冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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ども、ロザミアです。
まだこの章終わってねぇ…
でも、ここは成長のためにも頑張ります!!


お話×朝食×覚悟

目の前のドラゴン、グレートレッドが言った言葉を頭の中でもう一度再生する。

自分が、目の前のグレートレッドやオーフィスと同じ位置に行く?

むげんに、なる?

 

「ごめん、分かんないや」

 

『だろうな』

 

「強くなるってこと?」

 

『それもある。だが、強さとは力のみを指すものではない事は君も知っているだろう?』

 

「うん」

 

『…しかし、むげんになるということは等しく世界の枠組みから逸脱した化け物になるということだ』

 

「そんなこと無い!グレートレッドもオーフィスもこうやって話せるじゃん!化け物なんかじゃ無いよ!」

 

自分の否定の言葉にグレートレッドは頷く。

 

『ありがとう、君の言葉は純粋だな。

けれど、周りからすれば私とオーフィスは不気味な存在なのだ。

故に外から世界を見てきた。世界の危機でない限り私はその空気にすら触れることは無いだろう』

 

「でも、オーフィスは?」

 

『あれは私が意図的にやったことだ。

敢えて、追い出した。…何故やったか、理解できるか?』

 

「分からないけど、オーフィスの為だったんでしょ?

ずっといたのに、今さら追い出すなんておかしいもん」

 

その通りだと満足そうにふっと笑う。

グレートレッドはオーフィスに何かを伝えたかったんだね。

 

『心を育んで欲しかった。

永い時を生きるには、無感情は丁度よかったのかもしれない。

だが、我々は役目ある龍。心の無い者に判断は出来ない』

 

「でも、言えばよかったんじゃ…」

 

『私が伝えてもついぞその必要性を見いだしてはくれなかった。

オーフィスも何故追い出されたか分からないだろう。

だが、結果としてオーフィスはあそこまで心を得ることができた。一重に君や仲間達のお陰だ、感謝する…そして、多大なる迷惑を掛けたことを深く謝罪しよう』

 

グレートレッドはそう言って頭を下げてきた。

自分は慌ててグレートレッドに頭を上げさせる。

いやいやいや、そんな謝ることじゃないよ!

 

「オーフィスの為にやったことなんだから謝ることじゃない!

それに、今のオーフィスなら話せば分かってくれるよ!」

 

「ん、我理解する」

 

『む…そうか、分かってくれるかオーフィス──』

 

「ほら、オーフィスも分かって──」

 

 

 

 

 

「『オーフィス!!!?』」

 

 

 

 

 

「ぶい」

 

隣を見るとボーッとグレートレッドを見るオーフィスがいた。

しかもぶいってしてきた。

い、いつの間に…?

 

「グレートレッドの匂い、した。問い詰めに来たら、理由分かった」

 

「な、なるほど」

 

『…力ずくで追い出したこと、申し訳無い。

だが、私に心があるのにお前には感じる心が備わっていないのは…嫌だったのだ』

 

「善悪も分かる、ふんす」

 

『そのようだ。…どうだろうか、まだこの空間に戻りたいだろうか?』

 

「…うむむ」

 

オーフィスは悩み出す。

最初の目的は戻ることだもんね。

だから、その目的をどうするかだから簡単に決めるのはって事かな。

 

しばらくして、考えが纏まったオーフィスがグレートレッドをジッと見る。

 

「やっぱり、我帰りたい」

 

『静寂は寂しくないのか?』

 

「寂しいけど、また戻ってくればいい。

グレートレッドも、寂しい」

 

『オーフィス…』

 

「後、嫁入り」

 

『そうか、嫁入りか……うん?』

 

「グレートレッド、我と番になる。OK?」

 

『いや、全然OKじゃないが?』

 

…あ、何かお邪魔かな?

ねぷ子さん、少しさがってるね…

そうしようとした時、グレートレッドがキッと自分を睨んでくる。

逃げるなとばかりの眼光に蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる。

 

「グレートレッドは我を心配した」

 

『そうだな』

 

「申し訳無いとも思ってる」

 

『うむ』

 

「つまり、我を想ってくれている。これは夫婦では?」

 

『何故その考えにまで飛躍したのかを問い詰めたい』

 

「違う?」

 

『違うな。そんな自信満々に聞かれても私の態度で分かってほしい』

 

「そう…」

 

ショボンとした様子のオーフィス。

もしかして、オーフィスって色々と無鉄砲?

あ、これ違うや何も考えてないだけだ。

グレートレッドはやれやれといった様子でため息をついた後、自分をまた見つめてくる。

 

『さて…話は終わってないのだ』

 

「え、でも報せとかも聞いたよ?」

 

『ここからは私個人がする話だ。

君がオーフィスと私同様の存在になるのは…ハッキリといってどうなるか分からない以上恐ろしい』

 

「恐ろしい?」

 

『君が、ではなく君の取り巻く環境がどう変わっていくのか…それが私には恐ろしいのだ』

 

「例えば、ネプギア」

 

『真に君と近しい存在は、彼女だろう。史書はまた別の存在だ。

生まれは同じであろうと、生まれの意図が違うのだから』

 

「ネプギアが?」

 

あの優しいネプギアがそう変わるとは思えないけど…でも、二人の懸念は何となく分かる。

何かが少し変わるだけで大きく物事は変動する。

それが怖いのは自分も同じだから、分かる。

 

「ネプギアは可能性の塊、道がいくつもある」

 

『今が伸びた末に純粋そのものの女神になるか、それとも大きく歪み混沌の女神となるか。

それらを写し出すことは容易いほど彼女は透明だ』

 

「グレートレッドの能力?」

 

『如何にも。何も『夢幻』とはそう呼ばれてるだけではない。

その名に相応しい力があるものだよ。

私はその名の通り夢と幻を司る。君でいう理想とは似ているが大きく違うものだ』

 

「そうなんだ…」

 

具現化は出来るって事かな。 

難しくて分かりづらいよー!

 

『他にもいるが…君ならば導けると信じている。

申し訳無いが私は基本的にそちらに干渉はできない。

いや、しないというのが正しい』

 

「えっと、強すぎるから?」

 

『それもある。だが、私の役割にこそ理由はあるのだ』

 

「それを言えば我も関わるべきじゃなかったと思う」

 

『…そうだな、私の感情だ。今のは取り消してくれ』

 

グレートレッドなりの理由があるんだろうね。

なら、自分も特に何か言うことはないよ。

 

グレートレッドは申し訳無いと言った後にそろそろだなと名残惜しそうに言った。

 

『これ以上は君の精神に支障をきたす。

今回はここまでとしよう。その前に、最後に観ることしか出来ぬ私から贈り物をさせてくれ』

 

「贈り物?」

 

『ささやかながら、私から君へ。

どうか、君の夢が輝かしき未来へと繋がるよう─』

 

グレートレッドが指を自分へと翳すと赤い光が自分へと降り注ぐ。

暖かいそれを自分は静かに目を閉じて浴びる…

けど、何かが変わったようには感じない。

一体、どんな贈り物を…?

 

『どのような困難であれ、未来へと切り開く力…シェアのその先へと向かうための鍵のようなものを与えた。

後は、その時の君次第だ、ネプテューヌ』

 

「……むぅ、我も渡す」

 

『オーフィス、遊びではないのだ』

 

「分かってる、でもこれくらいは罰は当たらない」

 

「え、オーフィスまで?」

 

「ん、我も可能性を与えるだけ。

無限の可能性…とまではいかない。でも、最大限のお礼」

 

オーフィスも羨ましいとばかりに自分の手を握って何かを流し込んでくる。

よく分からない感覚、意識がハッキリとしていくような…そんな感覚。

 

グレートレッドはやれやれと呆れを含んだため息をついた。

 

自分はどうなっていくのか分からないまま、意識が朦朧としていく。

せ、せめてお礼は言わないと…

 

「次、会えた時は…友達、だよね?」

 

『─そうであることを、心より願っている。

またいつか、その時に』

 

「ありが…とぅ…二人、と…も…」

 

お礼を言えた自分はそのまま意識が暗転する。

倒れ込むというより、その場で寝に入るように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチリ、と目を覚ます。

いつもならこんなに鮮明に意識がすぐにハッキリとしたことはない。

けど、今日は別だった。

 

「…現実…?」

 

夢を介した現実。

そう表現する他ない事があった。

夢って基本的に覚えてないものだし…どんな会話をしたのか覚えている。

…でも、この事は言わないでおこう。

皆の為にも、あまり大きな事は避けておこう。

 

グレートレッドが今になって接触してきた事は何かの前兆のようなものを感じさせてならない。

それに、グレートレッドを頼ることは出来ないことが分かった。

多分、良くあるご助言キャラだね!

 

天井をボーッと見ること数分して、横を見るとあーちゃんとヴァーリはまだ寝てる。

うーん、早く起きちゃった?

 

「よっこいしょ」

 

ベッドから降りて、そっと部屋を出る。

動けない時に比べたら本当に動きやすい。

本状態のいーすんがフワフワと自分について来ていた。

 

「あれれ、寝てていいよ?」

 

─まだ、寝てていいのでは?

 

「私はいいよ、寝過ぎて寝れないしねー。

それに、夢を見たから寝る気失せちゃったや」

 

─夢ですか?

 

いーすんは自分が声を小さくして話しているからか、それとも単純に眠いからか自分にだけ語りかけてくる。

自分は眠気が吹き飛んだ頭で色々と考えながら話す。

 

「そうそう、色々あるんだよーねぷ子さんにも。

どうしたらプリンを何個も食べられるかなーとか」

 

─今ならやれそうですがね

 

「自分の力でやりたいじゃん?」

 

─そういうものですか

 

「そういうもの!いーすん、お腹空いた?」

 

─…そうですね、何か軽く食べたくはあります

 

「そっか~…じゃあ、ねぷ子さんが特別に何か作ってあげるよ!」

 

─え゛

 

「え、何?」

 

─いえ……作れるんですか?

 

「だいじょーぶ!レシピ通りに作れば余程の事がない限り美味しいって!」

 

─…側でアドバイスしますね

 

「いーすんが手伝ってくれるならもう完璧だね!」

 

よーし、皆の分も作っちゃうぞ~!

ねぷ子さんだって料理できるってところをしっかりと見せてあげないとね!

このクッキングビーナスなねぷ子さんのスキル、刮目せよ!!

 

 

 

 

 

「ね、ネプテューヌさん!塩と砂糖を間違えてますよ!」

 

「卵に殻が入りすぎです!」

 

「そんな入れたら駄目ですよ!?」

 

「ネプテューヌさん!?」

 

 

 

 

 

─そうして、出来上がったのが…

 

「これ、何ですか?」

 

「タマゴヤキダヨ」

 

「卵、焼き…?」

 

「ウン」

 

目の前には紫色の卵焼きと思わしき物体が皿に乗っていた。

…いや、うん。

まさか、一工夫入れるだけで紫色になるとは。

 

「凄いね、料理」

 

「あの、ネプテューヌさ「いーすん、食べるよね?」え、あの私は「食 べ る よ ね ?」……はぃ」

 

少しガクガク震えながらいーすんは、小さいフォークを使って紫色の卵焼きを取る。

それを見る表情はおぞましい何かを見るときのそれで、SAN値がガリガリ削れているような…そんな感じの心境を思わせる。

 

「…一工夫、したんですよね」

 

「いーすんも見てたじゃん!シェアを注入してみたよ!」

 

「何故、それで紫色に…パープルハートだからですか…?」

 

「まあまあ、変な匂いはしないでしょ?」

 

「その代わり美味しそうな匂いもしないですが」

 

「食べてみたら美味しいかもよ!紫キャベツと思って!さあ!」

 

「…覚悟を決めました、いきます…!」

 

いーすんは意を決した面持ちで口を開けて、それを食べた。

 

…瞬間

 

「─?──!──~~~!?」

 

「い、いーすん?」

 

「─コフッ」

 

百面相をした後、いーすんは自分を恨めしそうに見た後に血を吐いて倒れた。

 

い、い…

 

 

「いーすーーーーん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして、こんなことに…!」

 

「だから言ったのよ…ねぷちゃんはしちゃ駄目って…」

 

「何で、何でやったんだ姉ちゃん!

それはいけないことだって…分かってたことじゃねぇかよぉ!!」

 

「う、うぅ…いーすん…!」

 

「い、生きてます…」

 

自分の叫び声に皆が集まってきて、この惨状を見た結果叱るお母さんと一誠に正座する自分。

いーすんはネプギアとお父さん、あーちゃんに介抱されて復活している…んだけど。

 

ヴァーリが紫の卵焼きをじっと見ている。

 

「あの、ヴァーリ?」

 

「これ、捨てるのか?」

 

「え、うん」

 

「そうか」

 

そう言って、ヴァーリはさっきの惨状を目の当たりにしたにも関わらずそれを口にした。

戦慄ッ、あの状況を見たのに食べるなんて…作った自分でも食べる気がしないのに!

 

一誠がヴァーリの両肩を掴む。

かなり心配そうな顔だ。

 

「お、おいおい!今すぐペッしなさい!死ぬぞ!死ぬぞ!?」

 

「……美味い」

 

『本気か、ヴァーリ!?』

 

「アルビオン、俺は食に嘘はつかない」

 

「ヴァーリぃ~~!」

 

普通に美味しそうに食べるヴァーリに感極まって抱きつくとよしよしと頭を撫でられる。

周りは正気かこいつという目で見てるし、何ならお母さんは味覚障害…?とか言ってる。

ちょちょちょ、失礼すぎない!?

 

「そこまで言うなら食ってみるか~」

 

『正気か…?』

 

「まあ、美味いんだろ?」

 

「ああ、美味い」

 

「イッセーさん、やめた方が…」

 

(そうなんだよなぁ、いーすんはぶっ倒れたんだよなぁ)

 

ネプギアの一言に同意するように目が虚ろになりかけたけど首をぶんぶんと振ってからフォークを手にとって例のあれを一思いに口へと運んだ。

オーフィスですら息を呑む…

もぐもぐと食べる一誠に一同は緊張の面持ち。

 

その後、一誠はフォークをテーブルに置いてから…

 

 

「無」

 

 

その顔は虚無だった。

美味しいという反応も、まずいという反応もない虚無。

ただ瞳は虚ろで悲しいものだった。

 

「無?」

 

「味がね、無いの」

 

「そんなことある?」

 

「…これ、もしかしてなんだけどさ…ロシアンルーレットみたいになってんじゃねぇか?シェアを投入したせいで変質したんじゃ?」

 

「う、うそぉ…」

 

「…なら、俺があとは食べよう」

 

「頼む…」

 

「気にするな、俺はこの卵焼きは好きだ」

 

「はうあっ!?」

 

す、好き、好き、好き…

おおう、今旅立ちそうになった!

なんて威力なの…!?アレは間違いなく自分を駄目にする言葉だ!

 

それから、あーちゃんとネプギアが朝御飯を作って皆で食べた。

ちなみに黒歌は見計らったかのように帰ってきて食べた。

ヴァーリは今日一番は自分の卵焼きだそうです…

そして、強くなるためとヴァレリーの様子を見るためにまた施設を訪れる。

前にメールでトレーニングルームを作ったとかなんとか。

ヴァレリーちゃんの回復のためでもあるんだって。

 

リアスちゃんや朱乃ちゃんも誘ったんだけど…

 

『ごめんなさい、お兄様に呼ばれてるの』

 

『あらあら、お父様と共に行かせてもらいますわ』

 

といった風に朱乃ちゃんは承諾してくれたけどリアスちゃんには断られちゃった。

 

「よし、やって来ました!」

 

「待ってたぞ、女神達」

 

「バラキエルさん!おひさー!朱乃ちゃんおはよー!」

 

「お久し振りです!」

 

「えっと…初めまして、ネプギアです」

 

「あら、元気ですわね。おはようございます、皆」

 

「ああ、初めまして、私はバラキエル…朱乃の父だ。

それと、久しいな」

 

施設に着いた自分達を朱乃ちゃんとバラキエルさんが出迎えてくれた。

おっちゃんはいるのかな?

 

「バラキエルさんは幹部だけど、何か無いの?」

 

「無論ある。それもあって朱乃の面倒を見れなかったからな…」

 

「そっかぁ…おっちゃんは?」

 

「中にいますわ。ギャスパー君もいますわよ」

 

「お見舞いってことか…トレーニングルームに行く前に様子見に行くか?」

 

「…やめておけ。話したいことが多いだろうからな、二人の時間というのは大事だろう」

 

「それもそうか…よっし、ヴァーリやろうぜ!」

 

「ああ」

 

そうして中に入ると、研究員の人達が忙しなく動き回っている。

 

「何してるの?」

 

「マリウスから聞き出した聖杯の情報と実際のデータから色々と調べているそうだ。うまくいけばヴァレリー・ツェペシュの聖杯への負担の軽減にも繋がるだろう」

 

「そうなんだ」

 

「まあ、この研究員達の数名は別の案件だが…」

 

「どういうことっすか?」

 

「女神のシェアエネルギーについての研究だ。

進化するシェアは我々堕天使にとっても興味の対象でな」

 

「お父様…」

 

朱乃ちゃんの不安そうな声にバラキエルさんはふっと笑うと問題ないと言う。

 

「アザゼルと私とシェムハザが選んだ研究員達だ。

勝手な行動はしない。しようものなら…」

 

「しようものなら…?」

 

「首と体が別れるだろうな」

 

「ヒェッ」

 

「お父様?」

 

「むぅ、事実これはあまり外に出してはならん事なのだ朱乃」

 

「…仕方ないことなのですね」

 

機密事項が自分の力。

そう聞くと、一概にもいい訳じゃないんだって実感させられる。

そりゃ、ネプギアと自分しかシェアが使えないからそうなるのも納得するけど…辛いね。

 

その後は地下にトレーニング施設があるそうで、エレベーターに乗る。

 

かなり下に下がっているようで…少し待った。

でも、着いたときは興奮したんだよ!

だって…

 

「す、すげぇ…なんだこりゃ!?」

 

「地下は大自然だった…!」

 

「科学の力、なんですか?」

 

目の前に広がっていたのはまさに自然そのものだった。

目測でも広さは結構あるし、森はあるし岩場もある。

簡易的なトレーニングルームというには済まないものがそこにはあった。

 

いーすんは何かを確認するように草木に振れている。

 

「これは…シェア?」

 

「え?」

 

「使った覚えないよね、お姉ちゃん?」

 

「うん…」

 

「おー、流石は史書だなイストワール!」

 

「この声は…」

 

上から声がして見上げるとおっちゃんが農業をするような格好で飛んでいた。

完全におっちゃんだね?

 

「アザゼルさん、これは…」

 

「安心しな、ネプ子を検査してた時のを使っただけだ。

全部が全部シェアで作った訳じゃねーし残ってもねぇ」

 

「アザゼルはシェアの応用を実験したのだ」

 

「前に言ってた枯れた大地がどうのって奴?」

 

「おう、その通りだ!

そして、試しに何とか指向性を持たせて使ったらこれだ。

まさに創の力みてぇで興奮したね」

 

その言葉を聞いてからもう一度辺りを見渡す。

太陽とかはないけどそれを除けばある程度生物が生きられる。

そんな風にも見える。

 

これがシェアの可能性…!

 

「凄い!私、感動したよおっちゃん!!

こんなに綺麗で、すっごいのは見たことない!」

 

「そうだろそうだろ?おめぇに見せてやりてぇと思って作った甲斐があるぜ」

 

「私のため?」

 

「シェアの可能性を間近で見て、感じてほしかったのさ。

お前さんは無限の可能性を持った奴なんだってよ」

 

「おっちゃん…!」

 

「うぉぉぉん!俺は感動したぜ、おっさん!!

姉ちゃんの為にそこまでしてくれるなんてよぉぉぉ!!」

 

「お前本当にアザゼルか?」

 

「おいヴァーリそりゃどういうことだテメェ」

 

皆のやり取りを聞きつつ、何度もこの目に自然の光景を忘れまいと見る。

これが、自分の可能性。

 

「…」

 

ネプギアも何か感じるものがあるのか真剣な様子でこの光景を見ている。

そして、ぐっと手を握ってから自分の方へ顔を向ける。

 

「あの、お姉ちゃん!」

 

「なぁに?」

 

「えっと…その…」

 

「ネプギア、言っていいよ。言葉を頭で整理して、ゆっくりでいいからね」

 

「!う、うん!」

 

言おうとして戸惑う様子のネプギアに、落ち着くように言う。

多分、予想できるけど…ネプギアの口から言うことに価値があることなんだ。

ここは、聞く姿勢でいなきゃね。

 

「私、強くなるために頑張って…それで、お父さんと特訓を重ねて…」

 

「うん」

 

「でも、強くなれたのか分からないの。

お姉ちゃんに追い付きたい一心で、頑張ってるけど…分からなくて」

 

「うん」

 

「だから…私と、戦ってほしいの!お姉ちゃんにどこまでやれるか、私がどこまで強くなれたのか…理解するために!」

 

…強い子だと思う。

悩んで、悩んで悩み抜いたんだろう。

きっと、決心が着いたのは昨日だと思う。

けれど、しっかりと戦おうと明確な形にしたのは今。

すぐに出来ることじゃないし、やろうと思ってやれることじゃない。

 

妹のお願いだもん、ここはしっかりと応えないと主人公で姉じゃないよね!

 

「分かった!私と戦おうネプギア!」

 

「…うん!」

 

「よく言ったぜ、ネプギア!」

 

「女神対女神…こりゃ、今日一番のイベントだな。記録しねぇとな」

 

「いーすん、おっちゃんと一緒にいてね?」

 

「…病み上がりですので、ご無理はなさらぬように」

 

「うん」

 

皆が下がり、自分とネプギアはそれぞれの武器を手に構える。

まずは女神状態じゃない方で、確かめないとね。

 

…うん、強い(・・)

絶対に自分でも苦戦する。

そんな予感がする。

あの目は迷いのない目だ。

決めたことを貫く目。

…自分よりも、女神らしい。

 

「しっかりと来てね、ネプギア!」

 

「言われずともだよ!お姉ちゃん!」

 

しっかりと相手を見て、本当に似てるなぁと思う。

だけど、やっぱり()()しかいないとも。

 

相手へと駆けたのは、同時だった。

 




次回、『次世代の戦い 前編』
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