよ!?

これじゃ今回はねぷ子微妙な章だなとか言われちゃうじゃん!

 

「…もうこの件はいい。なら、女神化しなかったのはどうしてだ?」

 

「えっと…ちょっと言いたくないな~って」

 

「頼光か」

 

「まだ言ってないのにどうして分かったの!?」

 

ため息をついて、額を小突いてくる。

少し痛い!暴力反対だよー!

 

「お前が出し惜しみする相手など、アイツしかいないだろう」

 

「…うん、頼光だけは私が倒さないといけないんだ」

 

「似ている…んだったか?何処が似ているんだ?

頼光は人外を日本から追い出し、人の世を守る。

ネプテューヌは人外含めて全てが手を繋げる世界を造ろうとしている。…似ているか?」

 

曹操が言うことは至極普通なことだよ。

自分と頼光の目的は、すごい似ている…という訳じゃない。

でもね、それでも似てるんだよ。

 

緊張が解けたのか疲れた様子の小猫ちゃんとギャー君、リアスちゃんと朱乃ちゃんを見る。

 

「私は人じゃない皆も一緒のハッピーエンドを目指してる。

頼光は人だけのハッピーエンドを目指してるんだよ。

…ただ一つを切り捨てたのか、それを守りたいと思ったのか。

それだけの違いなんだ、私たちって」

 

「…頼光とは…」

 

「うん、多分…そうなると思う」

 

どちらかが倒れるまで…ううん、しっかりとしよう。

どちらかが死んじゃうまで、自分と頼光は戦う。

手を繋ぐことを諦めたくないよ。

でも…自分は理解しちゃったんだ。

 

あの目は、自分を受け入れない。

あの手は、自分をはね除ける。

 

誰よりも強い拒絶の姿勢だった。

だからこそ、決して相容れないと思ったんだ。

 

「…本当はね、怖いんだ」

 

「…」

 

「殺し合いなんて、したくないよ。だって…死んじゃったら何もかも終わりなんだよ?死にたくないし、殺したくないよ。」

 

でも、これは自分だけにしか出来ない。

誰にもやらせない。

これから背負うだろう物は、自分が背負わないといけないものなんだ。

 

…もう勝つつもりって?

 

「…けど、皆を失うことの方が私は怖いから。」

 

だって、もう負けられない。

自分はそうならないように頑張ってきたんだ。

 

だから───

 

 

 

 

 

「皆を守るために、私は戦うよ」

 

 

 

 

 

─自分は”勝つ”

 

「…そういうところに、俺は救われたんだろうな。

なら、その道を整えるのが俺たちの仕事、か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡の世界を掌握。

 

俺の絶霧を取り込んでいるのなら、その大本である俺がそれに介入できない道理はない。

妖怪…八坂の作戦はそれだった。

鏡の世界に逃げ込めないように、またはそこを経由できないように封じる。

 

ハッキングしてから全てを掌握するのに時間がかかったが…概ね成功だ。

 

だが、これからが本番だ。

パンドラにとって目の敵になるであろう人物の特定は容易い。

どうせネプテューヌだろう。

 

依存先の頼光がアイツに夢中なんだ、矛先が向くのは当然だろうよ。

ならばそこからの行動は読みやすかった。

 

恐らく、単独での行動は危険だと判断する脳は残っている。

なので、俺がすべきなのは…

 

「パンドラ、お前を引き離して同行者をアイツら…いや、曹操に押し付けることだ」

 

目の前の少女に笑いかける。

ここにパラケルススがいれば纏めて面倒を見てやったんだがな。

奴め、こういう時の判断は間違えないか。

 

「…邪魔を、しないでください」

 

「悪いがそうはいかない。引き離すのに苦労したぞ?よりにもよって殺意全開のアイツを同行させていたんだ、転移させるのも一苦労だった」

 

パンドラは俯いたまま俺を見ようとはしない。

ただ分かるのは…こいつにあるのは焦り、怒りだ。

こいつにとって、頼光はどれだけの光なのか。

 

…いや、何にしても…

 

「ここでお前を拘束させてもらう」

 

「…邪魔を、するのなら、あなたも」

 

ようやく顔を上げる。

その顔は…何も写さない無表情。

鏡らしいし、その名前らしい表情だ。

 

…ふぅ、少々骨が折れそうだ。

 

そっちは頼むぞ、曹操。

そして、ネプテューヌ…お前には大役を任せること非常に申し訳ない。

 

だが、頼む。

 

これ以上、馬鹿が助長する前に止めてやってくれ。

 

パンドラは鏡を自身の周囲に展開する。

一度顔を顰めるパンドラに疑問を覚えるが…今はまだ気にする段階ではないか。

 

「もう、しばらくは働かないぞ…絶対に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来るか」

 

「え?」

 

殺気を感じ取った俺はネプテューヌを庇うように前に出て聖槍を構える。

そして、上から迫る一撃を受け止める。

 

槍と槍がぶつかり合い少しの拮抗の後相手はこれ以上は意味がないと察したのか距離を取る。

 

「…お前もしつこいな」

 

「あなたは…ッ!」

 

ネプテューヌ、ネプギアと来て、またネプテューヌを狙うか。

それとも…誰かに寄越されたか。

何にしても、都合がいい。

 

ある意味で、お前が一番厄介だよ。

誰よりも。

 

 

 

「チッ、やっぱテメェがいると仕留められねぇよなぁ曹操。

相変わらずヒョロい癖に面倒な野郎だ」

 

槍を手に持ち、白い鎧を身に纏う。

俺の知る中ではお前くらいだよ、カイネウス。

 

「あ、また来た!ちょっと!いい加減私を海神だか何だかの理由で狙うのやめてくれない!?ストーカー反対!」

 

「黙れ。守護女神だか何だか知らねぇが…気に食わねぇ。

だから殺す。それ以外で必要な理由があるのかよ」

 

ギリシャ(そっち)らしい回答どうもありがとう。

残念だがネプテューヌ、こいつもお前を阻むぞ」

 

「うー…ねぷ子さん狙うなら直接ポセイドンを狙えばいいのに!

さてはヘタレだね!?

好きな先輩に告白しようと思ったけど出来なくてラブレター送るくらいしか出来ない人種と見たよ!」

 

「は?」

 

「気にするな、発作みたいなものだ」

 

ここはふざける場面…関係無いか、うちの女神には。

ヴァーリめ、恨むぞ…

 

グレモリー達は…危険か。

それなりに場数を踏んでるが、カイネウスは話が別だ。

呂布もだが、こいつの戦闘経験はかなりのもの。

 

ここは…

 

「ネプテューヌ、ここは俺に任せてグレモリー達を連れて戻れ」

 

「え?そんなこと出来ないよ!皆で戦った方が…」

 

「頼むよ、お願いだ」

 

「………分かったよ」

 

本当は、俺達が解決すべきだった。

それをここまで背負わせること、本当に申し訳ない。

だから、ここは俺一人でやるべきなんだよ。

 

ネプテューヌは観念したようにグレモリー達を集める。

 

「曹操、勝ってよ!」

 

「聖槍に誓おう」

 

「じゃあ皆、行くよ!」

 

「…いいの、ネプテューヌ?」

 

「いいのいいの!ここは曹操に任せちゃえ!」

 

「あらあら…曹操さん、頑張ってください」

 

「美人からの声援とはありがたい」

 

ネプテューヌ達がその場から離れていく。

それを邪魔するように飛び出すカイネウスをこの身と聖槍を以て邪魔をする。

 

カイネウスは舌打ちをして嫌悪感を隠しもせずに再度槍を構える。

 

「邪魔するんじゃねぇよ。あの女神をぶっ殺す、ついでに他の連中もだ。呂布もトリスタンも不様に負けやがって…」

 

「残念ながら、お前もここで負ける。これ以上の勝手は許さんよ」

 

「ハッ!いい気になるなよ曹操。テメェが俺に槍勝負で勝つ気か?一度だって俺に槍で勝てたことがないテメェが!」

 

「ああ、だから…今から勝つ。それだけだ」

 

「ほざけよ。テメェも、アイツらも女神に絆されやがって。

神が人間にろくなことをしてきた試しがねぇことは重々承知してるだろうが」

 

「…まあ、ギリシャのお前からすれば馬鹿馬鹿しいだろうな。

だが、俺達は確かに救われたんだ。

あの時の自分に戻らないように、この恩を返すまで死ねない」

 

「…本気なようだな」

 

無論、その通り。

その問いに俺は無言で返そう。

ネプテューヌ、お前が考えるよりもずっと俺達は救われている。

どれだけその救いがありがたかったか。

 

そして、お前の力になれることがどれだけ嬉しいか。

 

…ああ、だからこそ。

かつての仲間を倒すべきなのは俺達だと思っていたんだ。

けれど考えを改める。

 

もう俺達は違うんだな。

本当に袂を別ってしまった。

ならば、お前が正しいんだろうさ。

 

「言葉でなく、俺自身の実力で以て示そう!

勝負といこうかカイネウス!」

 

「…トリスタンの野郎、洗脳だとかほざきやがって。

いいぜ、曹操。最後にテメェの稽古に付き合ってやる。

ただし…負ければ死だがよ!」

 

英雄よ、ここでお前を倒し、俺は前へと進ませてもらう。

この槍は女神のために。




あ、良ければネプギアちゃん主役のmk2発売日を記念した小説も投稿してあるので読んでくれると嬉しいです。
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