冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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さあ、始まりますよ邪龍戦線編。
私の大好きな悪役をバシバシ出していこうねぇ…


邪龍戦線
戦いは終わらない、加速する!


やっほぅ!絆あり可能性マシマシ主人公のネプテューヌだよ!

最近はおっちゃんの施設で皆特訓を重ねているね。

トレーニング施設はかなり整ってて皆が集まって特訓するには良い場所だ。

それにしたって…何だかよく見る組み合わせがあったりする。

 

「オッシャァ!まだまだ往くぜネプギア!!」

 

「はい!」

 

禁手を解放した一誠と女神化したネプギアが戦っている。

戦うといってもバラキエルさんやおっちゃん監修の下で指摘とか色々されてるけど。

…あれ、なんでネプ子さんには指摘来ないんだろ?

 

「余所見とは余裕だな」

 

「ねぷっ!?ちょちょちょ、槍振るわないで!?」

 

曹操から不満そうな一言と共に聖槍が振るわれ、それを避ける。

更に森の方から誰かが突っ込んでくる。

 

「ハァッ!」

 

「ふおぉぉぉ!?危ないでしょ!!」

 

「そりゃ剣だからね!」

 

ジークからの攻撃を必死に回避する。

 

えっとなんでこうなってるかと言うと…

リゼヴィムでないにしても相手が強いのは分かってるんだから現状トップクラスの自分とやりあいたいんだとか。

ヴァーリは黒歌と小猫ちゃんと戦ってるけど普通に戦えてるね。

パワータイプで小細工も揃ってるから攻めにくいよね…分かる。

 

ちなみに自分はこの後他の英雄派の皆が待ってます…はい…

 

苦労人なネプ子さんとかあんまり無いよぉ!

もうちょっと労ってくれてもいいんじゃないですかぁ!

 

「まだまだ!」

 

「ひぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネプ子の奴…真面目にやってんのかぁ?」

 

「ああ見えて特訓には真剣ですよ。

…しかし、アザゼルさんはどう思われますか?」

 

「あん?」

 

「リゼヴィムについてです」

 

ネプ子や他の連中のデータを取りつつ、手伝ってくれるイストワールと会話をする。

リゼヴィムねぇ…つっても分からない尽くしな奴だ。

どうしたもんか。

 

ネプギア曰く、シャルバが先手を打つために行動してるらしいが…サーゼクスの野郎からの連絡は未だに来ねぇことを考えるとかなり手こずってるな。

リアスの奴もそろそろこっちに寄越してくんねぇといざって時がやべぇしよぉ。

 

ったく、嫌な期間だぜ。

 

何せ仕掛けてくるのはあっちの自由だがこっちは対処しなきゃいけないのは突然なんだからな。

ふざけた話だ。

 

「俺から言える事はただ一つ。

あらゆる可能性を考慮しろってことだ」

 

「邪龍の復活を事前に阻止すべく各神話へ忠告をしたらしいですが」

 

「ああ、オーディンのジジイも手伝わせたが…結果はまあまあだろうな」

 

「…そうですか」

 

「毎度後手後手なのは仕方ないにしても今度は邪龍か…」

 

「邪龍…ドラゴンの中でも一際邪悪さ、または危険な類いのドラゴン…いざとなればオーフィスさんに頼れないでしょうか?」

 

「…お前さんはどう思う?」

 

俺の考えはこうだ。

リゼヴィムはオーフィスすら視野に入れていると。

サマエルはコキュートスにぶちこんであるから問題はねぇとは思うが…どうだろうな。ハーデスの所にも連絡は入れてるが返信はなし。

当然だがよ、俺達が好き勝手した中には冥府も入ってるんだからな。

 

ここでも足を引っ張るのは俺らか…

 

「オーフィスさんを利用するのを待っている…と?」

 

「かもしれねぇってだけだ。

無限の龍神をどうにかするなんざかなりの荒業でもなきゃ無理な話だしよ」

 

「…難しいですね、実際」

 

「ああ、だから俺達はどうしようもない時以外は奴さんの力は借りられねぇ」

 

「ですね」

 

それから、再びデータ取り及び指導に専念しようと思った時。

 

 

 

「─総督!!」

 

 

 

うちの研究員が大慌てで俺の元へと駆け込んでくる。

 

「どうした」

 

「た、大変です…!こちらのモニターが何者かにハッキングされました!」

 

「んだと!?チッ…一旦訓練は中止だ!俺は先に行くから集めて連れてこい!」

 

「了解しました!」

 

「アザゼルさん、私も皆さんを集めてから行きます」

 

「おう」

 

こんな時にハッキングだと?

仮にも技術屋の堕天使が情けねぇ話だ…それに、ネビロスの手も加わってそこらは堅い筈なんだがな!

まさかとは思うが…野郎か…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いーすんと研究員さんに大声で中止の報せを聞いてからおっちゃんの元へと向かう最中にこの施設のモニターがハッキングされたことが告げられる。

そ、それってまずいじゃん!

あーよかったエレベーターまで停止させられなくて!

 

これがバイオなハザードならエレベーター使えなかったよ!

 

急いでおっちゃんの元へと辿り着いた自分達を出迎えたのは砂嵐状態の大画面のモニターだった。

 

おっちゃんはそれを険しい目で見ている。

 

「おっちゃん!」

 

「おう、来たか。お手上げだぜ、こりゃ面倒な細工だ」

 

「ザーザー言ってますね…」

 

ネプギアも何とかしようと思ってるのか研究員さんたちを手伝ってるけどお手上げらしい。

うへぇ…これ、どうなってるんだろ。

誰がこんなことを?

 

「ん…?」

 

何かに気付いたおっちゃんがモニターを見ていると、砂嵐の状態が変わる。

 

映ってるのは椅子とそれに座る銀髪の髭を生やしたおじさん。

…ヴァーリにどことなく似ているその姿は、特定するのに時間はかからなかった。

からかうような笑みを浮かべながら足を組んで座っている。

 

隣のヴァーリを見ると、手を握り締めてリゼヴィムを凝視している。

 

 

 

『やあ、堕天使総督と部下の人。

後は…ああ、グレモリー眷属と英雄派。

お?それに女神お二方もいらっしゃる!

お初にお目にかかります、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーと申す不届き者です。ま、名乗らなくてもよかったかな?』

 

「リゼヴィム…!」

 

『やーやーお元気そうで何よりだぁ。

もしかして、治しちゃった感じかな?』

 

「お陰様で、色々と苦労したんだからね!」

 

『ウフフフフ、そう怒らない怒らない。

度し難い輩だと思って抑えて頂戴よ?

俺はご挨拶に来たんだからさぁ?』

 

「挨拶?」

 

ニタニタとした笑みを崩さないまま、片手に杯を持って話す。

その手に持っている杯…!

自分が反応する前にギャー君が反応する。

 

「それは!ヴァレリーの…!!」

 

『ああこれ?これ便利で助かってるよ。

何せこれがあれば肩凝り改善だから!それは嘘だけど、便利なのは本当よ?前は何に使ったかなぁ…思い出せないねぇ?使いすぎちゃって前の事なんてさぁ、ヒャヒャヒャ!』

 

「テメェ…!それはヴァレリーちゃんのだぞ!

命を弄ぶんじゃねぇ!!」

 

『怖いねぇ兵藤一誠君。あんまり殺気立つなよぉ、まだ準備段階なだけだろう?御披露目はまだなんだからサァ、建設的な話をしようじゃないのよ』

 

「…それで、何の挨拶だ?自己紹介ならしてもらったぜ」

 

『挨拶、そう、挨拶だ!

あーその話題の変更有り難う!そうそう挨拶ね…まあ、宣戦布告とも言うけど。

ま、これから邪龍をばら蒔いて世界を焼き尽くすから楽しくやりあおうってだけだから気にしないでよ』

 

「気にするよ!?

ちょっと待ってよ、ばら蒔くって…世界に!?」

 

今までは一区画とかだけど、リゼヴィムの言葉をそのまま受けとるなら世界中に邪龍をばら蒔くって言ってるようにしか…!

もしそうなら、大変なことになる!

 

リゼヴィムはこっちを指差して頷いてくる。

 

『そそ!世界中に邪龍をポイポイして、滅茶苦茶にして貰うのさ。楽しそうだろう?世界VS邪龍With俺!あーたまらない興奮してきたぞ!』

 

「虫酸が走るな」

 

「そんなに戦いたいなら邪龍と戦えばいいじゃない」

 

『…それじゃつまらないだろう?』

 

さっきまでのふざけてた態度が一変して狂気の据わった目をこちらへ向けてくる。

ニンマリと笑うその顔は得体の知れなさがあり、怖かった。

 

『戦争だよ、戦争をしよう。

殺したり殺されたりしよう、奪ったり奪われたりしようじゃないか。戦いの中でぐちゃぐちゃに混ざり合った本音と本音をぶつけあって汚泥を啜りながら進軍しよう。

俺達の悪を、君達の善で塗りつぶしてくれ!

俺達はその為に種を蒔き、火を放ち、燃やし尽くす!

さあ、さあ、さあ!殺しあいをしよう!楽しいぞ、きっと楽しいぞ?』

 

「狂ってるわね…」

 

イリナちゃんの言葉は皆の言葉だった。

狂ってる。

そうとしか言えない圧倒的なまでの言葉の羅列。

悪を成したいという行動がここまでするの?

 

イリナちゃんにリゼヴィムは笑いを堪えない。

 

『ヒャヒャヒャヒャヒャ!!狂ってる?まさかキリスト信者に肯定して貰えるとは思わなかった!俺の狂気はあのくそったれの神様に肯定され保証された訳だ!ならば神の気狂いは誰が証明してくれるのかねぇ?ん?まあ、問題だけ遺してくたばった神様なんざ糞の役にも立たないからどうでもいいや!

俺が狂ってるなんて分かりきった話だろう?一体どれだけ生きて虚しさを心に抱えてきたか!爆発しそうだよ俺は~ハハハハハ!』

 

「…それで、話は終わり?」

 

『勝手に切り上げないでよぉ、少し提案があるのよ。

うんうん、俺もこっちの準備だけ万端なのはどうかと思ってさぁ。戦争は唐突だけど拮抗もしない戦争は俺の本意でもないしねぇ』

 

「提案?どゆこと?」

 

リゼヴィムは未だ狂気を滲ませた表情で自分を指差す。

 

『お話しようよ女神ちゃん』

 

「─ふざけるなっ!!」

 

その提案を聞いて、誰よりも真っ先にヴァーリが怒りを爆発させた。

憎しみを隠さずにリゼヴィムを睨み付けるヴァーリにリゼヴィムはニタニタと笑う。

 

「貴様の道楽に付き合う義理はこちらにあると思っているのか!」

 

『話を途中で切るなよ青二才。

俺はお前と話してないし、目にも入れてない。

捨てられただけの玩具がネジ巻いて動くんじゃない』

 

「貴様…!」

 

『で、お話の料金として…んーそうだなぁ…二週間あげようか』

 

「それまで何もしない?」

 

「ネプテューヌ、話に乗るな」

 

「…」

 

『しないしない!絶対にしないよ。

契約だ、俺達は二週間の間…世界に攻撃は行わない』

 

「契約……なら、内容に付け足して欲しいことがあるよ」

 

「ネプテューヌ!」

 

ヴァーリにごめんねと視線で伝える。

それでも…その二週間の猶予に価値がある。

絶対にそれを逃しちゃいけないと思える価値が。

 

『持ち掛けたのは俺だし、言ってごらん?』

 

「会う場所はそっちで決めてもいい。だけどそこにはリゼヴィムと私だけ。罠とかそういうのもなしで戦う行為も駄目。いい?」

 

『何だぁそんなこと、OKOK!

なら今のうちに決めちゃおうかぁ俺と君のデートプラン!

明日…そうだなぁ……おじさん地上にめっちゃ興味があるのよねぇ。

浅草とかでどう?』

 

「うん、いいよ」

 

『はい契約成立。

悪魔諸君?契約ってのはこういうのを言うんだぜ?

譲歩もして、両方得をする内容を提示する…悪魔の仕事だから覚えないとねぇ』

 

先に脅しをかけて来たのによく言うよねこのおじいちゃん!

でも、これなら明日の時間を潰すだけで二週間の猶予を貰える。

掌の上だろうけど、それでもその二週間で全部引っくり返せばいい。

 

リゼヴィムは満足そうにして拍手をした。

 

『とまあ、俺は悪魔なんでねぇ…悪でも契約は守るから安心しなよ。何もしないと誓ってあげよう。手出しもしない、嬉しいだろ?』

 

「嬉しいね!」

 

『嫌われたもんだねぇ…まあ、明日を楽しみにしてるよネプテューヌちゃん?じゃあねー』

 

「待て、リゼヴィム!!」

 

『あー?何よヴァーリきゅん。おじいちゃんに何か用?』

 

「俺を見ろ!貴様が捨て、それでも生き延びた俺を見ろ!!

俺はここにいる!貴様と同じ血を持つ俺が、ここに!!」

 

『……ヴァーリ・ルシファーねぇ。母親の名字じゃなく、あくまでルシファーかい。

なら、先達として教えてあげようか』

 

必死なヴァーリに対してリゼヴィムは怠そうに。

けれど、何かを感じ取ったのかリゼヴィムは立ち上がってこちらへ歩いてくる。

そして、モニター一杯にリゼヴィムの狂気的な笑みが映る。

 

 

 

『悪魔を理解しな、人のまま、俺を殺したいなら悪を理解しろ。

認識して、呑み下し、吐き出さずに己の糧として。

そうしてようやくお前は俺と同じ土俵だ』

 

 

 

そう言ってから、ブツリ、と乱雑な音と共に映像は消えた。

 

静寂が辺りを包む。

 

「……機能、回復しました」

 

「ああ…ご苦労だった─」

 

 

 

 

 

 

「─ネプ子、お前は残れ。後は、出ていっていいぞ」

 

その言葉が来るのを確信していたから自分はすぐに頷いた。

他はおっちゃんの威圧を受けて仕方ないと部屋を退室した。

ヴァーリも自分を見つめた後、出ていった。

 

おっちゃんと、自分だけになる。

 

「分かってやったのか」

 

「ううん、ただ…リゼヴィムは悪であることに拘っているのと悪魔であることに執着があったから。

契約は守るって確信があるよ」

 

「…あのなぁ」

 

おっちゃんは苛立ちを隠さずに自分の胸ぐらを掴んで持ち上げる。

苦しいけど、息が出来ない程じゃない。

 

「分かってんのか、ネプ子。

悪魔は契約を守る。けどな、テメェがその契約を反故にしねぇとは限らねぇだろ。

リゼヴィムの狂気に耐えられんのか、あの言葉に。

テメェが反故にしたらリゼヴィムは嬉々として周りを巻き込んで暴れるぞ」

 

「分かっ、てるよ」

 

「分かってねぇ。テメェは自分を簡単に賭けすぎだ。

もっとテメェの価値を知れ!世界平和だとかの前にテメェが死んだら何にもならねぇのが分かってねぇ!!」

 

「じゃああのまま、邪龍をばら蒔かせてた方がよかったって?

冗談言わないでよ」

 

最悪な展開を無しにするってあっちから言ってくるなら乗るしかない。

そもそも、その土台をあっちが用意した以上それ以上のない自分達は上がるしかないんだ。

おっちゃんの腕をはね除けて着地する。

 

「見知らぬ誰かが死ぬのだって私は嫌だ。

邪龍が蔓延って、解決策はあるの?無いからあの提案を呑んだんだよ。

それに、自分を賭けすぎって言うけどね。私は必要な時以外賭けてないよ。

とにかく、明日はリゼヴィムと話し合うだけだから気にしないでいいよ。…じゃ、また」

 

「おい待てネプ子!!」

 

おっちゃんの制止も聞かず、部屋から出る。

少し歩いてから、壁に寄りかかって座る。

 

激しい自己険悪に襲われる。

またやっちゃった…突っ走ってはね除けた。

おっちゃんの言葉は何も間違ってない。

でも…ああするしか無かった。

世界中なんて守りきれる自信がない、犠牲あっての勝利なんて…そんなの私は望んでないから。

 

「何やってんだろ…また馬鹿した」

 

「ネプテューヌさん」

 

「…いーすん」

 

顔をあげると、いーすんが自分の正面で浮いていた。

心配そうな顔だった。

 

「…また突っ走っちゃって…」

 

「起きたことを悩んでも仕方ありません。

アザゼルさんの事は私に任せてください。

ネプテューヌさんは、明日のために休むべきかと」

 

「…怒らないんだ?」

 

「怒ってますよ」

 

「じゃあ、怒鳴らないの?」

 

「それは終わってからのお説教にします。

それに、私もあれ以外の選択肢はないと思ってましたから」

 

「…そっか」

 

それでも自分を餌にするような事はしないで欲しい。

そう言ってからいーすんはおっちゃんと話をするために部屋へと入っていった。

 

…自分も帰るかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気分は上々といったところ。

 

生き返れ生き返れ、下らない世界へようこそと嘲笑うために俺が蘇らせてやる。

汚泥を啜り、肉を食み、胃袋を満たすために生をくれてやる。

杯を掲げ、光が魂と体を構築する。

暗闇が光を飲み込み光が暗闇を飲み込む。

見るだけで分かる力、飽くなき欲望だ。

 

「貴様は何がしたい」

 

望み?

 

「それは目的だろう?

俺は目的もなく、過程と理念だけがあるんだよ」

 

「目的だけがない、憐れだな」

 

「憐れ?憐れ!?それを決めるのは君じゃなくて俺だ。

誰にも決めさせない、誰にも俺を否定させないし忘れさせない。

誰のものにもならないし誰の為にもならない!

俺は俺で、俺が俺でなくなることは決してないんだよ!」

 

「その為に悪を成すか、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。

悪であることを示すために?」

 

龍が問い掛けてくる。

人の形をした龍だ。

人間のような化け物が、同じく人間のような化け物である俺に問い掛けてくる。

良い問いだ、悪い問いだ。

 

杯を手で遊ばせながら椅子に座る。

 

「世界が俺達を忘れようとしている。

そんなことは許さない、悪であれと望まれた悪魔が変わることも許さない。ただ見放され、排斥された悪が、求めてるんだよ。

戦争だ、戦争を求めている!そして見つけたいんだよ、圧倒的なまでの善を!俺を打ち倒してあまりある栄光を手にする善を!

だからこそ俺は今に嫌気が差して立ち上がった。

何かがある筈だ、善が浮き彫りになる瞬間が!俺が生きてるってことは俺の悪が肯定されていることに他ならない!!」

 

椅子から立ち上がり、仰々しく動く。

踊るように、指揮をするように。

 

「俺が悪を重ねるだけじゃただの戦争主義者だ、それじゃつまらない。それはただのお遊戯会でしかないじゃないか。

俺は善が見たいんだよ、現れないなら見つけるしかないだろう?」

 

「狂っているな」

 

「結構!狂っているなら狂おうじゃないか!どうせ生は一度きり!俺は全チップを賭けているんだ、どう動くかは分からないのなら道化のように踊り、怪人のように唄い、人間のように遊ぼう!」

 

「何をする?」

 

「何もかも。俺は何もかもしようじゃないか。

俺の戦争だ、誰が死のうが知ったことか。」

 

「ならばなぜ話し合いなどする?」

 

「デートと戦争は別だ。

悪とは己に素直でなけりゃねぇ…下らないプライドに左右されるか弱い君達と一緒にしてくれるなよ」

 

「ほう、俺よりも貴様は強いと?」

 

「強いだけが世界じゃない。人の世を歩いた癖に分からない傲慢さ、嫌いじゃないよ。

口で負けてりゃその時点で君達の負けだろう?敗者は黙ってくれよ」

 

拳を握る音。

殴るならそれだけの邪龍。

堪えるならそれまでの邪龍だ。

 

…堪えるかぁ、ならそれまでだ。

 

ま、利用してあげるよ、邪龍も何もかも。

明日のデートは楽しくなる、早寝早起きを心掛けるかなぁ…

 

「これは序曲に過ぎない、俺達の世界の金切り声を聞くための舞台作りに過ぎない。

だがイカれ人同士なら面白い実のある話だろうねぇ。

楽しみだな、楽しいぞ!ウフフフフ…どうなるかなぁ」

 

君と俺だけの口戦争だ、どう楽しむ?

さあ、序章を始めよう。

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