冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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やっほ^^

色々と、刺激されたり大学始まったせいで遅れたぜ許し亭許して


どんな悪でも、私達は屈しないよ!

「悪魔は、悪でなければならない。誰よりもね」

 

そういったリゼヴィムはとても楽しそうに、ケラケラと笑う。

俺はそれに手を握り締める。

こいつは…こいつはそんなことのために!

 

「そんな下らない思想に、ネプテューヌを付き合わせる気か!」

 

「ヒャヒャヒャ!何怒ってるわけ?偽善を振りかざすのも大概にしなよ曹操ちゃん!まあ、別に女神ちゃんじゃなきゃいけませんでしたって訳じゃないんだけどね~。

誰でもよかったのよね、これが」

 

「誰でも、だと?」

 

「その通り!」

 

ビシッ、と指をこちらに差し、嘲笑う。

 

「別に誰でも。

君たちでもいいし、赤龍帝でもその家族でもいいし?

でもほら、それじゃ俺が龍のオーラに釣られましたって感じで嫌じゃん。だから女神ちゃんを撃った。

信仰をその身で受けられない呪いをプレゼントFOR YOUしたんだよぉ!」

 

「──」

 

こいつは、生かしておいたらいけない。

その場の気分で傍にいた誰かを殺すような奴を、生かしていい訳がない。

そんなふざけた理由で仲間を、主を傷つけたこいつを許しておけない。

 

「怒った?怒ったよなぁ!最初の被害者なんてどうでもよかったんだよ、どうでもね。

まあ、今はルーマニアを頼んでるし?そっちもどうなるか見物だけど…俺はこっちを楽しませて貰おうかなぁ。

魔王も廃れたもんだよねぇ、ゲームみたく世界征服を企ててる方がこっちの気分もよかったってのに和平だのなんだの…

だから、俺が代わりに悪魔の真価を見せてやろうって話な訳ね」

 

「冥界でやってろよ」

 

「えー?それじゃつまらないじゃん。

どうせ悪名高くなるなら全世界ってね」

 

「貴様…!」

 

「ヒャヒャヒャ!そう怒るなよぉ、キレすぎだろ。

ちょっかいかけただけじゃん?俺ってば面白そうなら手を出しちゃう精神年齢お子様だから許してつかーさい!」

 

言動、態度…その全てに苛立ちながらもどうともしがたいこの状況に俺達は拳を握り締める。

このままでは…兵藤家が…!

 

その時だった。

 

「おっとぉ!」

 

黒く長い何かが俺の横を通り過ぎ、リゼヴィムにまで伸びていった。

リゼヴィムは間一髪といった様子でそれをかわす。

黒く長い…黒帯は消え、代わりに俺の背後から刺々しい魔力を感じる。

 

「随分と、暇そうではないか超越者」

 

「…おやぁ?」

 

そうして来たのはシャルバだった。

いつもの自然体でやってきたシャルバは不愉快だとばかりにリゼヴィムを睨む。

ネビロスもまた機械の体でついてくる形でやってきた。

睨まれたリゼヴィムはこれはこれはと笑いながら話し掛けてくる。

 

「シャルちゃーん元気してる?あー違った!

子守り頑張ってる~?」

 

「なるほど、貴様の入れ知恵かネビロス」

 

『やだなぁ…正当な報酬を貰った結果といって欲しいな』

 

「ふん」

 

「あっれぇネビロスちゃん。

どーしてそっちいるのよ、俺と一緒にこの世の終わりってのを楽しむ話はよ?」

 

『ごめん、僕のログにはそんな会話した覚えないかな』

 

「あらそう残念」

 

ネビロスはどうでも良さそうに返し、リゼヴィムもまたどうでも良さそうにネビロスとの会話を打ち切る。

シャルバがネビロスを買収してなかったらどうなってたことやら…

 

「にしたって君も女神ちゃんと仲良しこよしかい?

君なら俺の考えが共感できると思ってたんだけどなぁ…期待してたんだぜ?冥界の在り方を根底から覆してくれるってさぁ」

 

「期待通りの結果ではないか、何せ貴様の期待などなかったのだからな。

期待してない結果を期待したの間違いだろう」

 

「あらあらあら?何か考え読まれてて気持ち悪い感じじゃないのよ?かなーり変わったねシャルちゃん!

だから女神ちゃんの妹分作ったりしたわけ?」

 

「単に戦力として欲したに過ぎん」

 

「その割には溺愛してるねぇ」

 

「優秀な道具には信頼も愛情も湧くというもの。

貴様にはそんなものもないようだが」

 

「友達0人って言いたいわけね。

はー辛いわーおじさん心打ち砕かれて辛いわー」

 

悪同士、分かるものでもあるのかどちらかが詰まるなんて事がない会話。

しかし、どちらも互いを受け入れていない。

平然とした罵倒の投げ合いだった。

 

「何、気にくわなかった?自分の獲物取られた気分?

可哀想だけど、こういうのに漁夫の利もないんだよねぇ…結局は時間を掛けすぎたオメーが馬鹿を見たって訳なんだよぉヒャハハハ!!」

 

「余裕だな、リゼヴィム?魔弾が頼もしいか?」

 

「楽しいかな~撃ったら当たるなんて俺のためにあるようなもんじゃないの?」

 

「そうか、なら朗報だ」

 

『渡した本人が言うのもなんだけどさ…それ、実は完成品じゃないんだ』

 

「……あん?」

 

リゼヴィムのきょとんとした顔。

ネビロスは機械の顔だが声は少し申し訳なさそうにしているところから真実なのだと物語っている。

ネプギア曰く、悪い者ではないらしいが…技術者なのか、善くも悪くも。

 

『本当は必ず当たる七発の弾丸を造りたかったんだけどね、流石に無理だったからさぁ…まあ一発は出来たよ?でも魔弾とか欲しいって言われたから試作だけど性能は保証するそれをあげたわけね』

 

「悪徳商法極まりないんじゃない、それは?」

 

『いやいや、別に間違ってないだろう?悪魔は契約を違えない。

しっかりと必ず当たる魔弾(・・・・・・・)をあげたじゃないか』

 

「なら、二発目は?」

 

『さあ?君が七発全部が当たると思えば当たるかもしれない、当たらないと思えば当たらないかもしれない。もしかしたら運良く反動も何もかもが上手くいって脳天を撃ち抜くかもしれない。

けれど、僕が渡した魔弾は1つだけだ。嘘はない』

 

「ふぅん、そうかい…なら、要らないかねぇ…?後で捨てとくよ」

 

つまらなそうにそう言ったリゼヴィムはそれはそれとしてとシャルバを見る。

相も変わらず侮蔑の視線だった。

 

「君は君で俺の邪魔をしに来たんでしょ?」

 

「当然だろう。あの女神は私の戦争相手だ。

奴があの調子ではこちらの気も削がれるというもの…貴様を排除し、貴様の研究物をいただくとしようか?」

 

「怖い怖い、どーしてこう怖い発言の人が多いんだろうね~

女神ちゃんも出てこないし…ま、少しは楽しめたしね。

今日のところは帰ろっかなぁ」

 

「何だ、一手遊んでやろうとは思わんのかね?」

 

「対策してそうな面だし、やるだけ無駄って奴。

…あ、なら1つ伝言頼まれてよシャルバちゃん」

 

飽きたとばかりに帰ろうと踵を返すリゼヴィムがシャルバにそう言うものの、シャルバは無言で立つのみ。

どのみち言うんだろうとばかりに。

 

「女神ちゃんの未来が、俺を塗りつぶすか、それとも…このまま全てを俺がカンバスごとぶち壊すのか。

それを競おうじゃないのよ」

 

「…いいだろう、伝えておこう。

だが、次に見える時が貴様の終わりだ」

 

「どっちの『しゅうまつ』?終末?それとも週末?」

 

そうして、リゼヴィムは消えた。

リゼヴィムのいなくなった後、緊張状態だったせいか息が上がる。

神器も使えるようになっている…だが…くそっ!

悔しさのあまり地面を殴る。

 

他の皆も悔しげだ。

 

「くそ、俺達じゃ相手にすらならねぇってか!?」

 

「悔しいけど、神器に頼ってたのは間違いないもの…」

 

「…神器を封じる異能。恐ろしい奴だ…リゼヴィム」

 

「大丈夫かい、皆」

 

ジークがこちらへ来て、心配してくれる。

…俺も頼りすぎだったな。

そうか、だからシャルバはカイネウスを残すよう言って自らもここに留まったのか。

 

「ああ、問題はない。

…すまない、俺達が弱いせいだ」

 

「気にすることないさ。

どういう手合いか分かったんだ、それで良しとしようじゃないか」

 

「ああ…皆も無事か?」

 

「体はピンピンしてるがよ、少し鍛え直す必要があるぜこりゃ」

 

「そうね…」

 

「今の我々では守護も儘ならないとは…」

 

全員精神的ショックが大きいな。

だが…そこはアザゼルと要相談ということにしておいて…

今気にすべきはリゼヴィムの発言だ。 

ルーマニアを頼んでいると言っていた…つまり協力者がいるということか。

恐らく悪魔だとは思うが…聖杯が狙いか?

だとしたら既に事はリゼヴィムが有利と言うことになる。

 

…いや、まだだ。

リゼヴィムのあの態度、恐らくは聖杯の入手はまだな筈だ。

あの態度まで嘘ならば話は別だが…

 

くっ、後手になっているのは変わらない。

兵藤一誠達がどこまでやれるかに懸かっている。

 

「皆!」

 

ネプテューヌがヴァーリに車椅子に押される形でやってきた。

そんな姿になってまで俺達の心配をするのか…?

比較的精神的余裕があるジークがネプテューヌの前に行く。

 

「撤退してくれたから良かったけど正直攻め落とす気でいられたらまずかったかもしれない」

 

「…そっか、でも皆無事なんだよね?」

 

「ああ、皆悔しいとは思うけど、今の僕達の結果としてはこれが最上だった」

 

「うん、無事ならそれで良いよ!取りあえず、皆上がってよ」

 

結界も消えているし、何より世界を巻き込もうとする奴がわざわざ周りを気にするものか?

だとすれば本当にネプテューヌを見に来ただけなのか…

 

取りあえず家に上がらせて貰い、傷の手当てに注力することに。

ちなみに、パラケルススはネビロスに付き合わされてその場にいけなかったことを悔やんでいたようで謝り倒してきた。

パンドラに見せられない場面が増えたな…レオナルドは、見てしまった…

 

「神器を無効にする…か」

 

「恐らく、無効に出来る限界はあるとは思うが俺達がその限界にまでいけるかと言われたら…時間がないとしか言いようがない」

 

「そうだな…」

 

『…ヴァーリ、俺の事は気にするな。

お前の力は、お前の物だ。お前は誰よりも強い男になるのだろう』

 

「アルビオン…」

 

付き合いが長い故か、アルビオンの力を使えない事が懸念として顔を険しくしていたヴァーリにアルビオンが心配は要らないと伝える。

…家族のようなものか。

 

「肝心な時にアザゼルはいないんだな」

 

「仕方無いだろう。周りへの説明はあの総督に一任している」

 

『僕達が表に出たらそれはそれでねぇ』

 

…困ったな、対抗札の堕天使総督は説明で大忙しと来た。

加えて、先程の戦闘の情報も送った事だしな。

どうすべきか…

 

そう考えているとネプテューヌが手を挙げる。

 

「取り合えず、一誠達にも同じ情報を伝えよう?」

 

「そう、だな。あちらに向かわないとも限らないからな」

 

無事だと良いんだがな…

ゲオルグ経由で情報を共有しよう。

アイツもサボってないといいんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルメンヒルデさんが起きて、出発!と思ったらゲオルグさんから待つように言われて意気揚々としていただけに少し空気が悪くなる。

 

「…なるほど」

 

「何かあったんですか?」

 

携帯を見終わったのかその表情が見る見る険しくなっていった。

ゲオルグさんに話を聞いてみる。

難しい顔をして、どうしたものかと困っていたようだった。

 

「曹操から連絡が来てな」

 

「曹操さんから?」

 

「ああ。…ネプテューヌ達にリゼヴィムが接触してきた」

 

「なっ…無事なのか、皆は!」

 

あっちにいる皆の安否を焦って確かめる一誠さんにゲオルグさんは問題ないと頷く。

一旦安堵の雰囲気が流れるけどまだこれだけじゃない。

 

「魔弾の脅威は無くなった。だが、リゼヴィムの強さはそれだけではない。

奴は、神器その物を無効化する」

 

「ハァ!?インチキ効果も大概にしろ!」

 

一誠さんの言葉に神器を持つ人だけでなく他の皆まで同じ反応をする。

確かに、人が対抗するためにあるのが神器なのにそれを使えないなんて無防備どころか相手からしたら餌だよね。

 

…何にしても、お姉ちゃん達が無事でよかった。

 

「悪いが、それだけじゃない。今回のルーマニアでの一件もリゼヴィムが一枚噛んでいる可能性がある」

 

「クーデターが発生したのは…そのリゼヴィムという男のせいだと?」

 

「恐らくは、だ。真相は向かわねば分からない」

 

「…いいわ、ならさっさと行きましょう。どうせ行くしかないのでしょう」

 

エルメンヒルデさんは真実を確かめるという目的も得たからか俄然やる気になってくれた。

…うん、私達だって頑張るんだ。

足りない部分は私が補います!

 

「もしリゼヴィムが来ても女神の私なら十分対抗できます!」

 

「…そうね、弱気になっても仕方ないわ。

ネプテューヌは私達が助ける!その為にここに来たんだから」

 

「ですわね、ここでおめおめと帰れません」

 

私の言葉にリアスさんと朱乃さんが同調してくれる。

頼光さんを見ると、それでいいとばかりに微笑んでいました。

…もしかして、試されてた?

 

それを皮切りに、気圧されていた皆さんもやる気を取り戻してくれました。一誠さんに限っては尚のことどう殴るかとかぶつぶつ考えてますけどね…

 

─もしもの時はお願いします

 

はい、いーすんさん。

ストッパー…やれるかなぁ。

そうして、私達はエルメンヒルデさんの案内のもと吸血鬼の住まう町へ向かうことに。

 

パンドラちゃんが眠そうだったので渋々といった様子でゲオルグさんが背負いました。

…でも、パンドラちゃんは嬉しそうだし、懐いてるのかな。

 

頑張った、聖杯を手に入れよう!

ギャスパーさんの為にも、私達の為にも、何より…

お姉ちゃんと、また話すためにも!

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ…疲れた!」

 

ドカッ、とソファに座る。

良い素材だ、蹴ってもすぐ壊れないかな?

まあ、それはどうでもいいや。

連絡来てるしどうなってっか聞いてやるぜ。

 

「はいはーい、こちらリゼヴィムだよん!」

 

『耳元で騒がしいですよ。

…しかし、吸血鬼を煽動する意味はあったんですか?』

 

「それ聞く?」

 

片手の指で適当に遊びながら答える。

俺ってば律儀だから答えてあげちゃう優しすぎるおじさんだからね。

 

「その方が面白いじゃん?それに知ってるかい?

警戒ってのはそれだけ周りへ敏感になるけどその分弱点は露見しやすいもんだよ」

 

『…そういうものですか。

それで、どうでしたか?女神は』

 

「やーそれがさー聞いてよ!

俺ちゃん会いに行ったら熱烈歓迎されちゃってパーティ開いたんだよねぇ!会えなかったけどね」

 

『そうですか、それはよかったですね』

 

「ま、ネビロスちゃんがあっちにいるのは予想外だったけど…

でも、順調順調、極めて順調だよ」

 

『適当言ってませんか?』

 

「んな訳ないでしょぉ?こう見えて悪知恵ならかなり上だという自負はあるよ?」

 

ま、それはそれとしてと話を蹴りあげる。

ダルいけど、これも楽しみのためだよね。

無限の龍神もあそこにいるし?

そろそろ舞台に引きずり出さないとねぇ…

 

「ま、頑張ってちょーよ。期待はしないからSA!」

 

『まあ、やれるだけはやりますよ』

 

呆れた様子で通信を切られる。

連れないねぇ…俺はこんなにも誠実なのにね?

呑気にしてあげてるのにさ。

 

「女神の影響…シャルちゃん曰く、特異点。

龍のオーラとはまた違うそれかぁ…さて、何処までそれが及んでいるのかが大事だよねぇ」

 

どうしたってそれに期待しちゃうよねぇ、悪であるなら、それに相対する者の素養を気にするのは当然って奴。

ま、つまらないならその場で殺してもよかったんだけどね。

見所はあるからね~

 

これが、よく耐えるねぇ。

サマエルもドン引きの呪いの筈なんだけどねぇ。

今にも消えそうな意識を、繋ぎ止めてまで俺ちゃんの大事な孫といたいのかい?

 

相も変わらず世の中クソだな!

こんな頑張ってるいたいけな女神が傷つく世界だなんて!

 

「あー…楽しいなぁ」




あ、そういえば…ポケモンのMVよかったですよね。
僕ぁ感動しちゃいましたよ。
色々なネタが分かるからこそあれは素晴らしい。

ポケモン小説投稿したくなるだろうがよぉ!?

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