冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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ハロウィンネプギアちゃん当たったぁ!

私の勝ちだ、花京院!




一瞬の決着、そして突入!

口を開いた瞬間がテメェの最後だ。

そうして、ようやくユーグリットの口からそれは発せられた。

 

「私が出す弾丸、は──」

 

言葉に詰まるユーグリット。

どうしたというのか、何も言えないで終わるのか?

しかし、それは間違いだった。

まるで、気付きたくなかったかのように目を見開いて、奥歯を噛み締める様子。

 

 

 

 

 

「─姉は、私を愛してくれた。

愛してくれたんだ、絶対に…!

私に、私に…弟の私にッ…!」

 

 

 

渇望…か。

結局、お前は怖かったんだな、ユーグリット。

勇気がなかったんだ。

 

俺は悔しげに立つユーグリットに近づく。

 

「テメェは…馬鹿な奴だぜ。

今、言おうとした言葉よりも本心を優先したんだぜ」

 

「っ…私は、君が羨ましい。

義理とはいえ、姉がずっと近くにいる君が!

私の姉は…グレイフィア姉さんは…私よりもあの汚ならしいグレモリーを優先したんだ!!家を捨て、私を捨て、男に逃げたのだ!!」

 

「いいや、違うな。

テメェが足りなかっただけだぜ、ユーグリット」

 

「私に、足りないものだと…?」

 

「テメェは、逃げた。向かっていく意思を、姉に確認もせずにポッキリと独りで折って逃げたんだ。

どうしてだと聞けばよかった、捨てるのかと叫べばよかったんだ」

 

手を差し出すなんて事はしない。

俺がやるのはお前はどうしようもなく馬鹿な奴だと突きつけてやる事だけだ。

こいつが何をしたくてリゼヴィムの野郎に協力してるのかは察しは付く。

だがよ、それに姉ちゃんを巻き込んだ時点で許すつもりはねぇ。

 

ユーグリットは納得いかないのか俺を睨む。

 

「ならばあなたは!あなたはどうなのですか!?」

 

「ハッ、そりゃテメェ…俺が語れる姉ちゃんの事は一つしかねぇよ」

 

胸を張って答える。

俺の尊敬する人を語るのに多くは要らねぇ。

 

「姉ちゃんは、俺の憧れで大事な姉だ。それ以上語ることなんてねぇだろ」

 

いつだってそうだ。

姉ちゃんを目標に頑張ってきた。

そんでもって、その頑張りを姉ちゃんは知ってくれてる。

なら、それでいいじゃねぇか。

 

呆然とした様子で俺を見ているユーグリット。

 

「なあ、もういいか」

 

「……一つ聞かせてください。あなたは誰かの物になる女神が嫌ではないのですか?」

 

「何でさ。

ヴァーリの野郎はいけすかねぇし、好きでもねぇけど実力はあるし想いは本物だ。姉ちゃんも嫌がる様子もねぇ。…なら、俺が止めるなんてのは野暮じゃねぇか?駄々っ子じゃねぇんだからさ」

 

今更意固地になる必要もない。

ユーグリットにピシャリと言う。

魔王様にグレイフィアさんを取られたからって癇癪起こしただけだろ。なら、間違いだって諭してやらなきゃならねぇ。

…だよな、姉ちゃん。

 

「本当はテメェを殴りてぇ。だけど、そんな暇はねぇんだよ。

分かったらさっさと敗者らしくだな」

 

「…そうですね、私の心は敗けを認めてしまった。

今回は素直に解除しましょう」

 

「中の吸血鬼は…殺したのか?」

 

「いいえ、眠ってると思いますよ。

そろそろ、起きる頃合いかと」

 

「分かった。…これからどうするかは、テメェが決めろ」

 

俺はそう言ってから、皆に行こうと言うと皆が頷いて一緒に城の中へと向かう。

ユーグリットの事は今は無視だ。

今はそんなことよりも大事なもんがある。

 

走っていると俺の隣に頼光がつく。

その表情は満足げだ。

 

「お手柄というやつだな」

 

「別にあれぐらい。あんなんでいいならいくらでも言ってやるよ」

 

「…だが、拘束くらいしてもよかったんじゃないか」

 

「どうせ逃げられる。なら、好きにさせてやろうぜ」

 

「それもそうか」

 

あんなんでも実力者だ。

戦うとなったら少しは被害が出てたろうし、人質もあるから従うしかなかった。

仕方ないって奴だな。

 

にしても城内は静かだ。

吸血鬼が寝てるとはいえ、何かしら騒動があってもいい筈だけどな…

 

とにかく片っ端から探すしかねぇか!

 

「何人かで別れて探索するわよ!」

 

「それが早いか」

 

そんなこんなであっさりと組み合わせが決まった。

というか、ネプギアと木場が俺と組むけど…いいのか?

 

「まあ、ゲオルグさんに結構任せてる部分も多いし、ここら辺で僕らも頑張らないとね」

 

「はい!後、さっきの一誠さんかっこよかったですよ!」

 

「そうかなぁ…俺はまたあんな場に引きずり込まれて泣きたかったぜ」

 

『相棒が愛を叫ばなくて俺としても安心だ。

今度ばかりは死を覚悟したからな』

 

「お前死なねぇだろ」

 

『言葉の綾だ。死ぬのは精神だからな…』

 

さいですか。

もう少し労ってやろうかな?

ドライグのメンタルズタズタだとそれはそれで負けに繋がりそうだしな。

 

三人で城を探索するけど、今のところ何もなし。

何なら、部屋がいくつかあるのに生活感のある雰囲気はあれど人がいない。

 

吸血鬼一人いないなんてあり得るのか?

 

「…異常だぜ、これは!」

 

「だね。もっと数があると思っていたのに…じゃなきゃクーデターなんて起きる筈がない」

 

「もしかして、ユーグリットは何かを隠していたんでしょうか?

…あ、いーすんさんが城の周辺を調べてくれるそうです」

 

「いーすんの結果が出る前に俺たちも出来るだけ調べとくか」

 

いーすんは調べが早い時と遅い時がある。

差は分からないけど、多分今回は少し遅いかな。

何だかなぁ。

 

早くヴァレリーって子を見つけねぇといけないのに、見つからない。

このデカイ城全部を回るのだって苦労するんだぞ…けど、他の皆から連絡はまだ来ない。

つまりは見つかってないということだ。

 

一番上の階は部長と頼光に任せてるが、それでも進展は乏しいのか…

 

「隠れてるにしたって…得意すぎだろ」

 

「そうだね…」

 

…、ん?隠れてる?

 

ふと、一つの記憶が呼び覚まされる。

 

 

 

 

 

『なあなあ、ねぷ姉ちゃん。この建物、続きがあるらしいけど階段なんてないよ?』

 

それは俺がガキで、姉ちゃんが女神の自覚がなかった日常。

俺たちにとっての正常。

姉弟の空間だったいつか。

 

姉ちゃんは俺の言葉にあははと笑う。

 

『一誠、そういう時はそこで使えそうなアイテムを使うんだよ!』

 

『ええ?ここで?使えるかなぁ』

 

コントローラーを操作しながら、片っ端から使える使えないに関わらず使うコマンドを押していく。

駄目、駄目、駄目。

殆どが駄目だったのに、最後に残ったそれ。

 

『えー爆弾!?それこそないだろ!』

 

『物は試しだよ、一誠!』

 

マジかよと思いながら決定ボタンを押す。

すると…

 

爆弾が爆発して、地下への階段が見つかったのだ。

 

『ええええ!?』

 

『うんうん、主人公の勘はいつだってキレッキレだね!

いえーい、ピースピース!』

 

『すげぇやねぷ姉ちゃん!天才じゃん!』

 

『それほどでもあるかな~!私ってば大天才過ぎて世の発明家達に逆に出番を譲っちゃうくらいだから!』

 

『すげぇ!』

 

 

 

そんな思い出。

楽しくて、ワクワクした…そんな日だった。

そうか、そういうことなんだな、姉ちゃん。

 

確信が俺にはあった。

そして、それに気付くと同時にネプギアからいーすんが出てくる。

 

「みなさん、サーチかんりょうです。ヴァレリーさんのいどころは…」

 

「地下だろ?」

 

「な、なんでわかったんですか!?(゜_゜;)」

 

「…主人公の勘、かな?」

 

「ネプテューヌ先輩の受け売りって事か」

 

「そういうのは言うもんじゃねぇやい」

 

さて、となるとやることは一つだな。

全く、いなくても導いてくれるなんて最高の姉だぜ。

拳を強く握り、俺は…

 

『Boost!』

 

「よっし、皆少し離れてろよ」

 

「分かった」

 

「一誠さん、もしかして…」

 

「おう、この床ぶち抜く」

 

「キンキュウジですから、しかたありませんね」

 

「うぅ…いいのかなぁ…」

 

ネプギアと木場、いーすんを下がらせてからもう一度拳を握る。

問題なし。

さーて、ご開帳だぜぇ!

 

「気分は地上最強だぜぇぇぇ!!」

 

地面をぶん殴る。

ただそれだけで、床は崩れていく。

崩壊に巻き込まれる前に飛び退いてその様子を見守ると…

 

「あ、穴です!地下への穴が出来ました!」

 

「まあ、床くらいなら余裕だよね」

 

「まあ丁度いい威力かな、ゴミムシの相手にはさぁ」

 

「イッセー君、何をするつもりだい?」

 

「いやいや、ちょっと突撃をね!」

 

飛び込もうとするとネプギアに後ろから掴まれる。

駄目でした、突撃失敗です。

何故突撃しようとしたか?

そりゃおめぇ、今の俺ならなんだっていける気がしたからさ。

 

「落ち着いてください!」

 

「俺はスッゴい落ち着いてる。体が軽い、こんな気持ちで向かうのは初めてだ!もう何も怖くねぇ!」

 

「駄目だイッセー君!それは死亡フラグだ!?しかも首が喰われるタイプ!」

 

「お姉ちゃんに叱られますよ!」

 

「スン…」

 

「…わかりやすいですよね、イッセーさんは( ;-`д´-)」

 

おいなんだその呆れ顔は。

姉ちゃんの説教は怖いんだぞ。

怒る時はマジなんだからな?

普段殆どを水に流す姉ちゃんがガチギレしたらどうなるか知らないから言えるんだ…

 

まあ、それからして…

 

「イッセー…はしゃがないの」

 

「はい…」

 

戻ってきた皆を代表して部長から説教された。

悲しいけど俺の独断専行が原因だからねしかたないね。

俺は止まるからよ…

 

ゼノヴィアが穴を覗き込んで、ほう、と一言。

 

「それで、この先にいると…」

 

「そうみたいですね、上から見てもいませんし、降りるしか道はないでしょう」

 

「うう…ヴァレリー…」

 

「ん、突撃、粉砕あるのみ」

 

「だよな、何かあったら?」

 

「「ぶん殴る」」

 

「いえーい!」

 

「いえーい」

 

呂布と俺は波長が合うねぇ。

一刀両断されかけた身としては複雑ではあるけど波長が合うなら問題はないな!

 

仕方ないか、と頼光がため息をついた後に刀を取り出す。

 

「これから降りる。いつでも戦えるようにはしておけ」

 

「念のため、何人かはここに残ってもらうわ」

 

「私は残りましょう」

 

トリスタンは残る宣言。

 

「頼光様、私も残ります」

 

「そうか、分かった。いざとなったときの退路は任せる」

 

「はい」

 

「…私も残ります」

 

「俺も残りたいのだが」

 

「ゲオルグ……まあいいだろう」

 

「心の底から喜びを感じたのは久しぶりだな…」

 

パンドラ、小猫ちゃん、ゲオルグの三人も残ることに。

バランスは…まあ、普通かな?

なんとかなるわな。

んじゃ、後の面子で突撃すれば問題はないと。

 

「行きましょうぜ部長!」

 

「行きましょうぜ」

 

「呂布とイッセーはどうして突撃脳になってるのかしら。

知波単学園にでも行ったの?」

 

「突撃であります!」

 

「やめようか」

 

「構わん、どうせ同じことだ」

 

「頼光…あなた、少し楽しんでるわね?」

 

「…さてと、行くぞ」

 

「図星ね」

 

頼光が追求から逃げるように飛び降りていった。

馬鹿野郎、俺が一番乗りする予定だったんだぞ!

俺も急いで飛び降りる。

皆も飛び降りるけど、とても邪な考えいいですか?

これ、上見たら見えますよ。

 

『相棒、そろそろ怒るぞ』

 

「ごめんなさい」

 

意外とドスの利いた声でそう言われては俺としても反省。

華麗な着地を決めていつでも殴れる心構えと準備はしている。

…地下室は色々な資料が貼られていて、少し近付いて内容を確認すると難しい数列や言葉が書かれていてちんぷんかんぷんだった。

 

「さて…この先か?」

 

周りは広いけど、一番奥にそれらしい扉がある。

他の扉よりも少し大きく、厳重なそれはこの地下が研究施設であることを教えてくれる。

 

皆もやってきた。

よし、俺が開けるか。

俺なら何か来ても弾けるからな。

 

「…よし、開けるですよ」

 

○IO様ぁぁ、ぶったおしておくんなましですよぉぉぉぉッ!とばかりにゆっくりと扉を開ける。

そこには…

 

「ぐ、ぬぅ…何の音だ……いや、それより…っ!?」

 

貴族…だと思うけど、珍しく白衣を着ているな。

それに、俺達を見ると敵意がすぐに見える。

だがそれ以上に分かるのは…

 

こいつはどす黒い悪だって事だぜっ!

 

「貴様ら…何者だ!」

 

「名乗るときはテメェからって作法を知らねぇのか?」

 

「ふん、侵入者に合わせるなど愚の骨頂。名乗れ!」

 

「いいじゃあねぇの。名乗ってやるよ…俺は兵藤一誠!

そして、その愉快な仲間たち!聖杯…ヴァレリーツェペシュをいただきに参上した」

 

「聖杯、だと……裏切ったか、ユーグリット…!!」

 

…つまり、こいつがクーデターの主犯!

そして…聖杯で何かをしようとしている!

いったい何を…?

 

俺の隣に、ネプギアが立つ。

 

「ヴァレリーさんを出してください!どうしても聖杯が必要なんです!」

 

「……貴様らに、渡すものか!私の聖杯、私の研究…アレを渡すわけにはいかない!」

 

「こいつ…何か取り出すぞ!!」

 

強い執念だ、何か強い執念を感じる!

エルメンヒルデとは違う、誇りよりもその何かを優先している!

しかも何かを取り出した…

 

それは、小さい杯だった。

 

「それは…!」

 

「そうだ、これが…貴様らの求める聖杯!『幽世の聖杯(セフィロト・グラール)』!!」

 

「そんな、ならヴァレリーさんは…!」

 

「奴は私の役に立ってくれた!どこまでも有効活用してやるぞ、ヴァレリー、このマリウスが!!ハハハ、アハハハハッ!!」

 

「テメェ…!」

 

この吸血鬼…マリウスだったか。

こいつはどうしようもねぇ悪だ!

更正の余地すらねぇ…更に、悪魔でもねえから法の裁きは期待できねぇ。

 

マリウスは高笑いしながら聖杯を掲げる。

すると、聖杯が光り、マリウスを包み込む。

 

瞬間…マリウスの体が一回り…いや、どんどんでかくなっていく!

凶悪な面になっていきやがる!

聖杯…やっぱマトモなもんじゃなかったか!

 

「イイゾ、イイゾォ!この力!私の体を強化している!生命力がどんどん上がっているぞ!」

 

「こいつはマジにヤベェ奴だぜ、部長!」

 

「ええ…倒すわよ、皆!」

 

「…ヴァレリーが……」

 

皆が戦おうとしているが、一人だけ顔を俯かせてる奴がいた。

ギャー助だ。

そうだよな…恩人つってたよな。

 

ギャー助は、拳を握り締め、俺の隣にまでやってくる。

 

「マリウス……!殺す!」

 

おお…ギャー助が啖呵切ってる所初めて見たぜ…

というより、キャラ変わってないか…?

 

「くそ吸血鬼、テメェをぶち殺して、聖杯を寄越してもらう!」

 

「ギャー助?」

 

「あ?」

 

「いえなんでもないです、はい…」

 

ヒェ…何か怖いっす。

というか、さっきから闇のオーラ的なの漏れてますよギャスパー先輩…?しかも性格変わってるし。

 

ま、まあいいや…皆も驚いてるけど、戦わねぇとな!

気持ち切り替えていくぞ!

 

「仇討ちの時間だこのやろう!」

 

「虫けらが!踏み潰してくれる!」

 

「皆さん、力を合わせて、倒しましょう!」

 

「そうだな…試したいことも出来た、やる気を出すとしよう」

 

この人数なら、負ける気がしねぇぜ!

スクラップにしてやるよ蝙蝠ぃ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤龍帝との戦いに敗れた私はある物を持ち帰り、戻ってきた。

すると、それを見越したかのように連絡が入る。

 

「…もしもし?」

 

『あー、あー、えっと?聞こえてるかな?リゼヴィムさんだけどさ』

 

「ええ、聞こえてますよ」

 

『あ、そう?そりゃよかった」

 

「ッ!?」

 

後ろを振り替えるとリゼヴィム…彼がそこにいた。

いつの間に…?

いや、超越者からすれば容易いことということか。

 

相変わらず私にもその侮蔑の視線を送ってくる。

 

「それが『聖杯』?」

 

「ええ、眠らせてから取ってきましたよ」

 

「悪い子だねぇ…」

 

聖杯を渡すと、彼はそれを面白そうに観察した後に懐にしまった。

 

…それにしても、逃げた、か。

未だ耳に残るあの言葉。

私の行動が悪かったというのか。

 

「あれあれあれ?どうしちゃったのかな?」

 

「いえ…」

 

「もしかして負けた?」

 

「…まあ、はい」

 

「ヒャヒャヒャ、まあそんなとこだろうと思ったけどね?

なぁに、次があるよん!舞台なら俺ちゃんが整えて…」

 

「それなのですが」

 

「?」

 

彼の言葉を遮る。

彼はそれが不思議なのか首をかしげる。

…今からでも、遅くないだろうか。

言葉を交わす、それをすることは遅くないだろうか。

 

「今回の一件で私は身を引こうと思います」

 

「…へぇ、理由は?」

 

「心境の変化とでも言いましょうか。マシな解決策を見つけたので」

 

「そりゃよかった、家族だしねぇ…仲良しこよしはすべきってことだねぇ」

 

本当は微塵も思ってないだろうに。

私の抜けると言う発言にも特に何も思ってない様子。

 

「いいよいいよ、俺ちゃんもついてくる気がないなら帰してあげる優しい悪魔だかんね」

 

「いいのですか?」

 

「勿論!」

 

「…ありがとうございます」

 

今回のことを公言するつもりはない。

彼に世話になったのは事実だ。

私としても、裏切るような事はしたくはない。

 

だが…どのみち私が関与したのはバレる、か。

彼も分かった上で了承してくれた。

気のいい悪魔…というのは本当なのだろうか?

 

「俺ちゃんとしても、残念だなぁ…」

 

「体のいい駒がいなくなるからでしょう?」

 

「いやいや、本当に残念なんだってばよ────」

 

 

 

 

 

 

 

「─使い勝手悪くなる駒になるからさ」

 

「ッ!!」

 

彼はそうして、無表情で私の胸にそれを叩き込んだ。

 

瞬間、嘔吐感が襲い掛かる。

 

「ぐ、う、がぁ…な、にを、いれた…!?」

 

「さあね、君に言っても仕方ないじゃん?

どうせこれから人形になるんだからさぁ」

 

「リ、ゼ…ヴィ…ム…!!」

 

「そもそもさぁ、虫がよすぎないかい。今更、戻れるとでも?

ないない、無理無理!君も、俺も!」

 

 

 

 

 

「どうせ悪はぶっ殺されて惨めに消えるんだよ、ヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

 

その言葉を最後に、私はそれに蝕まれた。

悟る、私の終わりを。

理解してしまった、この悪性を。

 

…姉さん、私は……

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